楽しい自由研究:「桃と桜の花は似ているんだからどちらでもいいじゃない」という意見になんと答えますか?

 三ヶ月くらい早く桃の花が咲いた、という記事の反響が届いています。「沖縄にも桃があるんですか?」という県内の方からのたよりもありました、ありますよ。

 酸っぱみが特徴的な食べられる小ぶりな実がたくさん成ります。
 桃の原種だと説明したサイトもあります。
 小さな毛がたくさんついているので島言葉で毛桃(キーモモ)と呼ばれています。

 リンゴやマンゴのように〈摘果/てきか:小さなうちに実を摘み取って少ない実で育てる〉すると、スーパーで目にする桃のような大きな実になると聞いたことがあります。

 桜と梅と桃はバラファミリー(科)のとても近い仲間です。

 とてもよく似た花が咲きます。

 時々お世話になる〈ウェザーニュース〉のサイトから引用しましょう。

ウェザーニュース に感謝して

 違いも説明されています。

 これが〈たの研〉の近くにさいた長早咲きのモモの花です。
 花びらの形も説明通りですね。

 とはいえ「ほとんど似ているから別に区別しないでいいんじゃないの」という意見もあるでしょう。

 みなさんはどう思いますか?

 そもそも分類というのは何の役に立つのか?

 人間は同じ人間なんだから、女と男とに分けなくてもいいではないか?

 と言われたら何と答えますか?

 分けなくてよい時もあるでしょう、でも分けた方がよいこともありますね。

 必要に応じて分類できることで、ものごとを正しく予想することができます。

 桃と梅と桜の花を見分けられると、食べられる実が成るのかがわかります。
 どれでも食べることができるんじゃないか、と思う人もいるかもしれません。違います。私が実際に食べた中でいうと、桜の実は渋みがあって、ふつう食べるのに適していません。ミザクラ・セイヨウミザクラの種類のさくらんぼが果物として出回っているくらいです。
 梅の味も香りはよいけど、美味しいと感じる味ではないようです。

 やっぱり食べるなら「桃」ですね。

 そういうように、見分けることができる、分類できると便利なことも多い。

 逆に、見分けられない、分類できなくて危険なことに巻き込まれることも出てきます。

 たのしい分類学入門も〈授業書@たの研〉のテーマの一つです。

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楽しい自由研究:ススキは〈ほうき〉に利用しただけ?

 私いっきゅうは夏休みの自由研究で、祖父が得意気に教えてくれたススキの箒(ほうき)を提出したことがあります。いつも学校で利用している市販のホウキと比べると丈は小さいけれど、隙間に詰まったホコリやゴミもサッと除いてくれる優れものでした。
 こんな感じのホウキです、これほどカールしてはなかったけど⇩

https://www.yaeyamacraft.com/items/87164278

 子どもの頃からものづくり系は好きだったのに、作業そのものがたのしい経験だった記憶はありません。祖父は「使うものをお店で買うんじゃなくて、昔はこうやって自分でつくっていたんだ」と言いながら、ほぼ全ての工程を自分ですすめてしまって、私は不ぞろいのススキの穂をカットするくらいだったので、楽だったのだけれど、

 それでもしっかり記憶に残っているのは、その時、一本ずつはひ弱でも二、三十本束ねると、折れないくらい丈夫になることに驚いたからだと思います。そして「野山にこんなにたくさんあるススキをホウキにするだけというのはもったいないことだ」と感じたことも大きいと思います。

 そのことが何十年の時を経て解決しました。
 ススキにはある重要な利用法があったんです。

 私が無知だっただけで、たいていの人は知っている、ということもあるかもしれません。
 まず質問。

 その昔、ススキは何に利用していたと思いますか?

⬇︎

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ススキの重要な利用法

 ススキはイネ・ファミリー(科)です、米や麦などもイネ・ファミリーです。

 ほとんどのイネ・ファミリーの茎はストローのような中空構造です。

 表面は木目ががびっしりつまっていて、プスチックのようにツルツルになっています。

 そういう性質を利用して屋根の素材に利用していました。
「カヤ(茅)ぶき屋根」という言葉を聞いたことがありませんか、その「かや:茅」というのは〈いね科の植物チガヤ・ススキなどの総称〉です。

 高床式住居も茅(かや)の屋根だと説明されています、だいぶ昔から使われてきたわけです。https://kids-kouko.com/housing/

 日本の白川郷・五箇山など合掌造りの古い住居も茅ぶき屋根です。https://machiyane-kagoshima.com/column/2019-12-25.html

 ススキは人間の住居の歴史の中で重要な役割りを果たしていたわけです、なるほど・・・

 こういうことも自由研究の一つです。自由研究で長年の謎が解け続けている日々です。

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楽しい算数:数字のウソを見抜く

 前回の「言葉はごまかしやすく、数字はなかなかごまかせないからです」という話の続きを書きましょう。メルマガでもおたよりで「〈数字は嘘をつかない〉という話は聞いたことがあるけれど、〈なかなかごまかせない〉というのは〈数字はごまかせる〉というわけですね」という話がありました。

