読者の方からのお便りから-楽しい教育プラン<宇宙兄弟>の言葉から

 県外に住んでいる読者の方から心のこもった熱いたよりをいただきました。《よしたけしんすけ》さんの絵本について検索している時にこのサイトに出逢い、以来毎日読んでくれているといいうことです。
 「わかりやすく学べるので毎日読むのがたのしみです。これからもよろしくおねがいします」という言葉に加えて、自分の住んでいるところで何気なく使っていることばの中にも差別的なものがあることに気づいたと具体的に書いてくれましたが、それはあえて省略させていただきます。

 以前にもこの〈たのしい教育研究所〉の公式サイトはブログ全体でトップクラスのアクセス数であることを書いたのですけど、先日はアクセス数が1日<3000件>に迫る勢いを見せていました。
 以前契約していたサーバーの時に具合が出てアクセスできない状態が長く続いてしまい、それまでの読者の方たちの多くが離れてしまいました、その以前には1日のアクセスが3000件を超えることもあったのですけど、サーバーを引越して新しく始めてから初の数字だと思います。

 これからも普通の人たちの感覚でたのしく綴っていきたいと思います、応援よろしくお願いします。

 さて今回は〈たの研〉初期の頃にいろいろな学校で実施した「キャリア教育」の教材を少し紹介させていただきます。

 こども達にもヒットしていたマンガで映画化された「宇宙兄弟」を使って準備運動的にとりあげた教材です。

 初めてあった子ども達も笑顔になって、その後の授業もたのしくすすみました。

 スクリーンでこの画面を出して、四角の中に入る言葉を自由に予想してもらうのです。

 一番はじめにこの授業をしたのは粟国島にある〈粟国中学校〉のこどもたちでした。いくつもの学校で実施したので、記憶違いもあるかもしれませんけど
・本気の料理には価値がある
・本気の勉強には価値がある
・本気の〈恋ばな-恋話〉には価値がある
 etc.

 自由にいろいろな言葉が飛び出てきて、みんな笑顔になりながら授業がすすんでいきました。

 一息ついたらマンガのシーンを紹介します。

「本気の失敗には価値がある」!

 

四、五問出すのですけど、二問目までにしましょう。
これはあえて正解が出やすいように出した問題です。

 ちょっとだけ無理なことに挑戦してこーぜ!

 今は古本で安く手に入りますから、数冊揃えて教室に置いておくのもよいと思います。
 キャリア教育ということでなくても、こども達はそこからいろいろなことをたのしく学んでいってくれるからです。
 ちなみにすでに40巻以上出ているようですけど、私が読んだのは十一巻までで、その後のストーリーほ把握していません。その後の巻を置く場合には自分でまず読んでみてからにしてくださいね。
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子ども達を科学嫌いにしない〈仮説実験授業の教材観〉板倉聖宣の発想から-楽しい学習・楽しい教材

 メルマガに〈たの研10年目〉について書いたところ、さっそく反響が届いています、うれしいことです。

 そこに書いた「教材を含めて〈たの研〉にあるたくさんの財産を維持することに全力を尽くすのではなく、また初期設定に戻して、いろいろチャレンジングなことをはじめていきたいと考えています。

 新しいタイプのたのしい教育プログラムに手を伸ばしていく予定です。そういう中で、もう一度初心にかえって学び直すことも大切です。

 私が教材を作る時、読み込んでいた資料の一つを紹介しましょう。たのしく学力を高めていきたい、本物の学力を身につけてもらいたいという方たち、楽しい教材・楽しい学習を模索している方たちにも役立つものだと思います。

板倉聖宣

 仮説実験授業の授業書が〈いっさいの押し付けを排除する〉ということをうたっていたのは「言葉の押し付け」をしないように細心の配慮をしてきたからです。

 じつは仮説実験授業の授業書だって、その〈案〉の段階では言葉の使い方が適切でないことが少なくありません。

 仮説実験授業研究会の授業書改訂の席に参加すると、たいていの人は「授業書の一語一句について適当かどうか」を延々と論議しているのをみて驚いてしまいます。

 仮説実験授業の授業書は、そういう言葉遣いの一つひとつを詳しく吟味して、言葉の使い方に繊細な配慮がしてあります。そうやってどんな子どもたちもおしつけや違和感を感じずに、気持ちよく授業を受けることができるようになっているといってよいと思うのです。

