楽しい算数〈0X9=0〉チコちゃん「 ゼロに何をかけてもゼロだからねぇ」ー楽しい学習・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 好きな番組「チコちゃんにしかられる」でゲストとチコちゃんの会話に「ゼロに何をかけてもゼロだからねぇ~」というセリフがありました。

 以前、小学校教員を目指す先生たちに「どうしてゼロに何をかけてもゼロなんでしょう、説明できますか?」と問いかけたことがあります。

 もしかすると説明できた先生もいかたもしれませんけど、「そう教えられたから」という人がほとんどで、その理由を説明してくれた先生はいませんでした。

 理由はわからなくても計算は可能です。

2X52X4X12X9X4.2X0X22.4 はいくらか?

 たくさんの数字があるので計算が大変だと思う必要はありません、〈0〉です。
 0をかけると、どんな数字がきても0だからです。

 けれど「それはそうなっているから」ではなく、腑に落ちる様に理解できた人たちが、新しい課題を突破していける様になるのです。

 とはいってもそんなに難しいことではありません。

 私が子どもたちにつたえていたのはこういう流れです。

たとえば「リンゴは何個になるだろう」ということで考えてみます。

 リンゴが何個のっている皿であっても、その皿が0枚なら、リンゴは0個です。

リンゴが乗ってない皿(0個)は、何皿あってもリンゴは全体で0個です。

 これが0のかけ算で答えがゼロになる理由です。

 こうやって授業した後、同じ時間内に、子ども達にテストでこういう問題を出してあげましょう。

問題1.
0にどういう数をかけても0になることを、おかしを例にして、絵や図を使って説明してください

 

問題2.
ある数に0をかけると0になることを、ヤサイを例にして、絵や図を使って説明してください

 インプットとアウトプットがセットになることで子どもたちはグンと力を伸ばしてくれます。
 もちろんうまく説明できない子ども達もいるでしょう、説明したい子に前に出てきてもらって黒板に描いて説明してもらってください。

 うまく説明ができなかった子は、それを真似てノートに写して理解する様にしてもらいましょう。

 家庭学習に追加するのもよいですね。

 インプットだけでなく〈アウトプットをセットにすること〉そして〈図で描くことができる力〉がつくと本物です。

 意味はよくわからなくても計算はできます、というのではなく、本物の力をつけてあげることが、たのしい教育の目標です。

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神を否定したラプラスなのに〈ラプラスの悪魔〉/神は信じていないけど悪魔を信じているって変ではない?-楽しい科学史・楽しい学習・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 ラプラスについては〈熱い冷たいって何?〉の項に少し触れたのですけど、その時書きたかったのは実は今回の内容です。

 まずラプラスさんについて紹介しましょう。

 ピエール=シモン・ラプラスPierre-Simon Laplace, 1749年3月23日 – 1827年3月5日)は、フランスの数学者・物理学者・天文学者。「天体力学概論」(traité intitulé Mécanique Céleste)と「確率論の解析理論」という名著を残した。 1789年にロンドン王立協会フェローに選出された。wikipediaより

〈ラプラス〉 wikipediaに感謝を込めて参照

 ラプラスは18~19世紀に活躍したフランスの科学者・数学者で、彼の卓越した才能は〈ニュートンの運動法則を完成に導いた〉と説明されることもあります。ニュートン力学に基づいて天体の運動を計算するための数学的手法を確立したからです。実際に彼は土星の軌道の計算に成功し、その他にもニュートン力学を応用して流体力学や弾性体力学などの分野においても重要な業績を残しました。

 けれどそれよりも私は次のラプラスのエピソードが大好きです。

 ラプラスの著書『天体力学概論』が評判になった時のこと、フランスの皇帝ナポレオンがラプラスに「お前の書いた本は不朽の大著作だと評判が高いが、神のことがどこにも出てないじゃないか」と語ると、ラプラスは眉根ひとつ動かさず「陛下、私には神という仮説は無用なのです」と語ったという話。

 ラプラスも原子論者つまり本物の科学者なのです。

 ところで、その無神論者のラプラスなのに「ラプラスの悪魔」という言葉が広まっています。

 ラプラスは、これから起きるすべての現象はこれまでに起きたことに原因があって、ある特定の時間の宇宙のすべての粒子(原子)の運動状態が分かれば、これから起きるすべての現象はあらかじめ計算できる。つまり人々の行動はすでに決まっているという決定論的な考え方です。
 殺人犯はそれまでの流れで殺人を犯す必然があったということです。

 この〈すべての原子の動きを計算できる存在〉が「ラプラスの悪魔」といわれています、この悪魔はすべての未来とすべての過去を知ることができる。

 その科学論の真偽はいずれ触れるとして、とても気になるのは「私には神という仮説は必要ない」と語ったラプラスが〈悪魔〉と仮定を使っていることはおかしいのではないか、ということです。

