野菜を生で美味しく食べる方法① 〈先生に怒られるタイプ〉のこども心の中/たのしい食育

 私いっきゅうの味覚はこどもの時のまま残っているところがあって、知人たちが野菜が甘いという話をすると、りつい突っ込んでしまうことがあります。
 この間も「このキャベツ甘い~」というAさんに促されて味してあと「これを甘いっていったらこどもは納得しないよね、甘いっていうのはリュウキュウイモ(サツマイモ)レベルからで、ギリギリでトウモロコシかなぁ」と語ってしまいました。
 もちろん微妙な甘さを感じて美味しく味わえる人たちは味覚的に洗練されていることは十分知っていて、あえて〈こども感覚〉でいくわけです、すみません。

 とはいってもキャベツは嫌いではありません。
 今回は、最近加わった〈キャベツやレタスなどの美味しい食べ方〉のバリエーションを紹介したいと思います。

 ところで 私は小学校の頃、ピーマンの表面のビニールみたいな食感と草の様なくささがイヤで、給食で残したら先生に「わがままは許しません」「食べるまで片付けてはいけません」とひどく怒られたことがあります。

 私は「何でこういうものを無理して食べる必要があるのだろう、これを食べなくても生きていけるのに」と思っていて、それを強制する先生が不思議でしかたなかったのだけど、こどもの説得力では、ああ言えばこう言う型の担任の先生に太刀打ちできないことも知っていたので黙っていました。

 その頃のクラスはパンパンで40人以上いましたから、私と同じ様に給食を残す人たちも何人かいます、でも他の人たちは泣いて許してもらっていました。

「あ~、涙というのは許してもらえる時の技なのだな、効果抜群なんだ」としみじみ感じたのだけど、私はぜんぜん泣く気はしなくて、結局その後、掃除時間も休憩時間も5~6校時もずっと給食を前にして「食べなさい」と強制されていました。
 結局食べなかったけどね。

 その後もピーマンは出ることがあって、相変わらず〈食べるまで絶対許しません指導〉は続いたのですけど、先生の怒りのターゲットは私にしぼられていたので他の子たちは大目にみてもらえたのでしょう、私一人が掃除でモクモクとホコリが舞う中、相変わらず「こんなの食べなくても生きていられるのに」と思いながら時間が過ぎていきました。

 担任の先生は校長先生か周りの先生たちに指導されたのか、根負けしたのか、その後そういう野蛮な行為は何事もなかったかの様に消えていきました。

 怖いのは、そうやって食べることができる様になった人が大人になると、こどもたちに同じ様に強制する人も出てくるのだろうな、ということです。

  書いていて思い出したのですけど、私は今でも口の中で食べ物が〈キュッ〉となる感覚がとても苦手です。ナスを食べる時も、料理によってはキュッとなるときがあって戦々恐々の時があるんですけど、それはあの時のピーマンショックのせいだと思います。

 さて数ヶ月後、母親の友人が作ってくれた〈挽肉詰めのピーマン料理〉が食卓にならんだことがありました。
 ピーマンのビニール加減も匂いも消えていて、食べてみたら美味しくて、それから私のピーマンに対する食べることができるようになりました。

 結局あの先生の強い指導はなんだったのでしょう?

 私の中に「将来、教師にだけはなってはいけない」という思いを強くさせただけでした。※その後、教師のなった経過は別な記事で書いたと思うので略

 今も学校給食で苦しめられているこどもたちはいないかな、心配です。

「これまで食べてきたものを、より美味しく味わえる様になる」
「今、食べることができないものを〈おいしい〉と感じて食べることができる様になる」
「たのしい食事の時間にすることができる」
 〈食育〉ということばは新しいので、あまりよくつかんでいないけれど、もし〈食育〉が教育の中で独立できるとしたら、そういうことが伴ってはじめて成り立つのだろうと思います。
 興味ある方が〈たのしい食育〉というテーマで実践していただけることを期待しています。

 さて閑話休題、最近知ったキャベツ、レタス、キュウリなどを生でおしいく食べる方法を紹介させていただきます。

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星野道夫とジェーン・グドールさん 『星野道夫と見た風景』から By.Mie

 以前紹介した『星野道夫と見た風景』という本の中に〈運命の出会い〉という一節があります、ジェーン・グドールさんとのことを記した素敵な内容です。
 アラスカに住む星野さんがアフリカに住むジェーンさんに会いにいくんです。

星野

 ぼくが、ジェーン・グドールに会いたかったのは、彼女を通してアフリカという世界を垣間見たかったからだろう。
 生まれ故郷を離れ、新しい土地へ移り、そこで生き続けてゆくことの意味を僕は少しずつわかりかけていてた。

 アラスカとアフリカという違いこそあれ、ぼくは彼女の著作を読みながら、ある共通する想いを感じていた。

 

 これがジェーン・グルードさんです。

 星野さんはすぐにジェーンさんと親しくなりました。

 ところで、ジェーンさんのことを私はこの絵本で知っていました、「どうぶつがすき」です。
 動物行動学者となって様々な活動をしているジェーン・グドールさんの子どもの頃のことを書いた絵本です。

 イギリス生まれのジェーンさんは小さい時から庭で見つけた花や虫や動物について調べたり、本を読んでいるうちに、自然や動物が大好きになっていきます。

 ニワトリが卵をうむところを観察するために長時間ジ~っと鶏小屋の中に入って観察したり、木登りをして自然をたのしむ様子などワクワクする内容がいっぱいつまっています。

 そのうちにジェーンさんはチンパンジーのいるアフリカに行きたいと思うようになりました。

 今でもそうかもしれません、その頃はさらに、女の人がひとりでアフリカに行って生活するなんて考えられないような時代した。
 みんなアフリカに行くのを反対したそうですが、お母さんは応援してくれたそうです。子どもの人生は子どものもの、そういう気持ちで応援してくれるお母さんも素敵です。

