楽しい音楽@フジコ・ヘミングが愛した音楽たち

 今年2024年4月、フジコ・ヘミングが92歳の生涯を閉じました。

 60歳を越してから世に出たその人生は波乱に満ち、それを乗り越えてきた彼女のピアノ演奏は世界中にたくさんのファンをもっています。

 私は小中高と音楽の時間が好きではなく、クラシックを聞かされる時も「この作曲家は◯◯年にどこどこで生まれ、これこれこういう曲をつくった。何しろこれはいいんだから聴きなさい」的な指導に辟易していました。

 大学に入り、車を運転するようになった頃から自分の意思で聴き始めたクラシックは、やはりすばらしいもので、やっとその頃から心の中にしみいってくる奏(かなで)に魅了されるようになってきました。

 いったい、小中高の音楽の時間というのは私にとって何だったのだろう?

 私のようにやんちゃだったこどもたちの心に響くクラシックの授業ができないだろうか。

 子どもたちはたとえばフジコ・ヘミングの奏でる曲に感動してくれるだろうか?

 どなたか、ぜひ学生コンクールのピアノ演奏とフジコ・ヘミングの演奏と連続で子どもたちに聴かせてみて、子どもたちの感想を送ってくれないだろうか。

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賢治さん(宮沢)の手紙@心を伝える

 賢治さんのことをメルマガに書いたら、丁寧な感想をいただきました。その中で、私が好きな賢治さんのことばを紹介したので、ここに書きたいと思います。
 賢治さんが教え子に返信した手紙の後半を切り取ったものです。
 味わい深いことばだと思います、読んでみてください。
              ※私が行変えし、句読点をあえて省きました

風のなかを自由にあるけるとか

はっきりした声で何時間も話ができるとか

じぶんの兄弟のために何円かを手伝ヘるとか

いふやうなことは

できないものから見れば

神の業にも均しいものです

そんなことはもう人間の当然の権利だ

などといふやうな考では

本気に観察した世界の実際と余り遠いものです

どうか今のご生活を大切にお護り下さい

上のそらでなしに

しっかり落ちついて

一時の感激や興奮を避け

楽しめるものは楽しみ

苦しまなければならないものは苦しんで

生きて行きませう

  1933年(昭和8年)9月11日

   柳原昌悦宛て

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893225131/episodes/1177354054893227351

 日付に注目してみてください。

 1933年9月11日とあります。

 賢治さんは1933年9月21日に37歳で生涯を終えました。

 それを知ると「風のなかを自由にあるけるとか はっきりした声で何時間も話ができるとか」という言葉の重みが強くなります。

 今でこそ童話作家として有名な賢治さんですけど、生きている時に評価されることはありませんでした。

 そういうことも感じながら、賢治さんの作品に触れてみませんか。
 青空文庫で一つひとつ開いて読むこともできるのですけど、一冊にまとまった電子書籍(kindle)も販売されています、ここ数日以内なら198円のようです。

https://amzn.to/4514Cft

 

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板倉聖宣『科学的とはどういうことか』の紹介②/読者の方の要望に応えて

 設立当初から〈たの研/たのしい教育研究所〉を強く応援してくれていた板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表・元文科省教育研究所室長・元科学史学会会長)が「超能力で行方不明の少女の死体が透視されて発見された」というテレビ番組を取りあげて、科学的な見方・考え方をわかりやすく解説してくれている記事の二回目です。

 気に入った方、気になる方はぜひ入手することをすすめます⇩クリック

板倉

 テレビ局側が警察より先に美和ちゃんの死体を発見したことはたしかですが、その前に本当に透視による予言があったのかどうか、その辺のことについては、騒ぎを大きくしたいテレビ局側の証言しかないのだから、信用しなくてもよいわけです)。
 その日の新聞の朝刊のNETテレビの番組欄には、午後7時30分~8時50分「水曜スペシャル-世界初独占実験生放送! 超能力者クロワゼット東京オランダ1万キロ透視成功の瞬間! 謎の難事件死体発掘」とあります。

 しかし、これは美和ちゃんの死体発見のことではなく、別の行方不明事件のことです。大々的に「透視成功」と報じていますが、実際にはこれは全くの不成功に終わっているのです。
 そのほか、生放送でとりあげた透視はすべてへりくつとこじつけの連続で、全くの失敗でした。その失敗をおぎなうかのように、生放送でない(したがって前後関係については全く保証の限りではない)死体発見のニュースが大々的に報ぜられたというわけです(この事件でテレビ局側は警察の捜査活動を妨害していることもあって、「この事件はテレビ局側または超能力者側の犯罪事件ではないか」と疑う人々もいます)。

 次の文章は、この事件のとき『週刊朝日』(1967年5月24日号)の求めに応じて書かれたものです。もっとも、誌面にのった文章は、誌面の都合とかでところどころカットされたので、ここにのせる文章のほうが少し分量が多くなっています。この文章の中には、本文中にすでにとりあげた話が重複して出てくるところもありますが、それもそのままにしておきます。

「超能力の透視などが的中した」という話は昔からたくさんある。そのときはみんな「すごい」「見事だ」「神秘的だ」などといってさわぐ。しかし、そういうニュースもやがて忘れられていく。
 科学の歴史上でもそれと似た話がたくさんある。

