おたまじゃくしをたのしく育てる@楽しく環境教育

〈たの研/たのしい教育研究所〉の夏のプログラムには『生き物を育ててたのしむ自由研究』のプログラムかがあります。数回前に「沖縄でこんなにオタマジャクシをみつけにくいことになったこと」を書きました。その後「本部にたくさんいますよ」「名護でみつけました」「小さいけど、学校の池にいます」「南部に小エビをみつけました、オタマジャクシもいましたよ」という声がいくつも届きました。ありがとうございます。

 ということで、数日前から〈たの研〉では5つの水槽に何百匹のオタマジャクシが元気に過ごしています。

 何事もたくさんの準備をしなくては臨めないというタイプの人たちもいます。生き物を育てる時にも、細かい情報をたくさん教えられてめんどうになったり、逆にいいかげんな情報で失敗した経験のある人もいるでしょう。

 人間が品種改良して商品化してきた生き物は弱いタイプが多いのが普通です。けれど自然の状況で過ごしている生き物たちはタフです。とはいえ、シャケなどのように移動型の生き物を育てるのは難しいでしょう。オタマジャクシは限られたスペース、小さな池で過ごしますから、かなり育てやすい生き物だと考えてよいでしょう。

 これは〈たの研〉で育てているオタマジャクシの一つの容器です、ここではあえて密集させて育てています。4日経っても1匹も弱っていません。

 難しいコツがあるわけではありません、〈たの研〉版のポイントを書きましょう。

 長年学校にいましたから、夏休みの自由研究でオタマジャクシを育てたりする、学校の池にいるオタマジャクシを家に持って帰る子どもたちもいました。その子たちとのやりとりで、失敗してしまう大きな要因は、この二つだと考えてよいことがハッキリしました。

1.食べ物
 若い先生たちにリサーチすると、オタマジャクシを育てたことのある人はとても少ないのですけど、「オタマジャクシは雑食性だ/たいていのものは食べる」という知識はあるようです。
 そこから「何でも食べるから楽に育てられる」と考える人もいるでしょう。

 けれど、雑食性だということは肉食でもあるということです。
 食べ物がなくなってくると、お互い同士ですごいこと(表現自粛)になります。

 なので食べ物は十分にあたえる必要があります。

「水が汚れるから必要量で」とか「パンくずやお菓子の粉などは匂いも出てくるから、少量で」というように考えていると、怖いシーンをみることになるでしょう。
 おすすめは、ホームセンターなどで、オタマジャクシの食べ物を購入することです、水を汚しにくいつくりになっています。メダカ用など小さな魚の食べ物ならOKです。

 6割くらいのオタマジャクシたちの食べる行動、水面でとどまつて、口をパクパク動かす行動がおさまるまで、何回かにわけて落としてあげてください。

 これは〈たの研〉のオタマジャクシたちに食べ物(粉状)をあげているところです。みんなが集まってパクパク食べています。食べ物が少なくなってきても、探しているようなら、また同じくらい落としてあげます。

 

2.水を換える時はどうするか?
「水換えには池や川などの水を利用する必要がある」と考えている人もいます。
 それが面倒だったり、あぶないと考えてずっと水換えせず、オタマジャクシを弱らせてしまうことがあります。
 浄水場から直結ではなく、一旦、屋根などにタンクにためて、そこからそれぞれの水道に来るタイプなら塩素がぬけている可能性があるので、そのまま利用することができます。
〈たの研〉では実験的に〈タンクからくる水〉を使って〈1日2回の水換えを連続三日間〉繰り返してみたのですけど、弱ったオタマジャクシは1匹もいませんでした。〈たの研〉ではph試験紙で塩素が残っているか確認できるのですけど、不安な時には紙コップなどに水道水を入れて1~2匹のオタマジャクシを移し、弱っていく感じがしたら、すぐに大きな水槽にもどしてあげるという方法でも確認できるでしょう。

 一般的には、塩素(カルキ)をぬく液もホームセンターなどで売られていますから、それを使うとよいでしょう。

https://amzn.to/3WAODlP

 ホームセンターでは小さなボトルのタイプもあります、100均でも扱っています。

 カエルになったら売られている食べもので育てるのは難しいので、池や川に返してあげましょう。

 

自然保護・環境保護は知識より体感

 環境保護とか自然を大切にするということを知識として伝えることより、子どもの頃、生き物に親しんでいる人たちを育てていくことの方がずっと大切なことだと思います。もちろん大人になってからアウトドアに親しむことでも遅くはありません。

 たのしい環境教育の一つの手立てとして、オタマジャクシを育ててカエルになるまでをみていきませんか。

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!

