一番桜とたのしい教育-生物の多様性は個性としても現れる

 東京で4月に開花する桜ですけど、沖縄では2月に入るか入らないあたりに花開きます。数日まえ、気に入りの〈桜の小道〉を歩きました。
 12月初旬の頃ですから、まだ花は開いていませんね。

 と思うかもしれませんけど、よ~く見てください。

 咲いているんですよ、中央やや左、山並と重なるあたりをアップするとわかると思います。
 ほとんどの人たちは、こういう桜の姿をみて、〈こんな早い時期に桜が咲くことはない。そういうこともあるかもしれないけど、自分がそれに出会えることはめったにない〉と考えているから見えない

のです。

 ズームレンズで撮ったのがこの写真です。

 目が慣れてくると、いろいろな木に花を見つけることができます。

 こんなに早く咲くなんてすごい、と思うかもしれません。

 ところが桜の木々がたくさんある場所でさがせば、そう難しいことではないんですよ。

 生物の多様性は、いろいろな種の違いとしてあらわれるだけではありません、ミミズならミミズという一種類の中でも個体間でいろいろな個性の違いがあります。体格的なものだけでなく、光や振動に対する感度、反応スピードの違い、食べ物を探す時のチャレンジングな行動、慎重な行動なども違うでしょう。

 桜にも個体差があります。

 早く開花する桜、ちょうど周りの桜が開花する時期に開花する桜、まわりよりずっと遅れて開花する桜etc.
  当然、人間にも多様な個性が存在します。

 目が良いとか身長が高いというような生物的個性だけでなく、社会的な差異はますます大きく表れます。

 何でも早いことがよいわけではなく、ゆっくり慎重にすすんでいく個性も大切です。
 いろいろな個性が全体として人間社会をすすめるのであって、単一価値の個性が何かを突破し続けるわけではないのです。

 エイズにかからない人たちがいるくらいですから、いろいろな病原体に強いタイプの人たちもいるでしょう。
 計算能力が高いことはすばらしいことですけど、それと比較してコロナに強い人たちのすばらしさもひけをとりません。

 学校では知識の量、理解力、計算処理、体力などで価値づけることが多いのでけど、もっと多様な能力でこどもたちをみてあげてほしいと思います。
〈足の速さ遅さ〉と〈やさしさ〉はどっちが重要か。
〈漢字力〉と〈相手の心を理解する力〉はどっちが重要か。

 そういう視点でみていくと、いろいろな子どもたちの素晴らしさが見えてくると思います。

 毎年こうやって一番桜をみつけると、子どもたちのことを考えてしまいます。

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こども未来スクールの試み始まる=たのしい教材の準備も着々と

 子ども未来スクールは〈たの研/たのしい教育研究所〉が長年、企画をあたためてきた、〈たの研〉の講座になかなか参加できない子ども・保護者の方たちに無料でプログラムを提供する取組です。

 特定の地域で実施するので一般公募はありませんが、もし自分たちの地域でも実施したいという場合にはご相談ください。

 今回は中部地区で開催します、子どもを参加させたいという場合にはご相談ください。小学生対象で、基本は親子参加ですけど、3年生以上なら子どものみの参加も可能です。

 ものづくり、楽しく島言葉、おやつづくり、読み語りなど、充実した内容を準備しています。

〈たの研〉のある沖縄市うるま市などから遠い地域を優先させていただきたいと考えています。

 

 たのしい教材の準備も着々とすすんでいます。

 みなさんのおかげで〈たの研/たのしい教育研究所〉の活動はどんどん広がっています。

 子どもたちの可能性をたのしく高める教育がますます広がっていくように、知恵と工夫をすすめています。

 応援よろしくお願いいたします。

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知識より〈科学的な原理・法則〉が重要-「ファーブル昆虫記」の中のパスツールさん

 ファーブル昆虫記を読んでいた頃、とても心動かされた話があります。〈パスツール〉さんがファーブルさんを訪ねた時の話です。

wikipediaに感謝して参照   生誕 1823年12月21日 フランス王国、アヴェロン県、サン・レオン 死没 1915年10月11日(91歳没) フランス共和国、セリニャン・デュ・コンタ 国籍 フランス 研究分野 生物学 主な業績 アリザリン精製の工業化、昆虫学の普及、動物行動学の開拓 主な受賞歴 レジオンドヌール勲章

wikipediaに感謝して参照   生誕 1822年12月27日 フランス王国、フランシュコンテ、ドール 死没 1895年9月28日(72歳) フランス共和国、セーヌ県, マルヌ=ラ=コケット 国籍 フランス 研究分野 化学 細菌学 研究機関 ストラスブール大学 リール大学 リール・ノール・ド・フランス大学 エコール・サントラル・ド・リール リール科学技術大学 高等師範学校 パスツール研究所 出身校 パリ大学 リセ・サン=ルイ 高等師範学校 主な指導学生 シャルル・フリーデル[1] 主な受賞歴 ランフォード・メダル(1856年、1892年) コプリ・メダル(1874年) レーウェンフック・メダル(1895年)

