PEALカウンセリング実践編 指導やアドバイス、スーパーバイズとどう違うの?

 PEALカウンセリングはアドラー心理学と仮説実験授業に学校での教育実践の根幹が融合されたシンプルなカウンセリングです。

 カウンセリングは〈アドバイス〉や〈指導〉、〈人生相談〉や〈スーパーバイズ(スーパーヴィジョン)〉と違う構造をもっています。
 どう違うかわかるでしょうか?

 スーパーバイズとカウンセリングはどちらが難しい構造をもつでしょう。

 どう思いますか?

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 カウンセラー入門講座でも話をしているのですけど、シンプルなのは〈スーパーバイズ〉です、「ここをこのようにしたらよい」というポイントを伝えていく過程が中心になるからです。

 それに対してカウンセリングは目の前にいる相談者の心をほぐして、何が問題の本質で、自分自身がどういうことを目標にしているのか、相談者自身も見えていないこと、つまりカウンセラー自身も見えていなかったことを一緒に明らかにしていくところから始まります。PEALカウンセリングはその後も重要な過程を経ていきます。

〈仕事をやめたい〉と悩んでいた方の本質的なテーマが「夫側の家族との付き合い方」であった事例もありました。それがはっきりしていく過程に時間がかかるのですけど、相談者の言葉通り「仕事をやめるかどうか」をテーマにして話をすすめていたら解決には繋がらなかったことでしょう。

 相手が語る「これこれはどうしたらいいのでしょう?」という言葉のまま、こちらの意見を加えるのが〈アドバイス〉です、〈人生相談〉もそれと似ています。

〈指導〉はその人自身が問題にしていないことを、こちらがわから指摘して行動変容を求めていく過程です。

 学校現場ではカウンセリングや教育相談といいながら、指導やアドバイスに終始することが多いようです。

 かつて文科省が〈不登校や問題行動〉などの有効な対策として「全教師がカウンセリングできるようになればを改善する」と予想し、とりくんだ大きな実験がありました。
 その結果は残念なことになったとはいえ、その予想の全部が間違っていたとはいえないでしょう。

〈たの研〉はゆっくりと先生たちの中にPEALカウンセリングというとても有効なカウンセリングを増やしていきたいと思います。

 たのしい教育とPEALカウンセリングの両輪が不登校や問題行動への本質的な対策となり、学力の向上につながることになるでしょう。

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カウンセラーは自分の問題をカウンセリングできるか? 師の野田俊作が語ったこと

 たのしいPEAL教育カウンセラー養成講座の5回コースが終わりました、理論2~3割、実技7~8割の実践コースです。

 参加者もメキメキと力をつけてきました。

 はじめに私が経験してしたいくつかのカウンセリング流派の流れを語り、その中でPEALカウンセリングの何が画期的なのか具体的に話をしたのですけど、少なくとも他流派の中級レベルの力は着実についていると思います。

 ラストの理論編の一つとして「PEAL(教育)カウンセラーは自分の問題・課題をカウンセリングできるか?」というテーマについて整理しました。

 みなさんはどう思うでしょうか?

 専門なんだからお手のものでしょう、と思いますか?

 師の野田俊作は明確にこう答えてくれました。

「人間は自分の髪の毛を上にひっぱって空にのぼっていくことはできない、カウンセラーも自分の問題を自分でカウンセリングできない」

 基盤の一つにアドラー心理学が位置するPEALカウンセリングもそうか?

 受講者の方たちには
「PEALカウンセリング課題解決シート」を利用して〈書く〉という手法で対話しつつ問題を整理していくことができる。慣れてくると選択肢を出しながら、うまく解決の道筋にいたることもできるようになるでしょう」
と伝えました。

 それはPEALカウンセリングの構造(流れ)が明確に確立されているからだということと合わせて、かねてから利用してきた〈ブレインノート〉を利用することができたからです。

 以前「PEALカウンセリング課題解決シート」を作成して、必要な方たちにお頒けしていたのですけど、品切れになったままでした。

 しばらくして落ち着いたら使い方も含めてセットにしようと思います。

 ところで〈書く〉という手続きは、とても有効です。

 PEALカウンセリングを学んでいないひとは、その流れで解決していく流れが見えないとはいえ、〈自分の問題をはっきりさせる〉という一つとってみても、ノートに「いったい自分は何に困っているのか、困難を感じているのか」について書いてみることをおすすめします。

 頭の中にあるそのイメージを書き出していくうちに、実は自分が本当にこだわっているのはこのことだ、自分がとてもつらいのはこのことだというものが見えてくることがよくあります。
 問題・課題の対象がはっきりみえてくると、その対策についても具体的にイメージできる様になるでしょう。

 書くことは苦手だという人も、100均でB5かA4サイズのスケッチブックを買ってきて、それに書いてみることをおすすめします。

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たのしい心理学・PEALカウンセリング:人間にとって〈可能性〉はギャンブル依存症を生むほど強大な引力を持つ

たのしい心理学・たのしいPEALカウンセリングをテーマに書いてみましょう、このサイトでもけっこう人気のあるテーマです。

PEALカウンセリング講座の一環で〈PEAL教育カウンセラー養成講座〉を開催しています、そこで語った一つです。

人間がやる気になる、元気になるとても大きな要因となるものはなんでしょう?

