やっと長年の謎の一つが解けた@人生が自由研究/面白くてやめられない自由研究 〈アリジゴク〉はカゲロウの幼虫なの? その③

〈アリジゴク〉はカゲロウの幼虫? その③、いよいよ解決編です。とりあえずここで一区切りさせていただきます。※さっそく「国語の授業で使いたいです。文章を利用してよいですか」というメールが届いています。『たのしい教育研究所の教材である』ということ、『写真などの出展には敬意を表して、あらためて自分自身で丁寧に利用すること』を了解していただければ、大丈夫です。子どもたちの感想・評価などを送っていただけると、助かります。

 やはりアリジゴクはカゲロウの幼虫ではありませんでした、辞書にはちゃんと書いてあるのに・・・

 ところで辞書などに書いてある「アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫」という説明文の〈ウスバカゲロウ〉とはどういう生き物でしょう?

 ウスバカゲロウはこういう姿かたちをしています、なんとなくトンボに似ていますね。
 もちろん口があります、数時間で命を閉じる生き物だというわけでもありません。

wikipediaに感謝と敬意を込めて引用

 はじめに見てもらった〈カゲロウ〉はこんな姿かたちです。

wikipediaに感謝と敬意を込めて引用

 つまりウスバカゲロウは「カゲロウではない」んです。

おい!

 ちなみに1回目で紹介した幼虫フタバカゲロウの〈成虫/大人〉は、こんな姿かたちです、ちゃんとカゲロウの姿かたちをしていますよね。


 カゲロウとつく名前の生き物をあげると
〈キイロカワカゲロウ〉
〈モンカゲロウ〉
〈オオシロカゲロウ〉
〈サホコカゲロウ〉
〈ウスバカゲロウ〉
〈オビカゲロウ〉
 ほかたくさんいる・・・
 そのうちの〈ウスバカゲロウ〉はカゲロウの仲間ではない
 というわけです。

あのね!

 このことをすでに知っていて「それは常識でしょ」とか「そんなことも知らなかったの?」と考える人もいるかもしれません。

 はい、知りませんでしたが、それが何か (´ー`?

 おそらく第一回目で紹介した辞書の編集陣(一つの辞書をつくるためにはたくさんの編集者がかかわります)も知らなかったと思います。

 この記事を読んで「確かに紛らわしい名前の付け方だ」と思った人もいるでしょうか。
でも〈まぎらわしい〉のではありません、「間違いを生じさせる名前の付け方」です。
 こういうものは今からでも名前を変えた方がよいでしょう。

 変えるまでは「ウスバカゲロウ(ただしカゲロウの仲間ではない)」とセットにして表記した方がよいでしょう。

 もちろん辞書には次の改訂版から「アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫、ただしウスバカゲロウはカゲロウの仲間ではありません」というように載せなくてはいけないでしょう。

 あの頃私が間違った情報を伝えた約30名の何万倍の人たちにこの情報を発信することが、この記事のきっかけです。

 私とおなじように間違ってしまう人たちがでないように、読者の皆さんも、情報を伝えていただけたら嬉しいです。

 子どもたちが腑に落ちる感覚を大事にしていくことが、たのしい教育の基本です。それは音にたちにとっても腑に落ちに感覚に違いありません。

 今回のシリーズに「いいね」と思った方は、知りあいの方たちへ「このサイトいいよ」と共有してくれると嬉しいです。

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やっと長年の謎の一つが解けた@人生が自由研究/面白くてやめられない自由研究 〈アリジゴク〉はカゲロウの幼虫? その②

『アリジゴクはカゲロウの幼虫』という知識をめぐって約20年に渡る自由研究の流れを紹介しています、未読の方は一つ戻って読みはじめてください。楽しい面白い自由研究の記事です。

 アリジゴクのことを十数年追いかけ続けていたわけではありません。

 じゃあ自由研究ではないじゃない!