憧れの埴沙萠(はに しゃぼう)さん その②最後の言葉/胞子の舞い

 埴沙萠(はに しゃぼう)さんは写真家です。去年、埴沙萠さんの日々を追った番組のDVDを紹介しました、すでに他界しているのですけど、その去り際の言葉もたのしいものでした、少しだけ読みやすくして紹介します。

 私、埴沙萠は85年住み慣れた娑婆を後にして、2月23日にこちらの岸へとやってきました。

 途中三途の川の渡しで、船頭をやっていた赤鬼青鬼と仲良くなって、いま河原で酒盛りをはじめたところです。

 鬼たちは、ちょっと見はコワモテですが、意外と気が小さ くて「最近は渡し賃を値切る亡者がいて」なんてぼやいています。

 あれっ、いま閻魔さんからメールがきました。

 なんでも針の山のようなシャボテン公園を作って欲しいとのことです(笑)。

 一足お先にこちらの岸にやってきましたが、みなさんもそのうちこちらにお越しの際は、ぜひ埴沙萠をお訪ねください。一献やりましょう。

 埴さんはわたしのような原子論者かもしれないのですけど、こう書くと、残された人たちはほんの少し安心してくれるのでしょうね。それが宗教だったりあの世信仰が存在する意味なのでしょう。

 話をもどして、埴さんの生き方は、私の憧れの一つです。

 後半は身近な植物たちを追い続け、「足元に小宇宙がある」という言葉とともに、たくさんの写真を発表しています。

 残念ながら、毎日更新していた埴さんのサイトは埴さんの他界の後、閉鎖されてしまいました。復活していただけないかなぁ。

 埴さんの作品には心動かされるものがたくさんあります。

 その一つがキノコ類の胞子の舞です。これは埴さんの「きのこ/ポプラ社2011」という写真絵本の中にある、胞子の舞いです。

 キノコの胞子が舞っています。

 最近、寺田寅彦の「茶碗の湯」の授業プログラムをつくるために、水蒸気の粒の写真を撮りました。その時の水蒸気のようです。

 あのヌルヌルとしたナメコからも胞子がたくさん出ています。

 なんと、スーパーで売られているシイタケなどからも、胞子の舞いをみることができるそうですよ。生き物たちの不思議な魅力を、たくさんの子どもたちに味わってほしいと思っています。

 今度の夏の講座の自由研究プログラムの中に生き物シリーズがいくつか準備されています、参加する皆さんはおたのしみに。

 埴さんの「きのこ」の本はこちらから⇩

https://amzn.to/4bVhCVQ

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!

楽しい自由研究=これは何でしょう?/たのしい環境教育

 愛車の定期メンテナンスで少しの間、時間ができて、パソコンを手に近くの喫茶店へ向かいました。散歩するには暑すぎる日々だけれど、近くでみたいところがあったので、遠回りして歩いてみました。

 みなさん、これ何だかわかりますか?

