虫と植物の循環型社会/たのしい環境教育

 シークワーサー(ヒラミレモン)の花が咲いてきました、眺めてみましょう。

 レモンとはいっても、ミカンファミリー(科)なので花はよく似ています。
 ミツバチがいますね。

 ミツを集めつつ、体に花粉をつけて、花から花へと飛び回ります。
 昆虫なのに植物たちの受粉をすすめて回るコウノトリの役をしてくれているわけです。

 そうやって実ができると、鳥たちがその実を食べ(すっぱくないのかなぁ)て栄養にし、いろいろなところにタネを広げてくれます。

 鳥たちが生を閉じると、その体は微生物によって分解され、植物たちの栄養にもなっていきます。

 そうやって循環していく環境は、進化の途上でうまく自然界でシステム化されています。

 人間の工業的な営みが、その循環の輪の中に組み込めるようなことができないだろうか。
 そうやって未来に向けて解決していく必要があるでしょう。

 いろんな人たちが知恵を寄せ合う必要があるステージです。

 たのしく力を伸ばしていく子どもたちを育てていくことで、きっと環境問題も突破できるでしょう。いや、それしか道はないのだと思います。

 夏休みに向けて、それをたのしく自由研究していく子どもたちが出てくるようにサポートしてみませんか。

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たのしい科学:猫にまたたび

 ネコはマタタビという植物が大好きで、香りをかいだり舐めたりかじったりするうちに顔を擦り付けたりゴロゴロと地面を転がったりする不思議な行動をとります。マタタビに酔っている、と言われている現象です⇨https://ja.wikipedia.org/wiki/ ※wikipediaに感謝

 最近その行動がマタタビに酔っているのではない、という研究結果がでていることを知りました。岩手大学農学部の宮崎雅雄教授チームの快挙です。

 ネコはハンターですから、草むらにじっと身を伏せて獲物を狙うことは少なくありません。
 草むらには蚊が多く、刺されることは避けられません。
 それでも動かないようにしなくてはいけません。
 マタタビの中にあるネペタラクトールは蚊を近づけない作用があって、それを身体に擦りつけているのが、あのゴロゴロした行動だというのです。
 マタタビをかじることもネペタラクトールの放出量を増やすことと関係しているとのこと。

 wikipediaにこうあります。

岩手大学は2021年1月21日、科学雑誌『Science Advances』に、名古屋大学京都大学英国リバプール大学との共同研究で、ネコのマタタビ反応が蚊の忌避活性を有する成分ネペタラクトールを体に擦りつけるための行動であることを解明したと発表した。

 本研究では、まずマタタビの抽出物からネコにマタタビ反応を誘起する強力な活性物質「ネペタラクトール」を発見。さらにこの物質を使ってネコの反応を詳しく解析し、マタタビ反応は、ネコがマタタビの匂いを体に擦りつけるための行動であることを突き止めた。

 また、ネペタラクトールに、の忌避効果があることも突き止め、ネコはマタタビ反応でネペタラクトールを体に付着させ蚊を忌避していることを立証した。ネペタラクトールは、蚊の忌避剤として活用できる可能性があるとしている[19][20][21][22]

 この研究チームによる2022年6月の発表によると、マタタビ反応で葉を噛むことにより、葉からの蚊の忌避物質(ネペタラクトールとマタタビラクトン類)の放出量が10倍以上に増えることも判明した[23]

 なるほど・・・

 ネペタラクトールはネコさんたちの身体に害はないようです、今度試してみようと思います。

 もしかすると、すでに人間の虫除けスプレーにも利用されているかもしれません。それはみなさんで自由研究してみてください!

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国内で年賀状が5月に届く場所?/開高健〈白いページ I 〉

「一年の半ばちかくが雪に埋もれているので、年賀状が五月になってからやっと届く場所があるんだって」という話を何人かの友人たちにしたことがあって、ほぼ「それはないない、南極でももっと早く届くんだから」という反応なのだけど、開高健(かいこう たけし)の『白いページ I』の始まりの章にこう記されています。

 昭和四十五年の六月、七月、八月、私は仕事をしようと思って新潟県の山奥の銀山湖畔で暮した。ここは水道も、ガスも、電気もなく、一年の半ば近くが雪に埋もれるので、年賀状が五月に配達されるというような聖域である。

