本当の環境保護活動=楽しい環境教育① 超シンプル紙づくりはどんどん進化中

 Google検索で『楽しい環境教育』と検索すると、〈たの研/たのしい教育研究所〉のサイトがトップ表示されます。『楽しい環境学習』だと1位2位を行き来している状態です。※平仮名の〈たのしい〉で書くとどれも一位です

 その影響も大きいのでしょう、沖縄の〈たの研〉にはいろいろな県から環境保護、環境学習についての質問、問い合わせがやって来ます。

 環境保護活動はとても重要なテーマです。

 〈たの研〉の大きなテーマである《福祉活動》は、経済的なものがからみますから来週、来月の生活と関わる大きな問題です。
 それに比べると《環境問題》は来週、来月に関わるものではないので、大きな問題ではないと感じてしまう人もいるでしょう、特に〈こども感覚〉はそれに近いと思います。
 ところが科学的に確かめていくほどに、人間だけでなく、他の生物たちの生存にも関わる重大な問題であると考える人たちが増えてきています。環境問題は生命体全体にとって重要なテーマだといってよいと思います。

 環境問題は大きなテーマです、スーパーのレジ袋をマイバッグに変えたくらいでどうこうなるものではありません。そうしていることで環境保護活動をしている気持ちになって、本質的な活動が止まってしまうことの方が逆に心配です。そうだとしたらマイナスになっているとも考えられるでしょう。

 また、本質的な効果はよくわからないけれど、とりあえずやっていますというような〈形だけの環境教育・環境学習〉も心配です。さっきあげた心理面に加えて、それに労力とエネルギーを費やしていくわけですから、その分余計なCO2を排出してしまうわけです。実質的なマイナスにもなっているでしょう。

 本質的に効果のあがる環境保護活動をすすめていく必要があるでしょう。

 企業は企業で努力してもらい、行政は行政で努力する。もちろん政治の流れは重要ですから、それにも期待する。
 とはいえ、私たちにとって大切なことは、自分でできる、やってみたくなる環境保護活動です。〈たの研/たのしい教育研究所〉では「それいいね、やってみたいね」と思えるような環境保護活動プログラムをいろいろ開発中です。

 今回は、県外のある団体に提供したアイディアを一つ紹介します。

 その団体の方は、〈たの研〉のこの記事にとても関心が高く、いろいろなことをとても詳しく尋ねていました。

とっても簡単 和紙(和紙風の紙)づくり@紙づくりはシンプル2工程/とっても楽しい自由研究

〈たの研〉のシンプル紙作り(和紙風)はその後もどんどん進化しています。なかなかサイトなどで紹介するゆとりがなく、直接尋ねてきてくれた方たちに紹介しているくらいですけど、4月になったら学校でとりくみたいといってくれる先生たちもいます。

 次回のメルマガで紹介して後、サイトに書きたいと思います。

 捨てる紙をミキサーにかけて水にとかし、100均のアミですくう。

薄く仕上がるので、その日のうちに乾いて紙として利用できます。
簡単すぎて子どもたちはさらに驚くことでしょう。
このサイズの丸いペーパーは貴重です、POP表示などで利用しようと思います。

 そのアイディアを提供する中で、かねがね私が考えていた質問をしてみました。
 みなさんも一緒に考えてみてくれませんか。

わたし
「〈たの研〉のシンプル紙作りは、捨てられてしまう紙類から和紙風の紙をつくるわけですけど、考えていると、紙のゴミはもともと分別されて再利用されていますよね」

 

Aさん
「はい、ゴミ出しで分類していますよね」

 

わたし
「すると、捨てられたゴミを製紙工場で再生紙として利用するのと、私たちが個人で再び紙として利用するのとでは、特に差はない、つまり環境保護につながっていないのではないか ・・・という見方について、どう思いますか?」

 Aさんはしばらく黙ってしまいました。

 さてみなさんはどう考えますか?

 少し反応を待ってから続きをかきましょう。※次回ではなく数回後になる可能性があります

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花咲く日々@楽しい面白い自由研究「ハナミズキの花は花ではない? イヤ、花でしょ!」

 県外の方から嬉しい春のたよりがとどきました、写真も添えられています。

 桜の花のような彩りです、枝ぶりをみると〈ウメ/梅〉だというのがわかります。
 いい香りもただよっているのでしょう。

 ちなみに梅(ウメ)と蝋梅(ロウバイ)は名前がとても似ているのに、ぜんぜん違う種です。
 そもそもファミリー(科)が違います、梅も桜も桃もバラ・ファミリー(科)で、蝋梅(ロウバイ)はロウバイ・ファミリー(科)です。

 老梅ではなく蝋燭(ロウソク)の蝋、蝋梅です。その名の通り蝋細工(ろうざいく)のように透き通った花びらをしています。沖縄で目にしたことはありません。実に美しい。

ハナミズキが開く前のつぼみの写真もありました。

 こういうキレイな花が咲きます。

 沖縄でハナミズキをみることはないので、ここからは私個人の〈楽しい面白い自由研究〉をまじえて紹介しましょう。

 どうみても、うす紅(べに)色の花びらの中に蕊(しべ)があって、一つの花のように見えてしまうハナミズキ、実はそれは普通にいう花とはつくりが違っています。

 ハナミズキの花に見えている部分は、花たちをつつむ苞(ほう)の中にたくさんの小さな花が密集している姿です。ハナミズキの中央にブーケ(花束)のように見える部分がありますね、それが花たちの束(たば)、まさにブーケです。

 中央の部分を大きくしてみましょう、おしべ・めしべのまわりに〈花びら〉が4枚開いていますね。

サイト「学芸の森」に感謝して引用させていただきます https://www2.u-gakugei.ac.jp/~planttgu/dokodemo/pc/061.htm

