野依良治(化学者/ノーベル賞受賞)の発想から① たのしい教育の出発点に近い見方・考え方

 2001年に有機化学の研究でノーベル賞を受賞した野依良治(のより りょうじ)という人物がいます。

野依 良治(のより りょうじ/1938年9月3日 )、日本の化学者(有機化学)。2001年に「キラル触媒による不斉反応の研究」が評価されノーベル化学賞を受賞

 〈IPS細胞〉の様な一般の人に対しての話題性が広がるものではなく、〈キラル触媒による不斉反応〉という研究なので、よく知らない人もいるかもしれません。

 私も、大好きな原子分子の模型をもって生き生きと語っている姿が印象に残っていたので名前と業績には目を通していましたが、人となりについて知っているわけではありませんでした。

 その野依さんが、たのしい教育の発想と似た考え方を持っている人物だということを、最近のニュース記事で発見しました。

 野依さんがそうだというより、一流の科学者で教育に高い関心をもっている人たちはすべからく、たのしい教育の発想が基本になっているのだろうと思います。

 野依さんは第一次安倍内閣で設置された政府の教育再生会議の座長に就任していますし、文部省学術審議会委員、文部科学省科学技術・学術審議会委員、日本学術振興会学術顧問など、教育に関係する役職も歴任しています。

 今週は〈たのしい教育メールマガジン〉の半年に一度の構想・整理の週ですから、たのしい教育の発想法として、いくつかに分けて、このサイトに書いてみたいと思います。

※

 Yahooの国内アクセスランキングで1位になっていたので、すでに読んでいる方もいるかと思います。元は〈教育新聞〉に掲載された記事をyahootがニュースとして配信したものです。
※yahooが配信したから読むことができたとはいえ、web上の記事を6pまで開いてあとやっとその最後に「※本記事は教育新聞に掲載したインタビュー記事を再構成したものです」とだけ記すのではなく、トップのタイトルの部分に大きくそれを記してほしいものです

 記事の一部を紹介させていただきます。
 原文はこちら〈2019年6月25日17:30配信の記事〉からです。全体を読んでからここにもどってきても読み応えある様に、またこのサイトのみ読んでいただいてもわかるように書いていきたいと思います。一部、改行や読点に手をいれて読みやすくしてあります、ご了承ください。


『本気でおこっている』というタイトルにあるように、実際、怒り心頭なのでしょう。

 でも、ここではあえてその怒りの部分には焦点をあてないことにしましょう、怒りは問題を複雑にして解決を遠ざけることが多いからです。

 まず冒頭あたりの、教育に対する野依さん自身の考え方を読んでみてください。

 学校教育は、社会のためにある。

 個人が自由に生きる権利は大切だが、決して入学試験に合格するためだとか、あるいは金持ちや権力者になるためにあるのではない。

 教育界というのは日本であれ、あるいは世界であれ、あるべき社会を担う人を育まなければいけない。

 健全な社会をつくることが、国民それぞれの幸せにも反映するわけです。

 日本は他国並みではなく、格段にしっかりした次世代を育てなければなりません。

 行政にも現場にも、その覚悟が求められる。

 そして、多様な文化を尊重する文明社会をつくっていかなければいけない。

  細かい部分にひっかかる人はいるにせよ、論旨全体の反対する人はあまりいないでしょう。

 その後、野依さんの子ども観がハッキリあらわれていきます。

野依

 日本の青少年の基礎的な学力ですが、PISA(※3)やTIMSS(※4)などの国際調査結果などを見ると、割と頑張っています。

 ただ問題は、学びが消極的な点。

 積極的に定説に対して疑問を投げ掛けたりすることがない。

 教科書などに書いてあったら「ああ、それはそうですね」で済ませ、自分で考え「そうじゃないんじゃないか」と、工夫して挑戦しないのですね。

 この現状把握は、かなり正しいと思っています。

 だから子ども達が悪いのだとか先生たちが悪いのだという考えはありません。
〈だからどうしたらよい〉かという提案がRIDE( ライド:たのしい教育研究所 )の活動テーマです。

 話を戻しましょう。

 野依さんはかなり反骨の人だということが次の言葉でわかります。

 昨日と同じ今日を生きたいと考えているだけでは新しい改革などできないからです。

 創造性のある科学者に必要なのは、いい頭ではなく、「強い地頭」。

 自問自答、自学自習ができないといけない。

 それから、感性と好奇心。これが不可欠です。

 そして新しいことに挑戦しなければいけないから、やっぱり反権力、反権威じゃないと駄目ですね。

 年配者や先生への忖度(そんたく)は無用です。

 先生や社会は若者のこの自由闊達(かったつ)な挑戦を温かく見守る必要がある。

 歯に衣着せぬ論調でハッキリ語る野依さんの言葉はわかり安いのでグイグイ引き寄せられてしまいました。

 RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )の見方・考え方と野依さんの見方・考え方は、かなり近いものを感じています。

