フロイトの天才性:楽しいカウンセリング入門

 読者の方から教育カウンセリングに関する長い便りをいただきました、いろいろな流派の本を読んで学んでいる方からです。空手や授業などの実技系はその〈技〉を直接学ばずに上達する、強くなるというのは考えづらいのですけど、心の問題、頭の中の問題は本との親和性が高いと思います。師の野田俊作は「自分で自分の髪の毛をひっぱって浮き上がることはできないのと同じ様に、自分で自分のカウンセリングはできない」という話を言葉を変えて何度かしてくれたのですけど、PEALカウンセリングを開発する中で〈できると〉と確信する様になりました。

 とはいっても簡単だとは言えません、県外から私のPEALカウンセリングを受けに来る方もいます、希望する方は気軽にお問い合わせください。

 さて少し話を戻して、長いお手紙の中に、以前私がこのサイトに書いたのでしょう、〈フロイト〉の話が出てきました。

 フロイトは「人間は意識的な思考や感情から生まれる」と考えられてきた中で「人間の精神活動の多くが意識的な思考や感覚よりも、無意識の領域から影響を受けている」と考えました。
 夢、言い間違い、自由連想などの行動や反応も、無意識の願望や衝突、恐れによって形成されるというのです。

 意識より無意識から大きく影響を受けているのかどうかは、人間の行動全体の分析が必要ですから置くとして「無意識が行動や思考に影響するのだ」というアイディアは天才的な見切りでした。

 日常の行動や選択の背後にある無意識の動機や衝突を理解することで、より自分自身を理解して、精神的な問題を解決しようというのがフロイトの精神分析です。

 彼の理論は当時としては非常に革新的で多くの議論や批判の対象となりました、けれど現代ではそれが心理学や精神医学の基盤として広く受け入れられ大きな影響を与えました。
行動療法の原理主義的な流派はそうではないかもしれませんけど、〈無意識〉の領域を無視しているカウンセリングはほとんどないと思います、もちろんPEALカウンセリングもフロイトの天才性をベースにして進化していったカウンセリングだといえるでしょう。

 無意識的なものを意識で特定できるのか?

 PEALカウンセリングならできます、論理療法など効果のあがるカウンセリングも無意識的な思い込みなどをはっきりさせながらすすめるので、PEALカウンセリングだけではありません。

 それが冒頭に書いた「自分で自分の髪の毛をひっぱって浮き上がることはできないのと同じ様に自分で自分のカウンセリングはできない」という考えに対して私が「できると」と確信する様になったきっかけの一つです。

 いつの時代も人間の悩みは尽きません。

 そういう中でパニックにならず、できることから一つ一つ解決する、心の収め方を学んでいくことが大切です。

 子どもたちにとっても同じでしょう、力あるカウンセラーがゆっくり増えていくことを願いながら、PEALカウンセリングを広めていきたいと思います。

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楽しい授業論・楽しい研究論:ロックバランス-研究進む/楽しさ論 教師も自分の可能性をたのしく伸ばして実験する

 真理へは論争ではなく〈仮説・実験/予想・実験〉の過程によってのみ至る! 前回の板倉聖宣の脚気に関わる話の前に私が問いかけた質問の答えです。それは、飾りとしての言葉ではなく、実際にたのしい教育研究所が創り出す〈たのしい教育プログラム〉にも生きています。
 たのしい教育プログラムは「こうすればたのしく賢く学ぶことができるプログラムになる」という考えだけで完成するのではありません、その後でいろいろな人たちが試して、実験的に「確かにそうなる」という過程を経て完成します。

 最近たくさんの人たちが試してくれている「ロックバランス」は〈予想⇨実験〉の過程を経て、もうすぐ完成するプログラムです。

「え、こういうのは教科書にないのに、学校でやっていいの?」という声は聞いたことがありませんけど、もしかすると心の何処かに思い浮かべている人がいるかもしれません。
 学校教育というのは〈一人ひとりの子どもたちの可能性を伸ばしていく場所〉です。
 苦しく嫌な想いを抱きながら可能性を伸ばすことができるでしょうか?

