楽しい英語/翻訳アプリやA.I.があるから勉強の必要はないの?(読者の方からの質問に答えて)

 英語の話への反応が上々です、関西に住んでいる高校生からもたよりが届きました。このサイトは日本ブログランキングに評価してもらってい「生涯学習」「教師教育」「理科教育」でほぼ1位の記録を更新しています。こうやって綴っているうちに沖縄から全国レベルのブログに成長していったことは、とても嬉しいことです。

 高校生からのたよりは「もっと今回のような記事を書いてほしい」ということでした、記憶優先型の授業に疲れているのかもしれません。

 英語のたのしさの扉が開いたら、間違いなく記憶のポテンシャルも高くなります。たのしさの向きにすすんで行ってほしいと思います。

 高校生からのたよりを読んでいる時に、以前とどいたメールを思い出していました。学生の方なのか一般の方なのかわからないのですけど、それは

「これだけアプリが発達したのだから、外国語を学ぶ必要ない」という考えてについてどう思いますか?

 という趣旨の内容でした。

 皆さんはどう思うでしょう、自分はどちらに近いか選んでみてください。

 ア.その通り

 イ.それは違うと思う

 ウ.場合による

 エ.その他

 どうしてそう考えましたか?

 

 ⇩   ⇩   予想してからね   ⇩   ⇩

 キャリアの幅が広がる、仕事の選択肢が広がるというようなこともあるでしょう。けれど、そういうことではなく、別の視点で考えてみたいと思います。

 以前書いたかもしれません、私は空手の師範免状を持っています、武道を例に考えてみましょう。

 汗を流してお金を出して空手を学ばなくても、ボディーガードを雇えば自分が相手を倒さなくてもよいし、ボディーガードをつければ家族や友人を、自分で守る必要もない。

 その通りです。

 ボディーガードを雇うと、メリットも大きいでしょう。何しろ自分で行き届かないところにまで目がとどきます。

 では、自分で空手を学ぶことは意味がないのでしょうか?

 いいえ、そうではないでしょう。

🟢 何しろ自分の身体能力可能性が高まっていくことはたのしい

🟢 次々新しいチャレンジが出てきてワクワクする

🟢 怖さに向かっていくスリルとサスペンスもけっこういい

 ことは空手を学び続けている多くの人たちが感じていることで、それはボディーガードを雇っても絶対に得ることができないことです。

 それだけではありません。

 ボディーガードは24時間はりついてくれることはありません(そんなことをされると実に迷惑です。父親が娘を24時間守るためにそばに張り付いているようなものです)。
 自分自身が空手の力を高めておくことは、そういう時にも大切です。

🟢 あの人たちはどうも危険なにおいがする、とか、この方向に進むと危険な気がするという感覚は自分の技・感覚を高めていくことで高まっていきます

🟢 こういう行動をとると安全だというセンスも高まっていきます

 ボディーガードに指示されて「この道はダメです、ここを曲がってください」と命じられてながら行動していてはいつまでも高まらないでしょう。

🟢ボディーガードの動きは、自分が考えたことと一致するわけではありません。自分が感じたことをボディーガードが感じているわけでもありません。そこにはロスタイムが必ず生じます。またボディーガードでは気づけないこともあります。たとえば「以前この男にお金をせびられたことがある」という記憶などもボディーガードは持ち合わせていませんから、自分の危機感・危機予測が伝わらないこともたくさんあるでしょう

🟢何しろ自分の力が高まっていくわけですから、いちいちボディーガードを依頼する必要もありません。お金や食事などを提供する必要も、働き方改革のために一定期間ごとにお休みを与える必要もありません

ほかにもいろいろ考えられるのですけど、これくらいにしておきましょう。

 これらを「英語は翻訳アプリで十分だ」という考えと対応させると、同じことが言えるでしょう。

「それは強引だ」と思うでしょうか?

 たとえば、🟢ボディーガードの動きは、自分が考えたことと一致するわけではありません。自分が感じたことをボディーガードが感じているわけでもありません。そこにはロスタイムが必ず生じます。またボディーガードでは気づけないこともあります。たとえば「以前この男にお金をせびられたことがある」という記憶などもボディーガードは持ち合わせていませんから、自分の危機感・危機予測が伝わらないこともたくさんあるでしょう

という項目で考えてみましょう。

 前回私が出した、 I see the man with a telescope. には

「私は望遠鏡を持っている男を見ている」
だけでなく
「私は望遠鏡で、その男の人を見ている」
という意味も導くことができる、という話は、英語の翻訳サイトでは出てこない答えです。
 文章というのは、こういう解釈になる、というようなものがほとんどです。翻訳サイトでは、どっちの訳も成り立つというような答えをしてくれません。こう訳す場合が多いだろう、というものを表示します。

