たのしい教材シリーズ〈仲良くなれる教材:リングキャッチ〉

 今年の秋の講座でM先生が紹介してくれたリングキャッチの熱がさめず、色々なところで、ためしています。

 ある先生が言っていました、「〈こうすれば簡単にできる〉というのもよいけれど、なかなかできずに〈これでどうだ、これではどうだ〉とグイグイひっぱってくれる教材もとてもいいですね」

 これがリングキャッチです。
 ヒモに通した金属の輪を落とすのですけど、タイミングを合わせることができると、なんと金属の輪が落ちずにヒモにぶら下がるのです。

 まさに「リングキャッチ」はグイグイのめり込んでしまう〈たの研〉おすすめの教材の一つです。

 今日は1年生と5年生が一緒の授業がありました。

 授業が一通り終わって、まとめの時間に

「えーー、これから先生が手品をします、よーく見ていてね」

 そういって針金で作ったリングと毛糸を見せました。

「たねもしかけもありません。」この毛糸の輪っかの中にリングを入れますよ!
「先生がこのリングを手から離すとどうなると思う?」

「真っ逆さまに落ちるでしょ」と5年生の女の子。
1年生の子は「もしかしたら引っかかって落ちないんじゃない?」との予想です。

「じゃあやってみるよ。せーの1・2・3!!」

 2回ほどはそのまま下に落ちて、
「あれれ上手くいかないなあ」
といいながら3回目。
 みんなで1・2・3!!

 みごとにリングを毛糸がキャッチしてくれて、みんなで大盛り上がりです。

 さあ、自分もやって見たい人!というと全員が私の前に寄ってきてチャレンジ大会が始まりました。


 学年の年齢や力の差は関係なく楽しめるこういった教材は、特別支援にもとっても重宝します。

なんと真っ先にできたのが1年生の男の子でした。

 とーってもうれしそう、信じられないというようにな興奮気味です。

 その後も、同級生の男の子にやり方を教えてあげることで、会話がはずみました。

 1年生の男の子は、今日は家に帰ってお母さんに1番に見せたいようで、大事にリングキャッチを持って帰っていました。

 明日の朝、家での出来事を聞くのがとても楽しみです。

 いっきゅう先生がよく語っているのですけど
「たのしい、と感じて、そこから何も学ばない人がいるだろうか?
 そして、自分の可能性を感じて喜ばない子がいるだろうか?
 私たち大人だってたくさんのことを学びます。
 大人よりはるかに感覚にとぎすまされたこども達はそこからたくさんのことを学んで、自分の可能性をどんどん高めていくことは間違いないでしょう」

 たの研の教材は、すべて楽しめる実験済みです、ぜひいろいろな先生たちに広めていきたいです。

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たのしい教育の発想法:板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)が語る「未来をみるときのスパン」

 最新の〈たのしい教育メールマガジン〉から発想法の部分を少し紹介しましょう、「どれくらい先の未来をみるか」という話です。
 〈たの研〉の活動を考える時の指針にしたい見方・考え方の一つです。

 板倉先生は独自の視点で多大な知識や予想を織り込んでくるので〈たのしい教育メールマガジン〉ではそれを私いっきゅうが整理校正してお届けしています、ご了承ください。

板倉聖宣
 金儲けしようとする人は1~2日でみようとしたり、1~2ヶ月で見ようとしたり、2~3年で見ようとしたりするから、これは大変ですね。
 明日、株が上がるか下がるかとかいうことは、偶然的な問題がきいてたり、あるいは裏情報がきいてたりするでしょう。だから2~3年後を予想するのはとっても難しい。
 株だけでなく、世の中の人たちは5年とか10年で生きている人が多いですね。
 でも〈社会の動き〉というのは、そういう偶然的なことで動くということは少なくないだろうと思います。
 世の中を見る時「こういうものをこれからだんだんと冬になりますから、だんだんと寒くなりますよ」というのは100%当たりますね。
 ところが秋から冬に向かっているから「明日は今日より寒いですよ」なんていっても100%は当たらないですね。
 それに対して「冬は寒し、夏は暑し」というのは厳然たる事実でこれは予言できる。それと似て、これからの世の中は100年後どうなるかということはかなり当たるんですね。

 

司会
 株をやる人とか、土地を買う人とか、スパンが違いますからね。

 

板倉
 世の中は見えないものだと思いがちなんですけども、スパンを長くすれば長くするほど見えてくるんです。
 見えるっていっても、あまり細かいものはダメですね、これは物理学の法則を適用したって見えるというものじゃないですね。

 私は物理学の教育を出発として、今では歴史や経済の教育にも手を出しているんですが100年規模や200~300年規模でものを見ていけば歴史というのはいかにも見事に法則的にいくことを発見しました。
 政府がインチキなお金を作れば、インチキなお金を作ったやつは信用されないし、いくら「いうことを聞かないやつは捕まえるぞ」と脅したって、そういう政府は何年後かにはつぶれちゃう。
 そういう法則は歴史の中ではっきり見えてくるんです。

