楽しい文筆暮らし/文字変換で笑ったり学んだり@「灯台下暗し」の灯台は本当に〈室内灯〉のことか? 楽しい国語(その1)

 私の一日の暮らしの中で〈文筆〉している時間は少なくありません。これだけ書いていると、時にパソコンの文章変換機能で笑い出してしまうことがあります。今週の〈たのしい教育メールマガジン〉の映画の章で現在公開中の《SISU/シス》を取り上げた時のこと

一人の退役軍人がツルハシ一本でナチスの戦車部隊に立ち向かう

と書いたら、文字変換が

一人の退役軍人がツルハシ一本でナチスの洗車部隊に立ち向かう

となっていて、そのシーンを思い浮かべて笑ってしまいました。
相手はブラシとか水ホースとかなら勝てそう。

 このうちに文字変換などにもAIが力を発揮して的確な候補を提供してくれるだろうから、こういう笑いはは過去のものになっていくのでしょう。

 「灯台下暗し」という言葉があります。

「〈灯台〉は周りを照らすけれど、足もとは暗い、つまり自分の周りのことはよく分かっても、身近なところは見えない、見落としてしまうことがある」ということわざです。ほんの目の前、足元に答えや解決のキーがあるのに、それに気がつかないで遠くを探すような状態をいいます。

 ある日、友人が『灯台下暗し/とうだい もと くらし』の〈灯台〉は岬の灯台(ライトハウス)ではなくて「家の中で炎を灯していた台のことだ」と話していて、「え、そなの?」といいつつ、この話は何年か毎に「え、そなの?」を繰り返していることに気づきました。


 で、また「え、そなの?」を繰り返さないように調べてみることにしましょう、腑に落ちるようになれば、記憶にしっかり刻まれるでしょう。

 みなさんはどう思いますか?

〈灯台下暗し〉は

ア.岬に立つ灯台の足元は暗いということ

イ.部屋のあかりを灯すものを〈灯台〉といって、その足元が暗いということ

ウ.その他

どうしてそう思いましたか?

⬇︎

⬇︎

⬇︎

 それが正しいのか正しくないのかは、予想を立てて確かめていく過程が大切です。

 いやいや、資料を読めばどれが正しいのかわかるじゃない!

 そうでしょうか?

 その資料の話を読みながら私のように「本当かなぁ、〈両方とも正しい〉ってこともあるかもしれないし」と感じていたら、結局、頭にしっかり刻まれないことになるでしょう。
 また「家に明かりを灯すものは〈あんどん/行燈〉とか〈とうろう/灯籠〉と言っていたはずで、〈とうだい/灯台〉とはいわないのじゃない?」と考えていると、腑に落ちることなく、またいずれ「え、そうなのかなぁ~」を繰り返すことになるでしょう。

 いいチャンスなので、細かく予想を立てながら調べてみることにしましょう。

 まず〈灯台下暗し〉ということわざ(諺)ができたのは、いつの頃かということから調べて、その頃〈岬の灯台/ライトハウス〉が有ったのか、〈家の中で光を灯す灯台があったのか〉で判断できないでしょうか。
 また私のように〈家の中に明かりを灯すものは灯台とは呼ばないのじゃないのか〉という予想を確かめることで、正しい答えにたどりつくかもしれません。

 こういう過程は単純なクイズを解くよりずっとたのしく、価値あることだと思います。

つづく

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楽しい発想法〈子どもに責任を学んでもらう/子どもを敵に回さない〉-たのしい教育メールマガジンから/楽しいクラス経営・教室経営

 週一回発行している〈たのしい教育メールマガジン〉があります。この公式サイトでは紹介できない内容や濃い内容の〈発想法の章〉、たのしい授業の実践プログラム〈授業の章〉など4つの項目でできていて、有料版のPDF版でお届けしています。

 我が子の教育、自分の授業・教育方法へのいろいろな選択肢を探している方へおすすめします。映画好き・本好きの方にも楽しんでもらっていて、いろいろな方から「今週の授業、子ども達がとても喜んでくれました」「発想法の章で、自分のこれまでの生き方を考えさせられました」「◯◯、読みました。観に行きました」という感想が届いています。

 今週号でさっそく反応が届いたのが〈発想法の章〉に書いた内容についてでした。

 その章では「子どもに責任を学んでもらうには」をテーマにアドラー心理学カウンセリングの師匠 野田俊作先生から学んだ《子どもに結末を体験させること》を紹介しました。それは本文を読んでいただくしかないのですけど、並行して、私のPEALカウンセリングで丁寧に伝えていることを説明しました。

 

 こどもたちとたのしい関係を築くには「子どものプライドを砕かないように、子どもの敵に回らないようにする」ことが原則です。

 私への相談の中で「学校に対して怒りを感じ、文句をいいたい」という話をする方もいます。その時にも〈敵に回したら解決は遠のくと思いますよ〉と伝えています。結局それは法的な判断で誰が正しいのかを争うことにすすむことが多く、肝心の〈我が子の幸せ〉への取り組みが置いておかれることにもなります。

