楽しい国語辞典〈赤味噌・白味噌〉の話@楽しい学習・たのしい授業・楽しい授業・たのしい教育研究所・楽しい学力

 調べ物があって、大好きな「新明解国語辞典 第4版」を開きました、執筆者の個性が生きた名著です。必要な情報が手に入ったあとで周りをブラウズするのがルーティーンです、そこにあった「あかみそ/赤味噌:塩気が強い」という言葉に目がとまりました。

 料理のことに詳しくない私も、味噌に赤と白と合わせがあるのは知っています。でも〈赤味噌の塩気が濃い〉ことをはじめて知りました。

 国語辞典に書いてあっても、それを一つの予想としてみるのことは大切なルーティーンです。

 本当かなぁ?

 よく料理する人たちには常識的なことなのだろうか・・・

 とすると「しろみそ/白味噌」の項には塩分が低いというようなことが書いてあるのかもしれない。
 同じ「新明解国語辞典 第4版」を引いてみましょう。

「甘い」とあっても「塩辛くない」とは書いてありません、片手落ちの感あり。

 料理関係のサイトで調べてみましょう。https://macaro-ni.jp/42061

赤味噌とは
赤味噌は熟成期間が長いのでコクがあるのが特徴の味噌。塩分濃度が高く、味も塩辛いです。 東北地方では米を使用して作られ、一方、中京地域は豆を中心にして作られているのだそう。豆は糖分が少なく、アミノ酸の原料であるタンパク質が多く含まれているので、豆を原材料にしたものは赤味噌と呼ばれているようです。 米を使用した赤味噌は、津軽味噌や仙台味噌があげられ、仙台味噌は絡みが強く津軽味噌はコクがあるのだそう。また、北関東にも麦を使用した赤味噌もあります。
 
白味噌とは
白味噌は、短期熟成で作られることで色が白いのが特徴です。その熟成期間が短いことで、赤味噌に比べて塩分濃度が低く、麹の糖分により甘みがあります。 米を使用した白味噌は、信州みそや西京味噌が代表的な存在でしょう。西京味噌は甘みが強く、信州みそはあっさりとした口当たりが特徴と言われています。生産量が少ない麦味噌は、九州・中国西部や四国西部を中心に使われているようです。
 
 いろいろなサイトに白味噌は赤味噌に比べて塩分濃度が低いとあります。
『新明解国語辞典 第4版』の赤味噌の説明はポイントをついていたことがわかります。
 ちなみに、どの国語辞典でもこういうことが書かれているのかというと、そうではありません。
 とはいえ新明解国語辞典 はいろいろな辞書に影響を与えていますから、情報をシンクロさせた可能性もあるでしょう。
 みなさんの手元の辞書に「赤味噌」「白味噌」はどう書かれていますか?
 

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春の海岸通り散歩@モクマオウ 別名 トキワギョリュウの花

海岸を散歩するコースにモクマオウ並木があります、沖縄ではなじみの植物です。「トキワギョリュウ」というかっこいい別名(和名)があります。正式な名前はモクマオウです。名前ついでに書くと、私は勝手に〈モクマオウ⇨魔王、トキワギョリュウ⇨竜〉とイメージしてしまい、どちらもかなりの迫力です

 先日、モクマオウの花が咲いているのをみつけました、どんな花だと思いますか?

「え、モクマオウに花が咲くの?」

という声が聞こえてきそうです。

「咲きますよ!」

 さて、どういう花でしょう、

     色は? 形は? 大きさは? 

 ちなみにモクマオウには雄花(おばな)と雌花(めばな)があります。

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 風や虫たちが花粉を運んでくれるように進化してきた植物たちの花は、たいてい目立たないつくりをしています。

 これは雌花(めばな)です。

 けっこう小さいですよ。

 この花が成長していくと、マツボックリ型の実になります。
 姿形が驚くほど変わってしまう花から実への変化をみると、芋虫が蝶になるような昆虫の変態の逆を思わせます。

 雄花(おばな)は、こんな感じ。
 線状の葉の先に咲くんですよ。※雄花も雌花もちょうど今日この頃の姿です

 モクマオウの下を歩くたくさんの人たちは雄花や雌花が咲いていることを気づかずに行き過ぎるのでしょう。

 沖縄ではちょうど今が見頃です、近くにあったら、雄花と雌花を探してみませんか。 ※雌花は探しにくいので、足をとめてじっくり眺めてみましょう

追記)
〈たの研〉がお勧めしている植物図鑑があります、〈たの研〉を応援してくださっている一人、安里肇栄(あさと ちょうえい)さんが出している図鑑シリーズです。
「沖縄 木の実さんぽ」に、モクマオウの実が紹介されています。
 沖縄で身近に出会えるものを紹介していてクラスに一冊置いておきたい本です。
 

 

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楽しい理科@生物全体を重量でながめる -楽しい学力向上

 最近は〈たのしい環境教育〉の研究で、知人のIさんと「菌類」について調べています。Iさんから送られてきた動画をみて「これは生物の学習の基本中の基本になる知識だ」と感じた内容を紹介しましょう。

 以前、地球上の全生物の中の〈昆虫の種類〉をテーマに書いたのですけど、今回は生物の総重量(全てを足した重さ)についてです。
 NHKスペシャル「超・進化論」の中に出ていた話を授業で使いやすいようにプログラムしてみましょう。

 まず予想を立ててみてください。

問題

地球上には様々な生物が住んでいます。
動物、植物、微生物、菌類etc.
それらの生物の全ての重量は 約470トン(t)だといわれています。
そのうち〈植物〉は何%くらいだと思いますか?

