沖縄は梅雨の季節に入りました、今日はしとしとと降っています。教師をしていた頃「先生、どうして梅の花の時期ではないのに梅雨っていうんですか?」と聞かれたことがあります。
皆さんは不思議に思ったことはありませんか。
沖縄に梅は少ないとはいえ、桜の前に梅の花が咲くことからすると、二月前後に咲く桜の花をみれば、五月六月が梅の花の季節ではないことはわかります。
よその県では五、六月に〈梅〉が咲くのか?
いいえ、北海道でも〈桜〉は五月前半です。温暖化で開花が早まっているとはいえ、教科書的には古くから《桜は四月》ですから、梅の花はその前の三月あたりでしょう。
すでに雑学本などでどうして「梅の雨」というのか、その理由を知っているかもしれません。
今回書くのは雑学本の引用ではありません、私がいろいろ調べて、その子に答えた内容を思い出して、再び調べ直して書いています。
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読み方から不思議
考えてみると梅雨(つゆ)という文字は発音からして不思議です、音読みでも訓読みでもありません。「ばいう」という
読み方もあるのですけど、多くの人は普通に「つゆ」と読んでいます。
梅は〈つ〉とは読まないし、雨を〈ゆ〉とも読みません。
中国語読みかな、と思ってA.I.で調べてみると梅雨は中国で〈メイユー〉です。中国語の発声はイントネーションが独特とはいえ、雨が〈ユー〉ということですから「つゆ」の〈ゆ〉は中国語からきたのかと考えられないわけではないのですけど、半分だけ中国語読みというのは無理がありそうです。
梅雨をどうして「つゆ」と読むかに関しては三つくらいの説があって、その二つは
1.梅の実が熟し潰れる時期だから「潰ゆ(つゆ)」
2.カビのせいで物がそこなわれる「費ゆ(つひゆ)」
です。
私はその説からとるとすれば3つ目の
3.露(つゆ)にぬれる時期だから
をとることにしています。
〈梅雨〉という文字に、雨や湿気でしたたる「露」の読み方を〈当て字〉したというわけです。
どうして〈梅雨〉?
では梅の花の頃ではないのにどうして「梅」と「雨」なのか?
「梅雨」という言葉は中国から入ってきました、遣唐使が持ち帰ったという話です。
その頃、中国で栄えていた長江下流でした。その中国の長江下流地域で梅の実が熟す初夏の時期の長雨なので梅雨という字になったというのです。
なるほど『梅の花』ではなくて梅の実か・・・
それなら日本でも同じです。
農林水産省のページに、こうあります。
梅干しや梅酒、梅シロップ等様々な料理に使用される梅ですが、梅の旬は5月~7月とまさに今が旬です」https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/kansho/kakudai/ume.html
中国から来た五月頃の長雨の〈梅雨〉という言葉は、日本でも〈梅の実の熟する頃の長雨〉ということで受け入れられて、「露」の読み名を被せて『つゆ』と読んだ、というのが、私の理解です。
一つの言葉でも、その語源をみていくと、いろいろなことに気付かされる。いにしえ(古)の人たちの思いや発想の面白さを味わうことができます。
みなさんが疑問を感じる言葉があったら、たどってみるとたのしく賢くなりますよ。
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