たのしい体育〈空手の哲学と理論〉②-楽しい武道・楽しいスポーツ

 ※前後してUPされていた時間があります、この記事から先に読んだ方は一つ戻ってお読みください。空手には先手がない、では突き・蹴り・受け・気合いそれらを何のために学ぶのか、子ども達にどう語るのか?

 大会などに出て華々しい成果をあげたいという目標で空手を修行する人もいますから、それはそれで成り立つでしょう。また私の様に道場を開きたいという人にも学ぶ意義はあるでしょう。しかし実生活で何の意味があるのでしょう。
 健康増進、たしかに。
 でもそれを子ども達に伝えて学ぶ意欲が増すでしょうか?

 前回投げかけたのは「蹴りはこう、突きはこう」というような実際の動き・ノウハウとは違います、発想法、哲学の部分です。

 みなさんはどう考えたでしょう。

 空手の有段者として、武道の心得があるものとしての今の私に具体的に役立っているものは何か?

 「空手に先手なし」です。

 私は師の仲里周五郎(無形文化財保持者)から「喧嘩を買っても、買ったものを捨てよ」と言われていました、徹底的に「戦うな」です。

 ではこれだけ学んできたもの、その身体の動きはいつ使えばよいのでしょう?

 それは危機的な状況です。

 目の前で誰かが襲われそうになっているのを見て見ぬふりするのか?

 あり得ません。

 他にも危機的な状況はあるでしょう、その時にはじめて学んだ技を活かす。

 ではそういう機器的な状況がこれまで何度現れたのか?

 ゼロです。

 私は実生活で危機を突破するために空手の技を使ったことがありません。

 これだけ何十年にも渡って修行した技を実生活で使う機会がない・・・

 バレーボールをやっていたら年に一回くらいはヒーローになる機会があるのにね。

 実生活では使わないものを学び続ける意義は何か?

 このサイトにも時々アップしているのですけど、私は一人で山に入ることがあります。野営・キャンプする時なども、あれこれ心配せずゆっくり過ごすことができる、ということです。組手は素手の一対一の流れです。ただし練習では、相手が凶器を持っている想定、また複数の相手と対峙する時の練習も重ねてきました。練習とはいえとてもスリリングです。武道を修行している人たちを三人倒すというのは大変ですけど、普通の人たちを三人倒すというのは本気で空手を学ぶものにはそれほど難しくないと思います。

 万が一のことに対する構えがしっかりできていると、自由度が増えます。

 その自由度はつまり、いろいろなことを心配することが少なくなるということでもあります。

 そしてそのエキサイティングな練習は実にたのしい。
DNAの中に刻まれているハンティング的な心の動きなのかもしれません。
普通の暮らしの中でこういうワクワクドキドキ感は得られないでしょう。

 武道によって、たのしい、そして行動の自由度が増える、それは何らかの決断をすねるときにも大きく影響するでしょう。

 今の時代、日常で使うことのない武道を学ぶ大きな意義はそこにあるでしょう。

 それが武道の哲学です。

では武道の理論・空手の理論とは何か?

 相手が顔を殴ってきたらどう動けばよいのか、という話にもどりましょう。こちらの周りの状況、相手の身体の向き、飛んでくるパンチのスピードなどいろいろなファクターが関わるのですけど、基本は〈飛んでくる力を自分の身体以外の空間に流す〉ことです。空手の受けもサバキも基本はそこです。

 攻撃は千差万別でも基本は千差万別ではありません。

 生き方に哲学や理論がある様に、空手にも哲学や理論があります。

 その基本(理論)を学ぶことによって、実際の動き・ノウハウの部分もしっかりしていくでしょう。

 少々長くなってしまいました、とりあえずここまでにしておきます。

 

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たのしい体育〈空手の理論〉①-楽しい武道・楽しいスポーツ

 前回の〈ノウハウも大切、理論も大切〉にお便りが届いています。それにしても動画の作成が途絶えていて申し訳なく思います、パソコンがクラッシュ後、忙しさが増し、どうも動画作成の時間がうまくとれません。タイミングが整ったらまた動画に専念できると思います、お待ちください。
 動画作成とは逆に、このブログはおかげさまで毎日更新することができ、アクセス数も安定して伸びています。その分、読者のみなさんの興味関心の幅も広がり、たとえば今回書く「空手にも理論があるのですか」という話につながっているのでしょう。そういう中で「たのしい教育」と関わりがあると考える一部をこうやって紹介しています。

 さて、私いっきゅうは〈たのしい教育研究所〉を設立して全力投球するまで、ずっと琉球空手の修行を続けていました。師範免状をいただいているので、まずは琉球空手研究所から設立し、状況が整ってきたら琉球空手の真髄を子ども達向けに伝えたいという夢を持っています、興味ある方たちは少しご期待ください。

 ということで空手・武道に熟練している者として語っているとご理解ください。

「空手に先手なし」という言葉があります、では相手が突然顔面を殴って来たらどうしたらよいのでしょう。

 空手の〈受け〉はとても良くできていて、上手くなればなるほど小さな動きでそれを受け流すことができます。
 先手はなくても受けはありますす。

 私は学生の頃からずっと実践場面を想定して練習していたので、一方的に相手を倒して警察沙汰になった時は、向こうが先に殴ってきたというだけでは納得してもらえないことも多い上に、過剰防衛といわれると面倒なので、まずは顔面に殴られた跡をつくっておいてから倒すという想定で練習していました。なので〈受け〉を使わず、あえて攻撃を受け、それがさほどダメージにつながらない様な身体の流れです。

〈受け〉にしても、私の様にそういうノウハウ・身体の動きはとても大切でしょう。ただし、周りの人たちに殴られない様な状況にいる方がずっといい。

 闘わないに勝るものはない。

 ちょっと待ってください、では空手・武道は何の為に学ぶのでしょう?