 ジェーンさんはお金を貯めて、勉強をして、アフリカに行くという夢を実現させてしまいます。

 今でも動物の研究をすすめているそうです。

 写真のチンパンジーを見るまなざしがとてもやさしいですよね。

 星野さんも動物が大好きで日本からアラスカに渡った人です。

  二人はきっと話が尽きなかったことでしょう。

 星野道夫さんとジェーン・グドールさんの絵本、秋の始まりにみなさんも読んでみませんか。
「おすすめのものは可能ならリンクを張ってほしいです」という要望がたの研に届いている様です、リンクをはっておきます。

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不思議な葉っぱ/9月のたのしい教育ワークショップから

 数日前の〈たのしい教育ワークショップ〉で講師の昌代先生が準備してくれた教材が数々あって、企画した私自身が「生活科」というのは土の香りのする素晴らしい教科だと感動しました。

〈香り〉をテーマにした授業。

 

〈形〉をテーマにした授業などいろいろあった中で、とても気になったのがこの葉っぱです。

 まるで絵を描いて途中でとめた様な模様になっています。

 何の葉か?

校庭にあった〈ゴムの木〉の葉だそうです。

けっこう大きな木ですね。

 観葉植物としても販売されていて、同じ様なデザインがみえています。

 それにしてもどうして、こんなおもしろい模様ができるんだろう。

 みなさんはどうしてだと思いますか?  

 いろいろ調べてみているのですけど「ほんとかなぁ~」という気がして、問題意識をもってこれからもみていこうと思っているテーマの一つになりました。

 クロトンなども、ゴムの木の様な模様に近いものがあるのでしょう。

 世の中はふしぎさにあふれています。

 そのふしぎさの謎を解くことは、とてもたのしいことで、周りの人たちの笑顔につながることもたくさんあります。命を救うことにつながることもあります。

 自由研究は夏休みの課題にしておくような小さなものではありません。みなさんもいろいろな不思議さを探して、自由研究をたのしんでみませんか。

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たのしい教育が流行化しないように着実に伸ばしていく/たのしい教育の見方・考え方〈板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表/元日本科学史学会会長)から学んだこと〉

 たのしい教育はいろいろな先生たちの熱意に支えられています、その熱意は〈たのしさ〉が支えています。苦しいけれど歯をくいしばるという活動は短期間は続くでしょう、けれど何年も何十年も続くことはありません。
 たのしい教育が沖縄で組織的な活動をはじめたのは1984年、私いっきゅうが教師になった年です。
〈たのしさがこれからの教育のカギを握る〉と考えて、サークルをつくり活動をはじめたのは伊良波正志(元伊豆味小中学校教頭)先生です。

  以来、沖縄で40年近く続き、たのしい教育研究所で飛躍しましたから、足腰の強靭さは間違いないと思ってくださって結構です。

「流行させずに着実な一歩をすすめる」という方針ですすんでいますから、おかげさまでまだまだ活動の余地がのこされています。

 有料版〈たのしい教育メールマガジン〉の読者の方から「流行化させてはいけない」という発想は、どこから出てきたのかという質問が来たので、古い資料を探してみました。

 メルマガに載せる文章の一部をを、公式サイトの皆さんにお届けします。

[文責]きゆな 文意が伝わりやすくなる様に手を入れてあります ex) 「ダルトンプラン」⇨「ドルトンプラン」など

板倉聖宣

 明治以後、日本の教育運動は流行現象をくり返してきました。
〈開発主義教授法〉がおこったあとにはヘルバルトの〈五段階教授法〉がおき、〈動的教授法〉とか〈生徒実験法〉、〈発見学習法〉〈創造主義教育〉〈ドルトンプラン〉〈労作主義〉〈生活単元学習法〉〈系統学習法〉〈プログラム学習〉などなど、流行の対象となった教授法、学習法は少なくありません。
 それらの多くは突如として大流行したかと思うと数年にしてあきられ、十数年ののちにはもう忘れられた存在になっていったのです。
 流行は普及のためには効果的ですが、同時にそれは精神よりも形式を重んじさせることになります。そしてそれは質をゆがめて、はじめのねらいをめちゃくちゃにしています。
仮説実験授業を提唱した当初から、私たちはそのような流行化の危険をいつも警戒してきました。

仮説社「仮説実験授業のABC」より

 その後も教育界では様々な方式が流行化しました、有名だという大学の先生を招いた公的な研修もたくさん受けてきました。

 「評価法」が流行して、授業しながら〈こどもたちの発言の回数〉や〈ノートの取り方〉〈グループでリーダー的な役割を果たしているか〉〈活動は積極的か、テーマに沿ったものか〉という様ないくつもの項目を、机間巡視しながら一人ひとりチェクしていくという方法が流行したことがありました。
その方法で組み立てた授業研究会もあり、「これこそこれからの教育の姿である」「評価無くして指導なし」ということを強調する研修にもたくさん参加しなくてはいけませんでした。

 クラス全員、授業のたんびに評価していくのですよ。

 私は無理だとすぐに気づきましたが、頑張った先生たちがほとんどでした。

 さて、今、そういう方式は残っているでしょうか?

 教育に限らず、本当に大切なものは、丁寧に丁寧に伝えていく中で、次第に広がっていくてのです。
 私が長年学んで来た琉球空手は1800年代に始まり、200年くらいかけて国際的なものになりました。

 たのしい教育も丁寧に〈力あるたのしい先生たち〉を育てていきたいと思っています。

 みなさんの支えが、その確かな一歩に繋がります。応援よろしくお願いいたします。

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