学校での保護者トラブル対策の具体案(予防策)つづき

 前回の〈学校での保護者トラブル対策の具体案〉を公開して6時間くらい経ちました、まだ便りは届いていないのですけど、現時点でほぼ1日分に近いアクセス数になっていますから、反響が大きいとみてよいでしょう、続けて書きたいと思います。

⇨『トラブル対策には根本的な取り組みが必要ですけど、まず録音をおすすめします』というのが前項の趣旨でした、未読の方は、戻ってその効用などをお読みください

 ということで前回の積み残し…

「大切なお話しになると思います。後で関係者も交えて内容を正しく把握する必要がありますので、録音させてくださいね。内部情報として個人情報の取り扱いには注意して取り扱いいたします」と話したけれど、相手が許可しなかったらどうするか?

 という話にすすみましょう。

 私いっきゅうはアマチュア無線技士の免許を持っていて海外の人たちと話したり、モールス信号で交信することができます、通信に関しては素人ではありません。また仕事の選択肢として〈教師〉の他に〈弁護士〉も一つでしたから、法令を読むことは苦手ではありません、実際たくさんの法令に目を通しています。そういうことを前提としてお読みください。

 たとえば〈盗聴〉という言葉があります、盗むという言葉をかぶせているので〈盗聴〉=〈違法〉という感じがしますね、実際、法律に触れる行為だと考えている人たちも多いでしよう。

 ところが無線の専門家の立場でいえば〈盗聴〉という言葉にはとても違和感を覚えます、〈受信〉だからです。無線が私たちの周りの空間を飛び交っていて、それを受信する行為は法に触れる行為ではないのです。
 実際、日本の法律に盗聴を取り締まる法律はありません、警察無線や消防無線を含め、自宅でそれを受信して(聴いて)も犯罪になることはありません。

「え?」と思う人もいるでしょう。

 でも逆に「これこれは聞いてはいけない」という法律、つまり通信を聞いてはいけないという法律ができた方が危険だと思うのですけどどうでしょう。
 たとえば「電話や無線をはじめとして〈学校〉の通信を傍受した人は逮捕する」という法律ができたらどう思いますか?
 この〈学校〉の部分がいろいろ変わって「これこれの話を一般の人たちは聞いてはいけない、聞いたら逮捕する」ということになったら、こんなに恐ろしいことはないと思うですけど、それはきっと私だけではないでしょう。

 盗聴は違法ではないとはいえ、もちろん他人の家、敷地に入って盗聴器を仕掛けるなどという恐ろしい行為は犯罪です。また聞いた内容を公開して他人の名誉を傷つける行為も犯罪です、そのことはまちがわないでくださいね。

〈個人のプライバシーを侵害する行為をどう防ぐか〉はまさに技術的な問題として解決していく必要があるでしょう、それは大切なことだとして、本題に戻します。
 では相手に黙って録音することは違法でしょうか?

 その通りです、違法ではありません。

 それを前提として〈録音を断られた時にどうするか〉という話です。

 断られても黙って録音するという手が一つあります。

 けれど私がお勧めしているのは「これは重大な事案の時には必ずとっていることなので、ご了承ください」とお願いして録音することです。

 前回書いたのですけど、録音の効果は〈正確に確認する〉ことだけではありません、〈相手がエキサイトしていくのを防ぐ〉ことがとても大切です。

 もちろん脅迫など、危険なことが予想されて黙って録音する必要があるという場面もあるでしょう。それは個別に判断してもらうこととして、〈相談〉⇨〈クレームを伴う要望〉⇨〈罵倒を伴う叱責〉⇨〈脅迫》の流れにすすんでいく特別な事例に関しては、録音をすることによる効果は大きいと思います。

 学校というのはいろいろな問題が起こります。

 もしも親側と教師側が対立してしまうと、《子どもの可能性を伸ばす》という本来の目標が脇に追いやられてしまいます。

 一緒に協力してすすめていく、そのためにどうするか?
 たのしい教育とPEALカウンセリングがあります。

 遠慮なくご相談ください。

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学校での保護者トラブル対策の具体案(予防策)

 学校管理職の方たちを中心にいろいろなトラブル解決の具体的な相談がやってきます。保護者の数だけいろいろな要望・目標があるわけですから〈学校のトラブル解決〉というと多岐に渡ります。そういう中でなかなか解決に至らない事例について、《PEALカウンセリング》として解決や予防、つまり相手側の目標を明らかにするところから解決に至る流れや、《たのしい教育》による新しい取組みによって解決に至る流れ、《法的な整理》によって整えていく流れなど、複数の具体的な手順があるのですけど、その中でたまに提案することがある〈ワンポイントの工夫〉があります、これは結構効果があります。

