優等・劣等と分けたのはメンデルさんか? たのしい教育メールマガジンから

 メルマガに「言葉のもとの意味を調べる意義」として書いたところ、いろいろな反応がきて喜んでいます。

 私がメルマガに血液型の例を出して「〈優性遺伝〉〈劣性遺伝〉という様に、人間に直接優性・劣性とラベリングするのはなかなかないと思う」と書いたところ
「いっきゅう先生、以前は〈優等生〉〈劣等生〉という言葉がありましたよね」というメールがとどきました。

 たしかに!

 遺伝や進化の研究は〈優等〉〈劣等〉という酷い差別を生み出したともいえます。

 今回のメルマガの発想法の章の最後にこう書きました。

心やさしき研究者メンデル

「おだやかで寛大で心優しい、花を愛した人でした」と評されたメンデルは、植物たちの遺伝の形質に「優れている・劣っている」と表現した人物ではありませんでした。
 ここで私の長年の謎は解け、その肖像をみる時にも、おだやかな気持ちで向き合うことができる様になりました。

 そしてさらに気になっていた「ダーウィンはどうしてメンデルさんの研究に目をつけなかったのか」というテーマにすすんでいます。

 実は、ダーウィンとメンデルの関係と同じくらい

では、誰が遺伝形質を優性・劣性という価値観で分けたのか」「優等な形質をもった人間を残そう、という恐ろしい発想を広めたのは誰なのか?

という強い問題意識があります。

 そういう〈優生学〉はナチス・ドイツはとんでもない蛮行にも繋がっていきました。

 人間を〈優等〉〈劣等〉に分けるのはとんでもないことだということに賛同する人は多いでしょう。

 でも私たちは〈優等劣等〉言葉はつかわなくても、たとえば植物についてはごく普通に〈美味しいもの・美味しくないもの〉〈甘いもの・甘くないもの〉〈大きいもの・小さいもの〉〈花がたくさんつくもの・少ないもの〉〈長く咲き続けるもの・すぐ咲き終わるもの〉という様に優劣をつけてとらえています。

 動物たちについてもそういうところがあります。

 それを私たち人間は解決できるのでしょうか。
 解決する必要はないのでしょうか。

 そういうとても大きな問題とつながります。

 いつか〈たのしい教育メールマガジン〉で私の考えをまとめてみたいとおもっているところです。

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日本の実力「自動車大国 日本」の実力は? 楽しい社会①

 日本の自動車メーカー(トヨタ、日産、ホンダ、三菱、ダイハツ、スバル ほか)の売り上げ台数は世界全体で見てどの位置にいるのでしよう?
 世界にはいろいろな自動車会社があるので、その会社ごとに順位をつけると、日本の自動車メーカーは何位にくるか予想してみてください。
 予想を立てたら、最新2022年の自動車売り上げランキングをもとに一緒に確かめてみましょう。

【問題】

 日本にはトヨタ、日産、ホンダ、三菱、ダイハツ、スバル ほか、たくさんの自動車メーカーがあります。アメリカにもシボレー、フォード、リンカーンなどたくさんの自動車メーカーがあります。
 〈ドイツ〉にはBMW、ベンツ、アウディー、フォルクスワーゲン、ポルシェ、〈イタリア〉にはフェラーリ、ランボルギーニ、マセラッティ、アルファロメオetc.、世界中にはたくさんの自動車メーカーがあります。
 世界で最も新車販売台数が多い自動車メーカーはどの国のにあるのでしょうか?
 やはりアメリカでしょうか、ドイツは名車が多いといいます、日本の自動車も売れている方なのでしょうか。
 日本の自動車メーカーの販売台数の順位を予想してみてください。国別にまとめたのではありません、自動車メーカー別にまとめた結果で考えてみましょう。

 

 日本の自動車メーカーで先頭を走っている企業は世界でみると

 ア.世界一

 イ.2~5位

 ウ.10~20位

 エ.その他

 

どうしてそう予想しましたか?

 

⬇︎

予想してからね

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予想してからね

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 これは「日刊自動車新聞」に載せられていた表です、日本のトヨタが三年連続世界第一位を維持したとありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa061d2a60bd5f59df838e117aafb1ff89cb1885/images/000

 すばらしい、日本は〈ルノー・日産・三菱〉にも名前をつられているので、それを加えるとトップ10の中に二グループ入っています。

自動車産業は、日本経済を牽引していますから、「これで日本の経済も安泰」そう思える嬉しいニュースですね。

 それにしても、貧困問題や福祉の問題、ブラック企業などいろいろな問題をかかえているのでしょうか?

 それは大きな問題意識としてもっておくとして、今回は自動車に視点を当ててもう一つ予想を立ててみてください。

 世界は今、ガソリン・石油など化石燃料を燃やしてエネルギーを得る自動車ではなく、電気でエネルギーを得る電気自動車にシフトしています。10年後、ガソリンのみで駆動する自動車はなくなっていき電気自動車に変わっていくと言われています。

 では現在の日本が販売している電気自動車は世界でみると何位くらいなのか予想してみましょう。

 三年連続のトヨタは電気自動車でもトップあるいはベスト3に入っているのでしょうか。それとも下の方でしょうか?

 調べて答えを知るのではなく「まず自分の頭で考える」それがたのしく賢くなる方法です。

【問題2】

 日本のメーカーのトップ「トヨタ」は電気自動車(EV)でも

 ア.世界一

 イ.2~5位

 ウ.10~20位

 エ.その他

 

どうしてそう予想しましたか?