 無理です。

 例えば私いっきゅうは小学生の頃、書道で毎回というほど表彰されてきました、ところがそれを指導した先生の苦しい嫌な感じがあって、墨の匂いかぐのもイヤになってしまいました。嫌なものは使わないのです、そんなものは可能性でもなんでもありません。

 可能性を伸ばすというなら〈たのしさ〉は必須です。

 そしてそういう場では教師自身もいろいろな可能性を伸ばしていく必要があります。「はい今日は教科書◯ページの右側からですね、まず漢字の書き順からやりますよ」というパターンが連日続くとしたら、子どもたちにとっても教師自身にとっても苦しいものとなるでしょう。

 週に一回程度からスタートして「ねぇねぇ、先生最近、こんなたのしいものを発見したんだけどね、ロックバランスっていって、絶妙なのに結構簡単なのよ。今日の図工のクロッキーの授業は、まず10分くらいロックバランスをたのしんでから、それを描くことにしましょう´ー`) 」
という様な授業ができる先生たちが増えていくと、間違いなく学校は魅力的な処になっていくと思います。

 前書きが長くなりました、興味のある方は気軽にたのしい教育研究所に「どんな教材がありますか」と問い合わせてください。

 「ロックバランシング」という本も出ていますから、二番煎じだと考える人たちもいるでしょう、違います。
・それが教育の場で利用できるのか
・どういう教材素材を利用するか
・利用素材は身近な処で安価に手に入れることができるのか
・子どもたちはどの程度喜んでくれるのか
・時間制限を加えた方がよいのかどうか
・危険度はどうか
・どの様な語りかけで導入したらよいか
 etc.

 いろいろなことを研究していって〈たの研〉の教材になるのです、本の真似ではなく本から出発して教材化するのです。

 現在は、いろいろな先生たちが学校で子どもたちに試してもらっています。
 その喜んでくれている顔がたくさん届きました、メルマガでも紹介しようと思っているのですけど、2~3枚先にこのサイトに載せましょう。
 たのしい教育研究所の個人情報保護規定によって表情を見てもらうわけにはいかないのが残念ですけど、どの子も満面の笑みをたたえています。

  まず子どもたちは〈大きな石⇨小さな石〉の積み重ねをたのしむ様だということもハッキリしました。

 そこで下の写真の様な〈絶妙バランス〉の積み重ねを、どれくらいのタイミングで提示していくかについて研究中です、これができたら講座などで広くいろいろな先生たちに紹介したいと思います。

 

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板倉聖宣の発想〈森鴎外〉と〈脚気〉と〈論争で真理は決まらない〉ということ/たのしいブックレビュー「模倣の時代(板倉聖宣著)」

〈たのしい教育メールマガジン〉に書いて反響がいくつも届いた記事を紹介します、板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表、元文科省教育研究所室長)が著した大河小説「模倣の時代」に絡めて、脚気と森鴎外の関係をもとに真理を追求する方法について語った内容です。《論争で真理を決めてはいけない》という迫力ある話です。では何で真理を決めたらいいのか?
 読者の皆さんはどう思いますか?

 私の書籍解説が気に入ったという方もいたので、まず私のブックレビューから引用します。

いっきゅう
「模倣の時代(上下)」 
 板倉聖宣執筆の小説
明治以後、日本は欧米を徹底的に模倣し発展してきた。
しかし日本特有の病気である〈脚気〉は欧米に例がなく、日本人が創造性を発揮して解決しなければならない大きな課題であった。
ドイツのコッホから最新の細菌学を学んだ森鴎外は「脚気は〈脚気菌〉によって起こる感染症である」という予想をたてたが結果的にそれは間違っていた。
一方、堀内利国らは「栄養素が不足して起こる」という予想を立て、実験的に「麦飯を食べることによって脚気が予防できる」と明らかにした。
かなり時を経てから〈脚気はビタミンB1欠乏症だ〉と解明され、堀内利国らの研究の原理的な正しさがはっきりしたが、森鴎外を中心とする東大医学部系の医学者たちは、それらを無視し反撃を開始する。
 当時、森鴎外は陸軍軍医のトップであり、その間違った医療方針の結果、日露戦争ではロシア軍との戦いによる死者数より脚気によって死亡した兵士の数が上回った。
 明治期の医療史をテーマに、模倣と想像のダイナミックな歴史を描いた快作。

