コタツ記事・パッチワーク記事、詐欺記事に惑わされないために② 騙されない人になるために・特殊詐欺回避入門

 自分で汗を流して検証するのではなくネット上の情報や自分のまわりの噂、不確かな知識をもとにして書いていくのが〈パッチワーク記事〉いわゆる〈コタツ記事〉です。ちなみに〈パッチワーク記事〉というのは私いっきゅうが作った言葉です。すでにコタツ自体がイメージしにくいものになったうえに、全体としてもどういう意味かわかりにくいので〈はり合わせ記事〉という意味でネーミングしました、気に入った方はご利用ください。その際には「いろいろなものをはり合わせただけのパッチワーク記事が中心になっていくと・・・」という様に使っていくとさらにわかり良いと思います。

 ネット上にも雑誌にも書店にならんだ本にもパッチワーク記事がたくさんあります。これはその一冊、加工しておきました。「超アタル」「20のうらない勢ぞろい」という言葉にたくさんの子どもたちが買っているのでしょうか。

 占いが20ものっていて、一つには「今動き始めたらうまくいきます」と出て、もう一つには「時期を待ちましょう」とあったらどっちを信じればよいのか。「そもそも占いは正しくない」ということを証明するような本をだなとおもうのだけどな。

 パッチワーク記事(コタツ記事)で間違ったり、そもそも偽情報に惑わされたりしないためには、どうしたらよいのか。

 このサイトにもいろいろな文章の引用があります、どうしてそれが「間違いです」と指摘されずに、何年間もずっと継続し、一定の人気を高めてきているのか。少しずつ読者を伸ばし続けているのか?

〈間違いではないか〉とまでは言われてないのですけど、「びっくりしました、本当ですか」というような声がいくつか届いて、それに答えるように、同じテーマで記事を重ねていったことくらいです。

「木の高さ」と「根っこの深さ」自由研究・楽しい学力向上(1)

 もちろん自分自身の目で確かめるということは重要です。それでもたとえばネット上で

「火山噴火で軽石が大量に沖縄に押し寄せている」というニュースをみて、見に行ったら着てないじゃないか、これはフェイクニュースだ。

とは簡単に判断できません、一ヵ所だけしかみていないからです。

自力でいけるなら、たくさんの海岸をたずね歩く必要があるでしょう。

パッチワーク記事や捏造記事はなかなか自分の足で確かめることができません。

〈そういう時にどうすから〉がこの記事のテーマです。

このサイトの基本は

1.何らかのデータに当たる時にはまず自分の予想を元にして調べていく

ということです。

「やっぱりそうだっか」とか「そうでもなかったのか」という様に、そのデータ(記事)にあたることは決定的です。

もちろん自分の予想したことが正しいことも間違っていることもあります、当然です。

 それを元に他のデータに当たっていくわけです、自分の予想と同じデータ(記事)だけを集めてはいけません、いくつかの記事に当たってください。

 その時には

2,データに当たる時には「より信頼性の高いソース(データ元)にあたる」

ことです。

 といっても永遠に調べ続けていくわけにもいきませんね、私は4ステップを経てここに書いていて、それで問題は起こっていません。

 信頼性の高いソースにはどういうものがあるか、私が比較的信頼しているものを列記してみましょう。フェイク記事が比較的少ない信頼できる情報源には以下のようなものがあります

  1. 実験結果のはっきりした科学データ

  2. 大学など研究機関の研究データ、学術ジャーナル、大きな出版社の出した事書など

  3. 主要ニュース機関や専門分野の雑誌、大きな報道機関の情報

  4. 政府機関の発表

  5. 番外:A.I.の情報はどういう位置づけか?
    信頼に足る情報とは言えません。まず大雑把な情報を把握するくらいにとらえておくとよいでしょう

 とはいえ、たとえばこの中の〈政府機関の発表〉が全部正しいのかというと、そうではありません。経済データなど、いろいろなフィルターをかけて、「経済は成長している」という政府に有利なグラフを描いてしまうことがありますから注意しなくてはいけません。

