野山は花屋さん(2)センス・オブ・ワンダーの扉

 前回、かるく池田武邦さんの紹介をしてからこの内容に入ろうと思っていたのですけど、どっしりと触れてしまいました。

 自然に感動できる心は大切です、レイチェル・カーソンの〈センス・オブ・ワンダー〉の世界は私たちのすぐ近くで扉を開いてくれています。

 最近歩いた時の植物たちの様子を紹介させてください、広いフィールド草木の間にポツリと咲いている花たちは、花屋さんの様に密集してたくさんの彩りをみせているわけではないのですけど、私にとって大きな花屋さんにいるようです。

 傘をさしてフィールドを歩いた時の一枚です。ビニールハウスのそばに花開いた美しい花がありました、蘭の様な彩りで、目を引きます。
 お店の花屋さんのたくさんの花の中に置かれていたら、みとれることもなかったと思います。フィールドの広がる空間の中でこその素晴らしさの一つです。

 調べてみると、いろいろな呼び名がある様です。
 和名では〈ルリハナガサモドキ〉、ところが私は個人的に〈~モドキ〉という名称が嫌いです、その生物に失礼だと思っています。
 学名で覚えようと思ったら、〈もどき〉を意味する〈pseudo/スードー〉とつくので困っています。気に入りの呼び名が見つかるまで覚えるのはひかえておこうかな。

 これも同じ日に見つけた鮮やかな紅の花、〈ベニツツバナ〉です。

 夏の盛りから終わりにかけてよくみる〈サルスベリ〉の花も満開です。

 やわらかないろあいで好きな花の一つです。

 沖縄では野生の〈ランタナ〉の花をたくさんみることができます。
 元気に咲いていました、イシガケチョウが蜜を集めています。

 お店の花屋さんではこういうシーンは見ることができませんね。

 サンダンカ・サンタンカも見つかりました。
 これも鮮やかな紅色を見せています。

  沖縄ではサンダンカと呼ばれ、植物図鑑では〈サンタンカ〉とあります。
 気になって調べてみると、こうありました。
 沖縄には古い和語が残っているという話を時々しているのですけど、その足跡の一つですね。

 サンタンカが日本にやってきたのは江戸時代中期で、当初は三段花(さんだんか)と呼ばれていました。大陸から琉球経由での渡来と言われます。ちなみに沖縄では露地でふつうに見られる花木で、オオゴチョウ、デイゴと並び沖縄三大名花のひとつに数えられています。

植物の育て方図鑑

http://www.yasashi.info/sa_00003.htm

 ※

  なんとビックリ、八月後半なのに梅雨時5月後半~6月の花〈イジュ〉の花が咲いていました。時々、こういう姿にも巡り会えます、これもまたフィールドこその出逢いです。

 長くなりました。

 まだまだ見てほしい写真がたくさんあるので、機会をあらためて紹介させてください。

 環境問題を真剣に考えていろいろな知恵を出し、たくさんの生物が共存する社会を作っていくことも、こういう体験がベースにある人たちが増えていくことで実現するのだと思います。
 それがたのしい学力・たのしい学習で生きた力になるのでしょう。そういうことを自由に研究していく人たちを増やしていきたいと考えています。

 ぜひみなさんも近くにあるセンスオブワンダーの宝庫へ足を運んでみてください。

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自然をたのしむ先生とこども達/インターネットや本からは学べない世界+予想を立ててものごとをみていく大切さ

 たのしい教育を学んでいる先生から、お便りが届きました。授業で校庭に出て、いろいろな虫たちを探している写真や動画もありました。
 みんなとてもいい顔をしています。

 この写真の左側の男の子の手には、生まれて少ししかたっていないカマキリの赤ちゃんがのっています。

 たくましい子です。  

 
 クモがアミにかかったバッタを糸でグルグル巻きにしているところをみて驚きの声をあげている子どもたちもいました、なかなか目にする機会のない貴重なシーンです。

 本やネットからもいろいろな情報が手に入ります、もちろんそれも貴重です。アメリカまで行かなくてもアメリカのことがわかるというのは素晴らしいことですよね。

 けれど図鑑で見ていたバッタが実際に目の前でジャンプする時の、あの素晴らしい跳躍感、ひと飛びする距離が自分の体長の何十倍も距離である驚き・・・

 それは目の前で見て感じることに勝るものはないでしょう。

 勉強していく時にも人生の課題を解決していく時にも、実際の経験が多い人はは、知識先行の人よりも、もっと生き生きしたアイディアが生まれていくと思います。

 生きた学力というのはそういうことだと思います。

 ただし単に体感することが素晴らしいといっているわけではありません。

 コペルニクスが提唱しガリレオが決定的証拠をみつけるまで、何度見ても〈太陽が動いている〉としか思えませんでした。
 〈予想を立てて確かめる〉思考の流れがないまま、単にいろいろ見るといいというわけではないからです。

 たのしい教育は、体感すること+予想をもって確かめる思考の流れも、どちらも大切にしていく教育です。

 

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たのしい宇宙科学『ブラックホール』⇨〈ブラック(黒い)ホール(穴)〉は穴ではないという話

