坂の上の花に心和む日ー楽しい花さんぽ/どうしてこんな寒さのピークに花を開くの?

 沖縄のこの季節はさくら祭りでたくさんの桜の開花を見ることができます。それはそれで見ごたえある景色です。けれど一本の桜の樹に感動することもあります。
 野山を歩いている時、坂道の向こうに桜の花が見えて、とても心がなごみました。
 まるで歩く私を迎えてくれているようです。

 ユウナの花の開花について書いた時にも、とても不思議に思ったのですけど、沖縄の桜(寒緋桜)は、どうして寒さのピークの時にあえて開花するのでしょう?

 みなさんはどう思いますか?

 特に大きな意味はなく、何らかの偶然によって、この時期に開花するようになったのでしょうか…

 いずれしっかり調べてみようと思っているのですけど、今のところの私の予想を記しておきたいと思います。

 特に意味なくたまたまこの時期だったと考える人もいるでしょう。

 けれど、その環境に適応した生物が生き残っていくのです、それが進化です。

 沖縄の桜が寒さのピークに開花するのも、環境に適応した結果とみた方がよいでしょう。桜の長い歴史の中で、この時に開花した桜たちが子孫をたくさん残すことができた・・・

 ではどういう適応なのか?

 花を咲かせる植物は、風に花粉を運んでもらう風媒花(ふうばいか)と、虫に花粉を運んでもらう虫媒花(ちゅうばいか)に別れます。美しい花の植物は虫たちを引き寄せる虫媒花、つまり桜は虫媒花です。※松や稲など、花が地味で目立たない植物は風媒花

 虫たちに花粉を運んでもらう桜が、沖縄の寒さのピークのこの時期に咲くのは、そのメリットがあるからではないのかな。

 そのメリットとは何か?

 沖縄は寒さがピークのこの時期にも蜂や蝶が飛び回っています。

 その虫たちをほぼ独占できるのがこの時期です、暖かくなっていろいろな花たちが開花する前に、虫たちを独占できるのがこの時期だということではないのか。

 何事も予想を立てることがたのしさの始まり、そして真実に至る道です。みなさんの予想も聞かせてください。

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板倉聖宣「たのしく学んだ知識こそ身につく」-たのしい教育の見方・考え方

 久しぶりに板倉聖宣先生のものの見方・考え方を紹介しましょう、最近のメルマガに載せた記事の一部です。

 この中で板倉先生は

たのしくなくて無理やりおぼえこまされた知識でも、(     )をするときには役立つことがあります。

と言っています。

いやいや覚えこんだものでも役立つことがあるのか?

そういう視点で読むのもよいと思います。板倉聖宣

たのしく学んだ知識こそ身につく
 民主主義の社会では、国民の一人ひとりが自ら道を開く能力をもっている必要があります。
「これからの社会をどのような方向に発展させていったらよいか」ということについて、国民の一人ひとりが意見をもたなければなりません。
 そのためには世界の地理や歴史について、また科学や経済や政治について、自分なりの判断ができなければなりません。
 いやいや勉強したのでは、そんな判断など下せるはずがありません。
 授業がたのしくなくて無理やりおぼえこまされた知識でも、だれかの仕事の下請けをするときには役立つことがあります。しかし、そういう知識は、自分自身が主人公となってものごとを判断するときには、ほとんど役に立たないのです。

月刊たのしい授業1983年3月 創刊0号より

いやいや覚えこんだものでも役立つことがあるのか?

「誰かの下請けをする時は役立つことがある」

と言っているのですけど、他にもありますね。

「競争をして、他の人たちより自分は得点が上だと自慢する時」にも役立ちます。「受験」でも役立つことがあるでしょう。

けれどそれらは時分が主人公として人生を生きていく時、新しい問題や課題が目の前に現れた時にそれを突破する力としては役立たないでしょう。

 一部の人たちでなく、多くの人たち、弱い立場の人たちも豊かに生きていける社会を作るには、たのしく学んだ知識でなくては役立ちません。

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教科書の表記が絶対正しいというわけではないという話( 。」)③-たのしい国語

