野山さんぽで見つけた木の実/これはカニステル? その1〈有毒樹木〉

 寒さも過ぎて、外を歩くと汗ばむくらいの日々です。1時間くらい時間がみつかったので、車を走らせて野山さんぽしてきました。

 木の実には自然に目がいくものです、私たちのDNAにそのように刻みつけられているのでしょう。

 上からたれさがる黄色い木の実が目に入りました。

 まだ熟していない実もたくさんあります。

 これはなんだろう?
 バナナではない。

 カニステルという果物があって、それに似ているんだけどなぁ、散歩で初めて出逢ったので、同定してよいのか不安ありです。

 こんな時にまず調べる必要があるのが「毒がある植物」なのかどうかです。

 不用意に実を採って、毒性の液がついてしまうと困ります。

 いくら自然が大好きであっても、こういうところはしっかり子どもたちにも伝えておく必要があるでしょう。

 沖縄の樹木で強い毒があることで有名なのは〈キョウチクトウ〉と〈メフクラギ/オキナワキョウチクトウ〉です。

 これはキョウチクトウ、公園などにも普通に見かけます。
 キレイな花を咲かせる木です、でも強い毒で有名です。

 調べてみたら、こんな細い実ができて

 中から綿毛が出て飛んでいくんですね、知らなかったな。

 

 これがメフクラギ・オキナワキョウチクトウです。子どもの頃、複数の大人たちから「この樹液で本当に失明するぞ」と教えられました。美味しそうだけど、有毒です。〈オキナワキョウチクトウ〉といっても〈キョウチクトウファミリー(科)〉ではありません、それは実を見てもわかると思います。

 
 私の長いアウトドア生活で安全に過ごしてきた知識・感覚から「見つけたきのみがこの二つでなければ大丈夫だ」と判断して、実をもぎ取って、匂いをしてみることにしました。

 次に進む前に、沖縄の樹木で毒を心配しなくてはいけないものを整理しておきましょう。

 A.I.のディープリサーチがすぐれものです、まとめてもらいました。お茶にして飲む「ギンネム」の毒性まで収集してくれているのでかなり信頼できると思います。

沖縄県における有毒な樹木の詳細
• 2.1. ソテツ (Cycas revoluta)
• 植物の特徴と沖縄での分布: ソテツは、沖縄県において庭園や公共スペースの装飾用として広く植栽されている常緑樹です 3。ヤシの木に似た外観を持ちますが、実際にはヤシの仲間ではなく、ソテツ類に分類されます 12。その独特な樹姿は、沖縄の景観に欠かせない要素の一つとなっています。
• 有毒部位:種子を含む全株: ソテツは、種子だけでなく、葉、茎、根など、植物体全体に毒性があります 3。特に、成熟した雌株にできる鮮やかなオレンジ色の種子は、見た目が美しく、子供などが誤って口にしてしまう危険性があります 3。
• 主要な毒性成分と作用機序: ソテツの主要な毒性成分はサイカシンであり、これは体内で分解されてメチルアゾキシメタノールという強力な肝臓毒や神経毒を生じさせます 13。
• ソテツ中毒の症状: ソテツを摂取した場合、症状は摂取後数時間から数日遅れて現れることがあります 13。初期症状としては、吐き気、嘔吐、下痢(血便を伴うこともある)、食欲不振、腹痛などが挙げられます 5。重症化すると、黄疸(皮膚や目の黄染)、肝機能障害、腎機能障害、意識障害、痙攣、そして最悪の場合には死に至ることもあります 5。ペットがソテツを誤食した場合も同様の重篤な症状を示すことが報告されています 13。

