たのしい授業「二十四節気:夏至」(2)@楽しい授業 答え①

 前回の「昼時間が一年で最も長い夏至の日は、実際どれくらいの時間、昼と夜の時間の長さが違うのだろう? 数分の違いか、数十分の違いか、それとも?」という問題、さらに「その差は日本全国ほぼ同じなのか」という話の続きです。未読の方は一つもどって予想を立ててから、読んでください。
 たのしく賢くなる究極のコツは「予想を立てて確かめること」です。

では、第一問目の問題の解説に入りましょう。

みなさんの予想は何だったでしょう?

昼は夜より
 ア.数分長い
 イ.30分くらい長い
 ウ.一時間くらい長い
 エ.2~3時間長い
 オ.その他

 先日の夏至の日、沖縄の日の出と日の入りをみてみましょう。
 国立天文台のサイトから拾ってみました⇨ https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2024/s4806.html

2024年 那覇市

6月21日

日の出 5:38

     

日の入り 19:25

 

日(太陽)が出るのが05:38 で、沈むのが19:25 です。
太陽が出ている時間は引き算して計算をすすめていきます。

ChatGPTに計算を担当してもらいましょう。

ChatGPT

昼の長さ(日照時間):日の入り時間 – 日の出時間
19:25 – 5:38 = 13時間47分

夜の長さ:24時間 – 昼の長さ(日照時間)
24時間 – 13時間47分 = 10時間13分

昼夜の時間の長さの差
13時間47分 – 10時間13分 = 3時間34分

昼は13時間47分、夜は10時間13分、その差 3時間34分 です。

 みなさんの予想との差はどうだったでしょう。

 三時間半も昼が長いわけです。

 ちなみに私は、ずっと前に子どもたちと予想しあったままの問題が、やっと解決しました。私の予想は「一時間程度」だったと思います、外れてとても賢くなりました。

 こういう話を書いていると、どうして昼の時間が最も長い日、つまり夜より三時間も長く太陽の光が降り注いでいる6/21(夏至の日)が、一年で最も暑い日になっていないのかが気になりませんか?
 たしか、遥か前に子どもたちと日照時間の差の話をした時に、その謎解きに進んでいって、時間的なものを宿題にして二、三十年すぎてしまった記憶が蘇ってきました。
 それについては子どもたちと対話しながらモデル実験し、解決したので、あたまにしっかり残っています。
 いずれかかせていただきます。

 

 もう一つの問題がありました。

 この三時間半程度の夏至の日の昼夜の長さの差は、日本中どこでもほぼ同じなのでしょうか?

問題2

夏至の昼と夜の長さの違いは、日本中どこでもほぼおなじくらいの差でしょうか?

たとえば沖縄では昼と夜の長さは二時間違っているけれど、北海道ではその差は一時間、というようなことがあるでしょうか。

予想

 ア.日本中、その差はほぼ同じ

 イ.場所によって違う
  a)南に行くほど差が広がる
  b)北に行くほど差が広がる

 ウ.その他

 長くなったので、次回にお届けします。

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たのしい授業「二十四節気:夏至」(1)@楽しい授業@楽しく島言葉

 最も昼が長い日が夏至の日、この記事は今年の夏至の日=2024年6月21日(金)に書いています。

 夏至の日は太陽が最も高い位置に来る日、そして太陽が姿を見せている時間(昼時間)が一年で最も長い日です。この〈太陽が高い位置〉という表現は、子どもたちがうまくイメージできない言葉の一つです、そのことを詳しく書きたいのですけど、サイトのボリームの関係で、今回は先に進みます。

 夏至を島言葉・琉球言葉で「カーチー」と呼んでいます、この「カー」は春夏秋冬の〈夏:か〉から来ているのかもしれません、ご存知の方はご教示ください。

 夏至と真逆、、夜時間が最も長くなる日を「冬至」といいます。太陽が姿を見せている時間が最も短くなる時間です。
 琉球・沖縄の島言葉では「とぅんじー」といって、沖縄の伝統的な食事「じゅ~し~:沖縄風炊き込みご飯」を食べる慣わしがあります。けっこう美味しいですよ。

 地球創生の歴史をみても、そして科学的に研究をすすめても、動物・植物にとって生命維持のよりどころといえるのが「太陽」だというのは間違いないでしょう。
 明日からは太陽がのぼりません、となったら、植物たちが枯れていき、その進行と同じように動物たちの命が失われていきます。しだいに氷の世界になって、菌類たちも滅びていくでしょう。

