全てのものに魂が宿ると考えるアニミズム@たのしい教育の発想法

 電子出版3冊目は『原子論とたのしい人生』というテーマで執筆をすすめています。「科学」ではなく『原子論』としたのは、「自分は〈科学者〉である」と称する人たちの中に『水は人間の言葉が分かる』とか『血液型性格診断』とか『マイナスイオンの広範な健康効果』を流布する人が目についたり、『パワーストーンを科学で証明する』というように〈科学〉を冠して証明されていないものを流布する出版物が少なくないからです。

 原子論という名称はなかなか聞かないかもしれまれせん、でも、全ての科学は原子論をもとに組み立てられています。最新の量子力学も原子の存在をもとに発展し続けています。そこで真実かつ本格的な科学という意味で、私いっきゅうは『原子論』という言葉をよく使っています。

 さて原子論が広がるまえ、原始時代には、全てのものには霊魂が宿ると考えていました、『アニミズム』といいます。原子論者からみると、どうしてそういう奇抜なことを考え始めたのか、不思議にもなります。

 ところが、よくよく考えると、それはごく自然な思考だったのでしょう。

 科学・原子論が広がる以前の人々は、植物たちが自然に成長していく姿や、水たまりに自然に虫たちが発生したり、突然空からカミナリが落ちてきて山火事が起こったり、今まで元気に歩いていた人が頭を打って死んでしまったりするなど、説明のつかない不思議な様子などをみているうちに、自然界のあらゆる事物(山、川、岩、木、動物など)や現象(風、雨、雷など)に人間と同様の霊魂、意志、意識、感情などが宿っていると考えるようになったのでしょう。

A.I.生成画像

 そして自然な思考だから正しいということではない、ということも、私たち人間が長い時間をかけて身につけてきたことでした。

 完成したら、このサイトでも広報させていただきます。
 すでに2冊、出版しています。
 興味のある方は、このサイトの左サイド、あるいはトップ表示から確認できます。
 よろしければ、ご購入ください。
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板倉聖宣「漢字の部首分類と昔の人たちの考え方」@授業書-漢字と漢和辞典 第2部

 仮説実験授業の授業書であまり知られていないものが『漢字と漢和辞典』です、だいぶ古く、板倉先生が力を入れて作成したものです。私は大好きで、大きな影響を受けた授業書なのですけど、周りの仮説実験授業研究会関係の人たちに聞いても読んだことがないという人たちがほとんどでした。

 メルマガで紹介したところ、いろいろな方たちが興味を持ってくれました。

 子ども向けというより大人向けの授業書だといってよいかもしれません、もちろん私は小学生に授業をしてきました。

 第二部のはじめのところを紹介しましょう。子どもたちが「わかりにくい」といっていた部分を中心に手をいれてあります。授業書の内容、伝えようとすることは全く変わっていません。

 

授業書〈漢字と漢和辞典第二部「漢字の部首分類と昔の人たちの考え方」〉

〔問題1〕
ここにあげた15の漢字は、すべて顔にある目・口・耳・鼻・歯・舌とその働きに直接関係するものばかりです。

1)昔からあるふつうの漢和辞典では、次の漢字はどの部首のところにのっていると思いますか。予想をたててみてください
2)それ自体が漢和辞典の「部首」としてとりあげられているものはどれとどれだと思いますか、◯をつけておいてください。

〔解説〕
ここで「ふつうの漢和辞典」と断ってあるのは、三省堂刊の長沢規矩也さんの漢和辞典系統のものだけは、部首のたて方が大きくちがっているからです。

 

部首の話(1)