 DeepLやGoogle翻訳などの有名な翻訳サイトで訳してもらったらわかるでしょう。

 いつも翻訳アプリに頼るのではなく、その訳に疑問を持つことができるのは、自分自身で学んでいった基礎があるからです。

 自分で「これは二つの意味が生じる」と解釈して丁寧に調べていく。
 A.I.にも確認すると、「確かに二つの意味が生じる」ということで理解していくわけです。
 翻訳サイトやアプリなどに頼るのもよいでしょう。でも自分の力を高めていくことは、無駄なことではありません。

 他にもメリットはあります。
 英語を学ぶことで、自分の脳のいろいろな部分も刺激を受け、その能力が高まっていくことでしょう。

 はじめの「翻訳アプリやA.I.があるから勉強の必要はないの?」という問いに戻りましょう。

 〈たの研/たのしい教育研究所〉はその問いに「必要ありです。ただし、たのしく学ぶことができるなら!」と力強く答えたいと思います。

 ご意見ご感想は、気軽にお寄せください。全て目を通しています。すぐにお答えできなくても、今回の記事のように、その後の記事で触れることもたくさんあります。

 

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たのしい英語 訳することは楽しいと体感できるようなプログラムの作成

 映画が好きになるまで、英語はとても苦手で避けてきました。
 その最も大きな理由は、中学の頃の「画一的な英語の授業」と「できる子、正解した子だけほめて伸ばす」というスタイルによるのだと思います。

 その経験は、私の奥の方で、たのしい教育を目指す貴重なきっかけにもなっていると思います。

 中学校で英語を学ぶと、基本的な単語をいろいろ学んでいきます。

 たとえば、次の7つの単語の意味を学んだとします。

 🟢I 私は(が)

 🟢 see  見る

 🟢 the その

 🟢 man 男

 🟢 with 一緒に

 🟢 a 一つの

 🟢 telescope 望遠鏡

 ちょうどその単語でできた英文が出てきました、「よ~し、この単語が出てくる英文なら理解できるぞ」と考える。

 では、挑戦してみましょう。

 I see the man with a telescope.

〈私は 見る その男 一緒に 一つの望遠鏡〉と並びます、
「あっ、わかったぞ」⇨「私は望遠鏡を持っている男を見ている」だ。

 正しい訳し方です。

 でも違う訳し方もあるんですよ

 「私は望遠鏡で、その男の人を見ている」です。

 with telescope が男の人と一緒なのか、私と一緒なのか、両方の可能性があるので、この文章だけでは、どちらが正しいのか判断できないんです。

 つまり単語の意味がわかれば訳せるのかというと、そうカンタンにいかないこともあるわけです。

 これを「構文を覚えなさい」というように、丸覚えで理解させようとする先生たちもいます、リサーチしてきた経験上、その人たちの方がおおいでしょう。「英単語を覚えなさい」というからがんばって覚えたのに、それが終わったら今度は構文を覚えなさい、って・・・
 いつまで覚えなさいが続くのでしょうか。

 そうではなく
 英語を使う人たちはねぇ、 I see the man with a telescope. という文章を読むと「え、どっちが望遠鏡もっているの?」 って考えるんだって、不思議だねぇ。
 というように、感覚的なもので授業していきたい。

 では質問、日本語の文章なら二つの意味になるようなことはおこらないのでしょうか?
 少し考えてみてください。

  「わたしは はだしで 走っている 男を おいかけた」はどうでしょう?

 全員が一つの意味で理解するでしょうか?

 二つの意味になりませんか?

a)わたしは〈はだしで走っている男〉をおいかけた。

b)わたしははだしで〈走っている男〉をおいかけた。

 はだしなのが私かもしれない、走っている男かもしれない、どちらにもとれるんです。

 二つの意味に訳すことができる、というのは英語だけではありません。

 言葉というのは、算数・数学の計算式のようにはできていないからです。

 そういうあいまいさは不完全でダメなことだと考える人も多いかもしれません。けれど、そうでもないんですよ。

 言葉がいろいろな方向に可能性を伸ばしていくことにもつながるからです。いわゆる〈若者言葉〉といわれている独自の言葉の使い方も取り入れることができます。もしかすると、日本語と韓国語がいくつかの部分で融合して、どちらの国の人たちも理解できる文章スタイルができてくるかもしれません。

 話が広がってしまいました。

 覚えなさい型の授業を変革して、まず心動かされるような授業をする。心を動かされたら、単純作業による記憶より遥かに強く脳の中に刻まれるでしょう。

 テレビから流れるミステリー番組をみても、大抵の場合、時間が経過するうちに誰が犯人だったか忘れてしまうかもしれないけれど、「その列車にいた人たち全員が犯人だった」という有名なミステリー小説の驚きは一生忘れないでしょう。

