最新〈たのしい教育メールマガジン〉から/板倉聖宣「教育問題は素人談義のまま」

 今週のメルマガも楽しく発行しました、最新号の内容を紹介します。

 終章の板倉先生の話を少し紹介させていただきます。

板倉聖宣「教育問題は素人談義のまま」
(前段の体調を崩して病院のお世話になっている話の後)
 結局、今回の私の体験は「最近の医学はとても進歩している」ということを教えてくれたのです。私は「それに対して教育の研究はどうだろう」と考えざるを得ませんでした。
 江戸時代までの日本の医学は、ほとんど素人医学と変わらないものでした。たくさんの医学的経験を積み重ねてきた人びとが周囲の人びとの信用を獲得して「医者」と認められて、診断治療にあたったのです。だから江戸時代には「医師資格」制度といったものはありませんでした。寺子屋や漢学塾にも教員免許状などありませんでした。しかし、その後、医術も教育も資格試験制度ができました。
 医術の場合はたくさんの専門研究者が研究して、その成果に基づいて診断治療する医療の体制が確立しています。
 しかし教育の場合はどうでしょう。
 教育の場合は医学と比べて研究が圧倒的におくれていることは明らかです。
 最近、内閣に「教育再生会議」なるものが設けられましたが、そこでは教育学研究の成果が問題になることはほとんどないようです。
 最近は「いじめ」「自殺」に対していろんな「著名人」がいろんな素人談義をつづけていますが「〈いじめるやつら〉をいじめ返せ」といった素人的発言が目立ちます。
 それらの問題についても教育研究者の考えが求められることはほとんどないようです。
 学力問題についても、いじめ問題についても、もっともっと研究を積み重ねることが大切だと思います。
 たとえば、いじめについて私は「多くのいじめは、相手の行為を〈改めさせよう〉とする一種の〈教育的〉行為として発生するという視点くらいはもっていてほしい」と思っています。
 そういう視点があってはじめて、教育についての専門的な判断ができると思うのです。
「学力論」についても、「学力」と「意欲」は、その合計(和)が問題なのではなく、その「積」が問題なのだという観点が必要です(この点については、板倉聖宣『子どもの学力 教師の学力』仮説社2007年でくわしく論じています。参照していただければ幸いです)。
 いくら「有名人」であっても、そんな基本的な視点も知らない教育の素人が、教育の「再生」を討論しても、その成果に期待することはできないでしょう。

 

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大切な福祉活動を長続きさせるために@読者の方から来たお便りから

《たのラボ》の楽しい福祉&教育 活動はますます注目度を増し、ネット検索でもトップを維持しています。〈学力向上〉という視点で「たのしい教育」に注目してくださっているみなさんもたくさんいます、とても嬉しいことです。

 先日の〈こどもマルシェクッキング〉の記事も、いろいろな方たちから反響が届いています。
 同じように実施したいというみなさんへの実践マニュアルづくりも始まりました。
 しばらくお待ちください。

 さて今回は熱心な読者の一人Aさんから届いた相談のお便りを紹介させていただきます。
 本人にも確認した上、特定できないように手を入れて要旨を紹介します。

いつもサイトを読むのを楽しみにしています。
東北の◯◯と申します。

退職してすぐ、地元の◯◯町で、こども食堂を立ち上げ、子どもたちの居場所になればと無我夢中で二年間頑張って続けてきました。
しかし、頼りにしていたボランティアスタッフがいろいろな事情で次々と離れてしまい、私自身の負担も大きくなって日々の運営が本当に困難になってきました。
子どもたちの笑顔を見るのは嬉しいのですが、心身ともに限界を感じてきており、家族にも言われて、残念ですがもう活動をやめようかと悩んでいるところです。

文章はつづきます…

 Aさんの活動に敬意を評し、ご苦労を労いながら、一般的によくみる返事、つまり、励ましや、続けることが大事だという話ではなく、こういう内容を書きました。もちろんAさんの活動へ水を差すことにならないように配慮して、《たのラボ》の活動を中心とした文章です。