 だれかが「大発見した」というニュースが鳴りものいりで宣伝される。ところが、あとがまるで続かないという類の話である。
 たとえば1908年9月18日には、ロンドン大学留学中の小川正孝が原子番号43番の元素を「発見」し、それをニッポニウム(Np)と名づけたが、追試に成功しなかった。〔113番元素「ニホニウム」(Nh)とは別〕。
 また、1924年9月20日の各新聞は当時日本物理学界の最高権威だった長岡半太郎が「水銀を金に変換することに成功した」と大々的に報じた。しかし、これもあとが続かなかった。長岡はその正しさを主張するために10年以上もその研究をつづけたが、ついに人々を納得させることに成功しなかった。
 科学の世界では、あとが続かないと、その報告者がいくら学会の権威でも、その発見の真実性が否定されるようになっている。

「あのときはたしかにうまくいったんだ」と強弁してもダメである。人々の十分納得のいくような形で繰り返し証明されなければ、それは本当のこととされないのだ。
 科学の大発見の中には超能力めいたものもある。

 電波やX線の発見などはその代表的な例といえるだろう。そんな大発見は話をきいただけではなかなか信じられるものではない。

 当時の人たちが「人間のからだがすけて骨だけ見えるって! そんなばかなことがあるものか」と思ったとしても当然のことである。
 ところが、X線の実験は発見者レントゲンの指示通りやると、だれでも再現できることがわかった。そこで、これはあやしげな超能力の発見とはちがうものであることが承認され、いまでは常識となっている。

 前回「みなさんは透視や予知などという超能力を信じていますか?」と問いかけました。

 ここで二回目の同じ質問をさせてください。

 みなさんは透視能力とか予知能力といった〈超能力〉の存在、そういう力をもった〈超能力者〉の存在を信じますか?

ア.超能力は確かにあると信じている

イ.もしかすると超能力というものがあるかもしれないなぁ、と思っている

ウ.超能力はおそらくないと思う

エ.超能力はぜったいにないと思う

  前回の自分の予想と違ったかたは、その理由を教えてください。

 

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特別支援の先生は少人数加配教師ではない/PEALカウンセリングの事例から

〈たの研/たのしい教育研究所〉に相談に来る方たちが、その中で心を落ち着けて新しいアイディアに可能性を見出して元気になっていくのはどうしてか?

〈たの研/たのしい教育研究所〉の支援メンバーがPEALカウンセラーかつ、自らたのしく教師活動を続けてきた〈たのしい教育のプロフェッショナル〉だからです。

 まだまだあります。

 いわゆる仕事として相談を受けているのではなく、その人を支援したいという熱意・感情から出発しているというのも大きな一つです。

 悩みや混乱が大きくなる前に気軽にお問い合わせください。

 以前、特別支援のA先生から相談がありました。※いつものように特定できるような部分は脚色して紹介します

 その先生が担当する特支のクラスに四年生のB子さんが算数の時間に通級してくるそうです。B子さんは毎回、クラスでみんながやっている算数のプリントを渡され、「特支の先生とプリントをやるように」と指示されてやってくるそうで、A先生は、担任の先生のいうようにすすめているのですけど、このままでよいのか悩み始めていました。

 特支の先生は、その子のもつハンディーの程度を把握して、その子の可能性が伸びていくように、その子が興味をもって主体的に取り組み、成就感を味わうことができるような指導内容を取り上げるスペシャリストです。※ちなみに私いっきゅうは大学で特別支援教育を真剣に学び、教員採用試験の時、特支学校にしようか真剣に迷ったくらいですから、特支の内容についても把握しています。門外漢ではなく私もエキスパートの一人です

 学校には〈少人数加配〉的に配置される先生たちがいます。一般に〈支援員〉と呼ばれます、一斉授業では指導が難しい子どもについてあげる先生です。

 特別支援学級を担当する先生は支援員ではなく、特別な配慮を要する子の実情に合わせて、スペシャルの支援を任されている先生です。担任の先生の指示にしたがってヘルプするのではなく、担任の先生と対等な立場でその子の可能性を伸ばしていくように支援していくスペシャリストです。

 特別支援学級、特別支援学校について基準を定めた指導要領にはこうあります。

第3 個別の指導計画の作成と内容の取扱い

1 自立活動の指導に当たっては,個々の児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等の的確な把握に基づき,指導すべき課題を明確にすることによって,指導目標及び指導内容を設定し,個別の指導計画を作成するものとする。その際,第2に示す内容の中からそれぞれに必要とする項目を選定し,それらを相互に関連付け,具体的に指導内容を設定するものとする。

2 個別の指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

⑶ 具体的な指導内容を設定する際には,以下の点を考慮すること。
ア 児童又は生徒が,興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとともに自己を肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること

 その子について「個別の指導計画」を作成してすすめること、その時には「児童又は生徒が,興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとともに自己を肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること」と明記されています。

 「特別支援学級でクラスでみんながやっているプリントをすすめる」を、その子固有の支援と考えるのは無理があります。困るからよその教室でやってきて、というようにとらえることができないわけでもありません。

 その先生が言語化できずモヤモヤしていたことは、PEALカウンセリングの中で焦点化され、ではどうするかという選択肢を一緒に考えていきました。

 結果として「管理職に相談して、B子さんの具体的な支援方法について担任を含んで相談する。その後、特別支援をテーマにする会議で広く、特別支援学級の意義、方法について確認する」という方法をすすめることを選択しました。

 A先生はその後、ふっきれて、元気に教師を続けていると連絡がありました。

 先生たちは、働かされ放題の過酷な労働環境の中でも子どもたちが大好きで、その子たちのことを大切に考えています。
 PEALカウンセリングの中で、きっとよりよい方法を見出していけるでしょう。これからも先生たちの支援に全力をあげていきたいと思います。

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