〈科学的にはっきりしたデータ〉といっても新しいものはSTAP細胞のような捏造が考えられますから、時間の経過という重要なフィルターを乗り越えてきたものをみていってください。仮説実験授業はそういう科学のデータを元にしていますから、仮説実験授業の中身については信頼して大丈夫でしょう。

〈大きな報道機関の報道〉もスポンサーなどの意図を忖度してしまうことがありますから心配です、権威を盲信しては痛い目にあいます。

 だからこそまず「自らの予想」が大切です。

 たとえば「登校拒否・不登校の子どもたちは増えているか」という時に

①増えているという予想→②〈文科省のデータを見てもやはりそうだ〉→③〈大学の論文〉にも裏付けるデータが出ている→④〈ニュース〉にも出ている➡︎予想は正しかった

という4ステップで判断していくことをおすすめします。
「え、たった4つ?」
と驚く人もいるかもしれません。

 もちろん、もっと大きなテーマだったり、なかなか真偽が判断できない場合には、さらに多くの段階を必要とするものもあるでしょう。とはいえ、このサイトで取り上げているテーマについては、このステップですすめているので、経験上これくらいで大丈夫だと思います。

予想と異なるデータが出てきた時にも心配入りません、予想が違う時には自分がステップアップするチャンスです。それも4段階でみていくとよいでしょう。

演習してみましょう。

演習問題
「ネットの占いをやってみたら、あなたは今年〈仕事がうまくいかない時期〉に入ります。丁寧に仕事をすすめていきましょう」と出てました。

「悪い占い結果は信じない」という人もいます。それは「いい占い結果は信じる」ということですから〈占いを信じている〉ということです。〈正しい占いも間違った占いもある〉という人も同じです。

 ではそもそも《占い》という行為自体が信じてよいものかどうか予想を立てて調べてみていってください。

 あなたの予想
 ア 占いは真実を伝えてくれる行為であり信じてよい
 イ 占いは信じられない

 どうしてそう考えましたか?

では、その予想を元に信頼できるソースを当たっていってください。

「占いは信じるにたるものである」という結果が出た方は、先ほど示した四つのステップごとにソースも加えて送っていただけませんか。私個人としてもとても興味があります。

 そろそろまとめに入っていけるかもしれません。

つづく

 

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コタツ記事・パッチワーク記事、偽情報に惑わされないために① 騙されない人になるために・特殊詐欺回避入門

〈コタツ記事・こたつ記事・炬燵記事〉という言葉をご存知でしょうか、私は毎日文章を綴っているので、その言葉を知っているのですけど、学校の先生たちやお母さんたちに聞いた限りでは〈未知100%〉でした。

『三省堂国語辞典』編集委員の 飯間 浩明 さんが文芸春秋のサイトにこう書いています。

【こ】「コタツ記事」に協力 これからは控えることに
                    日本語探偵

「コタツ記事」といわれる安直な記事がインターネット上に増えてきました。記者がまるで取材をせず、ネット情報などをつなぎ合わせて作る記事。こたつに入ったまま書けるのでこう呼ばれます。

 この呼称は、2010年代後半から散見されるようになりました。主要全国紙・地方紙で取り上げられるようになったのはざっと20年以降です。23年上半期の芥川賞を受賞した市川沙央さんの「ハンチバック」は、主人公の女性が書いたコタツ記事から始まります。文学でもこの呼称を捕捉しています。

 一部のいい加減なウェブメディアだけの記事かと思っていたら、スポーツ紙や芸能紙のウェブ版でもお目にかかります。「芸能人がSNSでこのような発言をした」「それに対してネット上ではこんな反応があった」などという記事がそれです。ニュース性があるのかどうか不審でしたが、要するにページビューが稼げればいいらしいんですね。

 まともなメディアが書く記事ではない、と冷ややかに見ていました。ところが、なんと私自身がコタツ記事の生産に協力していたことに気づきました。

https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h7208

 

