「選択の科学」 LEAPカウンセリング 沖縄

TEDでコロンビア大学のシーナ・アイエンガーさんの事を知ってから気にしていたのですけど,TV白熱教室で「選択の科学」というシリーズでたしか5回シリーズの授業をしていました。

忙しくてそのうちの2つしか観ていないのですけど,わたしのLEAPカウンセリングの基本的な発想にとても近いものを感じています。

それがこの夏,文庫本になりました。
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もちろん単行本は2010年には出ています。
読書に封印をする生活をしているのですけど,今日はつい買ってしまいました。

沖縄で,わたしのカウンセリングに興味を持ってくれる方達もゆっくり増えて来ているので,よかったらその方達にも紹介しよう,とか理由をつけての事ですけど…

LEAPカウンセリングの重要な車輪 であるインディビジュアル・サイコロジーの創始者 アルフレッド・アドラーさんは,シーナ・アイエンガーよりもかなり強く「個人の選択」を重視した人物です。

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ですからインディビジュアル・サイコロジーは「それを選択した個人の責任」という事を強くとりあげています。

シーナ・アイエンガーさんはアドラーさんよりも,もっとソフトな形で「選択」を取り上げてくれています。

たとえば「仕事を辞めた」という一つの事実に対して,
ア.運命だった
イ.神のおぼしめしだった
ウ.自分で選んだ
エ.偶然の結果だった
オ.その他 (と彼女が言ったかどうかは自身がないけれど)
そのどちらの様にも認識できますよね。
というような論の進め方です。

もしかすると仮説実験授業にのめり込んでいる方達にも刺激ある1冊かもしれません。

秋の読書にいかがでしょうか。

文春文庫 800円です!

いっきゅう

学級崩壊とたのしい教育(LEAPカウンセリング)

「学級崩壊」という言葉は考えてみるとすごい表現です。

学級が崩れ,壊れてしまうという意味の言葉です。
原子崩壊とか地震でビルが崩壊するとか,そういう時に使われる言葉ですね。

homepage クラスがスタートして五月から六月ごろ,カウンセリングで
「クラスが崩壊しているのではないかと思います」という相談が来る事があります。

程度の差はあるのですけど,教師が一対一で話しても,行動を改めない,あるいはますます反発するという子ども達が複数出て来た時には,かなり骨がおれますね。

その相手が一人でも,心が折れてしまう教師が多いと思います。

そうやって反発する子ども達がいるいないに関わらず,
「この先生,たのしい」
と評価してくれる子ども達を増やす事がクラスづくりで決定的に重要です。

「わたしはおもしろい事とか言えないし」
と考えている人がいるかもしれません。
しかし,そういう事ではありません。

教師の本分は「授業」です。
子ども達が「先生,この授業たのしい…もっとこういう事をして欲しい」という様な授業に挑戦するのです。

LEAPカウンセリングは提案・実験型なので,どんどんアイディァを出して,一緒に考えていくカウンセリングです。
たのしい教育研究所のサイトには,そのヒントがたくさんあるとおもいます。
実験的に,たのしい教材をどんどん取り入れてみる事です。

そして,ここも重要なのですけど,表面上の子ども達の言葉で,授業のよし悪しを判断するのではなく,「感想・評価カード」を全員に書いてもらって,判断することです。

感想・評価カードは
https://tanokyo.com/archives/877
を参考にしてください。

いっきゅう

カウンセリング 沖縄「子ども達のトラブルの対応をめぐっての保護者とのトラブル」 LEAPカウンセリング

学校で起こる「子ども達同士のトラブル」の対処の仕方で,保護者との関係が悪くなる先生が少なくありません。

LEAPカウンセリングでも数々相談を受けた事があります。
今回は,学校の先生がた向けの「トラブル対応」に関わるカウンセリングについて書いてみましょう。

 ※

スクリーンショット 2014-10-04 0.21.50教師の発言や対応に保護者の方が怒ってしまい
何度も学校に訪ねてくる
何度も電話してくる
管理職に担任の指導についてクレームを伝えてくる
市町村の教育委員会に訴える
県,最近では文科省に直接電話する方もいるそうです。

丁寧に聞いてみると,たいていの場合,自分の対応や行動について真摯にお詫びするという事をしていないために,さらに問題がこじれて行く場合が多いものです。

「謝ったらますます突っ込まれる」
と心配になるせいかもしれません。

確かに,病的に攻撃してくる,という様な保護者の方もいるのだと耳にします。
しかし私が30年近く関わってきた中で,そういう保護者はみた事がありませんし,もしいたとしたら,それこそ管理職の方や教育委員会へこちらから相談をする,ということでよいのです。

