楽しい科学 ダーウィンの進化論ー楽しい学習・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 チャールズ・ダーウィンという人物を〈難しい本を書いたとっつきにくい人物だ〉と考える人は多いかもしれません。こういう肖像画が残されている上に、著書は分厚くて気軽に読める感じがしないこともあるでしょう。

wikipediaに感謝を込めて参照

「種の起源」を読むまでは私もそう感じていた一人です。

 学生の頃手にしたその本は、装丁は重々しく権威立っていたものの「これが正しいのである」という上段に構えたところは一切なく、「皆さん、信じられないかもしれませんけど、こうとしか考えられないんです。たとえば人間に飼育栽培された植物や動物たちをみていくとこんなにたくさんの変種が出て来ますよね・・・」という様に具体例をいくつも出しながら語りかけてくれます。

 その具体例も身近なものからいくつも出してくれています、たとえばこうです。

 私は、家禽であるアヒルと野生のカモを比較すると、全骨格の重量に対する翼の骨の重量比はアヒルのほうが小さく、脚の骨の重量比はカモのほうが小さいという事実を見つけた。

 このような変化は、原種にあたるカモに比べるとアヒルはほとんど翼を使わない一方で、歩く量が増えたためであると考えてまず間違いないだろうと思われる。

 

 習慣的にウシやヤギの乳を搾っている地方では、乳を搾らない地方に比べて家畜の乳房が遺伝的に大きく発達している。これも、使用頻度が形態に影響を及ぼす例である。

 

 家畜には必ず、耳が垂れている品種がいるものだ。耳が垂れているのは、耳の筋肉を使わなくなったためであり、それは危険を察知するために耳をそばだてる必要がなくなったからだという説があるが、それは理にかなっている様に思える。

ダーウィン. 種の起源(上)
(Japanese Edition) . Kindle 版.

 生物は神様が作ったと信じて疑わない人たちにとって、生命はゆっくりと進化していくものであり、人間も元は別な動物たちとにた種だったという様なことは衝撃的なことだったでしょう。

 こんな突拍子もないことを「これが正しいのである」と語っても信じてくれるわけがありません。

 だから「皆さん、信じられないとは思うんですけど、私の研究してきた結果からいうと、こうとしか思えないんです」という様に、謙って、丁寧に丁寧におりかさねる様に、その事実を提唱していったのです。

 絵本「生命の樹」を読んでから、ダーウィンさんが人間味あふれる愛すべき人物に思えてきました。

 その後わたしは敬愛を込めて〈ダーウィンさん〉と呼ぶようになりました。

 自分に誠実で、周りの人たちに優しく丁寧な人物だったに違いません。

 ダーウィンさんは、医者になる勉強をしていたのに、授業中、手術中の患者の苦しみをみて、逃げる様に外に飛び出し、その後、大学をやめてしまいました。

 そういうところも、私にはとても人間味あふれる人物に思えてなりません。

 はじめに書いた様に『種の起源』の日本語訳は丁寧だとはいえ、やはり堅さがあります。

 とてもとても時間があったら、写真やイラストをたくさん加えて小学生から読める様なものにして出したいという気持ちがあります。

 著作権は切れているので、英文は無料で読むことができます。

 

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たのしい国語 〈菅原道真〉さんが気になって/社会と国語を融合された授業の展開

 先週、たの研の近くのリバーサイドパークの梅が満開を迎えていたので写真を撮りにでかけました。虫たちを探しながらのとても気持ち良い時間になりました。

 華やかさは桜が上かもしれません、でも梅もとてもキレイな花です。

 梅の花をみると〈菅原道真〉のことを思い出してしまいます。

 平安時代、学者でありながら天皇に次ぐ右大臣の位置に上り詰めた人物です。〈学問の神様〉といわれたり〈天神様〉と呼ばれたりしています。

 和歌に詳しいわけではないのですけど、梅の花を詠んだ和歌で最も有名なものが菅原道真の句だと思います。

東風吹かばにほひおこせよ梅の花

 あるじなしとて春な忘れそ

 和歌にも堪能な道真は、本来〈漢学者〉ですぐれた漢詩も数々残しています。
11歳の時にすでに漢詩を作ったというのですから、すごいものです。今でいうと五年生くらいです。これがその漢詩です。

月夜見梅花」(月の夜に梅花を見る)
月耀如晴雪(月の耀くは晴れたる雪の如し)
梅花似照星(梅花は照れる星に似たり)
可憐金鏡轉(憐れぶべし 金鏡の轉じて)
庭上玉房馨(庭上に玉房の馨れることを)

 政治的にナンバー2の位置に上りつめながら、道真の晩年は悲しいものでした。

 天皇をないがしろにしているとして、突然、太宰府に左遷され、子ども達も流刑に処されています。

 とはいえ本人は太宰府でそれなりの暮らしをしていただろうと思っていたら左にあらず。あばら家で床が落ち、雨が漏れて衣服を濡らし、大切な書物を損じた。垣根も崩れたまま、自身も胃を病み、病気にも悩まされている、という状況だったとのこと。2年後には命を終えてしまいました。

 ライバルたちにあらぬ罪をでっちあげられて悲惨な最後を遂げたという説が有力のようですけど、いずれにしても、天皇に才能を認められ重用され最高位までのぼりつめた道真は本来的に学者であり優等生であったのでしょう、生馬の目を抜く政治の世界を渡っていくことはできなかったという流れでみることができると思います。

 先にあげた和歌「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」は、罪を咎められ京都から左遷される時、庭の梅に