 みなさんも考えてみませんか。

 

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ノウハウも大切、原理・哲学・発想法を大切に学ぶことも大切-楽しい教育の発想法

 最近の〈たのしい教育メールマガジン〉に書いた内容の反響が届いています、このサイトを読んでくれていめるまメルマガの読者の方も多いので、少し書かせていただきます。

 こういう時はどうしたらよいのか、というノウハウを学びたい人はたくさんいます。
 子どもたちがいうことを聞いてくれない、という先生から「立って歩いている子になんて言ったらよいですか」という様に。
 私は空手の指導者でもあるので「顔を殴ってきた時はどう受けたらよいですか」という様な質問をたくさん受けてきました。

 ノウハウつまり具体的な対応はとても大切です。

 ところがノウハウというのはある特定の状況で成り立つものがほとんどです。
「立って歩いている子になんて言ったらよいか」という時にも、その子の学年や、勉強が苦手なのかどうか、友達関係はどうかなどいろいろなファクターによって対応に差が出てきます。

 空手の技もそうです、逃げられる状況か、相手が力のある人なのか、防ぐものがあるかないかetc. いくつかのファクターで違いが出てきます。

 そういう時の具体的な対応・ノウハウを学びつつ、たとえば「子どものプライドを傷つけない様に声をかけることが大切です」という様な原理的なものを学ぶ方が応用範囲が広がるでしょう。

 原理的なものはとても大切です。

 最新号の〈たのしい教育メールマガジン〉の発想法の章にこうかきました。

 最近、学校関係の方から相談にのってほしいとたのまれ、いろいろな話をしてきました。巨大な壁を前に、何をどうしていけばよいのか打つ手が描けないとのことでした。確かに巨大な押し付けを前にすると個人としての打つ手はとても限られています。
 学校だけでなくいろいろな組織でも、もしかすると家庭でも〈抵抗できない強い力〉が存在することがあります。自分はそうではないと考える・そうしたくないと考える、けれど「こうしなさい」と押し付けてくる、そういう力です。
 その時、どうしたらよいのでしょう?

 こういうことはノウハウでは解けないでしょう。

 哲学・発想法など原理的なものを学んでいく必要があります。

 巨大な力を前にした時・・・

 みなさんも考えてみませんか。

 そして教育に関わる原理的なものと、実際のたのしい授業の方法とを学びたいと思ったら、ぜひ〈たのしい教育メールマガジン〉を購読してみてください。読者が全国に広がっている人気のメルマガです。

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二十四節気〈清明〉をたのしむ-たのしくアウトドア

 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)という一般的な四つの区切りでなく、その六倍の〈二十四節気(にじゅうしせっき)〉という農耕を中心にした季節の区切り方があります、中国で生まれ、東南アジアのいくつかの国に広まっていて、かつての日本もそれを取り入れていました、今でも〈立春〉とか〈夏至〉〈秋分〉〈冬至〉など、生きて使われている節がいくつもあります。

 国立国会図書館のサイトに二十四節気の表があります、元々太陰太陽暦(旧暦)なので、新暦でいうと何時頃なのか、右端に記されています。

二十四節気
季節 二十四節気名 新暦の日付
立春(りっしゅん) 1月節 2月4日頃
雨水(うすい) 1月中 2月19日頃
啓蟄(けいちつ) 2月節 3月5日頃
春分(しゅんぶん) 2月中 3月21日頃
清明(せいめい) 3月節 4月5日頃
穀雨(こくう) 3月中 4月20日頃
立夏(りっか) 4月節 5月5日頃
小満(しょうまん) 4月中 5月21日頃
芒種(ぼうしゅ) 5月節 6月6日頃
夏至(げし) 5月中 6月21日頃
小暑(しょうしょ) 6月節 7月7日頃
大暑(たいしょ) 6月中 7月23日頃
立秋(りっしゅう) 7月節 8月8日頃
処暑(しょしょ) 7月中 8月23日頃
白露(はくろ) 8月節 9月8日頃
秋分(しゅうぶん) 8月中 9月23日頃
寒露(かんろ) 9月節 10月8日頃
霜降(そうこう) 9月中 10月24日頃
立冬(りっとう) 10月節 11月7日頃
小雪(しょうせつ) 10月中 11月22日頃
大雪(たいせつ) 11月節 12月7日頃
冬至(とうじ) 11月中 12月21日頃
小寒(しょうかん) 12月節 1月5日頃
大寒(だいかん) 12月中 1月21日頃

 

 4月のこの頃は〈清明:せいめい〉の季節です。
 沖縄ではけっこう大切にされていて、親族が集まってお墓でパーティーをします、大和言葉で〈せいめい〉、もともとの中国語では〈チンミン〉、島言葉では〈シーミー〉です、大和言葉と中国語をミックスしたみたいですよね。

 私はアウトドアでの食事が大好きなのですけど、明らかに幼い頃、親族が集まってアウトドアで食べた〈シーミー〉の影響があると思います。

 子どもたちにも伝えていきたいたのしい行事の一つです。

 清明は本来〈自然界が清らかで明るくなる時期〉であるところから名付けられています、まさにはっきりと春が到来した季節ですから自然が美しく、お出かけやピクニック、風景を楽しむのに最適な頃ともいえるでしょう。

 そういう習慣のない方たちも、ピクニックにでかけてみませんか!

 

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