 学びに消極的な子ども達、野依さんの言葉でいえば〈それはそうですね、で済ませる子どもたち・工夫して挑戦しない子どもたち〉の目を輝かせ、授業する先生自身にもたのしさを味わってもらえるのがRIDE( ライド:たのしい教育研究所 )が拡げている教育プランです。

 近々また野依さんの言葉を紹介しながら、たのしい教育研究所の見方・考え方を合わせて紹介させていただきます。

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合弁花と離弁花の違い・覚え方 ―シロツメクサ(クローバー)で楽しく確かめる【教員採用試験・中学理科】合弁花・離弁花の分類

シロツメクサ(クローバー)は合弁花でしょうか、離弁花でしょうか。答えを先に書きます。離弁花です。マメ科だからです。けれど本当におもしろいのはその先で、あの丸い花は〈一つの花〉ですらありません。公園に咲いている花で、中学理科の分類がまるごと確かめられます。予想を立てながら読んでみてください。

 たのしい教育研究所によく顔を出してくれるT先生から「公園を散歩している時、シロツメクサがたくさん咲いていたのですけど、それが合弁花か離弁花か気になっています」というメールが届きました。

 みなさんはどう思いますか?


 わたしはシロツメクサが〈○○科の植物〉であるということを知っていたので、間違いなく答えることができます。
 でもおもしろい問題だなと思うので、今回はそれについて書きましょう。

🟢 先に答えを書きます ★

シロツメクサは〈離弁花〉です。
花びらは5枚、マメ ファミリー(科)の植物だからです。

……と書くと、
「なんだ、もう終わりか」と思われるかもしれません。

そうではありません、「ファミリー(科)」による分類の素晴らしさに加えて、植物それぞれのおもしさ、興味深さを感じるところだからです。

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⇩

 

🟢 バラの花は一つの花です。ではクローバーは?

バラ

シロツメクサ・クローバー

 

🟢クローバーの丸い花は花のかたまりは 40〜80ほどの小さな花が集まったものです。

 花というからには、一つひとつがちゃんと花びらもおしべもめしべも持って、それぞれにタネをつくるわけですよ。

公園のシロツメクサたちは、花畑の中の一輪ではなく、一輪の中にもたくさんの花がある花束なのです。

🟢 合弁花と離弁花とは(中学理科のおさらい) ― 花占いができるかどうか ★

合弁花というのは、花びらが一枚ずつに別れず合わさっているという意味です。 ぼとりと全部を取ってしまうことになります。

離弁花は、花びらを一枚ずつ取ることができます。

覚え方は簡単です。

花占いができる → 離弁花 花占いができない(ぼとりと落ちる)→ 合弁花

「好き、きらい、好き……」と一枚ずつちぎれるなら離弁花。 一枚ずつちぎれずに全部くっついて取れてしまうなら合弁花。

ではキキョウは合弁花でしょうか、離弁花でしょうか?

「合弁花」です、愛称の花占いなら「すき」だけでおわります。

 さっきあげたバラはどうですか?


「すき」「きらい」「すき」「きらい」というように一枚ずつとっていくことができます、〈離弁花〉です。

 テストでは、ここをしっかり覚えておくとよいでしょう。

主な仲間

  離弁花類(花占いができる) 合弁花類(一枚ずつ取れない)
主な科 マメ科・アブラナ科・バラ科・サクラ・エンドウ キク科・キキョウ科・ナス科・ヒルガオ科・シソ科・アサガオ・タンポポ
覚え方 「マメ・アブラナ・バラ」=マアバ 「キク・キキョウ・ナス・ヒルガオ・シソ」=ききなひし

 

シロツメクサはマメ ファミリー(科)です、だから離弁花です。

エンドウやスイートピーの花を思い浮かべてください。
これはスイートピー、豆ファミリー(科)です。
花びらを一枚ずつとることができる、花占いにつかえる離弁花です。

🟢 でも、ここで何か引っかかりませんか ★

 同じマメファミリー(科)とはいってもシロツメクサ・クローバーの花とスイートピーの花とは違って見えませんか?

 マメファミリー(科)の花の構造はこうです、少しわかりにくいのですけど、大きい花びらと小さな花びらが合計5枚でできています。


 シロツメクサは?
 5枚どころじゃありません・・・

 どういうワケでしょう?