春風が吹いたら、匂いを、この地(京都)から、左遷させられる太宰府までとどけておくれよ。主人(私)がいないからといって春が来たのを忘れないでくれよ

と詠んだ歌です。

 遣唐使を廃止したのも道真です。
 平安時代の歴史では天皇がどうしたとか藤原氏が栄華を誇ったとかいう話が多くて、国語では〈源氏物語〉とか〈古今和歌集〉、〈伊勢物語〉などが主になるのだけど、菅原道真の人生を通して社会と国語を融合された生き生きとイメージできる教育プログラムができないかなぁ…

 さらに調べてみようと思います。

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国語ぎらい@たのしい国語

 小学校の頃からの感覚なのですけど、かなりたくさんの文章を書いている今でも国語の表記にはなじめないところがあります。
 〈中〉という漢字は〈ちゅう〉と読みます。〈中学校〉は〈ちゅう学校〉、〈勉強中〉は〈勉強ちゅう〉という様に〈ち〉と表記します。
 しかし「世界中」というときには〈世界じゅう〉と表記しなくてはいけないのだと教えられた時のやりきれない様な気持ちは忘れられません。

 同じ「地」という漢字を使っていても
 大地は〈大ち〉
 地震は〈じ震〉

 まだまだあります。

 もちろん〈理屈〉がくっついているのはわかります。しかし、それで ✕ をつけられる子ども達のことを思うと心が痛くなります。

 〈右〉と〈左〉の漢字をノートに書いた時、どうみても右と左にしか見えないのに、「これは間違いです」と言われたことがありました。
 右という字はヨコ線をはじめに書くから、ヨコ線が長くなって、左という字は斜め線が先だから、ヨコ線は短い。わたしの書く右と左は同じ長さだから違うというのです、というのです。まいりました。

 以前〈書き順〉というのは絶対ではない、という記事を書いた時に、いろいろな方たちからメールをいただきましたが、書き順にかぎらず、そうやって〈腑に落ちない気持ち〉や〈いやな感じ〉を抱いて、国語を嫌いになっていく子ども達は何人もいると思います。

 とてももったいないことです。

 わたしは小説もエッセイも好きです。
 古典も嫌いではありません。徒然草や枕草子は今でも書棚に置いています。

 国語を通して、いろいろな世界が広がります。
 感動の多くも言葉を通して伝わってきます(全てではありません)。
 理解のカギであったり、深めるための必需であったりe.t.c.
 国語は、とても大切な文化です。
 ということは、国語には〈たのしさ〉があふれているはずです。

 子ども達に国語嫌いにするのではなく、国語に親しんで、好きにさせて欲しい、そう思います。

 子どもたちとたのしんだ国語の授業を思い出して、たのしい教育Cafeで授業したことがありました。
 先生たちも大盛り上がりでした。

 「ん回し」といって、こうやって「ん」がつく言葉を探すのです。

 みなさん何か上に当てはまる言葉を思いつきますか?
 ◯にはひらがなやカタカナ、のばすことばなどが入ります。

 たとえば上の◯3つバージョンなら
・「とんちんかん」 
・「てんしんはん」
・「しんかんせん」
他にもいろいろあります。

これをつづけていって、これではどうでしょう。

あるんですよ。

 みなさんで考えてみてください。

 言葉をたのしみながら、言葉を増やしていくことにもなりますし、単純に「こんなに〈ん〉が続く言葉があるんだ」ということにびっくりしたり・・・

右と左の棒の長さでダメ出しするより、こちらの方が大事だと思っているのですけど、どうでしょうか。

ちなみに、まだ学校教育では「せかいぢゅう」を✕にしている様ですけど、文化庁の説明では「それもOKです」という様に説明しています。

⬇クリックでジャンブします

 ですから、「せかいぢゅう」と書いた子どもに✕をつけるのではなく、「これも✕ではないけれど、こう覚えていてほしいんだよ」という様なあたたかいサポートがあった方がよいと思っています。

 いずれにしても〈国語〉もたのしむのが勝ちです。
 たのしい教育研究所では〈たのしい国語〉の研究もすすんでいます。興味のある方はご相談ください。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか

 

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まど・みちお の魅力と才能@たのしい国語

 自宅の階段から降りる時にたまたま〈まど・みちお〉の本が目について久しぶりに開いてみました。

 数え切れないほど読んで来た〈まど〉さんの作品ですけど、何度読んでも新鮮な感動を覚えます。

 いくつか紹介しましょう。

 タイトルを予想してみませんか。

自分が 書きちがえたのでもないが いそいそと けす
自分が書いた ウソでもないが いそいそと けす
そして けすたびにけっきょく
自分がちびていってきえて なくなってしまう
いそいそと いそいそと
正しいと 思ったことだけを
ほんとうと 思ったことだけを
自分のかわりのように のこしておいて

 

 まどさんの〈けしゴム〉という詩です。

 

 この詩にも心動かされます。

 「どうしていつも」  まど・みちお

  太陽
  月
  星

  そして
  雨
  風
  虹
  やまびこ

  ああ 一ばん ふるいものばかりが
  どうして いつも こんなに
  一ばん あたらしいのだろう

 

 以前この本を手にした時にラインを引いた〈まど〉さんの文章があります。

 今でもいくらかそうですが、若い頃の私はとくに、かこを懐かしく思ったり、ものを美しいと思ったりし始めると、どうにも胸が苦しくなって来たものです。
 その過去なら過去、物なら物と、一体にならずにはいられないような衝動にかられてです。
 そして「子ども」(人間に限らずすべての生き物)は私にとってそのような美しいと思えるものの一つだったのです。

まど・みちお「処女作の頃」

  1980年1月「びわの実学校 97号」収録

 

 今読んでも新たに感動してしまいます。
 自分の周りのものごとに、まるで恋をするように寄り添い見つめる。
 ほんの少しで良いから〈まど〉さんの様な感性に近づいていけたらと思う日々です。

 

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