憧れの埴沙萠(はに しゃぼう)さん その②最後の言葉/胞子の舞い

 埴沙萠(はに しゃぼう)さんは写真家です。去年、埴沙萠さんの日々を追った番組のDVDを紹介しました、すでに他界しているのですけど、その去り際の言葉もたのしいものでした、少しだけ読みやすくして紹介します。

 私、埴沙萠は85年住み慣れた娑婆を後にして、2月23日にこちらの岸へとやってきました。

 途中三途の川の渡しで、船頭をやっていた赤鬼青鬼と仲良くなって、いま河原で酒盛りをはじめたところです。

 鬼たちは、ちょっと見はコワモテですが、意外と気が小さ くて「最近は渡し賃を値切る亡者がいて」なんてぼやいています。

 あれっ、いま閻魔さんからメールがきました。

 なんでも針の山のようなシャボテン公園を作って欲しいとのことです(笑)。

 一足お先にこちらの岸にやってきましたが、みなさんもそのうちこちらにお越しの際は、ぜひ埴沙萠をお訪ねください。一献やりましょう。

 埴さんはわたしのような原子論者かもしれないのですけど、こう書くと、残された人たちはほんの少し安心してくれるのでしょうね。それが宗教だったりあの世信仰が存在する意味なのでしょう。

 話をもどして、埴さんの生き方は、私の憧れの一つです。

 後半は身近な植物たちを追い続け、「足元に小宇宙がある」という言葉とともに、たくさんの写真を発表しています。

 残念ながら、毎日更新していた埴さんのサイトは埴さんの他界の後、閉鎖されてしまいました。復活していただけないかなぁ。

 埴さんの作品には心動かされるものがたくさんあります。

 その一つがキノコ類の胞子の舞です。これは埴さんの「きのこ/ポプラ社2011」という写真絵本の中にある、胞子の舞いです。

 キノコの胞子が舞っています。

 最近、寺田寅彦の「茶碗の湯」の授業プログラムをつくるために、水蒸気の粒の写真を撮りました。その時の水蒸気のようです。

 あのヌルヌルとしたナメコからも胞子がたくさん出ています。

 なんと、スーパーで売られているシイタケなどからも、胞子の舞いをみることができるそうですよ。生き物たちの不思議な魅力を、たくさんの子どもたちに味わってほしいと思っています。

 今度の夏の講座の自由研究プログラムの中に生き物シリーズがいくつか準備されています、参加する皆さんはおたのしみに。

 埴さんの「きのこ」の本はこちらから⇩

https://amzn.to/4bVhCVQ

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楽しい自由研究=これは何でしょう?/たのしい環境教育

 愛車の定期メンテナンスで少しの間、時間ができて、パソコンを手に近くの喫茶店へ向かいました。散歩するには暑すぎる日々だけれど、近くでみたいところがあったので、遠回りして歩いてみました。

 みなさん、これ何だかわかりますか?

 パッと気づく人もおおいかもしれません、〈たの研〉には先生が多いので、教材で利用した人もいるでしょう。でも一見ではわからない人たちもいるでしょう。

 とても身近にあるものたちの、その後です。

 飲み物の空き缶たちです。

 〈たの研〉には自由研究についての相談や依頼がいくつも届きます。

 捨てられていくゴミの行方を追う、というのも、たのしい自由研究になると思いますよ。

 これはYouTubeにある空き缶リサイクルの流れです。
 参考になると思います。

 

 リサイクルはよいことだというのが一般常識とはいえ、こうやってリサイクルの流れを追っていくと、空き缶を再利用するために、たくさんのエネルギーが必要になることがわかります。

 一度使ったものを解(と)かしたり加工したり移動したりせずに、飲みものをたのしむことができたら、こんな無理なことは減っていくでしょう。

 缶や500mlタイプは購入せず、スーパーなどで大きなボトルを手に入れて、家で自分専用のボトルに入れて利用する機会を増やしていく、というのも一つの方法です。

 この頃は2日後も中の氷が溶けないボトルも出てきています。電気を利用しないわけですから、環境にとってもとてもよいことになります。

 わたしはこれを使っていて、残念ながら非売品です⇨

 コンビニや自販機で買うものより、ずっと冷たく呑めるので、コーヒーにしろカフェオレにしろ、スポーツ飲料にしろ、とにかく美味しい。

 散歩の時なども身体を中から冷やしてくれます。

 みなさんも冷却力が優れたボトルを手に入れて、好きな飲み物をたのしんでみませんか。

 このボトルの原理を家づくりに利用すると、エアコンの消費量をグッと抑えた部屋を作ることができることになります。暖房の時にも同じく電気や灯油などの消費を押さえた部屋になるでしょう。住宅メーカーの方、たのしい教育への寄付金でこのアイディア買ってくれませんか(´ー`