 今回は久しぶりに宇宙の話をしましょう。大分前に作った科学の授業のプログラムで、ブラックホールを扱ったものがあります。宇宙に強い人たちでも「え!」というので、なかなか広がっていかないのですけど、それが「ブラックホールは穴ではない」という話。最近も、ある先生が「え~、ブラックホールって別な宇宙に繋がる穴じゃないんですか」と驚いしていました。

 たくさんの人たちがブラックホールを〈穴〉だと考えるのは、その名前にも原因があるのですけど、そこで目にしている〈イメージ図〉にも問題があります。

 これは写真撮影に成功したというその画像です、まさに穴が空いてみえますね。ウィキペディア〈ブラックホール〉の記事筆頭にある写真です。

 

 ウィキペディアにはこういう図もあります、まさに宇宙に穴があいていますね。

こういう図もよくみかけます、落とし穴の様にトンネルが続いています。

 何もない空間からガスが噴射している図もよく見ます。

 こういう図ばかり見ていると、〈穴〉をイメージさせる名前でなくてもブラックホールは〈穴〉なんだろうと思ってしまう、つまり間違ったイメージを持ってしまうのも無理はありません。

 けれどブラックホールは穴ではありません、ブラックホールは〈天体〉です。

wikipedia
ブラックホール
(black hole)とは、宇宙空間に存在する天体のうち、極めて高密度で、強い重力のために物質だけでなくさえ脱出することができない天体である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB

 

では天体とは何か?

ウィキペディアで検索するとこう説明されています。

https://ja.wikipedia.org › wiki › 天体
天体 ( てんたい 、 ( 英語: object、astronomical object)とは、宇宙空間にある物体のことである。

ブラックホールは〈物体〉つまり『原子の集まり』です。

「ブラックホールは星の一つだ」といってもよいでしょう。

 私たちが普通に見る岩石や金属より、もっと原子が高密度で、原子の中の陽子や中性子などを作る〈クオーク〉がびっしり詰まっているのではないかとイメージしている科学者もいます。何しろ普通の天体よりずっと重く、重力もものすごく強いので光すらすいよせるのがブラックホールです。

 丁寧に調べていくと、誤解を生まない様に〈星〉として描いてくれているものもみつかりますよ。

https://gigazine.net/news/20220220-black-hole-in-the-universe/

 かつてブラックホールは「あるだろう」と予想されている星でした。調査研究がすすみ、その存在が科学的に確かめられました。現在では、この宇宙にとんでもない数のブラックホールが存在していると予想されています。

 夏の夜空、星を見ながらブラックホールのことをこども達に語って見ませんか。

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〈のり/接着剤〉の歴史を自由研究してみよう

 以前のメルマガ(有料)の授業の章に「たのしく学ぶハサミとノリの使い方」というプランを紹介しました、好評です。私を含めてほとんどの人は、子どもの頃にハサミとのりの使い方について学んだことが無いと思います、見よう見まねで覚えたのです。
 今回のメルマガの内容は、たのしいものづくりをしながらハサミとノリの使い方をしっかりと学ぼうというプランです。

 その中に「ハサミと紙はどちらが先に発明されたか」という話を書いたのですけど、もう一つ「〈のり〉が利用されたのはいつか?」については「自分で調べてみましょう」と書いて止めました。あまり長く話を聞くより、ワークに入りたかったからで サイトに書いておこうと思います。

 まず、ハサミとノリ(接着剤)について、どちらが先に発明されたか予想してみてください。

 あなたの予想

ア.ノリ(接着剤)が先に発明された

イ.ハサミが先に発明された

ウ.ほぼ同じ頃

エ.その他

どうしてそう予想しましたか?

 

諸説あるとはいえ、順位が逆転することはないでしょう。

まずハサミの発明について、「ハサミのアレコレ➡︎ハサコレ」というサイトにこうあります。

世界最古のはさみは紀元前1000年ごろ、ギリシアで作られたもので、羊飼いなどが羊毛刈りに利用していたものではないかと考えられています。

https://bungu.plus.co.jp/special/st/hasakore/history/1/

 

ノリを含めて、接着剤の発明はいつ頃かについてはウィキペディアから引用します。

接着剤の歴史は人間が道具を使い始めた頃に始まった。石器時代にはを木の枝や竹に固定するためにアスファルトが使われた[1]。また、を使って修理された約6000年前の土器も見つかっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A5%E7%9D%80%E5%89%A4

 ハサミが紀元前1000年、今から3000年前という、とても古い歴史を持つものだということにもびっくりしたのですけど、接着剤はさらにそれより古く、今から6000年も前です。

 ノリやハサミはそういう長い歴史を経て次の世代へ次の世代へと大切に引き継がれ、改良に改良を重ねられてきました。

 普通のノリは水分を含むと弱くなっていくのに、瞬間接着剤は水分で薄まることはないどころか接着が早くなってきます、どういう工夫が加えられているのでしょう。

 3000年前のハサミの写真が見つかりました、これです。

 こういう〈U型〉から一年生の文具セットに必ず入っている〈X型〉のタイプができたとはいえ、U型のハサミは今でも利用されています。大きさや切れ味などは工夫されていても、基本構造はあまり変わってないように見えます。

 歴史をたどっていくと、興味深いことがたくさん出てくると思います。みなさんも自由研究してみませんか。

たのしいことに気づいたら、たの研にも連絡ください。

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