• 2.2. ミフクラギ / オキナワキョウチクトウ (Cerbera manghas)
• 特徴と沖縄での生育環境: ミフクラギは、沖縄を含む熱帯から亜熱帯地域に自生する常緑性の小高木です 6。海岸近くや公園、街路樹などにも植えられています 6。白い花を咲かせ、熟すと赤くなる丸い果実をつけることから、オキナワキョウチクトウという別名でも呼ばれます 6。
• 有毒部位:全株、特に果実と乳液: ミフクラギは、葉、枝、果実、そして切り口から出る白い乳液など、植物体全体に毒性があります 6。特に、熟した赤い果実は、見た目がマンゴーに似ているため、誤って口にされる危険性があります 7。
• 主要な毒性成分:ケルベリン: ミフクラギの主要な毒性成分は、強心配糖体の一種であるケルベリンです 7。
• ミフクラギ中毒の症状: ミフクラギを摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の症状が現れることがあります 9。また、不整脈や徐脈、低血圧などの心血管系の症状を引き起こし、重症化すると死に至ることもあります 9。乳液が皮膚に触れると炎症やかぶれを引き起こし、目に入ると腫れや痛みを伴うことがあります 6。和名の「ミフクラギ(目脹ら木)」は、この乳液が目に入ると腫れることに由来しています 6。かつて沖縄では、この植物の毒性を利用して魚を捕獲する漁法が行われていましたが、現在は禁止されています 7。

• 2.3. キョウチクトウ (Nerium oleander)
• 沖縄での生育状況(外来種): キョウチクトウは、日本在来の植物ではありませんが、沖縄県内では庭園や公園、道路沿いなどに観賞用として広く植栽されている常緑性の低木または小高木です 3。美しい花を咲かせるため、緑化樹としても利用されています。
• 有毒部位:全株、特に乳液: キョウチクトウは、花、葉、枝、根、種子、そして白い乳液など、植物体全体に強い毒性があります 3。
• 主要な毒性成分:強心配糖体: キョウチクトウの主要な毒性成分は、オレアンドリンなどの強心配糖体であり、これは心臓の機能を著しく阻害します 5。
• キョウチクトウ中毒の症状: キョウチクトウを摂取すると、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器系の症状が比較的早く現れます 5。その後、不整脈や徐脈、頻脈、低血圧などの心血管系の症状が現れ、重症化すると心停止を引き起こす可能性があります 5。神経系の症状としては、めまい、頭痛、錯乱、眠気、昏睡などが報告されています 19。皮膚が乳液に触れると、炎症や皮膚炎を引き起こすことがあります 20。キョウチクトウは乾燥にも強く、公園や道路分離帯などにも植えられているため、身近な場所で注意が必要です 9。

• 2.4. ハゼノキ (Toxicodendron succedaneum / Rhus succedanea)
• 沖縄での分布と特徴: ハゼノキは、アジア原産の小高木であり、沖縄県内でも紅葉の美しさから観賞用として植栽されることがあります 4。ウルシ科の植物であり、接触性皮膚炎を引き起こすことで知られるアメリカのポイズンオークやポイズンアイビーと同じ属に属します 4。
• 主な危険部位:樹液と果実(議論あり): ハゼノキの新鮮な樹液には、皮膚に触れると激しい炎症を引き起こす有毒物質が含まれています 4。症状としては、発疹、強いかゆみ、炎症、水ぶくれなどが現れます 4。果実については、酸味のある果肉が食用になるという情報もありますが 24、植物全体の毒性を考慮すると、摂取は推奨されません 23。
• 毒性成分: 樹液には接触性皮膚炎を引き起こす成分が含まれています 28。葉には、発がん性物質であるシキミ酸が含まれています 24。
• ハゼノキによる中毒症状: 主な症状は、樹液との接触による皮膚炎です 4。果実を摂取した場合の明確な中毒症状は不明ですが、安全性を考慮し、摂取は避けるべきです。
• 2.5. ハスノハギリ (Hernandia nymphaeifolia)
• 沖縄での分布と特徴: ハスノハギリは、熱帯から亜熱帯の海岸地域に分布する高木であり、沖縄県でも見られます 29。大きなハート型の葉と、提灯のような形をした特徴的な果実をつけます 30。
• 有毒部位:種子: ハスノハギリの種子には、有毒なアルカロイドが含まれています 31。
• 毒性成分:アルカロイド: 種子に含まれるアルカロイドが毒性の原因です 31。植物体全体には、細胞毒性などの活性を持つリグナン類も含まれていることが研究で示されています 32。
• ハスノハギリによる中毒症状: 種子を摂取すると、めまいや下痢などの症状が現れることがあります 31。