小学館の「デジタル大辞泉」にはこうあります。

こたつ‐きじ【炬燵記事】

読み方:こたつきじ

独自の調査や取材を行わず、テレビ番組やSNS上の情報などのみで構成される記事。

[補説] 主に、閲覧者数を増やす目的で作成されるインターネット上の記事についていう。自宅で、こたつに入ったままでも作成できるということからの名。https://www.weblio.jp/content/%E7%82%AC%E7%87%B5%E8%A8%98%E4%BA%8B?dictCode=SGKDJ

 この〈コタツ記事〉という言葉の〈コタツ・こたつ・炬燵〉自体がすでに過去のものになっていますから、構成する言葉自体が遠いものになっているのでしょう。

こたつの国内生産量はどれくらい減っているの?

こたつの国内生産量が激減しています。

なんと、平成2年代から国内生産量が激減していっているのです。

平成2年には約178万台の国内生産量だったのにたいし、平成9年には
100万台を割りました。

更に平成15年時点では、平成9年の九割に近い約24万台にまで現象したのです。

平成16年に至っては調査の対象外とみなされ現在に至っています。

こたつの国内生産量が激減!日本家庭の風物詩の危機か?

 私は《独自の調査や取材を行わず、テレビ番組やSNS上の情報などのみで構成される記事》を〈パッチワーク記事〉という言葉で表現した方がよいと思っています。

 さて私がここまで書いたうち  から  までは〈パッチワーク記事〉いわゆる〈コタツ記事〉です、ソファーに深く体をしずめて書いています。

 パッチワーク記事は間違いの危険性を高く含んでいます。

 パッチワーク記事のようなものだけでなくネット上にもテレビにも本には科学的にみて間違ったこと、事実と違うことが乱立しています。

 けれどたくさんの人たちが読んでくれているこの〈たの研/たのしい教育研究所〉のサイトはそういう不確か、間違いの危険性がとても少なくなっています。それが信頼を勝ち得ているということもあるでしょう。

 さっきの   で囲われたパッチワーク記事、いわゆるコタツ記事だけでなく、これまでもいろいろなところから引用してきているのに間違いが少ないのはなぜだと思いますか?

 あなたがいろいろなサイトの記事を集めて文章を作成するとき、間違い記事である危険性を少なくするにはどうしたらよいでしょう。

 そのことは自分自身が周りにだまされない、いろいろな詐欺(特殊詐欺)にひっかからないために大切なことですから、まず自分の頭で考えてみていただけますか。

 そうやって予想してみると「テレビで言っていたから正しい」とか「先生(お母さん)が言っていたから正しい」というのは、はなはだ心許ないことだとわかるでしょう。

 以前「納豆を百回以上まぜてネバネバを増やしてから食べるとやせる」という情報を流したテレビ番組があって、結果的にそれが根拠ない捏造であったことがわかって番組自体が消えたことがありました、関西テレビの「発掘あるある大辞典Ⅱ」ですhttps://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/focus/122.html

「1999年に空から恐怖の大王が降ってくる」というノストラダムスの大予言という情報にたくさんの人たちが騙されました。

 教師だって間違った情報に巻き込まれますから、先生がいうことは全部正しいなんてあり得ません。科学作品展で私が審査した中に

担任の◯◯先生の指導で「牛乳に〈ありがとう〉と書いておくとなかなかくさならない。〈ばかやろう〉と書くとすぐにくさる」という自由研究をまとめました

という子どもがいました、そんなインチキ情報を信じ切っているような先生は一人ではなく、別な学校からも出てきたので「科学教育をしっかりしなくては大変だ」と思いました。
 それは〈たの研/たのしい教育研究所〉にも引き継がれています。

 長くなりました、次に分けてかきましょう。

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楽しい国語「〈原稿用紙の使い方〉で作文嫌いを生まないように」/句点( 。)の話

 ある少年と語り合いながら、子どもの頃、先生に原稿用紙の使い方をしつこく指導され、その都度書き直しを命じられるので、ほとほと作文が嫌になったことを思い出しました。あの先生にも指導の理由があったとはいえ、子どもたちが嫌いにさせるような授業を続けたことには今でも納得いかないな。子どもの頃、先生に何度も書き直しさせられたのが句点(  。)と読点(  、)でした。

 たとえば「うみにいるかのたいぐん」という文は読点が無いと二つの意味で読み取れることになりますから読点(  、)はとても大切なのですけど、それはいずれ描くことにして、今回は句点(  。)をテーマに書きましょう。

 まず皆さんの考えを聞かせてください。

質問
文章を書いていく時、句点(  。)と読点(  、)は重要です。その中の句点(  。)はどういう時につけるものでしょうか?

