騙されない人になるために-◯◯◯を狙うから騙される-

〈騙されない人になるために〉のシリーズにはいろいろな質問が届きます。たのしい教育は〈本質的な賢さ〉を身につけていく教育です、必然的に〈騙されない人たちを育てること〉もテーマです。
 では質問、「多くの人たちは◯◯◯を狙って騙される」、◯の中にはどういう言葉が入ると思いますか?

 そもそも私たちはどういう時に騙されるのでしょう?
 遊びやいたずら的なものではなく、お金など大きな被害を伴うものについて考えてみてください、どうでしょう。

「この〈掛け軸〉を買って飾っておくと夫さんの病気が治りますよ」

「このブレスレットを手にはめておくと運がよくなりますよ」

「子どもさんがなかなか合格できないのは○○のせいです、悪霊払いしましょう」
「1000万円預けてくれたら○○大学の学部長に合格できるよう、話を通しておきますよ」

「結婚運を高めるには◯◯石がよく効きます」「結婚生活がうまくいかないのはご先祖の霊が関わっています・・・」

 掛け軸で病気が良くなることはありません。
「いや、知り合いの◯◯さんの奥さんは治ったそうですよ」
 では実験してみましょう、と確かめさせてくれる人はいません、実験したらそういう力のないことがわかるからです。
 知り合いの◯◯さんの奥さんは、病院で治療していたわけですね。あるいは何らかの環境の変化の効果があったかもしれません。夫さんの「必ず治る掛け軸をかけたから」という言葉に元気が出て気持ちが上向いたプラシーボ効果・思い込み効果も後押ししたかもしれません。
 いずれにしても体内の細菌を殺すのは〈抗生剤〉や、体内の免疫システムです。悪性の腫瘍も手術や放射線、抗癌剤、免疫系で壊すしかないのです。

 けれど病気がなかなか良くならない人たちの中で、掛け軸や石やツボなどに大金をはたく人たちがいるのです。

 治療、合格、開運、結婚などいろいろなことで騙される人たち、それらに共通するものは何でしょう?

「一発大逆転」です、〈大逆転〉を狙って騙されるんです。

 試験に合格するには、地道に一歩ずつ力を高めていくことです、効果があがる方法はあっても一発大逆転などありません。

 結婚生活がうまくいかないのは祖先の霊のせいではありません、カウンセリングなどを受けたり地道に取り組んでいくしかありません。あるいは離婚という選択肢を選ぶという解決もあるでしょう。お払いで大逆転はありません。

 もちろん大逆転を狙って騙されるだけがすべてではありません、とはいえ振り込め詐欺も〈大金を手にする〉という大逆転を求めている人たちが騙されるということもあるでしょう。オレオレ詐欺も、孫の交通事故を示談金で警察沙汰にしないですむという逆転を狙って騙されてしまうということもあるでしょう。

 こういうことを知っているだけでも、自分が騙されない、周りで騙されようとしている人たちを救ってあげることにつながっていくと思います。

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語り合う力を楽しく伸ばす〈トーキングカード〉-現行学習指導要領との関わり-

 二週間前の夏の講座で好評だった一つがさくら先生の「トーキングカード」です。自己紹介の時に十数枚のカードから、自分の得意な、好きなものを選んで、それを見せながら語ります。

 これがその時の様子です、語る子も聞いてる子も朗らかなニコやかな表情をしているのがわかると思います。

 語ることが苦手な子はこのカードがあるといろいろなことを自由にイメージできて安心して語ることができる、得意な子も「あ、これもいいな」と選択肢の幅が広がっていく、そんなカードです。

 もちろん「自分はこれを語りたい」という子はそのテーマでOKで、迷ったり困ったりしている子はカードから選んでトークしてもらいます。

 これがその一部を加工したものです。

 この方式はたくさんの先生たちにおすすめです。
 現行学習指導要領の『主体的・対話的で深い学び』というテーマは、どう考えてもその根幹は《たのしい教育》と深く関わっているとしか思えないので個人的に好きなのですけど、その『対話的』という部分でも、このカードは十分活躍するでしょう。

 メルマガで「二学期はじめに使えるトーキングカード」を作成して紹介したところ、読者の方たちから「印刷利用したいので解像度の高いデータが欲しい」という声がいくつも届いています。

 みなさんも、無料素材を利用していろいろな場面で使えるトーキングカードを作成してはどうでしょう。

 どのクラスにも話すことが苦手な子はいるでしょう。逆に〈いくらでも語りたい〉という子がいるかもしれません、特別支援のクラスだとさらにそういう子が多いと思います。そういう子どもたちにもテーマを整理するドライバーになると思います。

 おすすめします。

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楽しい社会:自然法としての基本的人権-たのしい教育の発想法

 メルマガで紹介した板倉聖宣「最後の奴隷制度としての多数決原理」が好評でいろいろな反応が届いています。

 その中の一つの骨子が「人間社会はその時の状況にあわせていろいろな法律を制定するが、憲法を含みそういった法律の上位にある概念として《自然法》がある、基本的人権はその自然法である」という話です。