• 2.6. ギンネム (Leucaena leucocephala)
• 沖縄での分布と利用: ギンネムは、熱帯アメリカ原産の быстрорастущее дерево であり、沖縄県内では荒地や空き地などに広く自生しています 35。成長が早く、薪や緑肥として利用されることもあります 35。また、近年ではギンネム茶として利用されることもあります 35。豆果の中に種子が入っています。
• 有毒部位:主に葉と種子(豆果): ギンネムには、ミモシンという毒性アミノ酸が含まれており、特に葉と種子に多く含まれています 36。
• 毒性成分:ミモシン: ミモシンがギンネムの主要な毒性成分です 36。
• ギンネムによる中毒症状: 人間におけるギンネム中毒の報告は限られていますが、動物(主に家畜)では、脱毛、甲状腺腫、成長不良、食欲不振などの症状が確認されています 36。一部の情報源では、人間が摂取した場合に重度の下痢や嘔吐を引き起こす可能性が示唆されています 44。また、近縁種の未熟な果実では幻覚や胃の不調が報告されています 46。ギンネムの葉を茶として摂取する習慣があることから、慢性的な低レベルのミモシン摂取による長期的な影響も考慮する必要があります。

• 注意すべき類似の果実:アダン (Pandanus tectorius)
• 沖縄県の海岸沿いなどでよく見られるアダンは、オレンジ色でパイナップルのような形をした大きな果実をつけます 47。この外見から、観光客などがパイナップルと間違えてしまうことがよくあります 47。しかし、アダンの果実は非常に繊維質が多く、人間が食用とするには適していません 48。味もあまり良くなく、無理に食べようとすると不快な思いをする可能性があります 48。アダンの果実は、ヤシガニやヤドカリなどの一部の動物にとっては食料となりますが 47、人間の食用にはならないことを理解しておく必要があります 53。アダンの果実を誤って口にしても、通常は致命的な中毒を引き起こすことはありませんが、不快な症状を避けるためにも、食用ではないことを認識しておくことが重要です。

 

つづく

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ヨシタケシンスケさんの答えから広がる世界:ヨシタケさんが憧れたクリエイター 「ヤノベケンジさん
」からAI KIMURAまで/楽しいブックレビュー

 春休みになったのでメルマガに久しぶりに「ヨシタケシンスケ」さんをとりあげました、好評です。メルマガの内容に加えて少し紹介しましょう。
 雑誌MOE2018年12月号にヨシタケシンスケさんが特集されていて、そこに100の質問というコーナーがあります。

 その一つ「なぜ名前をカタカナにしたのでしょうか?」という質問にヨシタケさんは「ヤノベケンジさんが好きでマネしました」と答えています。

 ヤノベさんはネコ好きで、巨大なオブジェクトを作るアーティストです。この写真の真ん中の人物。

 作品は実に個性的で、唯一無二のクリエイターです。


 私いっきゅうは東京に行くと必ず銀座のTSUTAYAに行くのですけど、偶然にもそのTSUTAYAの入っているGINZA6でヤノベさんの巨大な作品がディスプレイされていました。
 独自の迫力です。

 ヨシタケさんは大学の頃、絵ではなくオブジェクトを制作していました。
 その頃から面白いものを作成していて笑えるのですけど、そのヨシタケさんがヤノベさんに憧れていたというのは意外なことでした。

 ところでこれもちょうどその時、GINZA6のTUTAYAで出逢ったアートです。

 AI KIMURA(アイ キムラ)という名前で活動する3人のアーティストの作品です。

 A.I.のアイディアを実体化しするというコンセプトで作品を作っています。

 メカニック好きの私は、本を手にする時間と同じくらい、この空間で過ごしてしまいました。

 

 AI KIMURA(アイ キムラ)の作品のアイディアはA.I.だというのですけど、私はどうも、そのA.I.はヤノベケンジさんに影響を受けたのだろうと思っています。

 AI KIMURAのメンバーが、A.I.の提案に対して「もっとエンジン部分を目立たせて」というような要望を加えていってできたのではないか・・・

 ま、どこにもそういうことは書いていないのですけどね。

 そして「実はヨシタケさんは、このAI KIMURA(アイ キムラ)の作品にも憧れてしまっているのではないか」それも私の予想です。

 たのしい教育のジャンルにはアートも含まれます。

 〈たの研〉の講座やワークショップに影響されたアーティストが出てきたら、嬉しいことです。

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楽しい教育の人間観:『勤勉な人間』と『勤勉でない人間』がいるのか?/レンズのみりょく

