騙されない人になるために〈スピリチャルの起源はいたずら〉高橋昌一郎「反オカルト論」-特殊詐欺被害に合わないためにも

 最新号のメルマガの〈発想法の章〉で高橋昌一郎著『反オカルト論』を紹介しました、読みやすく書かれた本です。

 本のレビューにこうあります。

STAP事件は現代のオカルト!
霊感セミナー、血液型診断、江戸しぐさ・・・
現代も生き続ける〝トンデモ〟を科学的思考でメッタ斬り!

19世紀アメリカの少女の単なるイタズラから始まったとされるスピリチュアリズム。これほどまで科学の発達した21世紀の現代でもなお、「オカルト」は生き続けている。日常的には血液型占いや六曜のような迷信、祈祷治療や霊感商法、さらに「死後の世界」を煽る医師やSTAP研究不正の社会問題まで、様々に姿を変えて存在する。その「罠」に、庶民のみならず大学生やエリート、学問に携わる専門家さえも陥るのはなぜか? 現代社会にはびこる「欺瞞」に囚われないための科学的思考法を、分かりやすい対話形式で身につける。

 興味のある方は、こちらからどうぞ⬇︎

 高橋さんはスピリチャルの起源をフォックス姉妹のイタズラにたどっているのですけど、それが妥当でないしにしても、スピリチャル・降霊などを信じる人たちにとってフォックス姉妹は有名です。

「フォックス姉妹」wikipediaより

 反オカルト論から引用しましょう。

教授

 その「スピリチュアリズム」という言葉、どうも仰々しく持ち上げる風潮があるようだが、実は歴史は浅くてね。
 そもそもの発端は1847年(今から約170年くらい前)の暮れ、ニューヨーク郊外のハイズビルという村に両親と二人姉妹のフォックス一家が引っ越してきたことにある。
その家で奇妙なことが起こった。
当時14歳のマーガレットと11歳のケイトがベッドに入ると、どこからともなくコツコツと木を叩くような虚ろな音がする。両親は幽霊屋敷に引っ越したかと思ったそうだが、しばらくすると、姉妹がその音と交信できると主張し始めた。
助手
「交信」って、どういうことですか?
教授
 文字通りその音と会話ができるということだよ。姉妹が「私たちの言うことがわかったら返事してね。 イエスなら一回、ノ-なら二回音を立てて」と言うと、コツンと一回音が鳴った。 「あなたは生きているの?」と言うと二回、「死んでいるの?」と言うと一回返事があった。
助手
 そんな……
教授
 この音は姉妹がいなければ発生しない。逆に姉妹さえいたら音が答えたから、音の原因は屋敷ではなく姉妹にあることがわかった。そして、フォックス姉妹は「死者の霊と交信できる霊能者」として評判になった。そこからビジネスを企てたのが、すでに結婚して家を出ていた長女だ。女は姉妹をニューヨークに呼び寄せて、見物客を募って会費を徴収して「死者の霊と交流する会」を開催した。そこから「交霊会」が発生したというわけだよ。
助手
それで、その音の正体は、何だったんですか?
教授
 種明かしをすると、この姉妹には、足の指の関節を鳴らして音を立てるという特技があった。そのイタズラで両親や村人を驚かせているうちに、姉のビジネスに利用されて、後戻りできなくなったわけだ。そのことは、四十年後の一八八八年になって、マーガレットが「人々を騙して後悔している」と告白して謝罪した。
それでも「交霊会」は本物だったと言い張る人がいたというから、人間心理は難しいものだ。
今も昔も、愛する死者の霊と一言でも交信できるなら、金に糸目はつけないという人は多い。
フォックス姉妹の真似をして儲けようという「霊媒師」が山のように現れて、アメリカとヨーロッパを空前の交霊会ブームに巻き込んだ。それが「死者との交流」という意味での「スピリチュアリズムの起源」なんだよ。

 マーガレットが「あれは嘘だった」と打ち明けたあと「その嘘だったという発言は間違いだった」と否定しているので、スピリチャルを信仰する人たちの中では「ほらやっぱり霊と対話することは可能なのだ」といわれているのですけど、それ以上に、いろいろな人たちがフォックス姉妹のトリックを暴いた数が遥かに上回っています。
 少し紹介しましょう、《超常現象の謎解き》というサイトからです。

