ノウハウも大切、原理・哲学・発想法を大切に学ぶことも大切-楽しい教育の発想法

 最近の〈たのしい教育メールマガジン〉に書いた内容の反響が届いています、このサイトを読んでくれていめるまメルマガの読者の方も多いので、少し書かせていただきます。

 こういう時はどうしたらよいのか、というノウハウを学びたい人はたくさんいます。
 子どもたちがいうことを聞いてくれない、という先生から「立って歩いている子になんて言ったらよいですか」という様に。
 私は空手の指導者でもあるので「顔を殴ってきた時はどう受けたらよいですか」という様な質問をたくさん受けてきました。

 ノウハウつまり具体的な対応はとても大切です。

 ところがノウハウというのはある特定の状況で成り立つものがほとんどです。
「立って歩いている子になんて言ったらよいか」という時にも、その子の学年や、勉強が苦手なのかどうか、友達関係はどうかなどいろいろなファクターによって対応に差が出てきます。

 空手の技もそうです、逃げられる状況か、相手が力のある人なのか、防ぐものがあるかないかetc. いくつかのファクターで違いが出てきます。

 そういう時の具体的な対応・ノウハウを学びつつ、たとえば「子どものプライドを傷つけない様に声をかけることが大切です」という様な原理的なものを学ぶ方が応用範囲が広がるでしょう。

 原理的なものはとても大切です。

 最新号の〈たのしい教育メールマガジン〉の発想法の章にこうかきました。

 最近、学校関係の方から相談にのってほしいとたのまれ、いろいろな話をしてきました。巨大な壁を前に、何をどうしていけばよいのか打つ手が描けないとのことでした。確かに巨大な押し付けを前にすると個人としての打つ手はとても限られています。
 学校だけでなくいろいろな組織でも、もしかすると家庭でも〈抵抗できない強い力〉が存在することがあります。自分はそうではないと考える・そうしたくないと考える、けれど「こうしなさい」と押し付けてくる、そういう力です。
 その時、どうしたらよいのでしょう?

 こういうことはノウハウでは解けないでしょう。

 哲学・発想法など原理的なものを学んでいく必要があります。

 巨大な力を前にした時・・・

 みなさんも考えてみませんか。

 そして教育に関わる原理的なものと、実際のたのしい授業の方法とを学びたいと思ったら、ぜひ〈たのしい教育メールマガジン〉を購読してみてください。読者が全国に広がっている人気のメルマガです。

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エイプリルフールの効用②-ウソも方便だけではない

前回からの続きです;〈事実でないもの〉をウソだと考えれば小説だってウソです。
将来の夢も、「いまそう考えている」ということでは事実でも、現実のことではないということでみると虚構、つまりウソの一種です。

〈今、生きている〉とか〈呼吸している〉とか〈女性である男性である〉、〈2023年の4月である〉という様に、ウソでないものはホンのわずかなものになるでしょう。

 ためしに「今日1日は事実以外は語らない」というルールで過ごしてみてください。どれくらい言葉数が減ることでしょう。
 同時にウソ、虚構、まだ実現されていない夢や希望、飾り言葉、いろいろなものを組み合わせて私たちの日々の会話が構成されていることを知ることでしょう。

 そもそもイメージすることは現実をベースにしていても、そこから自由に想像を羽ばたかせていくことです。「もしかしたら今日のご飯はカレーかもしれない」とか「今年の担任の先生はたのしい先生だといいな」etc. そういうものごとがあたまのなかをたくさん駆け巡っているのが私たちの思考でしょう。

 ウソ・虚構はイメージを膨らませることに不可欠です、それはたのしい教育の中でも積極的に利用できます。

 たのしい作文指導教材「たの作」では

「ある朝起きてみると食事の席に、別の自分が座っていた」の続きをかきましょう

という様なテーマなどでたのしむ内容がたくさんあります、ただし〈ホワイト・ライ/人を傷つけないウソ〉限定で。

 ウソの効能はまだあります。

 子どもの頃、エイプリルフールのことを知った時、驚いた人もたくさんいると思います。そのウソにも驚いたかもしれません、でも「人はウソをつくことがある」ということに驚いているということもあるでしょう。

 人は普通の顔をしてウソをつくことがある、という体験は「騙されない教育」にとっても大切です。

 振り込め詐欺、特殊詐欺だけでなく、フェイクニュースなどはたくさんあります。ウソのコマーシャルにのって商品を購入しことのある人もいるでしょう。政治の中でもいろいろなウソが作られています、今のロシアの戦争の中でも「相手側が悪い」の応酬です。

 騙されない人になる、というテーマはたのしい教育の中でもとても重要な一つです。

 4月は〈エイプリルフール〉をきっかけに、ウソの怖さとすばらしいさについて考えてみるのはどうでしょうか。

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たのしい発想法〈エイプリルフールの効用〉①/たのしい教育の発想法・楽しい学習・自由研究ネタ・たのしい授業・楽しい授業・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

「たのしい教育のページをこどもたちに読んでいます」という便りが届いています、うれしいことです。今回の内容も、こどもたちに読んであげたくなる様な内容になると思います、ご活用ください。
 4月1日のエイプリルフールが世界的に受け入れられていると思う人もいるかもしれません、しかし中国・ロシア・インド・タイ、イスラム諸国など、好ましくないとされている国はたくさんあります。

 

 子どもの頃から「〈ウソもほうべん〉というのもあるのに、ウソをつくのが4月1日くらいだという国があるのは悲しいことだな」と感じていたのですけど、みなさんはどう思うでしょうか。