※少し詳しく(受験生用)⇨ 黄色い部分が「やく」:オシベの先で花粉をたっぷり含んでいます。その中央に〈メシベの柱頭〉がみえます。ハナミズキは4枚の花びらと4つのオシベ、一つのメシベでできています

 実やタネができるためには、おしべの花粉がめしべの柱頭につく必要があります。マツやスギなどのように、風に運んでもらうタイプの植物もあれば、リンゴやモモなどのように虫たちに運んでもらうタイプもあります。
 ハナミズキは虫たちに花粉を運んでもらうタイプです。
 ※少し詳しく(受験生用ほか)⇨ リンゴ、モモ、ハナミズキのようなタイプ:虫媒花(ちゅうばいか)/ マツやスギのようなタイプ:風媒花(ふうばいか)

 ちなみに春に流行する花粉症はスギが大量の花粉を風に運んでもらっていて、それがスギの花にとどけばいいのに、人間のハナに入ってしまって悪さをしている現象です。

 虫たちにきてもらうには小さな花では目立たないので、花たちをくるんでいる苞(ほう)が進化してきて、まるで花びらのような役割をになってきたわけです。

 いろいろなサイトに「ハナミズキの花は花ではない」と書いてあります、でもそれはおかしいでしょう。苞が虫たちを導く花びらの役をになって、その中央には花たちがたくさんあるわけですから。

 子ども感覚でいえば「ハナミズキの一つの花のように見えている部分は、たくさんの小さな花たちの集まり。苞が大きな花びらの役割りを担っているので、全体として花の役割をしている」というように理解した方がよいと思います。

 地球という星は生き物たちの宝庫です、歩くたびにいろいろな生物たちに心動かされます。
 みなさんが心うごかされたものをぜひ、送ってください、お待ちしています。

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塩をどんどん熱していくとどうなるの? ② /砂はとけるの?  楽しい面白い自由研究

 楽しい面白い自由研究について書いています、前回紹介したように塩をどんどん熱していくと、とろとろ・ドロドロにとけてしまいました。 ※受験知識:この場合〈溶ける〉ではなく〈融ける・解ける〉と書きます。〈溶ける〉は水などにその物質をとかす時に使う漢字です

 では、砂はドロドロにとけてしまうのか? という問題です。

 砂つぶはハンマーでさらに細かく砕くことができます、でもとけるのかなぁ・・・
 みなさんの予想はどうでしょう。

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 この動画の2分30秒あたりをごらんください ※砂つぶより大きな砂利をりようしているのですけど結果は同じです

 

では、続いてこの問題について考えてみてください。

 このとけた砂をさらに高温度で熱していくとどうなるでしょう?

 こういう科学的な原理は『原子論』を学ぶことですっきりと理解できるようになります。

 機会がきたら書きましょう。

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塩をどんどん熱していくとどうなるの? ①/その熱した塩を水にかけると?  楽しい面白い自由研究

 読者の方から「いっきゅう先生、この動画、説明してくれませんか。どうしてこういうことになるんですか?」という言葉を添えてYouTubeのアドレスが送られてきました、いや~とっても面白い。

 私が理科を担当していたころなら確実に子どもたちに見せていたはずです。

 動画を見る前に質問からはじめましょう。

物質を熱していくと〈個体〉⇨〈液体〉⇨〈気体〉というように変化する、冷やしていくと逆の方向に進んでいくという『三体変化』については小学校の理科で学びます。
覚えている人も多いとおもいます。

質問です。

1.チョコレートを熱したらトロトロに溶けますね。では〈塩〉をどんどん熱していったらトロトロにとけるでしょうか?

 予想  ア.とける イ.とけない ウ.その他

 どうしてそう思いましたか?

 

 

2.海岸の砂をどんどん熱していったらトロトロにとけるでしょうか?

 予想  ア.とける イ.とけない ウ.その他

 どうしてそう思いましたか?

 

 

 予想をたてたら、読者の方が送ってくれた動画をご覧ください⇩

 

 質問は「最後に水に入れた時に爆発するのはなぜですか?」ということでした。

 まず半球の物質を割って〈るつぼ ※高温に耐える入れ物〉に入れ、その上に塩を載せています。おそらくセラミックで、塩の内側からも熱していく役割り、突然の沸騰(突沸)を防ぐ役割なのだと思います。

 塩もどんどん熱していくと融点800.4°C でとけて液体になります、これを〈融点融点800.4℃〉ともいいます。

 さらに熱していくと1413 °Cで気体になります、〈沸点1413℃〉といいます。

 なので、この動画で「1500℃の塩は水に入れると大爆発する」というタイトルは間違っています。
 1500℃に熱した塩は気体になってしまい、るつぼからどんどん飛んでいってしまうからです。800.4℃から1413℃の間でしょう。

 そのとけた塩を水を入れたコップにそそぐと・・・

 一瞬で消えてしまいます、まるで手品のようです。

 実験をしていた人物が硬直してしまったシーンに大笑いしてしまいました。

 さて、どういうわけで一瞬に水が消えてしまったのでしょう?

 水は100℃で沸騰して気体にになります。

 そこに800℃の液体を入れたら、コップの水全体が一瞬にして気体になってしまったわけです、すべて気体に変わってしまったわけですから、目でみることはできません。これを〈水蒸気爆発〉と呼ぶこともあります。

 ジュースやコーヒーでも同じように一瞬で見えなくなってしまうでしょう。

 この実験は実にダイナミックで面白く、しかも理科室などではできない実験です。

 せっかく〈とける〉⇨〈気体になる〉というたのしい実験をみたので、質問2の「砂も解けるか、気体になるか?」という話をしましょう。

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