「誰がどう考えても環境保護は大切!」という共通認識が環境保護意識を停滞させるという逆説⇨「楽しい環境教育」が突破口

 前回、環境関係の講座の案内を載せたので、その続きとして書かせていただきます。
 今年度がスタートした頃、5月か6月ごろだと思うのですけど、沖縄の南部にある自治体の方から「〈ゴミ削減〉の取り組みで教育面にアプローチしたい、何かよいアイディアがないでしょうか」という相談がありました。

 たくさんあります。

 数々のアイディアの中から、具体的な話を二つだけさせていただきました。

 話した内容は〈たの研〉の情報保護法の観点から書くことはできないのでですけど、その話の中で、相手方が真剣にうなづいたはじめが、

「どこの誰が考えても〈環境保護は大切!〉という結論に至ることが環境保護活動を停滞させている」

 という話です、「うん、この方は環境保護活動と真剣に向き合っている」と感じました。

 環境保護についての取り組みに、「え~、そうだったのかぁ~、知らなかった」という衝撃はなく、「そうそう、大切なんですよね」ということで大きく心動かされることなくすすんでいく・・・

 推進する側は「大切さを知らせることで、きっと運動を進化させることができる」と考えるのですけど、それがなかなかうまく進まない。

 ところで、環境保護が強く叫ばれるようになったのは、今からどのくらい前のことだと思いますか?

 10年くらい前でしょうか、いやいや実は5~6年前でしょうか、もしかすると20~30年前からかもしれません。もっと前だったりして・・・

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 環境保護を世界に強く訴えたのはレイチェル・カーソンの『沈黙の春』だというのが環境保護に携わる多くの人たちの共通認識です。

https://amzn.to/4feqpEt このままでは化学物質の利用が増え、鳥たちの鳴かない沈黙の春がやってくる、という警告を勇気をもって発した先駆者が科学者レイチェル・カーソン(女性)でした。『沈黙の春』は文章も優れた名著です。
「出世や権力に左右されやすい男性に比べて、女性は命を守り育てるという本能的なものがしっかりとあるのかもしれない」学生の頃いだいた私の予想は、このカーソンの本を読んだあたりから芽生えてきました。

 出版されたのは1962年、今から60年前です。

 その頃から環境保護運動はじわじわと広がっていきました。

 60年経った今、環境保護はどうでもよいという人は皆無でしょう。行政側はがんばっていろいろな改善をすすめています。

 では現時点でも環境保護の意識は高まり、取り組みは地球環境を良くする方向で進んでいるといってよいのでしょうか?

 家庭ゴミは減ったけれど、地球の温暖化は進んでいます、つまり実質上の環境保護は全体として進んでいないと言ってよいでしょう。

 海洋ゴミの問題も深刻です。

 ではこれからの環境保護活動はどうしたらよいのか?

 答えははっきりしてると思います。
 レイチェルさんの心をそのまま受け継ぎつつ、ギアを一段高くして『たのしい環境教育』にシフトしていくことです。

 「そうか、たのしくすればいいのか!」そう考える人もいるでしょう。

 考えてみてください、学校で「たのしくしたい」と考えない教師は皆無です。
 それなのに、子どもたちの不登校はどんどん増えている。そして教師はどんどんメンタル面で追い詰められて、病休をとっていく。
 どうしてか?
 楽しくしようと考えても楽しく授業する力がついて来ない。
 あるいは「ご飯にフリカケをまぶすように、ちょっとした工夫をすればよい」と甘く考えていてうまくいかない。

「楽しさ」というのは、そのテーマの本質を突き、人の心を動かすものです。
 楽しくしようと考えるのは素晴らしい出発点ではあっても、本気でその方法を学んでいかなくては、子どもたちに楽しさを伝えることはできません。

 〈たの研〉は設立以前から、楽しさを追求してきたメンバーで研究と実践を重ねてきました、その歴史は40年です。そのポテンシャルと、開発してきた教材プログラムは簡単には凌駕できないでしょう。

  環境教育の話に戻りましょう、〈たの研〉の講座などで「たのしい環境保護」をテーマにしていないのは皆無です。
 最近の自由研究の講座で大ヒットしたプログラム『キッチン洗剤の除菌・洗浄効果をあげ、使用量は激減させる方法』もその一つです。〈たのしい教育メールマガジン〉で紹介したところ、その簡単な工夫に、多くの方たちが実践してくれています。
 キッチン洗剤のコマーシャルでみる「キュッキュ」という音は、この方法で聴くことができます。
 各家庭から出るキッチン洗剤の泡が激減するので、川や海の環境にとってよいことは間違いありません。
 いずれこのサイトで紹介しましょう。