〔問題1〕の15の漢字のうち、眉と告・味・聞・嗅をのぞいた10の漢字「口・日・目・見・舌・言・耳・歯・食・鼻」は、いずれも部首にとりあげられています。
〈鼻〉などは字画も多く(14画)、その漢字を構成している「自・田・升」は漢和辞典の部首になっています。だからそのどこに入れてもよさそうなのに「目・口・耳」などと一緒に部首として独立させられているのです。
 これをみると、部首としてたてられるかどうかは「その字(意音符)がどれほど簡単か」ということだけできめられるのではないことがわかります。
 鼻という字はそれを構成要素とした字が特にたくさんあるというわけでもないのです。
 顔の中の基本的な器官である目・口(舌·歯)耳・鼻は「その字がどんなに複雑でも、どうしても部首としてとりあげておきたい」と昔の人々は考えたのでしょう。
 そしてその考えは多くの中国人や日本人にうけつがれてきて、いまも大部分の漢和辞典はそういう字を部首として採用しているのです。眉は目・鼻・口・耳にくらべると重要性がおとるので、これは目の部首のところに入れてしまってあるのでしょう。

〔問題2〕
今度は、人間や動物のからだに関係のある字だけをあげます。
このうち、それ自体が部首になっている字はどれとどれだと思いますか。
みんなの予想をだしあいましょう。

ここまで

とってもたのしい授業書です。

十年ほど前に『月刊 たのしい授業』の臨時増刊号に取り上げられました。
全体を読みたい方は、お求めください⬇︎(クリック)
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PEALカウンセリング入門@迷惑をかけないorかけられても気にしない

 私自身は毎日届く新聞も読みませんし、テレビは録画した旅番組や「チコちゃんに叱られる」くらいしか観ないのだけど、読者の方からニュースやネット情報がたくさん届きます、おかげで普通にニュースなどを収集する方たちの2割くらいは情報を得ることができます。

 最近届いた一つが
「日本人は親から〈周りの人たちに迷惑をかけないようにしなさい〉と教えられ、インド人は親から〈自分は周りの人たちに迷惑をかけているのだから周りの人たちの迷惑を許してあげなさい〉と教えられる」という話。

 面白い話です。

 インド人の教えっていいですよね、という話も加わっていました。

 日本の多くの親の教えがよいのか、インドの多くの親の教えがよいのか、片方ではなく両方必要なのだと思います。

 私にとってアウトドアの座右の名著が『河口慧海 チベット旅行記』です、その話を聞いた時にその『チベット旅行記』の話を思い出していました。

 チベットはインドの北の方に位置していて、近い考えをするのかもしれません。

チベット旅行記/青空文庫・Kindleで読めます

 チベット旅行記には、さらに面白い発想が紹介されています。

 恐ろしい強盗の話で、アクが強いので部分的に編集して紹介します。少し長いのですけど、読んで損はない話です。

第三十八回 天然の曼荼羅まんだらめぐり(三)

三途さんずのがれ坂をゆ ※いっきゅう編集版です

 

 さてその翌日もその寺で泊り込んでいろいろその地の事について研究しましたが、夜はやはり禅定ぜんじょうに入ってその楽しみを続けた。

 その時の楽しみは一生忘れられません。その翌日は非常にきつい坂で三途さんずのがれ坂というのをえねばならん。ところが幹事は誠に親切な人でヤクを貸して上げましょうという。

 私とは余程深い縁があると見えて出来得るだけの親切を尽してくれいろいろな喰物もくれました。そのヤクに乗って一人の人に案内されて恐ろしい坂を登って参りました。

 するとチベット人の妄信といってよいか信仰力といってよいか、仏陀に対して自分の罪業ざいごう懺悔ざんげし自分の善業を積むという熱心は実に驚くべきほどで、その山を一足一礼いちらいで巡るというひどぎょうをやって居る者もあるです。

 それらは大抵若い男女がやって居るので老人には出来ない。ただ登って行くだけでも随分困難を感ずるですからとても若い者のような具合には行かない。

 私はヤクに乗って登ってさえも随分苦しい。何故かならばいかにも空気が稀薄ですから、三途ののがざかを二里ばかり登りますと非常に疲れて呼吸が大分苦しくなったから少しは薬なども飲むつもりで休みました。するとそこで面白い話を聞いたです。