 メルマガは板倉先生の話を中心にしたので、ここで《自然法》について書きましょう、メルマガ読者の皆さんも読んでくれることを期待しています。

 自然法は英語でNatural Law、「時代が変わっても住んでいる場所が変わっても、人間なら誰でも持っている権利。人間が生まれながらに与えられる法体系」です。

 子どもたち向けのサイトに〈学研のキッズネット〉があります、そこにある説明がわかりやすいと思います。

しぜんほう【自然法】

社会生活の基礎(きそにあって,時代と場所とにかかわらず効力(こうりょくをもつと考えられる(ほう自然法(しぜんほうは,古代には古くからの永遠(えいえん(ほう,中世には人間に啓示(けいじされた神の意志(いし,近代では理性(りせいによって見いだされる人間の自然(しぜん(ほうと考えられた。

自然法(しぜんほう思想は,イギリス革命(かくめい・フランス革命(かくめいなどで,人間の権利(けんりや自由の主張(しゅちょう指導原理(しどうげんりとして大きな役割(やくわりをはたした。

 日本の憲法にもその考え方がはっきりと書かれています、日本国憲法第11条です。

第十一条

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる

 基本的人権は憲法が保障するように書かれているのですけど、もちろん憲法が改正されて〈基本的人権は保障されない〉となるのか?

 No

「侵すことのできない永久の権利」つまり〈自然法〉だからです。

 絶対権力者だった王様に対して、人々が「人間には本来もっている権利があるのだ」と立ち上がり、その自然法つまり人間が基本的に持っている人権を全面に出して打ち倒したのがイギリス革命やフランス革命です。世界で権力者に対して民衆が立ち上がった時、自然法の考え方が影響していたことは間違いないでしょう。

 ところが現在、民主主義といわれる多数決という手法で、いろいろな人たちが自分の意図と反することを押し付けられることがある。そういった、意に反することを押し付ける行為としての〈多数決〉は『最後の奴隷制』だと教えてくれたのが板倉聖宣でした、社会科の教科書で教えられてきた私には、そう見抜くだけの力はありませんでした。
 月刊 たのしい授業1987-4月号の「最後の奴隷制としての多数決原理」から引用しましょう。

板倉聖宣
 それならどうしたらよいのでしょうか。
 実はそのことは普から問題になっていたのです。そしてそのことを憂えた思想家たちは普から民主主義的な原理に優先するものとして〈基本的人権〉という概念を産み出したのです。
「いかなる社会といえども基本的人権というものは犯してはいけない」
「基本的人権が犯されたら、いかなる法も有効性を失う」と考えて《自然法》という概念を生みだしたのです。
「どんな社会の法も〈自然法〉に反しではならない。〈自然法〉はあらゆる法に優先する」というわけです。
 私のように敗戦後すぐに〈民主主義の素晴らしさ〉を納得した人間は、その民主主義の理解の前提として、そのようなく基本的人権〉や〈自然法〉の理解がありました、それがなかったら民主主義なんていうものは少しも素晴らしいとは思えなかったことでしょう。
 それなのにその基本的人権という思想なしに民主主義がもてはやされたことから問題がおかしくなってきたと思うのです。

「学校で〈多数決に従わない権利〉を認めたら大変なことになる」と考える人も多いかもしれません。そうでしょうか?
 教育という場ほど、そういうことをゆっくり丁寧に伝えてあげられるとおもうのですけど、ここからは長くなるので、いずれメルマガで書かせていただきたいと思います。

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本が多い家の子は学力テストの点数も高い、について考えてみよう(2)-楽しい教育の発想

 前回、家にある本の数と学力テストの結果は関係があって、本がたくさんある家の子は得点が高いというデータを載せました、読んだみなさんはどういうことを考えたでしょうか。

「本があるだけで得点があがるなら買って飾っておこうかな」と考えた人もいるかもしれません。

「本の冊数ではなく、それを読んでいる親が知的なものに興味関心がたかいのだろうから、そういう親の子育てが影響するのだろう」と考えた人もいるでしょう。

 いずれにしても、少し考えてみると、本そのものより、本を読むかどうかが大切だろうということには賛成してくれるのではないでしょうか。

 たとえば塩分をとりすぎると血圧が高くなることは科学的にはっきりしているのですけど、家に塩をたくさん置いていても血圧は高くなりません。塩分をどの程度体内に取り入れるかが問題なのであって、丸一日塩を眺めていても血圧は高くなりません。

 比喩的な表現になるのですけど、本も身体にとりいれるかどうかが重要で、本の表紙をいくらながめていても読解力などはアップしないでしょう。

 100%とはいえなくても、本を読むことは知的な高まりにも人間的な深にみも影響していくでしょう。

 ところで、学ぶということは本来たのしいこと、心動かされることです。ところが点数があがるかどうかを中心にすすめていくと、そういうことは置いていかれるのではないかと心配になります。

 本が大好きになると、いずれ点数が伸びるかもしれません。でも点数をのばすために本を読もう、読みなさいということになると、本の持つすばらしさが置いていかれるのではないか・・・

 そもそも、本が好きになるかどうかは、学力テストの点数よりずっと大きなものだと思うのですけど、どうでしょうか。

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