 賢くたのしく優しい子どもたちが増えていくことで、きっと地球環境も良くなります。地球環境が悪くなる一方なら、明るい未来とはいえません。
 〈たの研〉は、一緒にたのしく元気に活動をすすめてくれる方たちが1人ずつ増えていくことをたのしみに、今日も元気に活動しています。

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楽しい環境教育 ゼロカーボン・知っトクセミナー10/25(金)

〈たの研〉のある沖縄市は2050年、脱炭素社会の実現に向けて始動しています。その取り組みの一環でいろいろな活動をすすめています。

 これはその一つ、ゼロカーボン 知っトクセミナーです。

 10月25日(金)13:30~15:00 沖縄市文化プラザ 交流ホールで開催される沖縄市主催のプログラムです。

 みなさんも参加しませんか。

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やっぱり桑の木の生命力は強い@たのしい植物学

 沖縄には桑の木がとても多いのだけど、それは大正期以降の政策として養蚕を広めたときと軌を一にしています。

 生糸を作ってくれるカイコは、徹底的に桑の葉しか食べません。キャベツをあげても食べてくれません。
 同じ桑ファミリーのイチジクの葉でもダメです。

 子ども「好き嫌いが多いでしょ」という親や先生はいるのですけど、カイコとかモンシロチョウとかの昆虫類や、コアラとかパンダとか、「これしか食べません」という生物はたくさんいますから、それと比べると、好き嫌いが多いと注意されている子どもたちは何千倍もいろんな種類を食べていると思います。

 閑話休題
 桑の木は養蚕と共に広がっていったのですけど、桑の木の生命力の強さがそれをさらに加速させました。

 沖縄県うるま市の石川図書館にいった時、コンクリートの隙間からしっかりと成長していく桑の木を発見しました。

 自転車置き場の塀とアスファルトの隙間です。

 1平方cmより少し大きいくらいの隙間から、どんどん茎を伸ばしています。
 幹は1.5cmくらいなのに、葉はもう立派な大人の木くらいの大きさです。

 表面はアスファルトなので、雨の水をはじいてしまい、中に染み込む水分は少ないでしょう。夏は高温で、たいへんでしょう。

 これから、この桑の木はどうなっていくかなぁ・・・

 図書館の人に刈り取られてしまうこと考えられるのですけど、そうでないとしたら、このまま茎を太くしていくことができるでしょうか。

 それとも今の直径1.5cmくらいのままでしょうか。

 みなさんはどう思いますか。

 何をするにも予想を立てて確かめることがたのしく賢くなっていくコツです。

 予想していてくださいね。

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Googleマップがやめられない/安野光雅さんの故郷〈津和野〉をたどる

 〈たのしい教育メールマガジン〉にGoogleマップを活用した記事を書いていたら、地図フィル(地図を愛するもの)の高揚がとめられなくなって、封印していたたのしみに手を出し始めています。

 地図をたどり、Googleのストリートビューとの合わせ技で、何時間でもたのしめてしまいます。

 私が教師になったその年、体育の研修で山口県に派遣してもらいました。たまたま研修が早く終わって夜の話し合いまで時間があったので、大好きな安野光雅の生まれた〈津和野〉へ行けないかと、駅に向かいました。

 駅員さんに津和野駅までの時間を尋ねると「今出る列車に乗れば1時間くらいで行ける」とのこと、それを聞くとどうじにチケット購入&ダッシュで飛び乗ったのが、私が旅好きのスタートになりました。

 今のように便利なスマホなどありません。思いつきで飛び出したのでガイドブックなどもありません。
 太陽が傾いて、夕暮れ間近の津和野駅につきました。

 Googleストリートビューでたどってみましょう、これが津和野駅です。

 駅の向かい側に貸し自転車屋さんがあって、それを借りて回ろうかと考えたのですけど、いやいやせっかくだから自分の足で歩こうと、どこに何があるのかも知らないまま右側に進路をとりました。

 ストリートビューをみると、今も貸し自転車屋さんがありました。私がみたのがその店だったのかは特定できないのですけど、何となく位置的には同じに思えます。

 

 その時の記憶のままストリートビューでたどってみました。
 ここで私は川を渡ります、橋を渡る前のところに喫茶店があって、そこに入って店の方とおしゃべりしながら津和野の情報を仕入れました。周りをみても、もうその喫茶店はありません。

 そうやって大切な想い出をもとにたのしんでいると、2時間あっても3時間あっても足りません。

 午前中があっという間に過ぎていきました。

 次は、宮沢賢治さんの人生をたずねた時の足取りをたどってみようと思います。

 みなさんも行ってみたい場所があったら、地図&ストリートビューでたのしんでみませんか。 子どもたちにも伝えたい楽しみ方の一つです。

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