確かにあるのに見えない感じない@楽しい教育の発想法

 心理学とか行動学で〈認知バイアス〉と呼ばれている作用があります。ご存知の方もいるでしょう。思い込みとか偏見と訳されることが多いと思います。

 自分の思考・認識の中であまりにも当たり前なことなので、その存在に疑問をもたない、それが〈認知バイアス〉です。

 アメリカの作家デヴィッド・フォスター・ウォレスが大学の卒業式のお祝いスピーチで語った、私が好きなエピソードも〈認知バイアス〉の一つだといってよいでしょう。
 20年くらい前かな、その年のベストスピーチに選ばれたというので話題になっていたので、web上で読んで学校で子どもたちに紹介したことがありました。

 記憶で記すので正確には違いがあるかもしれません、詳しく知りたい方は「作家デヴィッド・フォスター・ウォレス 大学 スピーチ」で検索してみてください。

 私が授業で使った展開の一つを紹介します、利用したい方はどうぞ。
 ちなみに〈たのしい教育研究所〉を設立後、それをまとめて授業プログラムにしました。いずれ発表したいものの一つです。

2匹の子どもの魚がスイスイ泳いでいると、大人の魚に出逢います。

あいさつをすると、大人の魚がこういいました。

「どうだい、今日の水の具合は?」

しばらくして、子どもの魚たちは、お互いの顔を見合わせてこう問いかけます。
「え、水って何?」

 私たちがプールや海に入る時は「水」を意識するのが当たり前です。

 でも生まれた時からずっと水の中にいる魚たちは、まったく当たり前の世界としてそれを感じていくので、水が何なのかわからない・・・
 自分の周りのほとんどが水だから水が見えない。

 では私たち人間は?

 生まれた時から空気の中で過ごし続けているので、空気を感じないことが多いですよね。

 魚たちには水が見えない。
 私たちはには空気が見えない、似ています。

 水の世界の外にいる私たちには水が見える。

 ここで考えてみてください。

 地球の外に出たら空気は見えるんでしょうか?

 予想してみてください・・・

 そういう流れで地球という星を外からながめていくプログラムです。

NASAに感謝して掲載

 最近、オキナワウラジロガシがほしいというので問い合わせがありました。「こういう授業プログラムが欲しい」という要望に応えられるシステムを作っていこうと思います。

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新年も歩いてたのしむ@サツマイモの実とタネの話

 年末に続いて新年も歩き初めでスタートし元気に過ごしています。夜の冷えた中を暖かくして歩くのもたのしいのですけど、昼は昼で植物や虫たちをたのしむことができます。
 これは今年はじめて見た『リュウキュウコスミレ』です、二人仲良く咲いています。

ジャガイモの花も咲いていました、鮮やかな花です。
ジャガイモの実とタネの話を以前書いた記憶があります、興味のある方はぜひサーチしてみてください。

大きな畑にさつまいもがたくさん植えられていて、花も咲いています、アサガオに似た花の形をしています。

 そういえばサツマイモの実やタネってどんなのだろう?
 みなさんはご存知ですか?

 ちなみにサツマイモそのものは実ではありません、中にタネもありません。

 花の散ったあとの部分をいろいろ探してみたのですけど、まだ膨らんできていませんでした、次のチャンスをたのしみにしておきたいと思います。

 寒さの中でも歩けばたのしさいっぱいです。
 みなさんもたのしんでみませんか。

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楽しい英語・たのしくEnglish@本のある暮らし/名作ダイ・ハード

 学生時代から活字中毒だったので、これまでたくさん処分してきたのに、たくさんの蔵書が残っています。暇ができたら何十年も思い切りたのしむことができます。

 これは英語関係の書棚です、ここで1000冊近くあると思います。

 

 一冊手にしてみましょう。
 映画も大好きで、たくさん揃えています、これはアクション映画の名作『ダイ・ハード』、たしか古本屋さんで手に入れた本です。

 

 映画ではわからなかったことも本でたのしむことができます。
 まずタイトルから。

DIE HARD
WITH A VENGEANCE
A novel by D. Chiel
Based on a screenplay written by Jonathan Hensleigh

〈DIE HARD/ダイ・ハード〉の直訳は〈死ぬのが難しい/死に難い〉です、『不死身の男』というのが日本語に馴染むイメージでしょう。

 続いて

D. Chielによる小説
ジョナサン・ヘンズリーの脚本に基づく

 映画の脚本をノベライズ(小説化)したものです。
 映画を十回以上みているので、知らない単語が出てきてそのシーンから「ま、こういう意味でいいだろう」と強引に読み進めることができます。

 はじめのところを訳してみましょう。

 今は学校でどう教えているのでしょう?
 私の時には「直訳ではなく全体をしっかり把握して意訳(意味が通るような訳)しましょう」という指導が基本でしたから、すぐに英語が嫌いになりました。
 映画が好きになって、少しずつ英語が読めるようになってきました。

 はじめの方からまとまりごとに直訳していっていいんです。
 アメリカ人も日本人も同じ人間同士です、文化は違っていても思考回路に大きな違いはありませんから、理解することは難しくありません。

 やってみましょう。

At dawn(夜明け), the sun was(太陽は)a brilliant orange ball of fire(鮮やかなオレンジの火の玉のように)rising (昇りつつある)in the pale blue sky (あわい青い空)above New York City(ニューヨークの上).