 そういう細かい心遣いをしてはじめて「科学というものは何と心温かくできているのだろう」と感じさせてはじめて、子ども達を科学嫌いにしなくてすむようになるのです。

 
 仮説実験授業研究会ニュース2017年6月の内容を再校正
                    文責きゆな

〈たの研〉のメンバーと一緒に、このことを丁寧に確認しつつ進んでいきたいと思います。

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怒り・憎しみについて考えてみよう-PEALカウンセリング・楽しいカウンセリング入門-ミステリーの名著〈ブラックサマーの殺人〉から

 誰でも怒ったことがあると思います、それが軽いものであった場合には少し時間をおけば過ぎていくものでしょう。けれど大きく深いものであった場合〈憎しみ〉にまで発展していくことになります。すると日々の生活にも影響してくることになります。

 最近読んだミステリーの中に心に刻んでおきたい言葉に出逢いました、メルマガに書こうかと思っていたのですけど、その〈発想法の章〉は仮説実験授業を創造した板倉聖宣先生の話が続いているのでお蔵入りにならないうちにここで軽く紹介させてください。

〈憎しみ〉についていのチェロキー・インディアンの寓話で、最近手にしたM・W・クレイブン著
「ブラックサマーの殺人」の中に出てくるエピソードです。

 クレイブンの前作〈ストーンサークルの殺人〉が抜群に面白く、そこで活躍した刑事ワシントン・ポーと若き女性分析官ブラッドショーが登場するので迷わず手にしました、実に面白かった。
 ただし私の様に映画を含めて数々の作品に触れてきた人にも〈ハード〉に感じる内容です、そういうものも大丈夫だという人は、まず一作目の〈ストーンサークルの殺人〉から手に取るとよいと思います。
〈ハードな内容は遠慮したい〉という方は前回触れた「ザリガニの鳴くところ」をお勧めします、名作です。

 閑話休題
「ブラックサマーの殺人」の中にこういう回想シーンが出てきます。
 老いたチェロキーインディアンが、誰かへの憎しみをたぎらせながら訪れた孫にこう語ります。

「ひとつ話をしてやろう。
 
わたしもひどい仕打ちをしてきた相手に憎しみを感じたことはある。

 しかし、憎しみは心を疲弊させるだけで、自分を傷つけてきた相手にとっては痛くもかゆくもない。

 いうなれば毒をあおりながら、敵の死を願うようなものだ。

 わたしは何度もその感情に立ち向かってきた。

 自分のなかに二匹のオオカミがいて、わたしの魂を支配しようと争っているとでもいおうか。
 一匹は善良で害をあたえるようなまねはしない。
 まわりの連中と折り合いをつけながら暮らし、なんでもないことに腹を立てるまねはしない」

 

「もう一匹のオオカミはどうなの、じいちゃん?」

 

「うむ。
もう一匹は悪いオオカミだ。
 
そいつはいつも怒りに燃えている。

 ほんのささいなことでも感情を爆発させてしまうんだ。
 怒りと憎しみがあまりに激しく、まともにものが考えられない。

 しかも、その怒りは無意味だ。
なにひとつ変えることができないのだからね」

 

 少年は祖父の目をのぞきこんだ。
「どっちのオオカミが強いの、じいちゃん?」

 

 老人はほほえんだ。
「わたしが餌をあたえたほうだよ」

 

いっきゅう

「憎しみは心を疲弊させるだけで、自分を傷つけてきた相手にとっては痛くもかゆくもない。
いうなれば毒をあおりながら、敵の死を願うようなものだ」という部分は重い言葉です。
 願いというのはこちらの一方的なもので、願いそのものに何かを動かす力はありません。たとえばクリスマスプレゼントに〈土佐の剣鉈:けんなた〉が欲しいといくら強く願っていても、自分の心の中にあるだけではそれが枕元にくることはないでしょう。アウトドアに詳しい人でも〈ナイフ〉の種類に詳しいわけではありません、こういうナイフがあること自体知らない人が多いのですから。周りの人に伝えてもプレゼントしてもらえる可能性が少ないと思います。

 

 私の小学校の頃「みなさん、願いは必ず叶います」と本気で語っていた先生がいて、こども心にも「もしそれが本当なら戦争なんて起こらないし、ギャンブルで借金地獄に陥る人はいないでしょう」と考えたものでした。

 叶わない願いを続けながら自分自身は〈毒〉を飲み続ける…
 相手ではなく自分の寿命を縮めていることになるのです。
 実際〈怒り〉などの感情は循環器系によくない影響を与えます、血圧も高くなるでしょう、睡眠時間も減っていくでしょう、実質的にも毒といえば毒です。