 パッと気づく人もおおいかもしれません、〈たの研〉には先生が多いので、教材で利用した人もいるでしょう。でも一見ではわからない人たちもいるでしょう。

 とても身近にあるものたちの、その後です。

 飲み物の空き缶たちです。

 〈たの研〉には自由研究についての相談や依頼がいくつも届きます。

 捨てられていくゴミの行方を追う、というのも、たのしい自由研究になると思いますよ。

 これはYouTubeにある空き缶リサイクルの流れです。
 参考になると思います。

 

 リサイクルはよいことだというのが一般常識とはいえ、こうやってリサイクルの流れを追っていくと、空き缶を再利用するために、たくさんのエネルギーが必要になることがわかります。

 一度使ったものを解(と)かしたり加工したり移動したりせずに、飲みものをたのしむことができたら、こんな無理なことは減っていくでしょう。

 缶や500mlタイプは購入せず、スーパーなどで大きなボトルを手に入れて、家で自分専用のボトルに入れて利用する機会を増やしていく、というのも一つの方法です。

 この頃は2日後も中の氷が溶けないボトルも出てきています。電気を利用しないわけですから、環境にとってもとてもよいことになります。

 わたしはこれを使っていて、残念ながら非売品です⇨

 コンビニや自販機で買うものより、ずっと冷たく呑めるので、コーヒーにしろカフェオレにしろ、スポーツ飲料にしろ、とにかく美味しい。

 散歩の時なども身体を中から冷やしてくれます。

 みなさんも冷却力が優れたボトルを手に入れて、好きな飲み物をたのしんでみませんか。

 このボトルの原理を家づくりに利用すると、エアコンの消費量をグッと抑えた部屋を作ることができることになります。暖房の時にも同じく電気や灯油などの消費を押さえた部屋になるでしょう。住宅メーカーの方、たのしい教育への寄付金でこのアイディア買ってくれませんか(´ー`

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!

「読みたい人」ではなく「読んでくれる人!」@たのしい教育の発想法

 週一回配信している「たのしい教育メールマガジン」の読者はおかげさまでいろいろな県にひろがっています。地味なのに人気があるのが『たのしい教育の発想法』です。紹介したいことに溢れていて、ボリュームの関係でメルマガからはぶいた内容がとてもたくさんあります。
 ここで少し紹介させていただきます。

 1989年1月14日

仮説実験授業の運営法に関して
「そんなの常識じゃないか」「非常識な人もいたもんだ」というような会話を廃止するための研究会

という不思議なタイトルの講座が開催されました。仮説実験授業研究会の初期には、こんな個性的な研究会がいろいろ開かれていました。

 その中で語られた板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学学会会長/たのしい教育研究所 初期から支援者)の話です。私いっきゅうの再校正・編集でお届けします。

中学校教師Oさん

授業書の問題を「読みたい人?」というと、中学生はほとんど手を挙げてくれません。

板倉聖宣

「読みたい人」という言い方をするの?
 私は「読んでくれる人?」だと思うんだけど。

「読みたい人」とは全然違う。

 相当積極的な子じゃなかったら「読みたい!」なんて言わないもの。


Oさん

 順番で読ませていくのもあまりよくないと思う。読むのがすごくしんどいという子もいるので・・・


板倉聖宣

 学校の先生でも読むのをすごくイヤがる人がいるくらいだからね…

 読むという行為は、慣れた人にはストレスのないものでも、子どもたちの多くは練習過程です。国語の本など、習ったことのない漢字や語句が出てくるのが普通ですから。

 たのしい教育の中でも、そのあたりのことをしっかり考えておく必要があります。

 板倉聖宣は教師ではありません、でもこういう感覚は研ぎ澄まされていて、教師一年目からとてもたくさんのことを教えてもらいました。もしかするとそれは「子どもの感覚を忘れていない」ということではないかと考えています。

⇩☆⭐︎⭐︎☆⭐︎ たのしい本の紹介・たのしいブックレビュー ⭐︎☆⭐︎⭐︎☆ ⇩

 たのしい教育の発想に関してはまずこの本をおすすめします、『たのしい授業の思想』です。短いまとまりになっているので、どの項から読んでもOKです。
 おっとAmazonで300円くらいで出ています、送料込みでも500円台です。早い者勝ちですね(2024-07-13 11:44現在)。

https://amzn.to/3zGjeFo

⇧☆⭐︎⭐︎☆⭐︎ たのしい本の紹介・たのしいブックレビュー ⭐︎☆⭐︎⭐︎☆ ⇧

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 「いいね」と思った方は〈SNSや口コミ〉でぜひこのサイトを広げ、応援してください!