監修:板倉聖宣『問題解決強化書』
新技術開発センター1991年

 メルマガではこういう毎回こういう話を読むことができます、興味のある方は、パソコンの方は〈サイドバー〉に、スマホの方は一番下の〈サブコンテンツ〉に案内があります。

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楽しい教材・楽しい学習プログラムの広がり-学童でたのしむ様子

 たのしい教育研究所の講座に積極的に参加し、いろいろ実践している方から久しぶりにお便りが届きました。

 学童で〈ほたってくん〉を紹介したところ、大好評でしたという連絡でした。

 まず〈たの研〉のYouTube動画をみて研究したそうです。

⇨ https://www.youtube.com/watch?v=1Q4QACIH_qU

 こどもたちが盛り上がっている写真もいろいろ添付されていました。

 毎回そうですけど、写真と一緒にこども達のたのしそうな声が聞こえてきそうでした。

 この他にも〈たの研〉には「家族でたのしみました」「授業でたのしみました」「PTA行事でたのしみました」という様に、いろいろな笑顔の様子が届いています。

 たのしい教育研究所の教材がいろいろな広がりをみせているのはとても嬉しいことです。

  時々「その教材を利用してよいでしょうか」という問い合わせが届くことがあります。

 たのしい教育研究所は営利団体ではなくNPOです、どんどん笑顔と賢さが広がることを目的に活動をすすめていますから、ものづくり教材などは「たのしい教育研究所の教材であること」を伝え、どんどん利用して結構です。
 ただし〈たのしい教育〉の趣旨、つまり「より多くのこども達の笑顔と満足度が広がること」を心がけてください。
 授業のすすめかた、こどもたちとの関わり方などについては〈たのしい教育のめざすもの〉を知っていただくためにこの「公式サイト」を読み、可能な方はたの研の会員として〈メールマガジン〉を購読していただけると、さらに魅力的な取り組みになるはずです。

 明るい未来のために、一緒に活動をすすめていただける方達が増えていくことを願っています。

〈プリント教材〉の扱いについては、いろいろな問合せが来ているので、項をわけて書かせていただきます。

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算数・数学をたのしくするには/板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)の発想-今週のメルマガから

 〈たの研〉にはたのしい教育プログラムがたくさんあるのですけど、たとえばみなさんが国語をたのしくしたいとか算数をたのしくしたいという時、どのようにそれを組み立てていけばよいのでしょう。

 〈たの研〉を強く応援してくださった板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)先生は、〈算数・数学〉を例に端的に説明してくれています。今週のメルマガの第4章〈たのしい教育の発想法〉から抜粋しておとどけします。

板倉聖宣

 手前味噌と思われるかも知れませんが、数学教育を楽しくするための私の処方箋は数学教育にも〈実験〉を取り入れることです。
 こういうと「数学は実験科学と違って実験できないことに特色があるともいえるのに」と反対する人もいるでしょう。
 たしかに現代数学の一部ではそうもいえるでしょう。しかし伝統的な数学、いま小中高等学校などで教えている数学の大部分は「その数学がどのように役立つか、その場面に適用してみれば実験できるはずのものばかり」といっていいと思うのです。

 そして、そういう場面を経験してはじめて、多くの人々は数学の威力、素晴らしさを知るようになるのです。
 たとえば立体の体積の計算です。

 目の前に2つのカンヅメがあって一方は他方の2倍の大きさだったとします。

こういう場合の〈2倍〉というのは、体積のことではなく高さや直径が2倍ということです。数学的な知識に確信の持てる人々はすぐに「体積は3乗だから 2x2x2=8で、その大きいほうのカンズメは小さいほうの8倍ある」と判断することができます。しかし、数学的な知識に確信の持てない人は、なかなかそう考えることができません。学校の試験ならそう書いても、実生活ではなかなかそうは思えないのです。実際その二つのカンズメを見比べてみると3~4倍か、せいぜい6倍くらいにしか見えないからです。

 

『月刊たのしい授業』1987年2月号より

 こういう心揺さぶられる教育が本質的な学力につながっていきます。
 そういう授業ができる先生たちを着実に増やしていきたいと思います。
 これからも応援よろしくお願いいたします。

 〈たのしい教育メールマガジン〉はおかげさまで読者の方たちから高い支持を受けています。
 有料版(年12,000円)で、お預かりした費用はすべてたのしい教育の普及に利用し、こどもたち、先生・保護者のみなさんの笑顔につながります。
 〈たの研〉の応援として読んでくれているみなさんもいます。
 興味関心のある方はぜひ購読ください、こちらにお問い合わせいただければ、購読方法等をお知らせいたします。➡︎ http://tanokyo.com/me-ru

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