 いいえ、予想を立てて時期を待つこと、答えにめぐりあえる日を待つことも自由研究です。しかも、楽でとてもたのしい面白い自由研究です。

 最近〈たのしい教育 第3研究所〉の本棚を見ていたら、以前読者の方から「子どもにおすすめの百科事典を紹介してほしい」という声があったのを思い出して、百科事典を取り出しました。学研図鑑LIVE『昆虫』です。図鑑を作った〈丸山 宗利〉さんの『 昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』という本を読んで、興味深かったので、いろいろな人たちにお勧めしています。

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 手にしてパラパラめくっていると「あ そうだった、アリジゴクのことを調べるんだった!」、記憶というのは不思議なもので、十数年ぶりに脳の回路がパッとここで開きました。

 
 いろんなカゲロウの写真が掲載されています。

「幼虫は、、、、アリジゴク?」

 そこにはアリジゴクとは違う〈幼虫〉の姿が載っていました。
 水中で暮らしているからでしょう、何となくトンボの幼虫〈ヤゴ〉に似ています。

 前回載せたのアリジゴクも一緒に載せましょう。
 アリジゴクはこんな姿で、砂地に潜んで暮らしています。

 これは違う種でしょ!

 そもそもカゲロウの幼虫には水中で酸素を取り込むための〈エラ〉があるのに、アリジゴクにはありません。
 生活する場所が全然違うので、体の構造が異なるのです。

 確認してみると、アリジゴクは〈カゲロウ〉の幼虫ではありませんでした。

 え?

 辞書には「アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫だ」とはっきり書いてありましたよね。※前回の記事参照

 複数の辞書にそう書いてあります。それらの辞書が間違っているのでしょうか?

 その謎も解けました。

 どういうワケだったのでしょう?

 次回の解決編にいく前に、ぜひみなさんも、なぜこういうことになっているのか考えてみてください。

つづく

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やっと長年の謎の一つが解けた@人生が自由研究/面白くてやめられない自由研究 〈アリジゴク〉はカゲロウの幼虫? その①

 楽しい自由研究・面白い自由研究の検索順位が着々と上昇中です、読んでくれている皆さんのおかげてです、ありがとうございます。今回は私の長年の謎の一つが解けた話を紹介させてください。

 どこの学校だったか定かでないけれど、こどもたちに一度「アリジゴクというのはカゲロウの幼虫なんだって、怖いアリジゴクが、か弱いカゲロウになるって不思議だよねぇ」という話をしたことがあります。
 学生時代に身につけた基礎知識として『アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫だ』と知っていたからです。

 と口にしつつも自分の心の奥の方で「ほんとかなぁ」という違和感があったので、辞書で調べてみました。
 そこにはちゃんと〈ウスバカゲロウの幼虫だ〉と書かれています、「やっぱり本当なんだ」・・・

 たとえば大好きな『新明快国語辞典』にはこうあります ※感謝と敬意を込めて引用

 

  デジタル大辞泉 にはこうあります ※感謝と敬意を込めて引用

あり‐じごく
読み方:ありじごく
1 ウスバカゲロウ類の幼虫。体長約1センチ。鎌(かま)状の大あごをもち、乾燥した土をすり鉢状に掘って巣を作り、底にひそんで落ちたアリなどを捕らえる。あとじさり。すりばちむし。《季 夏》「—見て光陰をすごしけり/茅舎」
2 1の作ったすり鉢状の穴。脱け出せない苦しい状況のたとえにもいう。「—からはい上がれない」

学研キッズの辞書はこうです。 ※感謝と敬意を込めて引用

 

アリジゴク【<蟻地獄>】

アミメカゲロウ目 ウスバカゲロウ科の幼虫のうち,地面にすりばち形の巣穴をほるものをいう。また巣穴をいうこともある。⇒ウスバカゲロウ

 もしかすると教室に置いている「理科辞典」を開いたかもしれません、いずれにしてもそこに書かれた説明に安心して数年が過ぎていきました。とはいえ、心の奥の方にある違和感から、その知識を子どもたちに伝えることはありませんでした。

