教科書の表記が絶対正しいというわけではないという話( 。」)①-たのしい国語

 前に〈かぎカッコと句点〉について書きました、会話部分をカッコでくくって、その閉じの部分「◯◯◯◯  。」が気になるという話です。句点〈 〉も文を閉じる記号で、閉じカッコ〈 〉も同じく閉じる記号です。無駄であるだけでなく美しさにかける。

 その記事の中で《 作家本人は 」 でシンプルに閉じているのに、それを教科書に載せると時 。」 に変えてしまっているのか》という宿題が残されていました。もしそうだとすると、作家本人はそう書いていないのに、教科書で日本中の子どもたちが目にするので、まるで本人がそのように書いたと考えてしまいます。

 これは私が親しんでいる高校の国語教科書にある夏目漱石の「心」の一節、中程に有名な言葉〈精神的に向上心のないものはばかだ〉という言葉が出ています。「 」で括られていて、句点+」ですね。

では夏目漱石の本は、そうなっているのでしょうか?

残念ながら本屋さんにいく時間的なゆとりもなくなっているのですけど、便利なことに電子書籍があります、kindleで調べてみましょう。その言葉は左側に位置しています。

 kindleだけで判断するのは早計でしょう、とはいえ、結果の一つはみつけたことになりますね。

 全集なども含めて、作家本人は私と同じようにシンプルにかぎカッコのみで閉じているのに、教科書に載る時には〈句点+ 」〉になっているのか、実は本人がそうしていたのか、はっきりするでしょう。

 推理小説のように謎を解く、こういうディテクティブ(捜査)もたのしくてやめられません ´ー`)
 こういう過程の一つひとつも、自分の頭で考えて確かめていくという〈騙されない人間になるためのステップ〉です、興味ある方は一緒にやってみませんか。

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たのしい国語①〈たの作3〉低学年・特別支援クラスの子どもたち、書くのが大嫌いという子どもたち向けの新しいプログラム

 メルマガで公表したところ、すぐに反響が大きかった〈たの研 授業書〉たの作3 の紹介をしましょう。今回は小学校低学年の「書きはじめ」の子どもたち、「書くことが嫌い・大嫌い」という子どもたち、特別支援の子どもたちを対象にしたプログラムです。

 ところでみなさんは書くことは好きでしょうか?

 少し時間をとって考えてみていただけませんか。
 時と場合によると考える人もいるかもしれませんけど、〈どちらかといえば〉で考えてください。また、友だちにLINEを送るという時の書く、ではなく学校の勉強に出てくるようなもの、ペーパーにまとめるような場合を想定してください。

ア.書くことがすきだ

イ.書くことはきらいだ

 好きだという方は、これまでの人生のどういう流れの中で好きになったのか、ぜひ教えていただきたいです、それは〈たの研/たのしい教育研究所〉のプログラムの大きな示唆になると思います。

 さて、私がこれまで出会ったたくさんの先生たちの言葉から類推すると〈書くことが好きだ〉という人より〈きらいだ〉という人が圧倒的に多いと考えています。

 教師はいろいろなものを書くことになります。研究授業の時には指導案というものをまとめます。指導要録もあります。個別の支援計画というものもあります。授業の計画はメモ書き程度とはいえ、毎週毎週かかされるとつらいものもあります。だって年間の計画はすでに提示されているのですから。

 私は学校にいる頃からレポートや週報などをたくさん書いて来たので、先生たちから「いっきゅう先生、これ、どうやって書いたらいいかなぁ」といった相談がたくさんきました。「書くことって憂鬱なのよ」という先生がいかに多かったことか。