ほとんどの場合,保護者の方も,自分の子どもをめぐる人間関係を,よりよいものにしたいと考えています。
だからこそ仕事を調整してまで学校に足を運んでくるのです。

今よりよりよいものを目指す,という事ですから,それは教師とまるきり同じなのです。

「まずこっちの考えを説明しなければ」という前に,
「保護者の方が教師の何について納得いかないと言っているのか」
そのことを丁寧に確認することはとても大切です。

例えば,掃除の時間に取っ組み合いのケンカになった2人を指導した場面で考えてみましょう。
スクリーンショット 2014-10-04 0.44.21いろいろな理由があるにせよ,暴力という方法は良くない,という事で,特に興奮しているAくんに
「A君,反省しなさい」と強く注意しました。

それに対して,保護者から
「どうして自分の子どもが被害者なのに反省させられなきゃいけないんだ」
と言ってきた。

担任としては
「自分はそういう意味で言ったのではない…どういう場合でもケンカという方法はまずいという意味で反省を求めたのですよ」
と反論したい。

けれど残念ながらその意図は保護者の方にもAくんにも伝わっていないのですね。
それは保護者の方の怒りで分かるのです。

ですから保護者が「そんな注意の仕方はないでしょう」と言って来た事に対して
「自分はそんなつもりで言ったのではありませんよ」
と伝えたらどうなるのでしょう?
「あ〜,そうだったんですか。わかりました先生」
となる場合は期待するのは難しいと思います。

自分が注意した事が伝わらなかった事については,丁寧に真摯にお詫びしておく事は,やはり大事だと思います。
わざわざ仕事をやりくりして学校まで来た保護者の方に対して
「自分はそういうつもりではなかったんですけど,でもごめんなさい」という様な,謝ったのか謝っていないのか分からない謝罪はとても多い。
これは丁寧に真摯にお詫びしている事にはなりません。

「叱り方がよく無かったと思います…本当にすみません」
とか
「自分の気持を伝える事ができない叱り方をしてしまいました…すみません」
というように詫びる。

Aくんも保護者も,それを受け入れてもらった後で,
「わたしは暴力で解決する事は良くないと思うんです。
それが伝わるクラスづくりをしていきたいと考えています」
という話に持って行きたい。

私のカウンセリングでは
① 真摯な謝罪
② もう一度トラブル発生の事例に戻って,その子ども達の関係修復に力を注ぐ
③ こういう問題が何度も起こらないような工夫をする
④ クラス全員の人間関係がよくなっていくたのしいクラスづくりに力を注ぐ
という4つの提案をすることがあります。
それが苦手な先生とは,じっさいに一緒に謝罪の仕方を練習しますし,たのしいクラスづくりのアイディァを一緒に考えます。

スクリーンショット 2014-10-04 0.33.21謝罪の後は②と③と④について,保護者の方に丁寧に伝えて,
「本気で力を入れていくので,何かあったらぜひ協力して頂きたい」
という様に依頼する。

たしかに難しい方もいます。
話す程怒りだしてしまう方もいるかもしれません。
そうならないためにも,なるべく早く,保護者の方には「この先生はこれまでの先生と違う…本気でクラス全員の事を考えて取り組もうとしている」という事を伝えておきたいものです。

伝わらない方には,しばらくクールダウンする時間も必要です。
しかし,この②③④の動きは加速させる。

こういう問題を一つの流れで語る事は難しいものがありますが,逆に「ケースバイケース」である,というような答え方は,若い教師にとって雲をつかむ様なもののように思えます。

個々の難しい事例があったら,研究所に連絡をください。
カウンセリングはわたしの時間の調整がつく限り,優先して実施しています。

 

お医師さん達はタフ その2 たのしい教育の日々 沖縄

ついこの間スクリーンショット 2014-10-02 0.05.40は「夕方7時すぎ」と書いてもおかしくなかったのに,もうすっかり「夜の7時すぎ」といわなきゃいけない季節になりました。

今日は医師会の先生達との教材作りの日。
力のあるお医者さん達と一緒にカウンセリング系の教材を作っています。

前に「お医者さん達はタフだ」という話を書きましたけど,今回も同じく…

前に教材作成のメンバーの中から
「話し合った内容を持ち帰って,また次回その続き,というのはまどろっこしい。
次回は話し合いを印刷屋さんでやって,それを即,印刷してもらって,その印刷物を見ながら,またその場で話し合いをつづけようではないか!」
という話は出ていたのですけど,今回,本当にそうなりました。

ね,タフでしょ(^^

もちろん私も賛成しました。

今日の話し合いは熱を帯び,帰ったのは「何とか今日にうち」という時間です。

メンバーそれぞれが,「本気でいい教材を作りたい」という気持ちなので,予定時間は伸びても,なかなかいい気分です。

たのしい教育の日々は,これを読んで応援してくれている皆さんの御陰で,ますます充実しています。
感謝。
いっきゅう