楽しいおりぞめが島をかけめぐる@楽しい福祉&教育

〈たの研〉でいろいろなプログラムを学んでいるA先生から、離島で子どもたちと楽しんでいる様子が届きました。

 おりぞめをたのしんで、オリジナルうちわづくりにも挑戦したとのこと。

 面白いデザインがたくさんできあがっていて、子どもたちも自慢気です。

 おりぞめでうちわをかざります。

 花火や文字をデザインした子もいます。

 たのしい教育プログラムは、つらい授業に耐えてもらうために、時々息抜きで取り入れるものではありません。
 たのしい教育プログラムそのものに深い価値があり、そこから子どもたちの可能性がどんどん伸びていきます。

 おりぞめを学びたい方は、〈たの研〉にお問い合わせください。
 何も持たずにきていただいてもたのしめるように準備してワークショップを開催することができます。

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楽しい教育&福祉「ガリレオはピサの斜塔から二つの物体を落下させたのか?」

 楽しい福祉&教育のメールマガジンはおかげさまで大好評です。興味のある方はお申し込みください。
 今週紹介した内容の一つを読んで、ある先生から「これまで間違って教えていた」という反省を含めて少し長いたよりをいただきました。

 教師に限らずわたしたちはたくさんの間違いを犯します。
 それから逃げずに責任をとる道はたくさんあります。

 一つは、間違って教えた何十倍何百倍の子どもたちに、正しい知識を教えてあげることです。巡り巡って、かつての教え子たちに、正しい知識がとどく確立があがるでしょう。

 さて、その先生がたよりをくれたのは四番目の「発想法の章」についてでした、少し切り取って紹介しましょう。

 仮説実験授業研究会代表、文科省教育研究所の室長『板倉聖宣』先生がNHKの『日曜喫茶室』という番組で絵本作家の『安野光雅』さんと語った時の話です。安野さんは大好きな作家で、板倉先生は〈たの研〉初期からのとても大きな応援者です。

板倉:

科学というのは、実験が決め手です。

だからその実験が一つだけだったら何が何だかわかんなくなりますけどね。系統的に繰り返していけばちゃんとした理論がわかるようになるでしょ。
安野:

板倉さんね、話がこの先どうなるかわからないし、聞きそびれちゃいけないから、どうしてもひとつ聞いておきたいことがあるので今いいですか?


 実はこの間。あのガリレオのピサの斜塔へ行ったんですよ。ピサの斜塔の落体実験というのはあまりにも有名ですよね。「重いものと軽いものを一緒に落としても同時に落ちる」という実験をしたと。私は「ピサの斜塔は傾いているから、上から落とせば簡単だからいんだろうな」と思って、やってみようとしたんですね。そしたらね、そこにいる担当官が「ガリレオは外側に落としたんじゃない」と言うんですね。ピサの斜塔というのは、円筒なんですね。中ががらんどうでドカンみたいなんです。それで、その担当官が「中で火を燃やして、真空にして、それで上から中に落とした」と言うんです(笑)。


 私が「そんなこと何に書いてあるのか」と言うと、「ちゃんとガリレオの本に書いてありますよ」と言うわけ。じゃあ何に書いてあるのかと思って「天文対話」にでも書いてあるのかなと思って調べてみても書いてないわけですよ。それで、その真のほどを、ぜひ専門家の板倉さんにと思って。
板倉:

私は元々の専門がガリレオです(笑)。

ピサの斜塔の話はすごく有名でいろんな尾鰭がついているんですね。ピサの斜塔にたくさんの反対派のエライ学者を集めて、いまだったらテレビで放映するような段取りをしてね。それでみごとに実験してガリレオが勝利言を出したというふうに言い古されていたりしているんですね。
 しかし、こういうことはふつうの人だけでなく科学史家もヒマがないから調べていないんです。ところが、確かクーパーという人が、この人はアメリカ人で英文学の歴史が専門なんですが、何かの関係でそのことが気になったんですね。
 それで、あらゆる文書を調べてみて、文書的にはそういう記録はどこにもないということを確かめたんです。つまり科学史の話とかエライ人の話というのは、みんな後から尾値がついて、大変もっともそうな話になって、単純なわかりやすい教訓話として残ってしまうんですね。

安野:

そうですね。
はかま:

「火をたいた」なんていかにももっともらしいことを言うけれど、ウソなんだな(笑)。
板倉:それは、知恵者が後からつけるんですね。ガリレオは真空が作れなかったんですよ。だって真空はガリレオさんが死んだ次の年に、ガリレオの弟子のトリチェリイーさんによって作られたんですから。