 以前、いったいどの国からはじまった習慣なのか調べてみたことがあります、結論は「起源不明」でした。

 wikipediaにこうあります、※感謝して引用

エイプリルフールの起源は全く不明である。

すなわち、いつ、どこでエイプリルフールの習慣が始まったかはわかっていない。有力とされる起源説を以下に挙げるが、いずれも確証がないことから、仮説の域を出ていない。以下に挙げるのは、その例である。

 

その昔、ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたが1564年にフランスのシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用した。これに反発した人々が、4月1日を「嘘の新年」とし、馬鹿騒ぎをはじめた。この説を利用し、さらに「嘘の嘘の新年」なる説まで登場したが、これは2006年に意図的に本項目に書き込まれたデマ情報である(嘘の嘘の新年を参照)。

 

インドで悟りの修行は、春分から3月末まで行われていたが、すぐに迷いが生じることから、4月1日を「揶揄節」と呼んでからかったことによるとする説もある。この説によれば、インドの「揶揄節」が西洋に伝わったものがエイプリルフール、中国に伝わったものが「万愚節」になったという

 

イングランドの王政復古の記念祭であるオークアップルデー(en:Oak Apple Day)に由来を求める説がある。

フランスではエイプリルフールを Poisson d’avril(4月の魚)といい、子供達が紙に書いた魚の絵を人の背中にこっそり張り付けるいたずらをする。この『4月の魚』とはサバのことを指すと言われ、ちょうどこの頃にサバがよく釣れるためこう呼ばれるとされる。

日本には大正時代に欧米のエイプリルフールが伝わったが、前述の中国の「万愚節」が江戸時代の日本に伝わり「不義理の日」と呼ばれていたという説もある

 「この日くらいはウソをついてもよいよ」という消極的な発想ではなく、日本の「ウソも方便(ホウベン)」の様に〈ウソに対する積極的な評価〉が外国にもあります。

 どの映画だったのか覚えていないのですけど「It’s white lie./ホワイトライさ」という言葉がありました。他の人を傷つけない、悪意のないウソです。

 調べててみると、ドイツには「緊急のウソ/Notlüge」という言葉がありました。スペインにも「慈悲深いウソ/mentira piadosa」という言葉があります、他の国からもいくつか出てくるでしょう。

 ウソにも良い側面がある、ということです。

 以前にも書いたと思うのですけど、出血多量で危ない人に「あなたはあぶないよ」と正直にいうのではなく多くの人は「大丈夫だ、きっと助かる」というでしょう。

 さて、エイプリルフールで考えてみたいことがあります。たのしい教育の発想と関わる大切なことです。

つづく

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二十四節気〈清明〉をたのしむ-たのしくアウトドア

 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)という一般的な四つの区切りでなく、その六倍の〈二十四節気(にじゅうしせっき)〉という農耕を中心にした季節の区切り方があります、中国で生まれ、東南アジアのいくつかの国に広まっていて、かつての日本もそれを取り入れていました、今でも〈立春〉とか〈夏至〉〈秋分〉〈冬至〉など、生きて使われている節がいくつもあります。

 国立国会図書館のサイトに二十四節気の表があります、元々太陰太陽暦(旧暦)なので、新暦でいうと何時頃なのか、右端に記されています。

二十四節気
季節 二十四節気名 新暦の日付
立春(りっしゅん) 1月節 2月4日頃
雨水(うすい) 1月中 2月19日頃
啓蟄(けいちつ) 2月節 3月5日頃
春分(しゅんぶん) 2月中 3月21日頃
清明(せいめい) 3月節 4月5日頃
穀雨(こくう) 3月中 4月20日頃
立夏(りっか) 4月節 5月5日頃
小満(しょうまん) 4月中 5月21日頃
芒種(ぼうしゅ) 5月節 6月6日頃
夏至(げし) 5月中 6月21日頃
小暑(しょうしょ) 6月節 7月7日頃
大暑(たいしょ) 6月中 7月23日頃
立秋(りっしゅう) 7月節 8月8日頃
処暑(しょしょ) 7月中 8月23日頃
白露(はくろ) 8月節 9月8日頃
秋分(しゅうぶん) 8月中 9月23日頃
寒露(かんろ) 9月節 10月8日頃
霜降(そうこう) 9月中 10月24日頃
立冬(りっとう) 10月節 11月7日頃
小雪(しょうせつ) 10月中 11月22日頃
大雪(たいせつ) 11月節 12月7日頃
冬至(とうじ) 11月中 12月21日頃
小寒(しょうかん) 12月節 1月5日頃
大寒(だいかん) 12月中 1月21日頃

 

 4月のこの頃は〈清明:せいめい〉の季節です。
 沖縄ではけっこう大切にされていて、親族が集まってお墓でパーティーをします、大和言葉で〈せいめい〉、もともとの中国語では〈チンミン〉、島言葉では〈シーミー〉です、大和言葉と中国語をミックスしたみたいですよね。

 私はアウトドアでの食事が大好きなのですけど、明らかに幼い頃、親族が集まってアウトドアで食べた〈シーミー〉の影響があると思います。

 子どもたちにも伝えていきたいたのしい行事の一つです。

 清明は本来〈自然界が清らかで明るくなる時期〉であるところから名付けられています、まさにはっきりと春が到来した季節ですから自然が美しく、お出かけやピクニック、風景を楽しむのに最適な頃ともいえるでしょう。

 そういう習慣のない方たちも、ピクニックにでかけてみませんか!

 

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