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「読みたい人」ではなく「読んでくれる人!」@たのしい教育の発想法

 週一回配信している「たのしい教育メールマガジン」の読者はおかげさまでいろいろな県にひろがっています。地味なのに人気があるのが『たのしい教育の発想法』です。紹介したいことに溢れていて、ボリュームの関係でメルマガからはぶいた内容がとてもたくさんあります。
 ここで少し紹介させていただきます。

 1989年1月14日

仮説実験授業の運営法に関して
「そんなの常識じゃないか」「非常識な人もいたもんだ」というような会話を廃止するための研究会

という不思議なタイトルの講座が開催されました。仮説実験授業研究会の初期には、こんな個性的な研究会がいろいろ開かれていました。

 その中で語られた板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学学会会長/たのしい教育研究所 初期から支援者)の話です。私いっきゅうの再校正・編集でお届けします。

中学校教師Oさん

授業書の問題を「読みたい人?」というと、中学生はほとんど手を挙げてくれません。

板倉聖宣

「読みたい人」という言い方をするの?
 私は「読んでくれる人?」だと思うんだけど。

「読みたい人」とは全然違う。

 相当積極的な子じゃなかったら「読みたい!」なんて言わないもの。


Oさん

 順番で読ませていくのもあまりよくないと思う。読むのがすごくしんどいという子もいるので・・・


板倉聖宣

 学校の先生でも読むのをすごくイヤがる人がいるくらいだからね…

 読むという行為は、慣れた人にはストレスのないものでも、子どもたちの多くは練習過程です。国語の本など、習ったことのない漢字や語句が出てくるのが普通ですから。

 たのしい教育の中でも、そのあたりのことをしっかり考えておく必要があります。

 板倉聖宣は教師ではありません、でもこういう感覚は研ぎ澄まされていて、教師一年目からとてもたくさんのことを教えてもらいました。もしかするとそれは「子どもの感覚を忘れていない」ということではないかと考えています。

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 たのしい教育の発想に関してはまずこの本をおすすめします、『たのしい授業の思想』です。短いまとまりになっているので、どの項から読んでもOKです。
 おっとAmazonで300円くらいで出ています、送料込みでも500円台です。早い者勝ちですね(2024-07-13 11:44現在)。

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〈たのしい教育研究所〉夏の講座2024に参加希望のみなさまへ

 おかげさまで〈たの研/たのしい教育研究所〉の夏の講座は大人気で、すでにキャンセル待ち受付に入っています。

 少し探せば、企業や自治体などの無料講座が巷にたくさんあります。〈たの研〉の講座は映画料金ほどの参加費が必要になります(ひとり親世帯ほか経済的な事情のある方への参加費わり利引き制度もあります)。それなのに数日でSOLD-OUTとなります、とてもありがたいことです。ちなみに費用は全て持ち帰りを含む教材費や保険、会場費、その他雑費などに利用されていて、それを企業団体が支えてくれているおかげで、今の費用で実施することができます。

 リーフを配布して4日程度では、はじめに準備していた席が埋まってしまい、急遽、会場との確認調整で枠を増やすことになったのですけど、それもすぐに埋まってしまいました。

 そこで授業者とスタッフが揃って授業全体の流れを確認し、〈たの研〉の体験型の授業のたのしさをたもったまま開催できるように会場設定の構造を大きくかえて、さらにスタッフを増やし、参加者を受け入れられるようにしました。

 それもしばらくすると満杯となり、残念ながら、現在は3回目のキャンセル待ち受付の段階となりました。
 心苦しいのですけど、一方向型ではなく〈体験型でこそ味わってもらえるプログラム〉であること、参加者の満足度&授業メンバーが自分のプログラムをたのしく充実して展開できるための判断です、ご了承ください。

 広報のルーティーンとしてキャンセル待ちで入れなかった皆さんには、次回の講座を少し早目にお知らせすることになっています。

 たのしい教育に興味関心を持ってくださっていること、心から感謝いたします。

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 少しずつこのコーナーも支持を高めてきています。活字中毒を自称するほど本が大好きだった私いっきゅうが、これまでの推定読書量数万冊の中から、その日の記事に関わるもので「これは読者の方たちにもおすすめ」だという本を紹介しています。

 今回は〈体験型〉ということでこの本を紹介します、親子で一緒に実験しながらたのしむことができる科学絵本の名作です⇩

https://amzn.to/3Wiz1TL

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