小林武彦さんの「生物はなぜ死ぬのか」という本があります、帯にある〈次の世代のために死ななければならない〉という不思議な言葉にひかれて購入しました。
それが科学的な原理として正しいのか?
納得いかないところもありながら、ある側面としては正しいと感じています。
誰も死なないとしたら、はたして進歩・進化できたかというと、それはとても難しいからです。
狭い枠の中で考えるとイメージしやすいでしょう。
たとえば一つの学校に歴代の校長がずっと存在しているとしてください、学校は進歩できるでしょうか?
歴代の校長の影響下で、新しい校長は動きがとれなくなるでしょう。
著者の小林さんがあるトーク動画で「大抵のなぞは〈進化〉を考えると解ける」と語っていました。
「進化論」は〈ダーウィン〉が人生をかけて私たちに伝えてくれた真理です。
ということで、今回は〈進化〉の話です。
まず質問から・・・
質問 〈海を泳ぐクジラ〉と〈空を飛ぶコウモリ〉と〈地上を歩くヒト〉。
共通するものは何でしょう?
こたえはいくつもあるでしょう・・・考えてみてください。
あなたの考え
⬇︎
予想してからね
⬇︎
予想してからね
⬇︎
〈生物である〉とか〈遠くまで移動する〉とか〈こどもを産む〉とかいろいろあると思うのですけど、今回注目したいのが「同じホニュウ類である」ことです。
ホニュウは「哺乳」つまり〈お乳をのんで育つ〉ということです。
クジラもコウモリもヒトもお乳をのんで育ちます。
他にもいくつかの特徴があります。
ほとんどのホニュウ類は母親のおなかの中である程度まで成長して生まれてきます。 体毛があります。
そしてたいていの哺乳類には手足が2本ずつあります。
ヒトの手足はわかりやすいですね。コウモリもぶら下がるための足が二本あります。ツバサを手だと数えたら〈手足に本ずつ〉にあてはまります。
こういう場合は骨をみるとはっきりしますよ。
これはコウモリの骨格標本です。
よくわからないかもしれませんけで、手の骨の先にとても長い手の指の骨がついていることがわかります。
しかも人間と同じ五本ゆびです。
でもクジラに手足はあるんでしょうか?
調べてみましょう。
クジラは尾ひれが発達して足がじゃまになってきたので、進化の過程で今はほとんど目立ちません、しかし〈足の骨〉のなごりはちゃんと2本残っています。
手はどうでしょう、ヒレになっているので外からは見えません。
骨を調べてみましょう。
これは〈クジラと海の科学館〉に展示されているクジラの骨格です。
左の中程をみてください・・・
大きくしてみましょう、どうですか。
私たちの手と同じような形をしています。
はじめは、空を飛ぶコウモリと海を泳ぐクジラ、そして地上を歩くヒトとの共通点というと、あまりない気がしたかもしれません。
体のつくりをみていくと、表面上からはみえないものが見えてきます。
進化の長い流れの中で、生物たちはいろいろ変化してきましたから、表面上はかなり違う生物に見えることもあるでしょう。
そういう場合でも、詳しく調べていくと、いろいろなことを発見できると思います。 それは大人にとっても、たのしくワクワクするものだと思うのですけど、どうでしょうか。
こどもたちと一緒に〈予想〉を立ててから一緒に調べてみませんか。
たのしいことをみつけたら、ぜひ教えてくださいね。
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