情報伝達ツールは進化しても自分の思いの伝え方はなかなか進化しない/思い・想いを伝える大切さ

 以前からいろいろな処で〈自分の想い・考えを周りの人に伝えることができないと、その人のリミットを超えた時に教室を飛び出たり、暴力的な行為に出たり、引きこもったり、不登校という方法を選んだりすることになる〉という私いっきゅうの仮説をお話しています。
 今回は、そのことに関連して、カウンセリング系の研修に呼ばれて話をした内容を紹介しましょう。

 動物に近かった頃の私たちは近くの相手に怒りや喜びの〈感情〉を唸り声や表情で伝えるのがやっとのことでした、1000万年、数百万年前の時代です。

 そういうコミュニケーションでもいろいろなことを伝えることができました。

 数十万年前、長い知的試みの中で〈言葉〉が生まれ「食べ物を得る効果的な方法」を伝えたり「どうしてそういうことをすると危険なのか」という複雑なことを伝えられるようになっていきました、ちなみにシンプルな言葉は人間だけでなくイルカやゴリラ、その他の動物たちにもみられます。

 数千年前、言葉を記録する〈文字〉を発明した私たちは、自分の考えを組み立てる方法としても利用し、さらに場所や時を超えて思いや考えを伝えることができる様になりました、そこから人間の文化は爆発的に発展しました。現在の文化のほとんどは、文字がなければ生まれえなかったでしょう。

 数十年前、驚くべき情報伝達方法が誕生しました〈インターネット〉です。そこで誕生したネット社会は、かつて私たちが〈文字〉を利用し始めた時起こった様な爆発的な知的進化をもたらしました。
 今私たちは、その進化のさなかにいます。

 不思議なものですね、これだけ感情や気持ち、考えを伝えるツールが爆発的に進化してきても、人間は自分の思いを相手に伝えることに苦慮しています。
 1000年以上前に詠まれた和歌を思い出します。

しのぶれど 色に出でにけり わが恋は
ものや思ふと 人の問ふまで

いくら時代が進んでも、自分の気持ちを、思いを伝えるには簡単なことではありません。

 教師が子どもたちのことを思い、親が我が子のことを思い、いろいろなことを伝えようとして、実はうまく伝わらず関係がこじれてしまうことがあります。

 子どもたちも自分の想いを伝えられず、ギリギリまでくると教室から飛び出たり、不登校という方法をとったりする場合があります。

 自分の想いを伝える、そのことは教育のとても大きなテーマです。家庭でも学校でも、子どもたちが自分の想いを気軽に伝えられるように配慮しながら関係を育てていく必要があるでしょう。

 それは掛け算ができるとか難しい漢字を読み書きできることよりずっと大切なことだと思います。

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憧れの埴沙萠さん(植物写真家)-アウトドアを楽しむ

 メルマガに〈埴沙萠:はにしゃぼう〉さんのことを書き始めています、以前このサイトで紹介したことがあるのですけど、私いっきゅうの憧れの人物です。

 足元に広がる植物たちの宇宙を、私たちにたくさん見せてくれた写真家で、埴さんを特集したTV番組〈足元の小宇宙〉は録画してあって20回以上みています。

 埴さんはこの時82才、「たのしいことばかりだよ、世の中は!」と語るように子どもの様な感性は衰えていません。

 これから涼やかな秋、また埴さんのように草に寝ころがって、写真をたのしめる季節がやってきます。

 みなさんも野山で足元に広がる草花を撮ってみませんか。

 

 

 

 

 ツタヤ などレンタルDVDで出ていたのですけど、今あるかどうかわかりません、なかったら図書館とかショップなどを探してみてください。

 

 レンタルDVDで〈NHKスペシャル 足元の小宇宙 ~生命を見つめる植物写真家~[NSDS-19415][DVD]

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見れども見えず:海の石はツルツルなのガサガサなの?