 たとえば保護者から相談があり、それがクレームを伴う要望となり、さらに罵倒を伴う叱責となり、脅迫的な文言に発展することがあります。よく起こるとはいえないのですけど、私の様にいろいろな相談を受ける側の目でみると「どの学校でも起こっているだろう」と言ってよいと思います。

 保護者は《自分の子どもを何とかしたいという個別の問題》からはじまりながら、たとえば「学校はそもそも子どもが学校に行きたくなる様なところではないじゃないか」という様に《教育界全体への不満》を爆発させてしまうこともめずらしいことではありません。

「教師はもっと早く学校に来て子どもたちを迎えるべきで、朝8時過ぎに来るのでは遅すぎる」といった〈学校のブラック企業化〉を増幅させ、さらに教師不足に拍車をかける様な主張をする方も実際います。

 親がそうであるように教師にも〈個人としての暮らし〉があります、「教師ならこれこれができてあたりまえ」という要求は基本的人権の問題まで行き着くのですけど、そういう人権を考えない要求はいくらでもあります。

「教師は子どもたちよりずっと早く学校に来なさい」という問題を解決するには、私が常々考えていた〈学校の開始時間が子どもにとっても大人にとっても早いと思う、10時あたりから始まったらよいのではないだろうか〉ということを検討することになるでしょう。
 生活リズムとかいうけれど、子どもを起こして寝ぼけまなこで食事・歯磨き・着替え・トイレを急かして、ほとんど会話らしい会話なく学校に送る流れは、早すぎると思うのです。
「今日は学校でどんなことするの?」
「あ、あの宿題まだやってない、やらなきゃ!」
「友達のよしおくんは、今日、午後からおやすみして英検受けにいくんだって」
という様な対話ができる様な家族の時間が朝、生まれるくらいのゆとりが欲しいと思うのは私だけではないと思うのですけど、どうでしょう。

「じゃあ、親はどうする、会社にいけなくなるではないか」となる。
「では会社なども10時くらいから始まる様にしたらいいではないか」となる。
「コンビニとかスーパーはそうもいかないでしょう」となってしまう。
そもそも100%うまくいく方法はないので、今より少しでもよくなっていく方法を《予想⇨実験》の流れですすめていくしかありません。

 さて話をもどして〈相談〉⇨〈クレームを伴う要望〉⇨〈罵倒を伴う叱責〉⇨〈脅迫》が起こることのある学校で、それをどうしていくかという話です。
 根本的な解決ではなく、技巧的なアイディアですけど、これが結構効果的です。

「うちの子のノートに誰かが悪口を書いてある、そういうことも知らないでよく教師と言えるわね、教師失格でしょう」といった罵倒を叱責を長々と受け続けると、教師は当然落ち込み、クラスのこどもたちへ関わる元気も失っていきます。ちなみにこのケースは誇張して書いているのではなく、実際の相談事例を少し脚色して書いているだけです。教師も失敗しますから、謝罪は必要ですけど、たくさんの子どもたちとコミュニケーションをとり、学習や安全、食事、健康などをみていく一人の教師が、全ての子どもの行動、困りごとを把握することは無理です。

 親から冷静な相談がある時はよいのですけど、それが罵倒・叱責・脅迫とすすんでいく予想が立つ時に提案さてせいただいている一つが『録音』です。
 コールセンターなりに電話すると「この通話は内容の把握、再確認のために録音されております」というメッセージが流れてきます。そういう様にして学校の電話も録音できる様になるとよいと思いますし、のちのちは間違いなくそういう流れになっていくと思うのですけど、今の突出して意識の高い教育委員会でないと難しいでしょう。

 なので個別に「後で校長先生や教頭先生にお話の内容を正確に伝えるために録音させていただきますね。学校は個人情報の取り扱いが厳しいので内容がいろいろなところにもれるということはありません、ご安心ください」とお話ししてスマホの録音機能を起動させましょう。

 これは教師だけでなく相手方がどんどんエキサイティングになっていくことを抑制する作用がありますから、話合いという域を超えないようにするという意味で、相手側にもメリットがあると思います。

 学校に来てお話する時にも同様にすることをおすすめしています。「後で関係者も交えて内容を正しく把握する必要がありますので、録音させていただきます、個人情報の取り扱いには注意して取り扱いますのでご心配なく」と話して録音をとりましょう、校長先生が同席する時にも同じです。

 これだけで、相手は無茶な話をしなくなる率が圧倒的に高まります。私に相談に来た方たちで、これを実際にやってみた時の成功率は高いので、いろいろなところでもうまくいくと思います。

 悩んでいる方たちは検討してみてください。

 そう提案すると「やってよいか教育委員会に相談してみます」という管理職の方がいました。もちろんそれでよいのですけど、「録音してください」といえる教育委員会は今のところほぼいないでしょう。教育委員会だけでなく事務所系の常として〈自分たちの責任問題〉に発展しかねない危険性は徹底的に排除する方向ですすむでしょう。