 神も必要ないないら悪魔という仮定も必要ないのにね。

 とずっと気になっていたら、ある時その謎が解けました。

ラプラス自身は著書の中でこう書いていたのです。

 もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力がある〈知性〉が存在するとすれば、この知性にとって不確実なことは何もなくなり、その目には未来も、過去同様に全て見えているであろう。

        — 『確率の解析的理論』1812年

 ラプラスは「それらのデータを解析できる〈知性〉が存在するなら」と語っているのであって〈悪魔〉という表現は書いていません。

 明らかにその後の人たちの誇張、間違い、あるいはラプラスを神や悪魔に近づけようという宗教的な意図が含まれた表現だったのでしょう。

 卓越した科学者ラプラスには〈神〉という仮定・仮説も〈悪魔〉という仮定・仮説も必要なかったのです。

 安心しました。

 ラプラスの凄さは、ニュートンが「惑星同士が衝突しないように神様が微調整してくれている」と語ったことすら「そういう調整は必要ない」と証明してしまったことです。それについては項を改めて書きましょう。

 またラプラスのいう、すべてを見通せる〈知性〉は存在するのか、いずれこのサイトでいつか書きたいと思います、おたのしみに。

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板倉聖宣の発想「普及させることを優先して考える」-楽しい学習・楽しい自由研究・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 久しぶりに板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表・元文科省教育研究所室長)の発想法を紹介します、1997年の講演〈科学の大衆化〉の中からです。

板倉

 いいものは大衆化するといいんです。
「こんな教材を自分たちでつくらない先生はだめだ」と叱りつける必要はないんです。

みんなに自分と同じように工夫をすることを要求することは間違っています。
 自主的にやってしまうのは構わないんですよ、工夫するのは楽しいですからね。教材を開発するのは楽しいんです。
 しかしすべての人が教材を開発するわけではありません。
 だから安くすることなんか考えないで「普及すること」を中心に考えなさいというんです。
 安くすることが普及するために決定的だと思ったら安くするといい。
 高くした方がいいんだったら高くするといい。
 高くして儲かったら嬉しくなるんで、その予算でいろいろ買うとよい。
 新しい実験器具を開発するのに役立てるといいんです。
 そう思います。

 春の講座の教材はたくさん売れたのですけど、値段をもう少し安くしてみたいと考えています。もちろん売上でもうかることは期待していません、先生たちがクラスで使ってくれて、子ども達の笑顔と賢さとが広がっていくことが目標です。

 講座の参加費についてもスタッフで検討がはじまっています。
 生活必需品がどんどん値上がりしてきているので、それに対抗して〈たの研〉の講座の参加費は下げていこうというわけです。

 今年度の講座は全て終了たのしい教育で四月以降からになるのですけど、いろいろな人たちが参加しやすいものにしたいと考えています。

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楽しい教師生活&楽しく子どもと暮らすための〈たのしい教育メールマガジン〉

 たのしい教育メールマガジンは、家庭や学校で子どもたちとたのしく賢く過ごすためのパワーアイテムです。まず試しに一年間の購読を始めませんか、週一回のたのしい学びと実践方法が満載です。

 最新号の様子をお届けしましょう。

 これが表紙です。以下、10000文字程度、原稿用紙で25枚程度のどっしりしたボリュームの内容が続きます。


これは初めの章、たのしい教育の一週間の様子です。

 その中から少し紹介しましょう。

巨大ハイビスカスに驚く! 

 これは道端に咲いていたハイビスカスです、大きさが比較できる様に私の拳を花びらの端っこにチョンとつけています。

 このハイビスカを見てください、はじめてみて私も驚きました。拳と花の角度が違うので正確に比較しづらいかもしれませんけど、ここでも私の拳が花びらに触れています。

 ある家の庭先に咲いていた、かぼちゃの切り口くらいあるハイビスカスの花です、品種改良おそるべし!

春の講座の様子もお届けし、評価感想の一部も載せてあります。

 2番目の章は〈授業の章〉です、誰でもすぐに真似ることができる内容を紹介しています。
 今週は親や教師の強力ツールの紹介として〈Chat GPT〉の利用の仕方をとりあげました、大好評です。

 3番目は〈映画の章〉、親子で観たり授業で利用できる作品や、趣味としておすすめしたい映画や本などを紹介しています。
 今週は〈さかなのこ〉、クラスでの視聴をすすめたい名作です。

 最後は〈発想法の章〉です。

 今回は板倉聖宣先生の「普及することを中心に考える」でした。私自身がなんども読み返してきた中からお届けしています。アドラー心理学の野田俊作先生の発想法や、私いっきゅうのものの見方考え方などもお届けしています。

 次の項に、その一部を書き抜いて紹介したいとおもいます。

    たのしい教育メールマガジンで大人がたのしく学んでいく中で、子どもたちの笑顔も増えていくことでしょう。

 ご希望の方は〈office@tanoken.com〉へ「メールマガジン行動希望」と書き、送ってください。年間購読費は月1000円、年まとめ12000円でお受けしています。支払い方法は申し込み後に具体的におしらせいたします、購読開始から一週間程度で済ませていただければOKです。

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