予想
ア.25%(1/4)くらい

イ.50%(半分)くらい

ウ.75%くらい

エ.その他

 

どうしてそう思いましたか?

 

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その予想が当たっても外れても

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予想を立てると賢くなる

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予想をたてるとたのしくなる
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お話:生物の総重量

どういう予想を立てたでしょうか。

〈植物〉と〈動物・微生物・菌類〉の重量を比較するわけです。

 ある先生は「半々くらいではないか」と予想してくれました。
「山の木には大きく重いものがあるけれど、海にもクジラとか大きな生き物がいて、山より海がずっと広いから、結果的にだいたい同じくらいになるのではないか」ということです。
なるほどなるほど

微生物や菌類はとても小さいけれど、地面の奥深くにもいるものまで合わせるとかなりの量になる気もしますから、動物・微生物・菌類たちの総重量が大きいかもしれません。

いやいや、やっぱり植物は密集して存在しているし何だかんだいっても植物の重量が大きいだろう、という予想も成り立ちそうです。

 予想変更したくなった方はどうぞ。

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予想変更してさらに賢くなる

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予想変更してさらに賢くなる

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生物の総重量 約470Gt です。

そのうち動物と微生物、菌類を全て含めた重量は 約21Gt(ギガトン)だと考えられています。

とすると・・・

植物は約 449Gt です。

数字ではわかりにくいかもしれません、比率で図示してみましょう。

こうなります。

 

植物たちの圧倒的存在感は一目瞭然です。

 種類でいえば◯◯が圧倒的に多い(興味のある方は記事検索で「たのしい生物学入門」とうち、読んでみてくださ(4)に載っています)。

 重量でいえば◯◯が圧倒的に多い

というように生き生きとイメージできると、本質的な学力になっていくでしょう。

それは間違いなくたのしく使える学力です。

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楽しい理科・アスパラガスの花と実で理科をたのしく②

 前回の記事を読んだ方から「アスパラガスがあんなに小さな可愛い花をけるとは知りませんでした、驚きました」という感想が届いています。

 小さな花のかすみ草はプレゼントの花として人気があります。

 

 アスパラガスの花も花が多い品種を育てていくとプレゼント用になるのじゃないかと思うのですけど、どうでしょうか。

 さて、前回の問題「アスパラガスは何の部分か」という話!

 全体としてみると〈若い茎〉の部分だというのが正解です。

 でも、あのウロコ状についているポツポツが気になりませんか。

 これがとても面白いんですよ。

 このウロコ状のものは何だと思いますか。

「葉」のように見えますね、そこから枝が伸びてくるようにも見えます。

 アスパラガスの枝と葉は、この写真の花の周りの部分です。さっきのウロコ状の部分から枝や葉が伸びていくんではないんです。

 ウロコ状の部分は仮葉枝(かようし)と呼ばれています、変な名前ですね。
 仮の葉、仮の枝というネーミングです。

 少し専門的になるのですけど進化の多様さにもつながるおもしろい現象なので、東京大学の理学部の研究を紹介しましょう。https://www.u-tokyo.ac.jp

アスパラガス属の植物は、葉が鱗片状に小さく退化し、枝を生じるべき位置に仮葉枝と呼ばれる葉のような形の器官をつくります。

また、光合成も主にこの器官で行なわれています。

この仮葉枝は、形や機能の面からもまるで葉のようでありながら、その生じる場所は枝の位置であるために、葉とも、枝の変形とも解釈することができ、植物の地上部の形の多様化の一例として興味深い研究対象です。

 

東京大学大学院理学系研究科の塚谷裕一教授らの研究グループは、仮葉枝を用いた形態学的および発生学的解析から、仮葉枝は葉および枝、そのどちらとも異なる特殊な器官であることを見いだしました。加えて分子生物学的解析から、仮葉枝では枝が発達する時にはたらく遺伝子の他に、本来は葉ではたらく遺伝子群が発現していることも明らかにしました。さらに、形が異なる仮葉枝では、この葉ではたらく遺伝子の発現パターンが変化していることも明らかにしました。

 

これらの結果から、アスパラガス属植物の仮葉枝の起源は枝であり、本来、葉ではたらく遺伝子群が枝に流用されることで葉状の形となったこと、その遺伝子群の使われ方が変化することで、属内の仮葉枝の形が変化したということを示しました。

 つまり
「アスパラガスのウロコ状の部分は、もともと枝だったのだけど、葉の遺伝子たちが混ざり込んで、葉のような形になった」
 というわけです。

 自分の個体の中で遺伝子が混ざり合って今までにない器官になったというのは不思議な感じがするのですけど、本来「生物にはいろいろな変異が生じて、その形質がたまたま周りの環境に適していたら生き残り、環境に適さないと生き残れない」というのが進化です。

 アスパラガスもその不思議さをしっかり刻みつけているわけです。
 おそらくそのウロコ状の部分は弱々しい若茎の前の部分をガードするのに適していたのかもしれませんね。

 アスパラガスをきっかけに、もっと学びたいという人たちが増えていくと嬉しいです。

 そうそう、もう一つアスパラガスの「実」の話が残っています。
 どんな実なのか予想していてくださいね。

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