 ところでカゲロウの成虫は食べる器官(口)を持たずというのは、数時間から数日で寿命が尽きてしまうといわれている〈か弱い〉昆虫です。
 

wikipediaに感謝して参照

 その幼虫のアリジゴクというのはこういう姿形(すがたかたち)です、身体中を毛が覆っています。


 アリジゴク(蟻地獄)は砂の中に潜んでアリが滑り落ちるワナをつくって獲物を待ちます、恐ろしい状態を表す表現としても利用されています。

wikipediaに感謝して参照

 幼虫と成虫がこんなに違っているから違う生き物だ、とは言えません。
 たとえば毛虫が美しい蝶になるようなこともありますね。

 不思議だなぁ、そういう違和感をもちつつ年月は過ぎていきました。

 数年後、テレビ番組で「カゲロウの幼虫は水生だ(水中で過ごす)」と知りました。

 その番組なども忘れてしまっているのですけど、この写真のように水中にいるカゲロウの幼虫の姿がそこにありました、これは〈ウスバカゲロウ〉ではなく「フタバカゲロウ」の幼虫です。

フタバカゲロウの幼虫 http://tansuinoikimono.blog101.fc2.com/blog-entry-1143.html に感謝を込めて引用

 あれれ、蟻地獄は幼虫によって、水の中で暮らしたり、地上でアリに罠をかけたりするのかなぁ、そんなことあるのかなぁ、不思議だなぁ・・・

 そもそも水中で暮らすってことは「エラ」があるわけで、地上で暮らす生物、たとえばアリジゴクがエラをもっているというのはおかしいぞ、エラというのは水中、あるいはかなり湿度(湿りけの度合い)が高い状態でないと機能しないはずだから。

「アリジゴクがカゲロウの幼虫というのは間違っているんじゃないだろうか?」

 といってもいろんな辞書に「アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫だ」と書いてある、やっぱり調べてみないといけないな。

 そう思いながら、また年月は過ぎていきました、そう、おそらく合計して二十年以上・・・

 ここまで読んで、みなさんはどう思いましたか?

私と同じように「やっぱりへんだよなぁ」と思ったり、「カゲロウの幼虫は陸上、水中でいろいろ機能を変えているのだろう」そう考えたり。

みなさんも予想を立ててみてください。
                     つづく

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ダンボール培土実験 その後/楽しい面白い自由研究

 読者のみなさんからのおたよりにも、以前の記事〈ダンボール培土(植物を育てるために利用する土)で植物は育つか〉という実験結果をおとどけします。

 捨ててしまう段ボールを繊維状に細かくして固め、レンガ状のブロックを作ろうとした時、乾きがあまりにも遅いので、逆に「この保水力を植物を育てることに利用できるんじゃないだろうか」と予想してはじめた実験です。

 結果・・・・

   発芽しませんでした。

 これをもって『ダンボール/段ボール培土では発芽しない、以上、自由研究おわり」とはなりません。

ほんとうに段ボール培土では発芽しないのか

もともと発芽しないタネを使ってしまったからか

あるいは段ボールの保水力がすごいので、沈んだタネが空気を遮断されて発芽できなかったのか

もしかすると紙でつくった培土はph(ペーハー:酸性度やアルカリ性度)が強く出ていて、それが発芽に影響するのか・・・

その他の事情なのか。

はっきりさせていく必要があります。

 ということで、実験Vol.2 です。

 ダンボールは全部使ってしまったので、処分する古本をミキサーにかけてつくったペーパー培土に、100均で購入したヒマワリの種を、こういうようにまきました。タネの半分くらいは空気中に出ています。

 もうひとつ、コスモスの種をこういうようにおいてみました。

 
 さぁ、どうなるでしょう。
 みなさんも予想していてください。

 まるで犯人を突き止める探偵のようで、わくわくしてきます。

 まさに楽しい面白い自由研究です。

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