 私いっきゅうは、このサイトを書いているだけでなく、いろいろな執筆を同時並行ですすめているのですけど、書くことが大好きです。

 書くことのたのしさはとてもたくさんあります、その一つの大きなものが

A 自分の中で新しいものごとが組み立てられていくたのしさ

です。

B 周りの人たちが喜んでくれる姿をみることができる

というのもとても大きな一つです。

 すでに今回で3冊目となる《たの作-たのしい作文指導プログラム》は、大きくその2点を組み込んで作成されています。

 たの作3の一枚を紹介しましょう。※絵は〈たの研〉が利用しているA.I.で作成したものです、絵を含めて全て〈たの研〉に著作権が在します

 完成品となるまでには、いろいろなこどもたち先生たちの評価を経ていく必要がありますから、まだ時間がかかります、お待ちください。

 書くことが好きだ、嫌いだという話はたのしい教育にとって、とても大切なことを含んでいます、次回は無理でも続けて書いてみたいと思います、おたのしみに。

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楽しいブックレビュー 米原万里『打ちのめされるようなすごい本』文春文庫-日本の教科書の無味乾燥さ

 大好きな作家に米原万里さんがいます、残念なことに56歳という若さで他界してしまいました。切れ味鋭い文章を綴る達人でした、100歳以上まで生きて、もっともっといろいろな本を残して欲しかったと残念でなりません。

 米原さんのおすすめの本はたくさんあって、去年メルマガで『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を紹介したところ、さっそく購入しましたという声がいくつも届きました。
 多読の米原さんの書評を集めた如唯一の本『打ちのめされるようなすごい本/文春文庫』も多くの方におすすめです、実に面白い。

 その本の表紙裏の著者紹介がよくまとまっているので文芸春秋社に感謝して引用させていただきます。

著者紹介
米原万里 (よねはら・まり)
1950年生まれ。 元ロシア語会議通訳、 作家。
59~64年、 在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。
東京外国語大学ロシア語科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。
80年設立のロシア語通訳協会の初代事務局長を務め、95~97年、03~06年会長。
92年、 報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会賞を受賞した。
著書 『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店、新潮文庫)で読売文学賞、『魔女の1ダース』 (読売新聞社、 新潮文庫)で講談社エッセイ賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 (角川書店、角川文庫) 大宅壮一ノンフィクション賞、『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社、集英社文庫)Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。
他に『ロシアは今日も荒れ模様』(日本経済新聞社、講談社文庫)『真夜中の太陽』 『真昼の星空」(中央公論新社、 中公文庫) などがある。
2006年5月、 逝去。

 米原さんは多読家で、多岐にわたる興味関心にまかせてたくさんの本を手にし、〈歯に衣着せぬ〉言葉で、いいのはいい、おかしいのはおかしい、と腑に落ちるように語ってくれています。また教育や政治、〈ものの見方・考え方〉についても折に触れて伝えてくれます。

 今回はその中の一つを紹介しましょう。
 54ページ《退屈な教科書と大江づく日々》の項に「期待はずれだった」という本(あえてタイトルは伏せましょう)に触れて、こう綴っています。

 中学2年の時に帰国し近くの公立中学校に編入した私は、歴史のみならず、あらゆる教科書の絶望的たいくつさ加減にショックを受けた経験がある。
 義務教育であるとかテストがあるとかの強制力がないかぎり、一行とて読み進める気が起こらない羅列(られつ)的記述。

 そこには〈ものを知る〉=〈知らせる〉喜びも、ものごとの本質を極めていく時のあの胸のたかなりも影を潜めているのだった。

 それまで小学校の3年から5年間滞在したプラハで通ったソビエト学校の教科書は、どれも読み出したら最後、止まらなくなるおもしろさだった。これは嘘でも誇張でもない。新学期が始まってひと月もすると、大方の生徒が全ての教科書を読破し終えていた。

 この「面白くなくては」つまり「子どもが読んでくれなくては教科書ではない」という常識が日本では逆転していて、教科書はたいくつの代名詞となっていた。

 客観的記述=羅列という思い込みが日本の教科書を支配していると思った。

 日本の教科書の無味乾燥さは、たくさんの人たちが指摘するところで、特に驚かないのですけど「嘘でも誇張でもなく〈ソビエト学校の教科書は、どれも読み出したら最後、止まらなくなるおもしろさだった〉。新学期が始まってひと月もすると、おおかたの生徒が全ての教科書を読破し終えていた」という話には驚いた。