 原稿用紙の使い方で作文嫌いを生まないように、という話はいろいろな方たちの心に響いたようです、いろいろ好意的なお便りをいただいています。とはいえ先生たちはあいかわらず、かぎカッコで閉じる時は句点を打ってから( 。」)と指導しないといけないでしょう、どうしたらよいのか? その話をして閉じることにします。

 今回のテーマは「こっちの表記が正しいくて、あっちの表記は正しくない」というために書いたものではありません、タイトルにあるように「教科書の表記が絶対正しいというわけではない」という話です。

 カッコで閉じる時に句点(  )を省く人が多いとはいえ、正岡子規のように句点+とじカッコ( 。」)する文人もいますし、一般の人もいるでしょう。

 学校で指導する時には「学校では原稿用紙の使い方として、これこれこういう指導をするけれど、そうでないものは間違いだというわけではありません。たとえば句点+ 」 について、句点なしの人たちもたくさんいます。新聞だって句点なしでカッコを閉じています。

 そういうことを並列して伝えるとよいのです。

 そもそも学校の表記が句点+とじカッコ( 。」)なのは何を根拠にしているかというと・・・

 1946年3月に〈文部省教科書局調査課国語調査室〉が作成した「区切り符号の使ひ方(案)」です。案のまま確定されない状態で、80年以上ずっとそれを踏襲しているわけです。

https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/sanko/pdf/kugiri.pdf

 時代とともに変わっていく言葉もあれば、変わっていく表記もあります。私は「」より〈〉符を多用します、読みやすいわかりやすいという声も聞きます。自分にしか適用されない符号だと困るのですけど、周りの人たちがわかりやすいものなら、使ってかまわないでしょう。

 いろいろな表記方がある、という流れで柔軟に対応できる子どもたちを増やしていって欲しいと思います。くれぐれも、原稿用紙の使い方を徹底して作文嫌いを量産することだけは避けて欲しいと願います。

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教科書の表記が絶対正しいというわけではないという話( 。」)②-たのしい国語

 私が子どもの頃は原稿用紙の使い方を徹底的に指導する先生が普通でした、そのせいで作文嫌いがたくさん出てきたという予想がたつくらいです。何しろ、前半で間違って、行がえが必要になると、その後ろも全部決して書き直しを命じられるので、難行苦行以外の何者でもありません。今回は私がよく修正を命じられた一つ、句点+閉じカッコ➡︎ 。」 について取り上げています。未読の方は一つ戻ってお読みください。
 そうそう、もっと前の記事も大切です、併せてお読みください⇨ https://tanokyo.com/archives/158743

 さて、もともとその作家は〈句点+閉じカッコ➡︎ 。」表記〉してないのに、それが教科書に載ると〈句点+閉じカッコ➡︎ 。」表記〉になってしまうことを、夏目漱石の有名な小説『こころ』を例に紹介しました。

 青空文庫を利用したので、今回は〈全集〉を開いて、ほんとうにそうなっているのかいないのかみてみましょう。

 第一研究所の近くの公共図書館に行ってきました。

 まず前回しめしたように、これが教科書、大修館書店〈現代文〉上191pです。

 日本文学全集(集英社) 夏目漱石〈ニ〉339p こころ 文中はこうです。句点とカッコの重なりはありません、カッコは二重かぎカッコです。

筑摩現代文学体系13 夏目漱石集〈ニ〉p281 こころ には句点とカッコの重なりはありません、カッコは二重かぎカッコです。日本文学全集と全く同じで、教科書とは異なります。

教科書は作者自身の表記を変え自分たちのルールに従って編集していることがわかります。

「青空文庫」、集英社「日本文学全集」、「筑摩現代文学体系」ともに、私が予想したとおりの表記でした。これ以上手を広げて調べる必要はないでしょう。

 そもそも漱石自身の直筆原稿を見ても〈句点+閉じカッコ➡︎ 。」表記〉はしていませんから、『こころ』の執筆の時だけそういう表記をしたというのは考えづらいでしよう。

漱石「門」直筆原稿 ※wikipediaに感謝して参照

 そろそろまとめに入りましょう。

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