 できますよ。

「うちの会社の平均給与は88万円です」と書いてあって、ここに入ることができたら今よりずっと良い暮らしができると思ったら、ほとんどの従業員は18万円くらいで、社長と役員が一千万円近くの給与をもらっている会社だった

ということはあり得ます。

「去年より売り上げが200%にアップしました」という数字をみると、すごい会社だと感じます。ところが去年の売り上げは5000円の商品が一個売れたくらいで、今年は二個売れたということだった

これもウソではない。

 まだ考えられます、カウンセリングでクライエントから「これこれのサプリを試そうと思っています」という話がでることがあります。 聞いてみると《82%の人たちが良くなったと答えている》と書いてある、とのこと。
 そういう数字も実際には一部の若い被験者だけのデータを抽出して使って出していることがあります。
 医薬品なら臨床試験でプラセボ(偽薬)との対照実験も実施と、その研究実験を実施した機関名も記載されるので信頼できるのですけど、医薬品でないもので、そういう点をごまかしてアピールすることがあるわけです。

 あるテレビ番組で「現役の◯◯大学の学生が〈美味しい〉と答えたのが一番多かった」と紹介されていたお菓子が、実はわずか10数名くらいに聞いた「このAというお菓子とBというお菓子ではどちらが好きですか?」という二者択一のアンケートだったという空いた口が塞がらないような話もあります。

「数字はウソをつかない」というのは間違いで、騙すための数の加工は可能です。

 話は広がるのですけど〈たの研〉の

講座、ワークショップ満足度評価99%

というのは信じるに足る数字でしょうか?

 大丈夫です。個人情報が入っているのでここに公開することはできないのですけど、誇大広告審査などがあれば、その元になるデータを見てもらうことは可能です。
 また、講座・ワークショップの講師陣は、講座後に全員が輪になって評価感想を確認するのがルーティーンなので、このサイトを見てくれているこれまでの講師の方達から「あれはおかしいですよ、つまらないと答えた人たちが何人もいたじゃないですか」というツッコミも入るでしょう、それは皆無です。そもそもそんな口だけ集団が十数年も存続するのは無理でしょう。

〈たの研〉の活動はたのしく学び、本物の力を身につけてもらうことです。

 数字に騙されないで、それは本当なのかと自分で予想を立てて確かめていくことのできる子どもたちをたくさん育てたいと思います。

 「たのしく賢く」がテーマなら、小中学生数名のミニワークショップも可能です。教科を指定してもらうのもよいし、こちらからプログラムを準備するのも可能です。講師のスケジュールの都合に合わせることになるので、ご希望の方はお問い合わせください。勉強嫌い、学校嫌いという場合は優先して対応いたします。

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クマの被害者はどんどん増えてきているのか?/楽しい算数・数学

 最近開発した「熊撃退ツール」の話をメルマガに書いたところ、予想以上の反響です。それについては機会があれば書くとして、そのとき触れた「クマの被害者は増えているのか」という話について、いくつものメールが届いています。

 クマ被害件数自体はどんどん増えているのか、増えていくのか、みなさんはどう思いますか。

 ニュースなどをみると、年が進むごとにどんどん増えている感じがしている人も多いと思います。

 こいう時には数字を見ることです、言葉はごまかしやすく、数字はなかなかごまかせないからです。

最新の統計のサイトがここです(環境書のデータ)⇨ https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/effort12.html

 グラフにしてくれた方もいるので、それをのせてみます。

 2023年度は、前年度より明らかに被害人数が増えています。
 とはいえ、増える年と減る年があるので、この年のデータのみで、これだけでどんどん被害者が増えているとはいえません。

 あわせて環境省の今年度の速報値をみてみましょう。
 赤が2023年度(上のグラフ右端)の数で、右隣りが今年2024年10月3日現在の速報値です。約半年程度で去年の被害者数219人の⅓以下、67人です。今年度は全体として被害人数がガクンと落ちることでしょう。

 クマ被害が増えている、と感じるのは、いろいろなSNS発信や、あるところではクマ駆除の人件費がコンビニのアルバイトの時給より低いというので〈猟友会〉の方達が激怒して要請を断っているというニュースが聞こえてくるなど、刺激的な話題に触れる機会が増えてきたからかもしれません。

 クマに遭遇して被害に遭うことは不幸なことで、その人にとって肉体的にも精神的にも大きな痛手です。今年は半年程度で2名の方が命を落としています。
 いろいろな対策をして被害者ほ減らしていかなくてはいけません。

 それと同時に、「大変だ大変だ何しろ大変だ」と心配しすぎないことも大切です。 そのためにも、気になったら自分で数字を調べる。

 別なところが出している数字も調べてダブルチェックしてみることが大事です。

 学校でも、そういう力をもった子どもたちを育てていってほしいと思います。

 きっとワクワクしながら調べていくことができると思いますよ。

 新しい教育プログラムを作りたい分野の一つです。

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