 

句点とは

「ここが文の終わりです」という時につける記号が句点(  。)です。私が書いているこの文章にも句点がついています。

 句点をなくして書き続けていくとどうなるでしょう? 例えば今の文章(青)はこうなります。

「ここが文の終わりです」という時につけるのが句点(  。)です私が書いているこの文章にも句点がついていますねもしもこの句点をなくとて書き続けていくとどうなるでしょう?

 読めないことはないとはいえ、切れ目がはっきりした方がずっと読みやすいですよね。文の終わりには記号をつけた方がよいので、句点(  。)も大事です。ちなみに私の知っている人物に、一つの文章ごと行変えして書いて、全く句点を使わない人物がいます。

 ところで句点(  。)以外にも〈ここが文章のおわりです〉という記号があります。さっきあげた青の文章の中にもありますよ。

⬇︎

⬇︎

はてなマーク( )と止めのカギカッコの記号(  )です。
他にもあります( )や(・・・ )などなど。

 ところで学校では「~といいました。」というように〈句点+カギカッコ〉と指導します。
 私はこれがいやだった。

 だって、止めのカギカッコだけで〈語ったのはここまでです〉を意味しているのに、それにさらに〈文章はここまでです〉という記号をつけるなんておかしくないですか? 《ここで文章の終わりですよ》《ここで文章の終わりですよ》と2回繰り返しているんですから。

「おかしくないよ」という人もいるかもしれません、それなら「ムダだという気がしませんか」と質問させてください。

 その後、自分でいろいろな小説などを読む様にうちに、小説家・文筆家の多くが私と同じように、そういう無駄なことはしない人の方が大多数でした。

《ここで文章の終わりですよ》《ここで文章の終わりですよ》と2回繰り返したい人がいてもよいのですけど、私の様に繰り返したくない人を弾圧するのはよくないと思います。

 ちなみに私は「・・・終わりですよ。」というような同じ意味を伝える二重の記号は美しくない、「・・・終わりですよ」の方がスッキリしてずっとよいと感じています。

 みなさんはどうでしょう。

 今年は私も文筆に力を入れようと考えていて、いろいろな小説家の直筆の原稿用紙を眺めています。

 何人か紹介して、終わることにしましょう。私と同じように《句点+カギカッコ》を使わない有名な小説家の方たちの直筆です。もちろん、本になった時にもカギカッコのみで閉じています。今度時間ができたら、その作家の作品を取り上げた〈教科書〉は本人の原稿を無視して《句点+カギカッコ》に変えてしまっているのではないか、というところを検証してみましょう、たのしみです。

 夏目漱石の小説「門」の原稿。

川端康成「篝火」の原稿

 谷崎潤一郎「細雪」

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楽しい読み語り「アルフィーのいえで」お勧めブックレビュー

 2ヶ月前の秋の講座(2023年)でさくら先生がとりあげた『アルフィーのいえで』は読み語りにおすすめの一冊です。

 気に入りの赤い靴をお母さんが「処分しましょう」というので、反抗したアルフィーが「それならボク家出する」といい出すところから始まる絵本です。
 これはアルフィーがカバンに家出用の荷物を詰めているところ。

 当然のごとく
「アルフィーのお母さんはとても困ってしまいました」
 と話が進むと思ったら…

 このお母さん、なかなかの人物です。

 ぜひ展開のおもしろさに触れてみてください。

 子どもたちもきっとハラハラしながらのめり込んでくると思います。

 私はさくら先生の読み語りで4~5回味わったのですけど、何度聴いてもいい気持ちになる作品でした。

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