 記憶は必要ない、ということはありません。
 大切です。
 けれど、たのしい教育は、まず子どもたちの心をどうゆさぶる、それが優先です。

 違う文化をもつ国の言葉を理解できるようになると、とてもたのしい扉が開きます。

 なかなか「たのしい英語プログラム」としてまとまったものを出すゆとりはできていないのですけど、早くまとめたいプログラムの一つです。

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『夕暮れ』〈たのしい教育メールマガジン〉で紹介した 天才 甲本ヒロトさんの不滅の名曲

 今週のメルマガのはじまりの章で軽くふれた 天才甲本ヒロト(THE BLUE HEARTS)の大好きな曲の反響がいくつも届いています。
 メルマガの文章を少し手を入れて紹介しましょう。

 連日、午前0時を超すまで仕事をしている日々、それでも外を歩くゆとりをもつことがてきるというのは幸せなことです。

 歩きはじめた時は、薄暗い曇り色だった空が、しばらくすると、その後ろ側にほんのり焼けた色を見せてくれました。

 


 座って沈むまで眺めていたら、次第に真っ赤に焼けた色になりました。

 

 頭に浮かんできたのは、天才 甲本ヒロトが「俺たちの身体の中には炎のように赤い夕焼けより、もっと真っ赤な血が流れてるんだぜ」と教えてくれた『夕暮れ』という唄です。 

幻なんかじゃない
人生は夢じゃない


僕たちははっきりと生きてるんだ
夕焼け空は赤い


炎のように赤い


この星の半分を真っ赤に染めた


それよりももっと赤い血が

体中を流れてるんだぜ

作詞・作曲:甲本ヒロト

 自然もすばらしいけれど、それをさらに上の層に押し上げる人間の感性もすばらしい。

 みなさんも味わってみませんか。

 忙しい中も、たのしき日々です。

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家族・クラスで楽しむ〈ふんすいフルーツポンチ〉@こういう楽しみがパティシエをうむこともある:たのしいキャリア教育/たのしい教育 Enjoy-Cafe

 たのしい教育に興味関心を持つ先生たちと保護者の方たちが集まって、たのしいプログラムを学ぶのが『たのしい教育 Enjoy Cafe』です。

 今月のプログラムの一つが《ふんすいフルーツポンチ》でした。

 〈たの研〉の講座をたのしみに、毎回参加してくれているA先生が講師メンバーに加わってすすめてくれました。

 メントールをサイダーに入れると、ブワーッと噴水状態になります。
 それをみて楽しんだ後に、みかん缶やゼリーをいれフルーツポンチ風に仕上げみんなでたべるという、贅沢なたのしみです。

 サイダーにメントール二、三粒入れると、ブワーっと吹き出します。

 これはプログラムの資料から⇩

 噴水を受ける器の中に好きなフルーツを入れて、見て楽しんだあと、美味しく味わうというプログラム、まず家でor友だちとたのしんでみませんか。

「これはいいぞ」と感じたら、ぜひクラスとか、職場で広めてみてください。

 みんなたのしいことが大好きです。

「でも、これ授業ではないよね?」
とツッコミを入れる人もいるかもしれません。

🟢 さぁ、みんな、この噴水の理由を調べてみようね

 とか

🟢 メントールじゃなくアメ玉を入れるとどうなるか、とか自分で自由研究してみよう

という流れでもよいと思います。

 理科ならもっと詳しくたのしめます
・メントールの重要な成分は重曹(炭酸水素ナトリウム)です

・重曹は酸や熱と反応すると二酸化炭素を大量に発生させます
 それをふわふわのホットケーキ作り、その他に使っています

・炭酸水は酸性です

・炭酸は力(圧力)で二酸化炭素を水に溶け込ませています。刺激を与えただけでぶくぶく泡立ちますね

・メントールの重曹が酸性の炭酸水に入るとどうなる?

・重曹からぶくぶく泡立つ刺激を炭酸水が受けるとどうなる?

ここまでにしておきましょう。

 先生とたのしんだ〈噴水フルーツポンチ〉に感動して、将来パティシエを選ぶ子がでる可能性もあります。
 実際わたしの教え子から「先生の理科がたのしすぎて、自分も先生になりました」とか「大学院大学に勤めています」「アメリカの大学に学ぶにいきます」というようなたよりを、何通ももらっていますから、きっとパテシィエもチョイスされる可能性があると思います。

 いつも語っているように、たのしくて何も学ばない、ということはあり得ません。今は理解できなくても、たのしさの感覚があればいつかその謎を解いたり、その不思議が好きになったりします。

 明らかに自分や周りに損害を与えるという楽しさがあるという場合は別にして、たのしさに躊躇する必要はありませんか。

 どんどん広めていきましょう。

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