 そうか、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、プーシキンとかいう世界に名だたる大作家たちを生んだソビエト・ロシアは教科書も読み応えあるものなのだな、とてもうらやましい。

 ただ、あえて米原さんに伝えたい。

「国語の教科書の文学作品はいいと思うよ」

 ちなみにこのサイトでも以前かいたかもしれません、私が無人島に本を一冊持っていくとしたら、国語の教科書(高校)を手にすると思います。

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楽しい国語「〈原稿用紙の使い方〉で作文嫌いを生まないように」/句点( 。)の話

 ある少年と語り合いながら、子どもの頃、先生に原稿用紙の使い方をしつこく指導され、その都度書き直しを命じられるので、ほとほと作文が嫌になったことを思い出しました。あの先生にも指導の理由があったとはいえ、子どもたちが嫌いにさせるような授業を続けたことには今でも納得いかないな。子どもの頃、先生に何度も書き直しさせられたのが句点(  。)と読点(  、)でした。

 たとえば「うみにいるかのたいぐん」という文は読点が無いと二つの意味で読み取れることになりますから読点(  、)はとても大切なのですけど、それはいずれ描くことにして、今回は句点(  。)をテーマに書きましょう。

 まず皆さんの考えを聞かせてください。

質問
文章を書いていく時、句点(  。)と読点(  、)は重要です。その中の句点(  。)はどういう時につけるものでしょうか?

 

句点とは

「ここが文の終わりです」という時につける記号が句点(  。)です。私が書いているこの文章にも句点がついています。

 句点をなくして書き続けていくとどうなるでしょう? 例えば今の文章(青)はこうなります。

「ここが文の終わりです」という時につけるのが句点(  。)です私が書いているこの文章にも句点がついていますねもしもこの句点をなくとて書き続けていくとどうなるでしょう?

 読めないことはないとはいえ、切れ目がはっきりした方がずっと読みやすいですよね。文の終わりには記号をつけた方がよいので、句点(  。)も大事です。ちなみに私の知っている人物に、一つの文章ごと行変えして書いて、全く句点を使わない人物がいます。

 ところで句点(  。)以外にも〈ここが文章のおわりです〉という記号があります。さっきあげた青の文章の中にもありますよ。

⬇︎

⬇︎

はてなマーク( )と止めのカギカッコの記号(  )です。
他にもあります( )や(・・・ )などなど。

 ところで学校では「~といいました。」というように〈句点+カギカッコ〉と指導します。
 私はこれがいやだった。

 だって、止めのカギカッコだけで〈語ったのはここまでです〉を意味しているのに、それにさらに〈文章はここまでです〉という記号をつけるなんておかしくないですか? 《ここで文章の終わりですよ》《ここで文章の終わりですよ》と2回繰り返しているんですから。

「おかしくないよ」という人もいるかもしれません、それなら「ムダだという気がしませんか」と質問させてください。

 その後、自分でいろいろな小説などを読む様にうちに、小説家・文筆家の多くが私と同じように、そういう無駄なことはしない人の方が大多数でした。

《ここで文章の終わりですよ》《ここで文章の終わりですよ》と2回繰り返したい人がいてもよいのですけど、私の様に繰り返したくない人を弾圧するのはよくないと思います。

 ちなみに私は「・・・終わりですよ。」というような同じ意味を伝える二重の記号は美しくない、「・・・終わりですよ」の方がスッキリしてずっとよいと感じています。

 みなさんはどうでしょう。

 今年は私も文筆に力を入れようと考えていて、いろいろな小説家の直筆の原稿用紙を眺めています。

 何人か紹介して、終わることにしましょう。私と同じように《句点+カギカッコ》を使わない有名な小説家の方たちの直筆です。もちろん、本になった時にもカギカッコのみで閉じています。今度時間ができたら、その作家の作品を取り上げた〈教科書〉は本人の原稿を無視して《句点+カギカッコ》に変えてしまっているのではないか、というところを検証してみましょう、たのしみです。

 夏目漱石の小説「門」の原稿。

川端康成「篝火」の原稿

 谷崎潤一郎「細雪」

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