 宿題や課題をやらなかったりする子がいると「あの子はなまけ者だ」という人がいます。校長先生や教頭先生からみると〈なまけものの先生〉と〈勤勉な先生〉がいるかもしれません。
 けれど人間をそうやって二つに分類することができるのでしょうか?
 わたしは教師の頃、子どもたちの笑顔を広げる授業(たのしい教育)については、とても勤勉だったのですけど、「ちゃんとあいさつしなさい」的な一方向的な生徒指導にはあまり力を入れていませんでしたから、その面ではなまけものだったのでしょう。
 なので、なまけものか勤勉かという二つに分けることは難しく、この面では勤勉だけど、この面では勤勉ではない、というようなことになると思います。

 板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 初期から支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長)が、1994年6月の『大阪たのしい授業塾』でこういう話をしています。

 

〈人間ていうのは、だいたいサボタージュするものだ・人間てのは怠け心を持っているものだ〉という世界観を持っている人がたくさんいます。
 それで〈強制しなければ人間は怠けるから習慣を作ろう〉というわけですね。
 そのために 宿題を出して監視をする。
 今度『月刊 たのしい授業』で「宿題の特集」をやろうということになっているのですけど、私は宿題は大嫌いなんです。
 小学校の時から嫌いだし,いまなお嫌いです。すごい宿題嫌いの重傷患者じゃあないかと思うんです。

 世の中は〈勤勉な人間と グータラな人間と〉二つに分けようとする。

 けれど〈あることに対して勤勉で,あることに対してはグータラで〉というのが本当だと思うのです。
 私は人間というのを〈勤勉な人間〉と〈勤勉でない人間〉とに分けるという考え方には反対なんです。

 大切なことは、いろいろな子どもたちが「あ、それ楽しい」とか「面白い、もっと教えて」と感じてくれるようなものを提供することです、「この子は怠け者だ」というような評価はマイナスであるだけでなく、そもそもそういう評価自体成り立たないものだと考えています。

 いろいろな方法を提供しても乗ってこない、ということもあるでしょう。

 ぜひ〈たの研/たのしい教育研究所〉にご相談ください。

 低学年子どもたちから身を乗り出して学んでくれる「レンズのみりょく」というプログラムほか、たくさんのプログラムがあります。

 

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本当の環境保護活動=楽しい環境教育② A.I.に訊いてみた

 さっそくいろいろな声を聞かせていただくことができました、続けて書きましょう。前回のわたしとAさんの会話の部分から紹介します、未読の方は戻ってお読みください。
 

わたし
「〈たの研〉のシンプル紙作りは、捨てられてしまう紙類から和紙風の紙をつくるわけですけど、考えていると、紙のゴミはもともと分別されて再利用されていますよね」

 

Aさん
「はい、ゴミ出しで分類していますよね」

 

わたし
「すると、捨てられたゴミを製紙工場で再生紙として利用するのと、私たちが個人で再び紙として利用するのとでは、特に差はない、つまり環境保護につながっていないのではないか ・・・という見方について、どう思いますか?」

 
 みなさんはどういう予想を立てたでしょうか。

 具体的に「電力」に絞って、どちらが少なくて済むかで考えてみましょう。

 製紙工場で一気に再生紙にした方が電気を使わなくて済むとしたら、学校や家庭でそれぞれが紙をつくるよりエコです。電力会社でその分の燃料を使わなくてよいのですから、環境にやさしいことになります。
 だとしたら、それぞれが紙作りをしてしまったら逆に環境に悪いことになってしまうかもしれません。

 まだ予想を立てていない人たちも、ここで一緒に予想を立ててみてください。

問題
 1t(1000kg)の紙のゴミがあります。これを一気に製紙工場で再生紙にする時に使う電力と、1kgずつ1000家庭で紙作りする時に使う電力とを比べると、電力が少なく済むのはどちらでしょう。ちなみに、家庭で1kgの捨てる紙から再生紙をつくる場合には、〈たの研〉のシンプル紙作りを基本にします。ミキサーを使って紙をバラバラにする過程で電気を使い、乾かす時には自然乾燥にします。

 ア.1kgずつ1000家庭でそれぞれが紙をつくった方が少ない電力ですむ
 イ.1t(1000kg)を工場でまとめて紙を作った方が少ない電力ですむ
 ウ.ほとんど同じくらい
 エ.その他

 どうしてそう予想しましたか?