「この単語はどれにかかる」とか「〈~に〉なの〈~から〉なの?」というような入試問題を解くような読み方をやめると、私のように英語と親しくなっていける人も増えていくのではないかと思っています。

あれ?

ダイ・ハードの始まりは、飛行機の中で、主人公のブルース・ウィリスに隣の人が「緊張してるでしょ? あのね、裸足になって足の指を丸めたらリラックスできるんだよ」というような会話をしているシーンだったんじゃないかな? それが後の〈なんちゃってテロリストたち〉と闘う時の伏線にもなっていて、実に脚本がよくできている名作です。

 映画をさっそく確かめてみたいと思います。ダイ・ハード好きのみなさん、どう思いますか? 

 この本にある、夜明けの通りのシーンから始まると思いますか?

 映画も英語も奥が深くてやめられません。
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〈たの研/たのしい教育研究所〉は悪者探しではなく〈解決の具体的な提案〉をする組織/板倉聖宣の言葉から

〈たの研/たのしい教育研究所〉設立の理念の一つが〈たの研/たのしい教育研究所〉は悪者探しではなく〈解決の具体的な提案をする組織〉にすることです。10年以上経ってもスタッフみんなたのしく元気に過ごしているのは、その方針がとてもうまくいているからです。

 1999年8月に埼玉会館で板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 初期から支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長ほか)がこう語っています。伊良波さんからの元資料をいっきゅう編集版でお届けします。

写真は「沖縄 冬の大会」での板倉先生 2010

 『たのしい授業』が出る10年ぐらい前に,私は数学教育の遠山啓さんたちと一緒に雑誌『ひと』の編集委員をやっていました。
『ひと』創刊の一番のうたい文句は,「この教育雑誌はもし悪い教育があったとしても,その教育を告発することはしない。具体的にこうやればよくなる,たのしくなるという代替のプランなしには反対をしない」ということを根源にすえたことです。
 正確にいうと,そういう条件で私は編集委員を引き受け,実際にその方向でやっりました。
 雑誌というは下手をすれば「学校の先生はこんなことをしていてけしからん」とか「こうすべきだのに、それをしないのはけしからん」というように告発をすることになってしまいます。
「こうすべきである」という具体的で明確に出来るものがあればいいのですが,抽象的で出来そうもないことばかり書けば学校の先生は困りますね。

 私は「学校の先生の味方になりたい。学校の先生はけしからんという記事ばかりが出てきても,日本の教育は良くならない。教育が良くなるためには学校の先生の授業が大切なのだから、学校の先生が主体になるような雑誌を作りたい。そういうのであれば協力します」ということだったのです。

 当時出ていた教育雑誌は文章が悪くてほとんど読むに耐えないものでした。例えば〈この〉とか〈その〉が何に係っているのかもわからないような文章があったりするんです。読みながら入学試験問題を解いているようなのは嫌ですね。

「学校の先生は大学まで出ているのだから、こういうことはわかっていて当然である」というような論調もありました。
 だから私はだれでも読めるような雑誌にしようと考えました。

「学校の先生の悪口を書いて欲しい,文部省の悪口を書いて欲しい,教科書の悪口を書いて欲しい」ということになって、実際、告発すると短期間はよく売れるのです。

 でもそういう記事は載せない,新聞記者には原稿を書かせないということでやっていました。

 

『たのしい授業』は,あまり新聞社の受けはよくありません。新聞社の同情を引く形では展開しないからです。お母さん方の悪口を言ったり,文部省の悪口を言ったり,いろんな人の悪口を言えば,新聞と路線を同じくすることも出来ますけれど,私どもはそうは考えないのです。

 

 教育の雑誌は「実際にこうすればいい」という具体的な提案がないとダメです。
 とはいっても何をどうすればそうなるのかわからないようなものを提案したって、何も言ったことにはならないのと同じです。

 私どもは幸いにして,「こうすればいい」ということを,仮説実験授業とか,キミ子方式とか,その他で具体的な教材を作ることで確保できました。
 具体的な提案が出来るようになったから,雑誌『たのしい授業』が出来るようになったのです。

 私はそこまで手を広げるゆとりがないので良く知らないのですけど、SNS等では誹謗中傷にあふれているという話をよく耳にします。

 たのしい教育研究所は〈悪いもの探しや告発・誹謗・中傷〉をせず「こうするとたのしくなりますよ」「先生・お母さんは味方だって感じてくれる子どもたちも増えてきますよ」という具体的なプログラムを提唱しています。

 そうしているうちに行政の方からの相談も来るようになりました、校長先生たちもアイディアが欲しいと相談してくれます。
 某教育行政の組織を率いていた方は
「教育は学校や行政だけでは無理です。〈たの研/たのしい教育研究所〉のような組織がとても大切だと思います」と熱く語ってくれました。

 地域で子育て活動をがんばっている人たちや、学校で子どもたちの教育に真剣に取り組んでいる先生たち、お母さんお父さんなど、いろいろな人たちからの相談もやってきます。

 このサイトの読者のみなさんも、きっとそのことに惹かれてくれているのではないでしょうか。これからもその流れで〈犀(さい)の角〉のようにすすんでいきたいと思います。
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