楽しい科学の歴史③〈1700年代の科学の歴史には何があったか〉-楽しい学習・自由研究ネタ・たのしい授業・楽しい授業・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 お便りを基にした三回シリーズになりました、長くなったので、とりあえずここでいったんしめておきたいと思います。みなさんのお便りを基に、続けるか考えてみたいと思います。気軽にご意見ご感想をお寄せください。
 1800年代と1700年代の科学・技術の発明発見の数が大きく違うという話から広がってきたのですけど、なぜこんなに違うのか?

 それにはいろいろな答え方があるでしょう。

 そして「こうだからだ!」とシンプルに結論づけるのは難しいでしょう。

 とはいえ「なるようになったのだ」では未来につながる知恵を得るのは難しくなります。
 たのしく賢くなっていく視点でみていきたいと思います。

 前回あげた科学の歴史年表にも出てくると思うのですけど、1700年代には重要な研究がまとめられています、その後のいろいろな科学技術の発見の基礎になっていく研究です。たとえば1800年代に提唱されたダーウィンの進化論は1700年代のリンネの分類表をベースにして誕生したものです。

  • カール・リンネの分類法(1735年):カール・リンネは、植物や動物を分類するためのシステムを考案し、それが現在の生物学の分類法の基礎となっています
  • ハレー彗星の予測(1705年):エドモンド・ハレーは、彗星の周期的な出現を予測し、彼の名前がつけられたハレー彗星が76年周期で戻ってくることを示しました

  • ダニエル・ベルヌーイの流体力学(1738年):ダニエル・ベルヌーイは、流体の挙動や圧力に関する法則を発見し、それが今日の流体力学の基本原理となっています

  • ウィリアム・ハーシェルによる天王星の発見(1781年):天文学者ウィリアム・ハーシェルは、太陽系の7番目の惑星である天王星を発見したんだ。これは、古代以来知られていた惑星以外で最初に発見された惑星なんだよ。

  • ジョゼフ・プリーストリーによる酸素の発見(1774年):ジョゼフ・プリーストリーは、実験を通じて酸素ガスを発見し、それが燃焼や呼吸において重要な役割を果たしていることを明らかにしたんだ。

  • アントワーヌ・ラヴォアジエによる質量保存の法則の発見(1789年):アントワーヌ・ラヴォアジエは、化学反応において質量が保存されることを示す法則を発見し、それが現代の化学の基礎を築く大きな発見となったんだ。

  • ベンジャミン・フランクリンの雷の研究(1752年):ベンジャミン・フランクリンは、避雷針を発明し、雷から建物や人々を守る方法を提供しています。特に静電気の性質や導電性に関する実験が有名です

  • ジョン・ミシェルによるブラックホールの理論(1783年):天文学者ジョン・ミシェルは、ある程度の質量が集まると光も抜け出せないほどの強い引力が働く天体が存在するという理論を提唱。この理論は、後にブラックホールとして知られるようになりました

  • ジョセフ・ブラックによる熱量と温度の区別(1760年代):ジョセフ・ブラックは、熱量(カロリー)と温度を区別することで、熱の性質や伝達に関する理解が進みました

区切りの1800年にはボルタの電池も登場しました。

  • アレッサンドロ・ボルタ(ヴォルタ)の電気の発見(1800年):2種類の金属板の化学反応を利用して電気を生成する方法を発見し、それが現在の電気学の基礎を築いています

画期的な〈基礎研究〉がたくさん登場したのが1700年代でした。

それらがなくては1800年代の目覚ましい発明・発見はありませんでした。
人間の思考や作り出すものは、その前に誕生したものたちの上に構築されるものだからです。
人間の思考や技術というものも〈進化〉していくからです。

 ではその100年前を遡るとどうなのか…1600年代には何があったのか?

 今につながる〈近代科学の礎(いしずえ)〉が気づかれた年代だといってもよいでしょう。

 筆頭が〈ガリレオ・ガリレイ〉の数々の研究です。

・地動性の決定的証拠を明らかにした

・望遠鏡で月の表面の状態をスケッチし、それまで人々が「天上の世界」と敬っていたものが、地球の様にデコボコであることなどをリアルに伝えた

・木星に衛星があることを発見した

・自由落下の研究・ふりこの周期性 etc.