 この質問はAさんだけでなく、すでに何人にもしてきました。
 ある先生は一生懸命考えて予想を立てたあと、「どうしてそういうことを考えついたのですか? ふしぎです」と質問してきました。
 形だけの環境保護が広がったらマイナスだからです。
 やってる風の環境保護、自己満足の環境保護をしているうちに、事態はますます深刻になっていく。
 プログラムを作る側の人間が、効果があがるのかどうかよくわからないものを広めていったら困ったことです。
 予想を立てる段階、研究開発段階ならそれも構いません。でもすでに〈たの研〉はたくさんの問い合わせがくるほど注目されています。
 あまり効果がないとか、実はマイナスであったというのなら、真っ先に〈たの研〉が気づいて予想変更と訂正、お詫びをしなくてはいけません。
 
 さてそろそろ答えにいきましょう。
 再生工場での電力がどれくらいなのかデータを探すめどが立たなかったのでA.I.に尋ねてみました。
 こういう質問です。
 
環境保護活動としていろいろな取り組みがある中、形だけの環境保護になってしまっては元も子もありません。
そこで数量化したものを知りたいので、算出してもらえませんか。

紙はかなり再利用されているといわれていますね。

たとえば1tの紙を製紙工場で一気に再生紙にする時の電力と、1tを1000の家庭で1kgずつミキサーにかけて紙をバラバラにし、乾かして和紙風の紙をつくるとしたとき、どちらの電力が少なくすむでしょうか。

あまり変わらないのでしょうか。

ある生成A.I.の回答 ※要点を抽出
 

ご質問ありがとうございます。非常に興味深い視点ですね。
自然乾燥を前提とした家庭でのリサイクルと、製紙工場でのリサイクルの電力消費量の差を、具体的な数値を用いて比較・説明します。

 

前提条件

  • 家庭でのリサイクル:

    • 1000家庭で合計1トンの古紙をリサイクル

    • 各家庭1kgの古紙を処理

    • ミキサー: 消費電力300W (0.3kW)、1kgあたり10分(1/6時間)使用

    • 乾燥: 自然乾燥 (電力消費なし)

  • 製紙工場でのリサイクル:

    • 1トンの古紙をリサイクル

    • 電力消費量: 500kWh ~ 1500kWh (幅を持たせて考慮)

計算

  1. 家庭でのリサイクル (1000家庭合計):

    • ミキサーの電力消費量: 0.3kW × (1/6時間) × 1000家庭 = 50kWh

  2. 製紙工場でのリサイクル:

    • 最低電力消費量: 500kWh

    • 最高電力消費量: 1500kWh

    • 中央値: 1000kWh

電力消費量の差 (製紙工場 – 家庭)

  • 製紙工場 (最低): 500kWh – 50kWh = 450kWh

  • 製紙工場 (中央値): 1000kWh – 50kWh = 950kWh

  • 製紙工場 (最高): 1500kWh – 50kWh = 1450kWh

数値化された結果

自然乾燥を前提とした場合、家庭でのリサイクル (1000家庭で1t) と製紙工場でのリサイクル (1t) の電力消費量の差は、以下のようになります。

  • 最小: 製紙工場が450kWh多い

  • 中央値: 製紙工場が950kWh多い

  • 最大: 製紙工場が1450kWh多い

解釈

この数値は、家庭でのリサイクルが、製紙工場でのリサイクルと比較して、電力消費量の点で非常に効率的であることを示しています。製紙工場が最も効率的な場合 (500kWh) でも、家庭でのリサイクルの方が450kWh少ない電力で済みます。

 

これらの要素を考慮しても、自然乾燥による家庭でのリサイクルは、電力消費量の観点からは、非常に優れた取り組みであると言えるでしょう。

 

A.I.に限らず複数のソースにあたることが〈ものの見方・考え方〉には大切なことです。 ※もちろんその前に『予想をもって問いかける』ことが基本中の基本であることはいうまでもありません