いろいろな答えがあると思います。

〈欲〉という答えもあるでしょう。

〈目標・目的〉という答えがあるかもしれません。

〈褒美〉と考える人もいるでしょう。

〈出世〉という答えはどうでしょう、それには欲も褒美もいろいろなものが組み合わさってあそうですね。

PEALカウンセリングではその大きなものを〈可能性を発見した時〉だと考えています。

最近どうもうまくいかない、という時、こうすればうまくいきそうだということがあると俄然やる気になります、それが〈可能性の発見〉です。

どうも体重が増えてきた、ジスタスに通うと痩せそうだ。いや、最近流行りの○○ダイエットがある、そういう可能性を見つけるとやる気になります。

八方手を塞がれていた人がわずかな望みを見つける、それは可能性を発見したと言い換えることができます。

私はギャンブル依存症の方のカウンセリングをした記憶はないのですけど、家族にそういう方がいるという事例は経験があります。

ギャンブル依存症という言葉は一般的ですけど、PEALカウンセリングではそれも〈可能性依存症〉と捉えることができます。これまでの負債を一発大逆転してくれる賭けに出る。家族の蓄財を勝手に投じたり、借金したりしてまでその可能性に賭けるわけです、それほどまでに〈可能性〉は人間にとって大きな原動力となる。

 人間は褒められて行動したり、娯楽をもとめて行動するより、現状を突破する可能性に大きな勇気と元気を発揮する生き物である。
「現状を打開するための別な可能性(選択肢)はないか」と考えていくことで、一歩すすむことができます。
 それはカウンセリング実技などの領域なので、このあたりまでにしておきましょう。


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たのしいカウンセリング・PEALカウンセリング/無意識とは言語化する前の意識のこと/野田俊作先生のこと

 今回は最新号のメルマガから反響が大きかった一つから少し紹介します。

 私にアドラー心理学カウンセリングの免状を授けてくれた野田先生は天才型でしたから「こう考えることが正しい」と言い切ることがたくさんありました。

 それに対して私は科学的な見方・考え方を根底にする〈板倉聖宣〉の弟子としての顔が随所に顔を出します。

「野田先生、もしそれが正しいとするとコレコレこういうことも同時に成り立つことになります、すると今野田先生が語っていたこととずれていきませんか?」

という失礼な質問を何度もしてきました。

 そういう時野田先生は少し考えてから

「それがアドラー心理学の考え方なんだ」と返していました。

 けれどきっとその後、自分でも考え直した可能性があります、そのことに関して言い切ることがなくなっていった気がするからです。少なくとも私がいる前で同じ様なことをいうのありませんでした。

 今回紹介する野田先生の話も〈断定〉がとても気になる部分に関しては趣旨が変わらない範囲で、私いっきゅう文責で手を入れておきました。

 それでも〈?〉と感じる部分があるかもしれませんい、そういう時には「これも一つの見方・考え方だ」という視点で読み進めてください。

 ただしここで野田先生が語っている
「無意識の中に行動の目的が潜んでいることが多い」
ということに関しては、たくさんのPEALカウンセリングを実施してきた今でも正しいと思っています。

「無意識」についてはいろいろな解釈があるのですけど、PEALカウンセリングでいう無意識は〈自分ではっきり言語化できていない段階の意識〉のことです。

 いろいろな人のいろいろな行動、たとえば最近はよく休日に海に行くという行動には

・私たちのDNAに刻まれている原始時代からの流れとしての喜びを求めている
だけでなく
・仕事の呪縛から逃げたい
・美味しい食べ物を美味しく味わいたい
・彼女ともっと仲良くなりたい
・波の音を聞きながら本を読みたい
                ほか

 その時のその人のたくさんの目的が言語化されないまま、つまり意識されないまま潜んでいる可能性があるのです。

 こういう見方・考え方をすることはPEALカウンセラーの基本です。
 心の奥の方にある自分の目的を言葉で表現できる様になった時、カウンセリングがはっきりと動きはじめます。

 興味ある方は私のカウンセラー講座などで体感してみてください。

 今回のテーマも、みなさんのものの見方・考え方の幅が広がるだろうと思います。

 たのしく読んでみてください。

野田

 われわれは自分の行動の本当の理由を知らない、これが今の心理学の一番基本的な考え方です。

だから

「なぜあなたはそんな行動をするのですか」

と聞かれてもわからないんです。

 学校に行かない子どもに向かって「なぜ学校に行かないの?」って聞いてもわかるわけないんです。

 だって学校に行かない理由は無意識なんですから、子ども自身も意識していないんです。

 では本当の目的はどうやったらわかるかというと、本人の言葉ではなく〈本人のやっていること〉を観察すればわかる…

野田俊作「続アドラー心理学トーキングセミナー」
から抜粋・編集 文責〈きゆな〉

 一部抜粋なのですけど、大きなイメージは伝わるのではないでしょうか。

 PEAL教育カウンセラー養成講座もいよいよ後半に入り、講師の私もますますたのしくなってきています。受講者の満足度(楽しさ度数・よくわかる度数)も最高値が続いています。合格すれば二年間PEAL教育カウンセラーとして活躍することになります、そうやってじっくりのPEALカウンセリングが教育の世界、カウンセリングの世界をゆっくり変えていくと思います。

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