 とても重要な研究が発表されています。

 ガリレオの研究をもとにニュートンが万有引力の法則、運動方程式を発表したのも1600年代です。

 またガリレオの弟子であったトリチェリが〈大気圧〉を発見し、気象学や物理学に大きな影響を与えたのも1600年代です。

 ニュートン自身も、ロバート・フックにあてた手紙に「もし私が他の人々より遠くを見ることができたとすれば、それは巨人の肩に乗っていたからです」と書いています。

If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.

 科学や技術の発展を見ていく時、こうやって過去の業績をたどる視点は大切であると同時に、とてもたのしいことです。

 今回の一連の流れで紹介したのは1600~1800年代です。

 その上にたって1900年代はさらに画期的な科学や技術の進歩がありました。コンピュータもインターネットもスマホも月面ロケットも全て1900年代です。

 では1600年代の前はどうだったのか?

 実は宗教の支配による弾圧が科学や技術の発展・進化を止めていった時代が長く続いていました。

 1600年代のガリレオにさえも、宗教弾圧がおよび、裁判で有罪となって自宅幽閉の処分を受けてしまったほど、その影響は強いものがありました。

 そういうことは、自分でも予想を立てていろいろ調べていけると思います。

 何か発見したことがあったら、教えてくださいね。
 今日はここまで!

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モーターと内燃機関(エンジン)はどっちが先に発明されたと思いますか?〈楽しい工学〉と〈科学の歴史〉-楽しい学習・自由研究ネタ・たのしい授業・楽しい授業・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 以前書いたエンジンの話を気に入った方たちからいろいろなお便りやお話が届いています、学生の方から届いた便りへの返事を起点にして書きましょう。

 みなさんは〈モーター〉と〈エンジン・内燃機関〉はどちらが先に発明されたと思いますか?
 モーターは〈電気〉を流して推進力を生み出します、エンジンは〈燃料〉を燃やして推進力を生み出します。 
 感覚的にでよいので、どちらが早く誕生した気がするか、予想してみてください。

問題)モーターとエンジンは

ア.モーターが先に発明された

イ.エンジンが先に発明された

ウ.ほぼ同時に発明された(10年くらいの誤差)

エ.その他

 どうしてそう予想しましたか?

 内燃機関・エンジンの発明はいくつかの説がみられます、その頃、企業の利益とも関係したからでしょう。

・1801年: フィリップ・ルボンが2ストロークガスエンジンの特許を取得

・1862年にドイツの発明家フレデリック・オットマンがガソリンエンジンを開発b)

・1867年にオットーが〈ガス〉を利用したエンジンを開発

 いずれも1800年代、日本でいうと明治維新の8年前、江戸時代の終わる頃です。
 オットーのガスエンジンの図がありました。

https://www.webcg.net/articles/-/36567 に感謝して引用

 

 1831年、発電・電磁誘導に関わる研究の中でモーターの原理がみつかり、すぐにいろいろな人たちの手が加わってモーターが開発されました。これも諸説ありです。ちなみにファラデーは実に魅力的な科学者で、このサイトにもいくつか書いてあります、興味のある方はぜひ検索してみてください。

 

 みなさんの予想はどうでしたか?

 モーターの様なシンプルで機能的なものが登場したのは今からほんの100年くらい前だと予想した人もいたようです。
 逆にエンジンの様な込み入ったものが登場するのはシンプルなモーターの後だろうと予想した人もいるでしょう。

 一説ではモーターが30年くらい早いという様にも結論づけられるのですけど、もしそうだとしても、人類の歴史の中では30年というのは大きな違いではないと思っています。

 どちらも1800年代だということに注目してみたいのです、話はここからです。

 1800年代あたりの科学の歴史をみると驚くことがいくつもあります。

 以前書いたのですけど科学だけでなく宗教にも大きな変革を与えた「ダーウィンの進化論」は何年だったか?

 1859年に発表されました。

〈新型コロナ〉でも手洗い消毒が励行されていますけど、目に見えない生き物のせいで病気になることをはっきりさせたパスツールの研究はいつだったか?