 追記:日露戦争時の戦死者⇨日露戦争の陸軍の脚気患者は25万人、うち2万8千人が死亡。 戦死者の総数は4万7千人であるから、銃弾の犠牲者を越えている。
https://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page005750.html

板倉聖宣

 WOWOWの番組で、そのことに関連して語ることになるのですけど、メルマガでは、明治の前、江戸時代、脚気の治療に正しい予想を立てた人がいたか、という話から始まります。全文ではなく、メルマガの一部のみの紹介になります、ご了承ください。

 1740年に脚気の治療に関わる論文があって、大阪と江戸で「脚気は恐い病気じゃない」という感じになった。 ※いっきゅう補足:明治は1868年なので約130年前前のこと
 それでもダメなんです。

 将軍が脚気になって死んじゃうしね。

 それがまたここで堀内利国の監獄の問題をきっかけに復活したんです。

 天皇まで支持したんです。

 それでもまた日本全体としてはダメでした。

 森鷗外が「自分が責任を負わない」ということでがんばったんですよ。恐ろしいのは「科学者は信用できない」ということです。科学者は半分は官僚なんだよ。官僚だから責任を取らないんだ。そういう科学者を信用する政治家がたくさんいる、これは恐いね。
 たとえば「臨時脚気病調査会」では、脚気の問題で一番責任のある森鷗外を会長にしちゃうんだからね。責任を取らせようと思ったら飛ばせばいいんだね。責任を取らせる人を会長にしたら、
責任を取らないように工作するわけだ。「科学者は客観的に研究するだろう」と思うから、そういう人を平気で会長にするでしょ。
 その当時の総理大臣や、陸軍大臣とか天皇とかがそういう連中に責任を取らせようとするけども、その連中はごまかす。だから「科学者は信用してはいけない」というんだ。
「真理は実験で決まる」ということをはっきりしなきゃいけない。

 論争で決めるようなやり方、つまり多数決で真理を決めるようなやり方をしてはいけないんです。

 

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楽しい島言葉-おいしい食べ物づくりで島言葉!/いろいろな方たちに好評。子どもたちからの評価をもっと集めてから一般公開します

 たのしい島言葉(しまくとぅば)の教材プログラム作成はどんどん進んでいます。すでに作成したプログラムをたのしんでもらうミニ講座や学校で子どもたちや保護者のみなさんにプログラムを紹介する時間をとっています。希望する方はお問い合わせください。

 さて島言葉に興味関心の高い方たちと協力して現在作成がすすんでいるのが「たのしもう 島くとぅば(食べ物づくり編)」です。

 以前「ゆーぬく」について書いたのですけど、その後も「琉球伝統でシンプルかつおいしい」という評価がいろいろな人たちから寄せられ、原稿作りがすすんでいます。いろいろな方たちから好評の〈一枚シートでたのしめる〉というフレームは今回も同じです。

 
 たのしい教育研究所のプログラム作成も「予想⇨実験」をいくつも重ねていく過程で出来上がります。

 大人の評価はほぼ確定してきたのですけど、子どもたちからの評価をもっと広くあつめなくては一般公表できません。

 試してみたい方は、ゲラずりの原稿と限定動画視聴サイトをセットにしてお届けします、気軽にお問い合わせください。

 どうしてたのしい教育研究所が琉球の言葉の教育に本気で乗り出したのか?
 古いものは残さなくてはいけない、というのではありません。古い文化伝統の中には人権侵害的なものや虐待的な所作があるかもしれません、それらも全て守り受け継ぐ必要があるか?
 答えは明らかでしょう。
 沖縄の言葉に限らず、その地の人たちが古くから守り残してきた言葉にはそこで暮らした人々の大切な想いが保存されています。今の時代にも通じるもの、失われた大切なものの見方・考え方etc. それらを失うのはとてももったいないことです。古い言葉に堪能な方たちがいなくなってから古文書などで学ぶのは損失が大きすぎます。
 たのしく島言葉を学ぶ、それはとても意義の大きいことだと思っています。

 またたのしく島言葉を学んでいくことは、楽しい国語、たのしい道徳、楽しい社会etc.いろいろな教科に発展していくでしょう。結果として本質的な学力を高めることにつながるに違いありません。
 賛同してくれる方たちが増えていくことをたのしみにしています。

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