 もしかしてシロツメクサは豆ファミリー(科)の異変形で、花びらがたくさんできた種類なんでしょうか?

 どう思いますか?

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それが先に書いた「シロツメクサの白い花はたくさんの花が集まった花の集合体」ということにつながります。

 実際に顕微鏡でのぞいた写真を 続きの記事に載せています。

👉 シロツメクサ(クローバー)の魅力② 小さくても美しい花

もっと詳しく知りたい人向け(合弁・離弁の分類は双子葉植物だけ)

🟢 単子葉植物では、この分け方は役に立ちません

単子葉植物の花も、合弁・離弁に分類することはできます。

けれど、同じ科の植物であっても 合弁花であったり離弁花であったりするので、 分類しても、その植物を特定(同定)するために役立たないのです。

ユリ科を見てください。 ユリは合弁状の花びらですが、 カサブランカは花びらが一枚ずつに分かれています。

だから理科の教科書では、 合弁花・離弁花という分け方は〈双子葉類〉のところにだけ出てきます。

「なぜ双子葉類だけなのか」 そう思ったことのある人は多いはずです。 理由はこれです。役に立つ分け方だから、そこで使っている。

分類は、暗記するための決まりごとではありません。 役に立つから、そう分けている。 ここがわかると、理科の分類がぐっと面白くなります。

🟢 ついでに知っておくと得をする、シロツメクサの話

「シロツメクサ」と「クローバー」は同じもの?

はい、同じです。

クローバーは英語(clover)で、シャジクソウ属の草の総称。 そのうち白い花をつけるものが、和名でシロツメクサです。 赤紫の花をつける仲間はアカツメクサ(ムラサキツメクサ)といいます。

なぜ「詰め草」なのか

江戸時代のことです。 オランダから日本にガラス器が運ばれてきました。

割れないように、箱の中に何かを詰める必要があります。

そこで乾かした草が詰め物として使われました。

その草が、日本の土に落ちて根づいたのです。

〈詰め物に使われた草〉だから、ツメクサ。

いま公園いっぱいに咲いているあの花は、 もとはガラスの緩衝材だったというわけです。

本格的に日本に入ってきたのは1844〜45年ごろ、 牧草として持ち込まれ、そこから全国に広がっていきました。

四つ葉のクローバーについて

シロツメクサの葉は、ふつう3枚です。 まれに4枚になるものがあり、それが四つ葉のクローバーです。

「1万本に1本」といった数字をよく見かけますが、 これは確かな根拠のある数字ではありません。 場所によってずいぶん差があります。

同じように、 「よく踏まれる場所には四つ葉が多い」 「一度四つ葉が出た株には、また出やすい」 という話もよく言われます。

これらは〈たぶんそうだろう〉であって、〈確かめられている〉ことではありません。

だとしたら、どうするか。 自分で確かめればいいのです。

🟢 これは、そのまま自由研究になります

シロツメクサは、自由研究にとても向いています。 どこにでも咲いていて、お金がかからず、そして予想が立てやすい。

研究テーマの例

① よく踏まれる場所に、四つ葉は多いか  道ぎわ・広場の真ん中・木のかげ、3か所で100株ずつ数える。  先に予想を書いてから数えるのが大事です。

② 一つの花に、いくつの花が入っているか  ピンセットでばらして数えます。  大きい花と小さい花で、数は違うでしょうか。

③ 咲いた順番を追いかける  シロツメクサは外側から順に咲き、咲き終わった花は下を向いたまま残ります。  つまり、下を向いた花を数えれば、その花が咲きはじめてからの時間がわかるのです。  同じ花に印をつけて、毎日写真を撮ってみてください。

④ シロツメクサとタンポポの、花のつくりを比べる  どちらも「たくさんの花の集まり」です。  けれど一つは離弁花、一つは合弁花。  ルーペでのぞいて、絵に描いてみましょう。

③は特におすすめです。 「花が下を向くのは、咲き終わったしるしだ」 これに気づいた子は、それから一生、道ばたの花の見方が変わります。

🟢 おわりに

公園にいくらでも咲いている、あの白い花。

あれは一つの花ではなく、数十の花の集まりで、 一つひとつがちゃんと5枚の花びらを持っていて、 外側から順番に咲いて、終わると下を向く。

そしてもとは、 江戸時代にガラスを守るために詰められてきた草でした。

知らないままでも、きれいな花です。 知ってしまうと、通り過ぎられなくなります。

 メールをくれたT先生に答えようと書いていたら、これはいろいろな人たちに読んでもらいたい記事だと考えて、このサイトにアップすることにしました。

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