 怒り・憎しみにとらわれている時
「それは自分の心を疲弊させるだけで、自分を傷つけてきた相手にとっては痛くもかゆくもない」と気づくことはきっと難しいかもしれません、カウンセリング的なアプローチが必要になる場合も多いと思います。


 PEALカウンセリングではそもそもその怒りは解決していく必要があるものかを整理して、必要があるという場合は〈怒り〉などの感情を利用せず問題解決していく選択肢を一緒に考えながらすすめていくことになります。

 ただしカウンセリングを受けないまでも、ここで書いたおじいちゃんと孫の話を心にとめておくことで、新しい変化も生まれてくるとおもいます。一人の人間として心にとめておきたい言葉だと思うのですけど、どうでしょうか。

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琉球の言葉から-たのしい言語学

 英語・韓国語と続いた〈ことば〉の記事が好評です、今回は〈たの研〉のある琉球の言葉(沖縄方言・島言葉)にふれたいと思います、お付き合いください。

 歴史を調べたり、今残る建造物や古文書をたどることでそこに住む人たちの価値観や生活の様子などにせまることができます。しかし歴史というのは勝ち残った者たち、権力のある者たちが残したものが多く、それが庶民の価値観などを代表しているか、あやういところがあります。

 そういう中で〈使われている言葉〉にはしっかり庶民の価値観が残されています。

 たとえばその地域に〈闘いや争い〉を表現する言葉がとてもたくさんあるとしたらバトルが多かったと考えて間違い無いでしょう。

 そういう見方・考え方については以前このサイトでも紹介したので合わせて読んでいただければ幸いです、楽しい言語学の根幹の部分です⇨https://tanokyo.com/archives/32325

 さて琉球には〈闘い争い言葉〉が多いのでしょうか、それとも相手を〈元気付ける言葉〉が多いのでしょうか。
 この判定は簡単ではありません、肯定的な言葉には対になるように否定的な言葉が存在する可能性があるからです。

〈たの研〉には島言葉の教材づくりをリードしてくれているミエ先生のチームがいるので、これからの研究テーマの一つにしていただくとして、ここでは私自身の体験として、子どもの頃を中心に、祖父母や親類のおばあさんおじいさんから実際に声をかけられたり、周りの人が声をかけてもらったりしている言葉の中で〈これはいいな〉と感じた言葉、記憶にある表現を思い出して記すところからはじめたいと思います。

  十数年前になるのですけど、こどもたちから「先生、このマンガとってもおもしろい」と手渡された作品があります「ワタルがピュン!」です、たしかにおもしろかった、野球好きでなくてもたのしめると思います。魅力的な登場人物「がっぱい宮城」は口が悪くて、〈しなす~〉と叫びながらワタルを追いかけ回しているシーンがたくさん出ていました。

 島言葉にはそういう争いや闘いの言葉もあるとはいえ、ホッとする言葉もたくさんあります。
 もしかして肯定形と否定形が同数存在するとしても、庶民が肯定的な言葉を大切に使ってきていたとしたら、そこに庶民の価値観が色濃く残されているともいえるでしょう。

 私が実際に声をかけてもらった島言葉、近くで聞いていて「この表現はいいな」と嬉しくなった島言葉を思い出して記してみようと思います。その言葉から伝わってきたイメージも記したいと思います。

なんくるないさ
 ⇨大丈夫、時が経てばできるようになるから

じょーとー
 ⇨いいね、グッジョブ

ちばりよー

 ⇨がんばってよ、応援してるよ

うちちき よー

 ⇨落ち着いてやるんだよ

なとーん どー

 ⇨そうそうそれいいよ

でぃきとーんどー

 ⇨よくできてるよ!

かめーかめー

 ⇨いっぱい食べて元気になりなさいよ!

〈ちゅらさん〉やー

 ⇨清らかだね、美しいね

〈ちむじゅらさん〉やー

 ⇨心が清らかな人だね

〈いいニーセー〉なたんやー

 ⇨立派な青年になったね

〈よんなーよんなー〉ど~

 ⇨ゆっくりでいいんだよ

なま やさ

 ⇨そうそう、それだよ!

いちゃりば ちょーでー

 ⇨出会ったんだからきょうだいみたいな付き合いでいこう

やんど~

 ⇨そうだよね

まじゅん いかやー

 ⇨一緒に行こうね

※雨水のことを〈天水:てんすい〉と表現していた言葉もいい表現だと思う

 こうやって綴りながら浮かんだ言葉だけでいくつも出てきました。

 腰をすえると、もっとたくさん出てくるのは間違い無いでしょう。

 こども達にも楽しく伝えていきたいと思います。

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