 秋の講座のプログラムづくりでいろいろな教材開発が進んでいます。その中で、いままで何千回何万回と見てきたものが、実はほとんど見えていなかったことに気づきました。

 みなさんは海岸の石が丸いことはご存知ですよね、その石はいろいろな種類があるのですけど、沖縄の普通の海岸にある石の多くはツルツルの表面をしているのでしょうか、ガサガサなのでしょうか?

 どう思いますか?

 予想

 ア.ツルツルが多い
 イ.ガサガサが多い
 ウ.その他

 

どうしてそう思いましたか?

 

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

 これはうるま市石川の海岸で拾ってきた石です。

 全て表面がゴリゴリガサガサになっています、凹凸もかなり目立ちます。

 沖縄のいろいろな海岸で調べる必要があるとはいえ石灰岩質の石が多いので、ほとんどこういう岩石でしょう。

 実は私はツルツルの石がたくさんあると予想していました。

 みなさんはどうだったでしょうか。

 はじめからこの写真を見ていたら「そりゃそうですよ、ゴリゴリガサガサが普通でしょう」と考える人も多かったでしょう。

 でも改まって考えてみると、私の様に実際と違う予想をした人も多いのではないでしょうか。

 今までたくさん見てきた海岸の石たちが、予想を立てることによって「ツルツルの石はほとんどない」ということがわかりました。

 遠出する時には、その場所の石をよくみてみたいと思います、みなさんもそうしてみませんか。

 この記事を読んでくださっている方は沖縄以外に住んでいる方も多いと思います、可能な方は近くの海岸の石がツルツルなのかガサガサなのか、教えていただけませんか。

 最後に問題:海岸ではなく川の石はどうでしょう、ツルツルしているのでしょうか、ガサガサしているのでしょうか?

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特別支援教育の目標 通級で指導を受ける子どもたちの数-楽しい特べ支援教育

 文科省が出した「特別支援教育の充実についてR5」という報告に〈通級による指導を受けている児童生徒数の推移〉がグラフ化されています。

 通級つまり普通学級に席を置きながら必要に応じて、たとえば算数や国語などの時間に特別支援学級に通う子ども達の数はどう推移していると思いますか。

 ご存知の方も多いと思うのですけど、日本の児童生徒の数はどんどん減少してきています、小中の子どもたちをミックスして見やすくした最新のグラフがみつからなかったので、小学校の子どもたちの人数の推移のみのグラフをご覧ください。
 1960年あたりに1400万人に迫る人数だったのに、2019年には半分以下の600万人くらいまで減っています、この落ち方に驚きを感じるのは私だけではないでしょう。

 

問題
 文科省の最新の通級による指導を受けている児童生徒のデータは〈1993年/H5〉からまとめられています。

 現在までどれくらいの増減か予想してみてください。

 

予想

 ア .どんどん増えている

 イ.やや増えている

 ウ.人数的には大きな増減はない

 エ.やや減っている

 オ.大きく減っている

 

どうしてそう予想しましたか?

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

 これが通級による指導を受けている児童生徒数の推移です。

 とても勢いのある伸びです。言葉によるハンディ、弱視・難聴等による通級児童の数はほとんど増えていません、〈情緖、自閉症、学習面のハンディ、いわゆる注意欠陥多動〉によって普通学級から特定の時間に特別支援のクラスに行く子ども達がどんどん増えています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001076370.pdf

 常々思うのですけど、特別の支援・個別の支援だというのなら、それは全ての子どもたちにとって必要だと思います。つまり特別の支援・個別の支援というのは普通の教育の姿だと思うのです。

 普通学級でガチガチに固めたカリキュラム編成をするのではなく、それぞれの先生たちの個性と才能を生かしてもっともっとフレキシブルに教育できるようになり、子どもたちの評価・感想をもとにしてたのしく力を伸ばすことができるシステムに変わっていく必要があるでしょう。

 そのためにも、多様な目標、多様な行動スタイルをもった子ども達の可能性を伸ばしてあげる力、たのしい教育の力をもった先生たちが増えていくことも重要になってきます。

 以前から要望の高かった〈普通学級の子も特別支援の子も共にのびるたのしい特別支援教育〉の講座を10月に企画中です、ご期待ください。

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