 興味のある方はぜひ〈たのしい教育メールマガジン〉を購読してください、月1000円、年間まとめとして12000円でお届けしています。購読費は全て、子どもたち先生、保護者、おじいちゃんおばあちゃんたちなどの笑顔に繋がる〈たのしい教育の普及〉に利用されます。

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秋の雲を見ながら歩きましょう-野山をあるいて心動かされない時はない

 自然に触れることがたのしさに結びつく、それは人生の大切なテーマの一つだと思います。アウトドア派の人たちも、たとえば〈サーフィン好き〉な人が、海にいけなくても自然をたのしめる様になる、〈外に出るよりゲームをしたい、家の中で本を読んでいたい〉という人が野山を歩く、すると人生の豊かさが増えることは間違いありません。

「本当に?」

「はい、本当に!」

 私たちは数百万年以上を自然の中で過ごしてきました、今の社会環境、居住環境の中で過ごす様になったのは、長い目で見ても何千年くらいです。
 電気を使うようになり、車などの動力が生まれ、住居・建造物や交通機関の中にいて、ほぼ外を歩くことなく暮らせる様になったのは100年くらいです。
 人間の歴史を1mものさしでみるとほんの〈0._ mm〉〈0._ _ mm〉くらいの長さです。
 1mのうちの〈99._cm〉は自然密着型で過ごしてきたわけですから、私たちのDNAには長い長い時間の自然の環境に対する適応がが刻まれています。
 都市や建築物の中よりも自然の中で過ごすことが「デフォルト」の状態、まさに自然の状態といえるでしょう。

 もちろん社会的に要求されるストレスなどから気持ちが切り離されることで、心もおちつきます。


 自然の中を歩いて「あ、木に実がついている」とか「見たことのないチョウがとんでいる」というように感動しなこと、心動かされないことはありません。
 ただし〈強制されて歩く〉のでは無理ですよ。
 自分で「だまされたとおもって行ってみよう」という様に初めてみるとよいですよ。

 今回は、最近見た秋の空をおとどけします。

 沖縄では短い〈秋〉の季節、今を逃すのはもったいないと思いますよ。

 秋とはいえ、昼の陽射しはまだまだ強いですから、4時あたりから出るとよいでしょう。

 仕事終わりに歩くなら、大きな公園などがおすすめです。

 みなさんが撮った空の写真、心うごかされたシーンがあったら、見てみたいです。

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なんで漢字に書き順があるの? 〈チコちゃんに叱られる2023-10-28〉を見て考えたこと-楽しい国語

 講座などのない土曜日の朝は、ゆっくり起きて珈琲を点て、「チコちゃんに叱られる」をみるのが日課です。今日の疑問第一問目は、私が前からいろいろな先生たちに話してきたことがテーマでした。

《なんで漢字に書き順があるの?》

 しかも豊川悦司さんが出ていて映画好きの私には興味深い時間でした。

 以前このサイトに書いた「書き順は絶対的なものではないのだから、それで子どもたちを漢字嫌いにしないでほしい」という記事がよく読まれています。それはあとで紹介するとして、番組ではどう扱っているのかたのしく、かつ心配しつつ見ていました。

 番組では、基本的に同じことを説明してくれていたので少しホッとしたのですけど、その根拠になる部分が部分的にサラッと出ていたくらいなのと、解説する方の「先生たちは書き順の間違いで子どもを叱らないでほしい」というセリフが気になりました。

 別に叱るわけではなく機械的にバツをつける先生たちはたくさんいます。叱る叱らないの問題ではなく、「叱ってはいけない」のだし、書き順の間違いで❌をつけるのはやめてほしいと言ってほしかったな。
 書き順の流れがあったことで、先生は教えやすくなったし、子どもたちも覚えやすくなった、全体の形を整えやすくなったというメリットがあるわけですから、それは伝えつつも、書き順が文部省の手本と違っていたら、せいぜい「それも間違いではないのだけど手本ではこうなっていますよ」と伝えるくらいでしょう。
 そういうことは実は書き順だけではなく、「ハネ」とか「トメ」とか細かい部分でバツをつけられることでも同じだと思います。

 私は、書き順で漢字嫌いになったし、今でも、たとえば〈右と左の書き順の違い〉は気持ちよくありません。〈飛ぶ〉の書き方など、書き順通りにすると変な漢字になってしまいます。

 私と同じ様な感覚の子どもたちはたくさんいるでしょう、教師・親の大切な仕事の一つは「学ぶことを嫌いにさせない」ことでもあると思います。

 今日のチコちゃんの番組を見た人たちが、私の記事にたどりついて、たのしい教育が少しずつ広がっていくとよいな。

 話は少し広がるのですけど、たくさんの教師が「書き順神話」を盲信している事実を目の当たりにすると、先輩たちのいうことを鵜呑みにするのではなく、しっかり自分で確かめることが〈騙されない人間になる〉ということでも大切なことのように思えます。その意味でもこのサイトは貴重なものになっていると思っています。

 以前書いてよく読まれている記事を紹介します⬇︎

なぜそこまで〈漢字の書き順〉にこだわるのか? 子どもを漢字嫌いにする前に知っておきたい知識

 

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