 いろいろなところで例に出るエピソードなので、みなさんの中にも、ガリレオがそういう実験をしたのだと間違っていた方がいると思います。

 教師になって、板倉先生の講演記録を読み、それが間違いだったことを知るまでは私もその一人でした。

 それにしても、ピサの斜塔の中が筒状になっているとか、その内側で実験したという説は知らなかったな。間違いは独自に尾鰭がついて広がっていくわけです、SNSのデマ拡散のようなものですね。

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楽しい福祉&教育「こどもの事故事例」を学んでおくことはとても大切/全国農協観光協会「ふるさと夢学校 安全管理マニュアル作成のポイント」は優れもの

 最近ある教頭先生からの相談が来たとき、全国農協観光協会がまとめた、「ふるさと夢学校 安全管理マニュアル作成のポイント」という冊子を紹介しました。

 〈たの研〉が企画するアクティブな活動の企画の時でも時々この冊子を開きます、安全に関するものをかなり実践的にまとめたすぐれものです。

 

 相談のあった教頭先生に紹介したのは、2つの事故事例の裁判の内容です。長いので一つにしておきます。

2 事故・トラブルのケース
事故の判例は,指導者が何も注意を与えていなかったのではなく,事前に注意を与えていたが,その行為の時点で注意を与えるなどの安全管理を行わなかった場合に争いになるケースが多くみられます。

【事案】~事前に注意を与えていただけでは足りない~
市立小学校4年生の児童が,教室の清掃の際に,ガスストーブのゴムホースに足をとられて転倒し、ストーブの上にあった金ダライの熱湯をあびて受傷した事故につき, 担当教諭に過失があるとされ、 市が敗訴した事案(京都地裁平成6年4月18日)(判例タイムズ891号 112頁)

【事故態様】
教室の清掃のため児童らが一斉にそれぞれの机と椅子を後ろに下げていたところ,本件児童は,椅子を机の間に入れたまま,体を後ろ向きにして机の両端を持って引きずって後ろに引いて行ったところ, ストーブのホースに乗り上げて体がストーブの方向に倒れ, ストーブ上にあった金ダライが落ちて熱湯を右背中に浴びた。
【判旨】
(確かに)
①同小学校では,毎月1回,安全指導の時間があり、12月には「冬の安全」として, ストーブを使うときの注意事項についての指導が行われていたこと。
②またストーブの使い方については, ガスストーブが各教室に配られる際に学校側からB4くらいの色画用紙に,気をつける事項として,「教室で暴れない。ガスの元コックとかスイッチをさわらない。 燃えるような物を近づけない。」などの注意書が配られ,これは教室に貼られていたこと。
③日常の生活でもA教諭が危険と認識したときはその都度児童に声をかけていたこと。
④本件ストーブの周りには,児童が近付かないように,チョークで一定範囲の四角を書いたり,ナイロンテープでくくったりしており,チョークが消えたりしたときは,書き足していたこと。
⑤これまで,同小学校では同種の事故が発生したことはないこと,を認めることができる。
  ↓
しかしながら,…多数の児童が往来する教室の中央部に,熱傷を生じる程の湯が入った金ダライが置かれたストーブが置いてあり,しかも,ガスホースが教室内を横切っているという状況のもとで、教室の清掃活動のため児童らが机・椅子を移動する際には,児童が無意識にこれに足を引っかけ,金ダライの熱湯をかぶる事故が生じることは十分予見可能であると認められ, 右事故の発生を未然に防止するため,学校として安全柵を設けるか,又は担任の教諭がストーブの本体,ホース若しくは金ダライを予め移動しておく等の安全配慮義務を被告側に課したとしても特段不合理な義務を被告側に課したものと考えることはできない。
  ↓
本件ストーブの周囲に安全柵が設けられていない本件状況のもとでは、担任の教諭としては,児童らに掃除作業を命じるに際し,本件ストーブ, ストーブのゴムホース又は熱湯の入った金ダライをまず別の場所に移した上で,児童に対し,机や椅子の移動作業をさせるべき安全配慮上の注意義務があったところ,同教諭は右義務に違反し,漫然とストーブ上に熱湯の入った金ダライを置いたまま,掃除のための机及び椅子の移動作業を児童らに行わせた過失がある。
ただし,児童に2割の過失あり。