  シンプルに書くつもりが、いつもの様に長くなってしまいました。

 実は〈相手が同意しなかったらどうするか〉という問題が一つ残っています、この記事への反響をみて、言及するか判断したいと思います。
 ご意見・ご感想よろしくおねがいいたします。

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沖縄は、ほぼサンゴでできた島/はじめに理解すると時には大雑把にいく

 これは以前撮った沖縄の海岸の写真です、引き潮だったので、車を停めてしばらく眺めていました。

 潮が引いて見えている茶色・こげ茶の部分はサンゴ礁の跡です。
 中央やや上側にも顔を出した部分がありますね、同じくサンゴ礁がほとんどです。

 白い砂は、サンゴが砕けたり、貝殻が砕けたり、有孔虫の抜け殻だったり、いずれにしても生物由来のものがほとんどなのですけど、面積的にみたらサンゴの広がりによってできた部分は圧倒的におおいのです。

 もちろん、生物由来でない場所もあるとはいえ、表面全部がチョコで覆われてなくてもチョコドーナツというように、沖縄の成り立ちを一言でいうと「ほぼサンゴでできた島だ」といってよいでしょう。

 500円の商品もあるけれど100均という様なもので、厳密には違っているけれど、大きく見れば間違いない、そういう見方・考え方は大切です。

 

 いろいろ詳しいことを勉強していくうちに、「一言でいうと」という表現ができなくなります、だってこういう部分もあるし、ああいう部分もある・・・

 けれど大雑把にいうことで全体がとても理解しやすくなることは間違いありません。「細かくみるといろいろあるけど、とりあえずこう見ているといいよ」そういって説明すると、子どもたちのいろいろな理解も進んでいくと思います。

 厳密に語ろうとすると混乱してしまうことも多くなります、「シンプルさは重要」親も先生も、それを大切にして付き合っていくとよいですよ。大雑把につかんで興味が出てきたら、例外の部分まで確認していくことができます。厳密を心がけて「ややこしいからもういいよ」と感じてしまったら、例外について知ることもないでしょう。

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学校へ〈シンプル教材導入〉の必要性-遠藤純夫先生の宇宙教育教材から「たのしくしまくとぅば:島言葉」へ①

 大好きだった遠藤純夫先生(元全国中学理科教育研究会会長/JAXA参与)のことを想い出しています、遠藤先生はたのしい教育研究所の大恩人で、私が教師を途中で辞めてNPOを作りたいと話した時、真っ先に背中を押してくれました。

何度も沖縄に来てくれた時の一枚 いっきゅう撮影

 ちなみに周りの人たちにフリーの教育者になるという相談をした時にほとんどの人は賛成してくれました。
「もったいない、まずは病休ということでしっかり時間を確保して準備期間を確保した方がよいと思う」という強い声があったものの、ストップをかける声はほとんどありませんでした。不思議なことですけど、私がとても生き生きしていたことも影響しているのでしょう。

 一緒にいろいろな活動をさせていただいていた時、遠藤先生はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の教育部門で、たくさんの教材開発をすすめていました、〈たの研〉の授業などを見て授業化してくれたものがあります。〈導入教材〉として気軽に授業にかけられる様にと作成されました。かつ内容もしっかりしていて全4ページ版です。

 

 遠藤先生と二人、沖縄北谷の海の見えるカレー屋さんで、食事している時、導入教材について「シンプルな教材になったんだけど、なかなか利用してくれる人が増えていかないんだよ…」と話してくれました。

「遠藤先生、一枚もので教材を提供する、というわけにはいかないですかね」

「ん~、一枚ではなかなか伝えられないなぁ」

と続きます。

 教材のボリュームがそれなりにあっても、意義を感じた先生たちは、それを手にとって授業にかけてくれます、私も遠藤先生の作成したプランを〈たのしい教育メールマガジン〉などでいろいろな先生たちに紹介してきました。

「宇宙教育の教材をメインの授業の導入としてたくさんの先生たちに使って欲しい」という遠藤先生のアイディアは画期的です。理科の先生たちのトップにたちながら、こういう柔軟な思考ができる人はほとんどいないでしょう。

 遠藤先生も私も長年教師をしてきましたから、先生たちが「これをやらなくてはいけない、こうすすめなくてはいけない」というがんじがらめの中で毎日を過ごしていることは肌感覚として知っています。
 そういう日々で、新しい教材プログラムを実施するというのは、簡単なことではありません。

 さてここから〈たの研〉が全力ですすめている「たのしくしまくとぅば:島言葉」の話に繋がっていきます、予想していたより長くなってしまいました、項を分けておとどけします。つづく

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