 沖縄のように、それほど寒くならない地域に住んでいる人たちはそれほど感じていませんし、さらに日差しの強い国々、たとえばイスラム地域、砂漠地方の人々は、太陽より月をありがたく感じてして、国旗にも月のマークを入れています。

 けれど寒い地方では、太陽が上らないと大変です。

 一年で最も大切な日は〈冬至〉つまり「さぁ、これから太陽の日差しが少しずつ長くなっていくぞ」という日でした。

 古代北欧では、冬至の頃に「ユール」という祝祭が行わてたくさんの人たちの大切なお祝いの日でした。その日は太陽の力が最も弱まる日です、つまりこの日を境に太陽の力が復活していくわけです。「太陽復活祭」というお祝いです。
 キリスト教普及の戦略としてイエス・キリストが生まれた日をユール(太陽復活祭・ユール)の日に重ねて庶民にお祝いを広めたのがクリスマスです。

 地球が傾いた状態で太陽の周りを回っているので、私たちの祖先は経験則で、陽の光(熱)のあたり具合を次の四つにわけて大切に伝えてきました。

冬至:北半球では、1年のうち、昼の時間が最も短くなる日
春分:夏にむけて昼と夜の時間の長さがほぼ同じになる日
夏至:北半球では、1年のうち、昼の時間が最も長くなる日
秋分:冬に向けて昼と夜の時間の長さがほぼ同じになる日

 はじめに書きたいことに行きつくまで、けっこう時間がかかりました。
 ここで問題です。

問題1
 今みてきたように、夏至の日は昼が一年で一番長い日、夜が一番短い日です。
 では、どれくらい昼が長いのでしよう。

 何なに「そんなの調べてみたらすぐわかるよ!」ですか。
 いやいやそれはとてももったいない、推理小説の犯人を調べてから続きを読み続けるようなものです。
「え~、あいつだったのかぁ!」
「さすが、わたしの推理は正しかった!」
という感動が激減します。
間違うことは恥ずかしいことではありません、間違ってもたのしく賢くなる、当たってももちろんたのしく賢くなる、それがたのしい教育です。
 さぁ、まず予想を立ててみてください。

 1日は24時間ですから、昼夜の長さがほぼ同じになる〈春分〉〈秋分〉の日は、昼と夜がほぼ12時間ずつです。

 では夏至の日、昼時間が一年で最も長い日はどれくらい昼夜の差があるのでしょう、予想してみてください。
 〈たの研/たのしい教育研究所〉は琉球・沖縄にありますから、沖縄の場合で考えてみましょう。

選択肢
 昼は夜より
 ア.数分長い

 イ.30分くらい長い

 ウ.一時間くらい長い

 エ.2~3時間長い

 オ.その他

 

どうしてそう予想しましたか?
あなたの考えを聞かせてくだささい。

 もう一つ問題を考えてみてください。

問題2

夏至の昼と夜の長さの違いは、日本中どこでもほぼおなじくらいの差でしょうか?

たとえば沖縄では昼と夜の長さは二時間違っているけれど、北海道ではその差は一時間、というようなことがあるでしょうか。

予想

 ア.日本中、その差はほぼ同じ

 イ.場所によって違う
  a)南に行くほど差が広がる
  b)北に行くほど差が広がる

 ウ.その他

 

どうしてそう予想しましたか?
あなたの考えを聞かせてくだささい。

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植物の生命力/こんな場所でも花開く@花は何のために咲くのでしょう?

 花は何のために咲くのでしょう? この世界で意味のない現象はありません、花にも重要な意味・役割があります。その話につながる話です。

 先日、花さんぽしている時、ある家につづくコンクリートの中ほどで風に揺れている植物をみつけました。
 しっかり花開いています。

 数ミリのわずかなコンクリートの裂け目から育っています。

 下の方に土がたっぷりとあるわけでもないでしょう、それなのにいくつもの花を開くほど成長することができました、すごい。

 ホームセンターなどでもよく姿をみかける花、トレニアです。

  トレニアのタネはとても小さいので、風に流れてコンクリートの隙間に入って、雨などの条件もうまくそろって成長したのでしょう。

 この小さな点々がトレニアのタネです。

 さて「花はなぜ咲くのでしょう?」

 それはタネをつくって自分の子孫を増やしていくためです。

 人間はそれを愛でて嬉しく感じるのですけど、人間たちに喜んでもらうために咲くのではありません。
 いろいろな人たちが品種改良して、人間に好まれるような彩りの花が出てきているのですけど、花本来の目的はタネをつくるためです。