 それは向うの釈迦牟尼如来しゃかむににょらいといわれる雪峰チーセに対して礼拝をして居る人がある。その人はいわゆる強盗の本場であるカムの人です。様子を見るに実に獰悪ねいあくなまた豪壮な姿であって眼眦まなじりなども恐ろしい奴ですから、強盗本場の中でも一段すぐれた悪徒であろうと思われたです。その悪徒が大きな声で懺悔をして居る

 

未来の悪事の懺悔

 その懺悔のおかしさと言ったらないです。

 なぜならばおよそ懺悔というものは自分のこれまでした罪業ざいごうの悪い事を知って其罪それを悔いどうかこれをゆるしてくれろ、これから後は悪い事しないというのが一体の主義である。

 しかるにその人らのして居る懺悔は実に奇態で私も聞いて驚いたです。その後ある人に聞きますればカムの人がそういう懺悔をするのは当り前である。誰でもその通りやって居るという。だから私は実に驚いた。それはどういう訳かというとこういって居るのです。

ああ、カン・リンボチェよ。釈迦牟尼仏しゃかむにぶつよ、三世十方さんせじっぽう諸仏しょぶつ菩薩ぼさつよ。私がこれまで幾人かの人をあやめ、あまたの物品を奪い、人と喧嘩口論をして人をぶん撲った種々の大罪悪を此坂ここで確かに懺悔しました。〔します。〕だからこれで罪はすっかりなくなったと私は信じます。
 これから後私が人をあやめ、人の物を奪い、人をぶん撲る罪も此坂ここで確かに懺悔致して置きます。

とこういう事なんです。

実に驚かざるを得んではありませんか。

 慧海さんが紹介しているのは、「私はこれからたくさんの罪をおかす、と懺悔します。、だから神さま、それを許してください。はい、これで私のこれからの罪もなくなりましたね!」というわけです。

 迷惑や罪は許されるべきものだという発想を突き詰めていくと、こういうところまですすむのでしょう、すごいですよね。

 周りの人たちが苦しむ姿は減らしたいし、それでも迷惑をかけるのは仕方ないことで、自分も許してあげよう、ということになるのでしょう。

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たのしい環境教育@酸素を増やす研究/さし木Newバージョンの実験

 植物を増やす活動は、どうも普通の楽しみ以上のものがあるということを感じはじめています。植物を増やしていくことは美味しい実が増えていくことにつながることもあるし、生命に不可欠なO2を作り出すことにもなります。プラモデルを作ることも楽しいけれど、どうもそういうことと次元が違う感じがする…
 最近実験していることを紹介します。
 公式サイトに桜と桜の間で光が当たらず一年経っても小さなままだった桜の木の話を書きました。
https://tanokyo.com/archives/166668

 その時、小さな桜に太陽の光をあてるために両隣の桜の枝を剪定したのですけど、最近見るとその切り口近くから新しい葉が芽吹いていました。切られた部分にいく勢いを新芽に注いでいるわけです。


「もしかすると…」

 閃いたのは「この部分を切り取って土に入れると普通のさし木より成功率も高く成長スピードも速いのではないか」という考えです。
 さっそく実験することにしました。
 これは大きな芽、何となく根が出やすいかも、と考えて枝はタテ半分にしました。※大きな葉は落とします

 

  

 これは小さな芽です。

2025年、こどもの日に土に植えました。

 私は植物栽培や農業に詳しいわけではありません。これで桜のさし木の成功率が高いとしたら面白いのだけど…
 みなさんはどう予想しますか?
 専門の人から「そんな簡単なこともしらないのか、成功するわけないだろう」と言われることなのかもしれません。
 ちなみに専門家が推奨する桜のさし木は、伸びている枝先をカットして葉を半分くらいにして土にまっすぐ挿します。桜でなくてもたいていこうです。

 予想を立てて実験すると、当たっても外れてもたのしく賢くなることができます。

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