〈目に見えない菌・病原菌〉の存在をはっきりさせたパスツールの実験はいつだったか?

 1861年です。

 長くなるので分けて書かせていただきます。

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心優しい先生たち

 今日も子ども達にせいいっぱい向き合い、明日の授業や行事その他いろいろなことを遅くまで考え準備し、眠りにつく・・・

 長い教師生活の中で、本当に優しくて、子どもたちのために頑張っている先生たちをたくさん見てきました。

 けれど全ての子ども達が教師の想いをわかって行動してくれるわけではありません、反抗されることもあるでしょう。

 教師に無理な注文をしてくる保護者の方もいるでしょう。

 学校の先生たちが全員気心が知れたり仲良く付き合えるというわけでもありません、時に厳しい意見を言ってくる先生もいることでしょう。

 希望に満ちて教師になったのに、こんな人生を過ごすとは、と後悔したり、苦しくて逃げたくなったりすることもあります。

 これまでたくさんの先生たちの相談、カウンセリング、スーパーバイズを行ってきました。自分には教師の才能がない、朝子どもたちと会うのが苦しいと語った先生たちと、いろいろな選択肢をさぐってきました。

 少し休むと、また子ども達に向かう元気が出てくることもあります。
 ただし、休まなくてもゆっくりと子ども達に向かう元気が出てくる方法もあります。

 それは、子どもたちと対立する場面を減らし、その分、喜んでくれる場面を増やしていくことです。

 もちろん、はじめのうち、子どもたちの表情も態度も変わりません、でもそれをまず一週間続けていってください。実際に対立の場面が少し減ってきたのを発見するでしょう。

 対立の場面はたとえば生徒指導の場面です、「ベルがなっても席につかない」「まじめに掃除していない」etc.
 上からの指導ではない方法があります。

 笑顔の広がる時間、それは数えられないくらいたくさんあります。朝のあるいは授業はじめの〈読み語り〉であったり、いろいろな授業に織り込む〈たのしい教育プログラム〉、学級の日などでたのしむプログラムetc.

 子ども達のことを大切に考える優しい先生たちが、学校から出ていくことにならないように、たのしい教育研究所も全力で支援しています。たのしい教育研究所のカウンセリングやスーパーバイズで、子ども達との関係が修復し、また元気に教師を続けている先生たちがたくさんいます。

 病休・育休など長期休暇からの復帰プログラムもあります。

 悩みが深まる前に気軽にお問い合わせください。

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〈メルマガより〉ヒト属ヒト科とネコ属ネコ科-楽しい分類学・楽しい学習・自由研究ネタ・たのしい授業・楽しい授業・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 メルマガに気軽に綴った文章についての反応が届くことがあります、メルマガの定番項『ア~ルとたのしい教育の日々』の書き出し部分に、さっそくメールが届いています。

〈たの研〉のメンバーはほとんどホモサピエンス、ヒト属ヒト科です。

 唯一ア~ルがネコ科ネコ族から仲間に入ってくれています。

 メルマガ第549号はじめの章から

 私たちはホモ・サピエンスです、ヒト属の中で唯一生き残っている種族です。

wikipediaに感謝して引用

 ネコ族はとてもたくさんの種が生息しています、そしてとても美しい。

wikipediaに感謝して引用

 私たち人間はついつい、他の生物とは違う様に考えてしまうところがあります。けれどダーウィンが進化論でアイディアを出し、その後、分子生物学が次々に明らかにし続けている様に、生物進化の過程でそれぞれが今の姿になってきました。

 メールにあったのは「同じ生物同士という目でみることができました」という内容でした。

 いろいろな条件が重なり、私たち人間は大脳が発達したので、いろいろなことを自分たちで考えることができる様になりました。ユヴァル・ノア・ハラリも明らかにしている様に、その過程で「神という物語・フィクション」も作り出しました。

 これから前に進んでいく中で、一度、同じ生物の仲間たちという見方・考え方も、大切なものだと思います。

 私が何気なく綴った一言も、こういう気持ちが奥の方にあるからなのでしょう。

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