【コメント】
上記のような子どもの行動を予測できるかは争いがあるでしょうが、裁判所は上述のように予見すべきと捉えています。また,事前に注意を与えていただけでは足りず、行為の時点で安全管理を実践すべきことを求めています。
ストーブやゴムホースを別の場所に移動することは現実的であるかは疑問ですが,少なくとも,熱湯の入った金ダライを別の場所に移動させておくべきであったと考えられた事案です。
研修会などでは,この事案を読んで,アンケートをとると,当然に予測すべきと考える方々と酷だと考える方々とに分かれます。それ故,裁判でも最後まで争われています。
上述の裁判所の考え方を知っておくことはとても大切です。
また, 安全管理マニュアルにおいて,「危険な物は予め排除・移動しておくこと」などと書かれていることもあると思いますが,その具体的な意味をこの裁判例を通じて噛み締めていただければと思います。

 子どもたちとアクティブな活動をするみなさんには一読をおすすめします。

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新しい書籍「シネマの扉を」に書いた アニメ監督〈細田守〉

「シネマの扉を(仮題)」の原稿がすすんでいます、今月中には出版の計画です、映画好きの方は楽しみにお待ちください。
 本の後半にアニメ作品「サマー・ウォーズ」を取り上げました、細田守監督作品です。

 本は〈たのしい教育メールマガジン〉に書いた記事を基本にしているので、その頃書いた文章を紹介します。

☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆

 私は最近、その細田監督に凝っています。
 TV番組の「トップランナー』『プロフェッショナル 仕事の流儀』などに出演している彼の映像を観ることができます。

wikipediaに感謝して引用

細田守(ほそだまもる、1967年9月19日~)は、富山県中新川郡上市町出身のアニメ監督、アニメーター

 彼は『プロフェッショナル 仕事の流儀』の中でこう語っています。


「小学校低学年の頃、どもりというか、今もあるんだけど ちょっと言語障害があって、小学校の低学年の時から特殊学級(特別支援学級)に行ってたんですよ。言いたいことがなかなか言いづらかったりとか、というような子どもだった」
「こいつらとは一瞬でも(一緒に)いたくないと思ってた。それこそまさに居場所がなくなって、ってやつでさ クラスの中に」

 番組8分くらいあたりで、黙々と絵コンテ作業を続けながら語ったこの言葉で、細田守にグイと惹きつけられてしまいました。

「映画ってさ、イエーって感じで人生を謳歌してる人のものじゃないと思うんだよね。むしろ、くすぶってる人のためのものだと思うんだよね、自分も含めてさ。
 〈世の中、もっと面白いよ〉とかさ〈これから生きていると、何かいいことあるかもよ〉とかさ、〈体験するに値するようなことがあるよ〉ってことを…」

 学校になじめなかった細田守は、その頃、母親がみせてくれた、宮崎駿の『カリオストロの城』に感動し、その後アニメーターを目指すことになります。

 自分でいろいろな作品を作りながら、憧れのスタジオ・ジブリの入社試験を受けます。
 ところが結果は不合格。

 その後「東映アニメーション」で才能を発揮し、ジブリから逆指名で「ハウルの動く城」の監督に抜擢されます。

 しかし結果的にうまくすすまず、プロデューサー(おそらくジブリの鈴木さん)から「細田くん、これはもう無理だね」と告げられることになります。

 細田さんは「2002年4月21日のことです」と、鮮明な記憶をもとに語っていました。作品は結局、宮崎駿が監督をすることになりました。

 東映に戻ったものの、周りから「細田は終わった」と言われながら過ごし、結果的にフリーになる道を選びます。
 波乱万丈の人生です。

 子どもの頃のハンディや、社会に出てからのこういう挫折を経た細田監督が送り出す作品は、不思議なことに、明るく元気の出る作品です。
 フリーとなった一作目のアニメ 筒井康隆原作『時をかける少女』が高い評価を受けました、カラッとした面白い作品です。いろいろあってもさすが実力は輝いてくるんですね、よかった。

 原稿はまだ続くのですけど、ここまでにしておきましょう。

 特別支援クラスから日本を代表するアニメーターになった細田さんに、特支クラスの先生向けの講演をしてほしいなぁ。
 たのしい教育の視点で、いろいろな先生たちや保護者の方たちが元気になるような話にコーディネートする役が必要なので、それは私が担当しましょう。
 沖縄の特支の団体がお金を出してくれたらいいのだけどな ´ー`)

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