 

 予想を立てたら自分で調べてみるのもよいでしょう。

 明日の記事に続きを書かせていただきます、おたのしみに。

(追記)「登校拒否・不登校の自分の娘と毎日ブログを読んでいます」という嬉しいお便りをいただきました。「どんどん前の記事にさかのぼって読んでいます」とありました。活用していただけることは、とても嬉しいことです。
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エイプリルフールの効用②-ウソも方便だけではない

前回からの続きです;〈事実でないもの〉をウソだと考えれば小説だってウソです。
将来の夢も、「いまそう考えている」ということでは事実でも、現実のことではないということでみると虚構、つまりウソの一種です。

〈今、生きている〉とか〈呼吸している〉とか〈女性である男性である〉、〈2023年の4月である〉という様に、ウソでないものはホンのわずかなものになるでしょう。

 ためしに「今日1日は事実以外は語らない」というルールで過ごしてみてください。どれくらい言葉数が減ることでしょう。
 同時にウソ、虚構、まだ実現されていない夢や希望、飾り言葉、いろいろなものを組み合わせて私たちの日々の会話が構成されていることを知ることでしょう。

 そもそもイメージすることは現実をベースにしていても、そこから自由に想像を羽ばたかせていくことです。「もしかしたら今日のご飯はカレーかもしれない」とか「今年の担任の先生はたのしい先生だといいな」etc. そういうものごとがあたまのなかをたくさん駆け巡っているのが私たちの思考でしょう。

 ウソ・虚構はイメージを膨らませることに不可欠です、それはたのしい教育の中でも積極的に利用できます。

 たのしい作文指導教材「たの作」では

「ある朝起きてみると食事の席に、別の自分が座っていた」の続きをかきましょう

という様なテーマなどでたのしむ内容がたくさんあります、ただし〈ホワイト・ライ/人を傷つけないウソ〉限定で。

 ウソの効能はまだあります。

 子どもの頃、エイプリルフールのことを知った時、驚いた人もたくさんいると思います。そのウソにも驚いたかもしれません、でも「人はウソをつくことがある」ということに驚いているということもあるでしょう。

 人は普通の顔をしてウソをつくことがある、という体験は「騙されない教育」にとっても大切です。

 振り込め詐欺、特殊詐欺だけでなく、フェイクニュースなどはたくさんあります。ウソのコマーシャルにのって商品を購入しことのある人もいるでしょう。政治の中でもいろいろなウソが作られています、今のロシアの戦争の中でも「相手側が悪い」の応酬です。

 騙されない人になる、というテーマはたのしい教育の中でもとても重要な一つです。

 4月は〈エイプリルフール〉をきっかけに、ウソの怖さとすばらしいさについて考えてみるのはどうでしょうか。

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二十四節気〈清明〉をたのしむ-たのしくアウトドア

 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)という一般的な四つの区切りでなく、その六倍の〈二十四節気(にじゅうしせっき)〉という農耕を中心にした季節の区切り方があります、中国で生まれ、東南アジアのいくつかの国に広まっていて、かつての日本もそれを取り入れていました、今でも〈立春〉とか〈夏至〉〈秋分〉〈冬至〉など、生きて使われている節がいくつもあります。

 国立国会図書館のサイトに二十四節気の表があります、元々太陰太陽暦(旧暦)なので、新暦でいうと何時頃なのか、右端に記されています。

二十四節気
季節 二十四節気名 新暦の日付
立春(りっしゅん) 1月節 2月4日頃
雨水(うすい) 1月中 2月19日頃
啓蟄(けいちつ) 2月節 3月5日頃
春分(しゅんぶん) 2月中 3月21日頃
清明(せいめい) 3月節 4月5日頃
穀雨(こくう) 3月中 4月20日頃
立夏(りっか) 4月節 5月5日頃
小満(しょうまん) 4月中 5月21日頃
芒種(ぼうしゅ) 5月節 6月6日頃
夏至(げし) 5月中 6月21日頃
小暑(しょうしょ) 6月節 7月7日頃
大暑(たいしょ) 6月中 7月23日頃
立秋(りっしゅう) 7月節 8月8日頃
処暑(しょしょ) 7月中 8月23日頃
白露(はくろ) 8月節 9月8日頃
秋分(しゅうぶん) 8月中 9月23日頃
寒露(かんろ) 9月節 10月8日頃
霜降(そうこう) 9月中 10月24日頃
立冬(りっとう) 10月節 11月7日頃
小雪(しょうせつ) 10月中 11月22日頃
大雪(たいせつ) 11月節 12月7日頃
冬至(とうじ) 11月中 12月21日頃
小寒(しょうかん) 12月節 1月5日頃
大寒(だいかん) 12月中 1月21日頃

 

 4月のこの頃は〈清明:せいめい〉の季節です。
 沖縄ではけっこう大切にされていて、親族が集まってお墓でパーティーをします、大和言葉で〈せいめい〉、もともとの中国語では〈チンミン〉、島言葉では〈シーミー〉です、大和言葉と中国語をミックスしたみたいですよね。

 私はアウトドアでの食事が大好きなのですけど、明らかに幼い頃、親族が集まってアウトドアで食べた〈シーミー〉の影響があると思います。

 子どもたちにも伝えていきたいたのしい行事の一つです。

 清明は本来〈自然界が清らかで明るくなる時期〉であるところから名付けられています、まさにはっきりと春が到来した季節ですから自然が美しく、お出かけやピクニック、風景を楽しむのに最適な頃ともいえるでしょう。

 そういう習慣のない方たちも、ピクニックにでかけてみませんか!

 

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