別のA.I.にも尋ねてみましょう。

別の生成A.I.の回答

ご質問ありがとうございます。紙のリサイクルにおけるエネルギー消費を、製紙工場での大量生産と家庭での手作業で比較してみましょう。

1. 製紙工場でのリサイクル

製紙工場では、古紙1トンをリサイクルする際に、以下のエネルギーが消費されます:prpc.or.jp+6losszero.jp+6prpc.or.jp+6

これらを合計すると、約5.9 GJのエネルギーが必要となります。

2. 家庭での手作業によるリサイクル

家庭で1,000世帯がそれぞれ1kgの紙をリサイクルする場合を考えます。各家庭がミキサーを使用して紙を細かくし、乾燥させて和紙風の紙を作るとします。

  • ミキサーの消費電力:​一般的な家庭用ミキサーは、約300W(ワット)の電力を消費します。
  • ミキサーの稼働時間:​1kgの紙を処理するのに約10分(0.167時間)と仮定します。
  • 1家庭あたりの電力消費:​300W × 0.167時間 = 約0.05 kWh

これを1,000世帯分に換算すると:

  • 全体の電力消費:​0.05 kWh × 1,000世帯 = 50 kWh

さらに、紙を乾燥させるためのエネルギーも考慮する必要がありますが、ここでは自然乾燥と仮定し、そのエネルギー消費は無視します。

3. エネルギーの比較

この比較から、家庭での手作業によるリサイクルの方が、製紙工場でのリサイクルよりもエネルギー消費が少ないことがわかります。

 

以上を総合すると、エネルギー消費の観点では家庭での手作業の方が少ないものの、他の要因も考慮してリサイクル方法を選択することが重要です。

 

 他にも二つのA.I.にいろいろな訊き方をして、内容を精査しました。
 たとえば「製紙工場での電力の算出根拠は何か?」という質問に、複数のA.I.に複数回尋ねて、こういう答えが返ってきました。

🟢経済産業省の資料「トランジション・ファイナンスに関する紙・パルプ分野技術ロードマップ」の利用

🟢日本製紙連合会は、製紙業界のエネルギー使用に関する詳細なデータを公開しています。これらの資料には、業界全体のエネルギー消費量、自家発電の割合、CO₂排出量の削減目標などが含まれています。

🟢主な資料:

  1. 「紙パルプ産業のエネルギー事情」

    この資料では、紙・パルプ産業におけるエネルギー消費の現状や推移、電力料金の動向などが詳述されています。

  2. 「紙パルプ産業のエネルギー需要及び他産業も含めたCO₂排出の動向」

    この資料は、紙パルプ産業のエネルギー需要やCO₂排出の動向を他産業と比較しながら分析しています。

  3. 「2050年カーボンニュートラルに向けた製紙業界のビジョン(基本方針)」

    製紙業界が2050年のカーボンニュートラル達成に向けて取り組むべき方針や戦略が示されています。

🟢 製紙工場でのリサイクル

製紙工場での古紙リサイクルに必要な電力消費量は、様々な要因(工場の設備、古紙の種類、再生紙の種類など)によって大きく異なりますが、一般的な数値を参考にします。

これらの資料を参考にすると、古紙1トンをリサイクルしてトイレットペーパーや段ボールなどを作る場合、おおよそ500〜1000kWhの電力が必要とされています。ここでは、中間値をとって750kWhと仮定します。

 

 いずれにしても、これらをベースにして、本当に「大きな工場で大量を一気に」より「小さな量を過程でサッと」を重ねた方が消費電力が少なく済むのか、しっかり検証をすすめていく必要があるでしょう。

ただし〈たの研/たのしい教育研究所〉がシンプル紙づくりを進めている理由はそれだけではありません。

🔴 家庭から紙ゴミを出す。そのゴミをトラックにのった何人もの人が回収作業に従事する。その人たちの労力が減ることによるCO2削減

🔴 ゴミ回収のトラックの燃料費、維持費 etc. が少なくなる分のCO2削減

🔴 自分好みの紙をつくることで、新たな消費が減ることによるCO2削減

🔴 人々が捨てられているものをハンドメイドでいろいろなものを作ることができる楽しさを味わうことによる、未来的なCO2削減

 ほかにもいろいろあります。

 前回と併せると〈たのしい教育メールマガジン〉の一つの章レベルのボリュームになってしまいました。

 まだ書きたいことはあるのですけど、このへんでとめておきましょう。
 「本質的でたのしい環境保護活動」に興味のあるみなさんが一緒に歩んでくださることをたのしみにしています。

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② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

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