 パスツールさんもファーブルさんも同時代にフランスに暮らしていました。

 すでに科学者として高名なパスツールさんは、政府から、その頃国内で大流行したカイコの病気の調査を依頼されました。

 そこで、ファーブルさんのところに、カイコの話を聞きたいとやってきたのです。

 カイコを見せてもらったパスツールさんはマユを手にしてびっくりします。

「何か中にありますね」
「ありますよ」
「一体、何があるんですか」
「蛹(さなぎ)です」
「え、蛹というと?」
「幼虫が蛾になるまえ、姿を変える一種のミイラのようなものです」
「どのまゆの中にもそんなものが一つ入っているのですか」
「そうですとも。まゆは、さなぎを保護するために幼虫が編むものです」
「なるほど!」
   岩波文庫『ファーブル昆虫記』より

 パスツールさんはカイコがさなぎになるという基本的な知識さえなかったわけです、しかもそれを恥じるどころか感動したのです。

 パスツールさんは、病原菌の専門家です。的確な予想のもとに、カイコの病気に対する有効な予防策をたてました。

 細かい知識はなくても、確かな理論に基づいた的確な知識を立て予想し実験的に確かめるという手法が、きっとパスツールさんにはあったのでしょう。

 考えさせられるエピソードでした。

 

 ファーブル昆虫記には、パスツールさんが訪ねてきたというエピソードが綴られているのですけど、私が調べた範囲では、パスツールさん側にはファーブルさんを尋ねたという話は出てきません。

《騙されない人になるため》の原則の一つは「情報元は複数で判断する」です、たとえばファーブルさんが「世界的に知られた医学者パスツールさえ私の元に来たんだ」という話を創作したとしたら、その事実がゆらいでしまいます。

 そういうことも頭においておく必要があるでしょう。

 私としては、それが事実であって欲しいと思っています。

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〈センニチコウ/千日紅〉がいっぱい咲いていた/野山さんぽしていたら/楽しいアウトドア

 最近、野山散歩していたら、いろいろな種類の千日紅(センニチコウ)が咲いていました、自然の作用で花開くには近くに偏りすぎています、きっと花好きな人が植えたのでしょう。

 白いセンニチコウ(千日紅)

ピンク系の千日紅

ムラサキの千日紅

 これは他の千日紅より小さな花だったので、違う種類かなと思ったのですけど、調べてみるとアカバセンニチコウ(赤葉 千日紅)という種類、レッド・フラッシュとも呼ばれているようです。

 12月に入り、冷たい風も吹く季節になりました。
 ほかの地域では夏から秋の植物だと言われている千日紅は沖縄でまだ生き生きと花開いています。

 ところで名前に注目してみましょう。

〈紅〉という名前を持つセンニチコウですけど、白系や黄色系の花もあります。

 アジサイは紫陽花、〈紫:むらさき〉という色がついています、でも青・ピンク・白などバラエティー豊かな彩りの花ですよね。

 植物に色の名前をかぶせるのは、無理があるんじゃないかなぁ。

 もう一つ、センニチコウは〈千日の紅〉という名前です、1000日ってすごくないですか、三年くらい花開いていることになりますよ。

 長く花を見せてくれるとはいえ、これは誇張が大きいでしょう。

 サルスベリという植物があります、〈百日紅〉と書きます。樹木に咲く花で、実際沖縄の様な暖かいところでは100日くらい花を見せてくれるのも難しくはないでしょう。

 センニチコウは、それよりもっと長く花が続くのだといいたかったのでしょう、それでも10倍も多くしたのは、やりすぎでした。

 いったい誰が名付けたのでしょう。

 植物にしろ動物にしろ名前を科学的ではなく情緒的につけることが少なくないので、子どもたちには「まぁ、実際とは違うけれどそう名付けたんだよね」という様に伝えていた方がよいと思います。
 そういうところから、植物の新しい魅力を感じることもあると思います。

 

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