🟠 辞める勇気も大切で、それは2年間の活動が無駄だったということではないと思います

🟠 その2年の活動を実験結果として、これからの人生に活かす、あるいは一息ついて、その実験結果をもとにした新しい活動をはじめるという選択肢もあると思います

🟢《たのラボ》が15年活動を続けることができたのは〈たのしさ〉を根本にそえた活動をしてきたからだと考えています

🟢 その〈たのしさ〉という言葉は、ついつい自分も周りの人たちも騙してしまう言葉でもある。こちらが「今日も楽しかったね」というと、そう投げかけられた人は「いいえ、つまらなかったです」とは答えきれず、つい同感してしまうものです

🟢 《たのラボ》で活動する人たちが、合言葉としてのたのしさではなく〈快感〉としてのたのしさで活動を続けることができるのか、それが勝負でした

🟢 これまでより笑顔を増やしていく、ということなら新しいアイディアを出して実験してみる必要も出てきます

🟢 ではそれをどう測るか?
《たのラボ》に集うメンバーが自分の可能性を伸ばし、笑顔を広げているかをみていく、その人たちの言葉を超えた感覚・笑顔をみていく。そのためにも、受講する人たちの評価・感想をみんなで確認することは必須です。
 そしてスタッフが苦しんでいる時には相談してもらえるような人間関係をつくっていくことも大切です

🟢  《たのラボ》には「続けなくては」という義務感はなく、メンバーから笑顔が消えていったら、いつでも代表の私から「活動をやめましょう」と提案しようと考えています。つまり〈義務感〉ではなく《たのしいから続けたい》というのが《たのラボ》です

そういう話です。

 Aさんが今後も福祉活動を続けていくのかどうかはわかりませんし、無理して体調を崩してしまうことになったら大変です。

 学校の先生たちの中にも「苦しいけど子どもたちのためだから」と頑張り続ける人たちがたくさんいます。
 それをどのように〈たのしいから〉に転換させていくことができるか、それが《たのラボ》の大切な活動テーマの一つです。


 もちろん押し付けはしませんし、できません。
「苦しいけど子どもたちのためだから」と頑張っている先生たちが、どこかで《たのラボ》の活動に触れて、自分もやってみたい、と感じてくる。その受け皿をしっかり作っておく、それが勝負だと考えています。

 結局〈福祉〉も〈教育〉も「わくわく感」「笑顔」への転換がキーです。

 これまでより笑顔を増やすという目標なら、新しい実験的なものが必須です。
 《たのラボ》にはそのノウハウが満載です、必要な方はご相談ください。

 全国でAさんのように悩んでいる皆さんが、《たのラボ》の活動から何らかのヒントを得て、たのしく続けていけることを楽しみにしています。

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 今回は板倉聖宣先生(たのしい教育研究所の設立期からの支援者/日本で最もたくさんの科学絵本を出した人物/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長)が、仮説・実験の方法は教育だけでなく、医療でも裁判でも政治でもメカニカルな領域でも決定的に重要だという話の一つです。

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たのしく島言葉@この魅力を伝えることが楽しすぎる

 《たのしい教育ラボ》で力を入れている一つが「島言葉の魅力を伝える活動」です。

 これは〈たのしい島言葉プロデューサー〉ミエ先生が島言葉プログラムを紹介しているところです ※もちろん顔はA.I.加工

 島言葉「んむプログラム」はまだ発表の段階ではないとはいえ、〈たのラボ〉関係の人たちに爆発的に広がって、とても高い評価を得ています。

 これが最後のシートです、美味しい焼き芋(んむ)の作り方です。

 島言葉を楽しんで美味しい「んむ」を味わう。

 すばらしい ´ー`)

 《たのしい教育ラボ》のプログラムは多彩です。
 「島言葉」の魅力に迫るアプローチはとてもたくさんあります。

 一緒に島言葉の魅力を広げたい方はお問い合わせください。
 

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