  昭和45年の話です、今は道路状況も交通手段も格段に改善されているので、もう、そういうことはないのでしょう。

 最近気になって新潟の〈銀山湖畔〉の様子を調べてみると、4月後半から5月の景色が載っていました、さすがにこれはすごい・・・
  いくら道路状況がよくなっても正月に年賀状が届くというのは厳しいような気がします。

https://www.tripadvisor.jp/LocationPhotoDirectLink-g1021357-d12437903-i259067292-Lake_Ginzan-Uonuma_Niigata_Prefecture_Koshinetsu_Chubu.html

 いつまでも残しておきたい景色です。

 開高健は「ここで私は超一流品と呼べるような水を飲んだ」と、見事な文章で表現しています。

ピリピリひきしまり、鋭く輝き、磨きに磨かれ、一滴の暗い芯に澄明さがたたえられている。のどから腹へ急転直下、はらわたのすみずみまでしみこむ。脂肪のよどみや、蛋白の濁りが一瞬に全身から霧消し、一滴の光に化したような気がしてくる。

 飲んだ水について、これ以上の表現をわたしは知りません。

 いつかチャンスをつくって私も雪の銀山湖畔に行こうと思っています。

 本を読むたびに、行ってみたい場所が増えていきます。

 みなさんが本に登場する場所で、行ってみたいところはどこでしょう。

 開高健の『白いページ』はおすすめのエッセイ集です、おすすめします。

https://amzn.to/3UayNwO

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長く生きるほど人生はより美しくなる/映画「人生フルーツ」より=たのしいものの見方・考え方

 たのしい教育メールマガジンでだいぶ前に紹介した『人生フルーツ』という映画があります。作品の中に出て来た言葉がずっと心に残っていて、やっと最近腑に落ちるようになってきました。今回は「たのしいものの見方・考え方」をお届けします。
 このサイトは「朝一番、学校で子どもたちに話したくなる」「帰ったら家族に話したくなる」というので毎日開いてくださる皆さんがたくさんいます。
 たとえば今回の話は、子どもたちにはあまり関係ないと感じる方がいるかもしれません。
 でも、たとえば「ねぇ、帰ったら、おばあちゃんとかおじいちゃんとか、お母さんやお父さんに話してみたらいいよ」っていって伝えたらよいと思います。
 このサイトの記事のほとんどは、子どもたちにも伝わるものだと思って書いています。

 人生フルーツは、建築家・津端修一さん(90歳)と三つ下の奥さん 英子さん日々を綴った作品です。

 自然と親しみながら穏やかに過ごす二人の様子をぜひ映画で味わってください、沖縄では時々「シアター・ドーナツ(沖縄市一番街)」で上映してくれています。

 修一さんはかつて大学のボート部の部長だったというバリバリのスポーツ系なのですけど、作品の中ではとても静かな雰囲気で、英子さんはシャキシャキした小気味良いおばあちゃんです。

 話はそれるのですけど、ずいぶん前にチャーミーグリーンというキッチン洗剤のコマーシャルがあって、その中でおじいちゃんとおばあちゃんが手をつないでスキップしながら道をゆくシーンが大好きでした。
 この映画をみて「え、もしかして、あのチャーミーグリーンのモデルをしていたのが秀一さん英子さんだったの?」と思ったくらいチャーミングです。
 調べてみたら違ってました、修一さんが「コマーシャルに出よう」というわけないか。

 この作品の中に「長く生きるほど、人生はより美しくなる」という言葉が出て来ます。

 調べてみるとアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトの言葉でした。修一さんはその影響を受けた先生から建築学を学んでいます。

 ところで、長く生きていると、人生はより美しくなっていくのでしょうか。

 みなさんはどう思いますか?

 

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 長く生きれば人生は美しくなるかなぁ・・・ そうかなぁ?

と考えるのは私だけではないでしょう。

 原文と違う和訳はよくみられるので調べてみましょう。

The longer I live the more beautiful life becomes.
               Frank Lloyd Wright

 

「I live 」、一般的なこととして語っていたわけではなく、意味的には「長く生きるほどに、私の人生は美しくなっていく」という言葉です。

 一般的にいえないにしても、確かに子どもの頃感じることができなかったものごとの美しさを、年を経て感じることができるようになってきたのは事実です。

 楽しさもどんどん増えていきました。

 若い先生たちに「年をとっていくというのはいいもんだよ、若い時は〈こいつは指導できる〉と思って、上の人たちがどんどん指導してくるけど、年を経ていくとそういう指導はなくなってくるから」と語ったことがあります。

 長く生きるほど、たのしさが増えていく。
 美しいものが増えていく。

 そういう人生を過ごす子どもたちをたくさん育てていきたいと思います。

 

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