 とすると、コンクリートで発芽したトレニアは、大成功間近だといえるでしょう。

 しばらくしてタネができて、それが周りにひろがっていけば、花の生命の目的は達成したということができると思います。

 トレニアは一度花が咲いて終わりではなく、どんどん花が咲き続くので好まれています。

 また観に行こうと思います。

 タネが出てきたら、少しもらってきましょう。

 こういう根性のある花のタネは、少々悪い環境でも育っていく生命力があるかもしれませんから。

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楽しいのが自由研究⇨問題「水と油と氷」@メルマガでとりあげた授業から

 自由研究についての記事がたくさん読まれる頃になってきました。そのせいもあるのでしょう、前回のメルマガ〈授業の章〉のタイトルに興味関心をもった方達からいろいろ問い合わせがとどいています。
 たのしく賢くなっていく教育に興味のある方はまず一年〈たのしい教育メールマガジン〉を購読してみてください。こどもたちと一緒にたのしく賢く元気になっていく方法、ものの見方考え方などを毎週学ぶことができます。県内だけでなく他の県の方たちにもたのしんでもらっている人気のメルマガです。

 さて「水と油と氷」という第266号の記事に興味をもってくれた方からとどいた問い合わせに答えて、紹介しましょう。

 前半を再校正して紹介します。

〈たの研/たのしい教育研究所〉の授業は特別な道具・器具や技術を必要としないものです、このプログラムも学校だけでなくキッチンでたのしむことができます。まず自分で予想を立てて実験してみて、これは子どもたちにも伝えたいと思ったら利用してください。その時には「たのしい教育研究所のプログラムである」と伝えてぐさいね。

はじめに

夏休みなので、キッチンで簡単にできる実験を紹介します。
コップと水と油と氷があればOKです!

みなさんは「水と油は混ざり合わない/混ざりにくい」という話を聞いたことがありますか?

はじめにこういう実験をしてみましょう。
そうです「まず予想を立てること」が大切です。

問題1
コップに同じ量の水と油を入れると、コップの中はどうなるでしょう。
水と油は上下にはっきり分かれるでしょうか、それとも混ざりあってしまうのでしょうか。
ホンの少しは混ざるとか虫めがねなどで確かめると混ざっていることがわかる、というようなことではなく、見た目で「ここは油が集まっている、ここは水があつまっている」というように分かれてみえるのかどうかで判断しましょう。

 予想
  ア 油が下、水が上
  イ 水が下、油が上
  ウ 最初に注いだものが下、次に注いだものが上
  エ 混ざってしまってどっちが上だかわからない
  オその他 右と左に分かれる・シマシマ状にわかれる など
   〔                       〕

 どうしてそう思いましたか?

実験1.

①まず油を注ぎました。


②次に水を注ぎます。

さぁ、どうなるでしょう、予想変更もOKですよ!

⬇︎

⬇︎

⬇︎

⬇︎

 [結果]

真ん中あたりでハッキリと層が分かれていることを確認してください。
上が油、下が水とわかれています。

実験2

次は、はじめに水をそそいで、あとに油をそそいでみます。

2-① 水をそそぎました。

2-② 次に油をそそぎますよ、さぁ、どうなるでしょう。
 予想変更OKです!

⬇︎

⬇︎

⬇︎

⬇︎

 [結果]
 あらら、何だかぐちゃぐちゃになっていきますね。
 もしかすると〈オ.その他〉が正しいのかもしれません・・・

 しばらくするとおちついてきましたよ⇩

今回もハッキリと〈油が上〉、〈水が下〉に分離しました。

 ⭐️結果⭐️
どちらを先に入れても、水が下、油が上になります。

問題2 水と油の入ったコップ(すぐ上の写真)の中に〈氷〉を入れてみましょう。氷はどうなるでしょう。

 予想 氷は
  ア コップの底に沈む
  イ 水と油の中間で止まる
  ウ 油の上の方に浮かぶ
  エ その他

 どうしてそう思いましたか?
 あなたの考えを聞かせてください。

 これは学校の先生たちを集めたワークショップでも、とてももりあがりました。
 興味のある方は、予想を立てて、自分で確かめてみましょう。

〈たのしい教育研究所〉夏の講座8/11(日)はたのしい自由研究の題材になるプログラムが満載です。来週あたりから申し込みがスタートする予定です。
 興味のある方は日程の調整をしておくことをおすすめします。

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