・1850年2月『ニューヨーク・イクセルシアー』紙が、ラップ音はフォックス姉妹の足の下か、彼女たちの足が接触しているものからしか出ないという記事を掲載。
・1850年、『ニューヨーク・トリビューン』紙は「ラップ音は足の関節で起こせる」という記事を掲載し、同年12月にはニューヨーク州ロチェスターのホールで、足の関節でラップ音を再現してみせるということを実際に行っている。
・1851年2月、バッファロー大学の3人の医師たちがマーガレッタとリアのラップ音を調査。「意志の力による関節の動きによって出されている」という結論を報告。
・1857年、『ボストン・クーリエ』紙がマーガレッタの霊能力を調べるために実験を開催。新聞社が考えた質問をあらかじめマーガレッタに知らせず、その場で答えてもらうというものだった。結果は正しい答えを出せず、マーガレッタは賞金の500ドルを手にすることことができなかった。
・1884年、ペンシルバニア大学のセイバート委員会によって2度のセッションが行われ、判定員がマーガレッタの足を固定すると、ラップ音は突然やんだ。
この他にも、フォックス姉妹は手の指でもラップ音を鳴らすことができたこと、壁や床から音が鳴っているようにするため、反響を利用していた可能性が高いことなども指摘されている。
 またインチキを行っていたことについては、次のような話も出ている。
・1851年、フォックス家の親戚のノーマン・カルヴァーが『ニューヨーク・ヘラルド』紙に「姉妹が自分たちの膝と足先でラップ音を出す方法を実演してくれた」と暴露。
・マーガレッタは、探検家で夫のエリシャ・ケーンに秘密を告白していた。「彼は最初から、ラップ音は私が練習したインチキであったことを知っていました」「彼に秘密の全部を打ち明けました」と語っている。
ケーンはこの秘密の告白を受け、マーガレッタを更生させようとした。フィラデルフィアの学校で教育を受けられるようにし、「もうこれ以上、決して悪いことはしないでくれ」と手紙を書いている。
他の手紙では、「マギー、この気の重い相変わらずのインチキの繰り返しで、よく飽きないものだね……」。さらにこう諭している。「もう『霊』は避けたほうがいい。こんな悪とインチキに関わっている君のことを考えると、私は堪えがたい思いだ」。
 さらに姉妹のトリックとは別に、彼女たちの支持者たちによって行われたとみられるトリックも指摘されている。
・1904年にフォックス家の壁の奥から人骨と行商人が使うブリキの箱が現れたという話である。これは、アメリカ心霊研究協会(ASPR)のジェイムズ・ハーヴェイ・ハイスロップが現場で調査をしており、イタズラであったと1909年に報告している。
https://www.nazotoki.com/fox.html

 メルマガの後半は私の「そもそも」という言葉でまとめたのですけど、そのまとめへの反響が大きかったようです。

 引用しましょう。

「フォックス姉妹の降霊の時の音は大きくて遠くまできこえた、断じて骨が鳴らす音ではない」という声もあるのですけど、それは〈限られた人物の言葉〉であって証明されたものではありません。

 そもそも霊と話ができるなら、マリーアントワネットやロシアのロマノフ王家の人物と対話して〈隠し財宝〉の場所を教えてもらい大金持ちになれたはずなのに、好霊術という見せ物で各地を回って糧を得ていたという行動そのものが根本矛盾です
 科学者たちははじめから霊の存在を否定していたわけではありません、もし本当に霊として存在することができるならアインシュタインやニュートンと対話してアイディアをもらうことができるし、本人と対話して「フェルマー予想の解」を知ることもできるわけですから、こんなすばらしいことはありません。 
 霊にお願いして〈当たりくじ〉を教えてもらったり徳川埋蔵金を探し出すこともできるでしょう。
「あなたを殺した犯人は誰ですか」と問えば犯人が特定できるわけですから、その人のアリバイなどを確認したり矛盾するところをつけばよいので警察も今の何分の1の人数で済むでしょう。
 夜の山道で行き先に迷っても霊に導いてもらって無事たどりついたり、自分が倒れている場所を近しい霊に頼んで家族に連絡し救助してもらうこともできるでしょう。
 そうやって考えると事故死の95%以上は防げるでしょう。
 私が東北大震災直後、ボランティアで入った時には家族の亡骸を探している人たちがたくさんいました、その大切な人が〈遠くの海に流された〉のか〈あの建物のこの部分の下側に埋まっている〉というようにかなりの確率で特定できることになります。
 どうしてそういう莫大なメリットが出てこなくて「お父さんが自分は天国で元気に過ごしているから安心してくれといっていますよ」といった誰でも口にできることしか出てこないのでしょう。正否がはっきりせず、ウソだとばれずらいことしか出てこないのでしょう。
 科学的にというより〈論理的〉に考えると答えは自ずと明らかだと思うのですけど、どうでしょうか。

 たのしい教育は自ずと〈真実〉を求める教育につながります、騙されない人になる、それは今の世の中ではさらに重要度を増していくと考えています。

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自由研究〈よく晴れた日の雲をみて季節をあてる〉-楽しい科学・楽しい気象学

 まずはお礼から。
時々「学校で授業のネタに使わせてもらっています」「うちの子はあまり学校に行かないのですけど、このサイトの内容を子どもとたのしんでいます」という様なお便りが届きます。とても嬉しく元気の出る便りです。顔も名前も知らないみなさんに、心をこめて毎日たのしく綴っています、どんどんご活用ください。今回は私の好きな〈雲〉の話です。

※ 

 強く陽の光があたった雲の輪郭をみると季節がわかります。
 どういうところでわかるのでしょう?

 色でしょうか、形でしょうか、厚みでしょうか?

 予想してみてください。

⬇︎

予想タイム

⬇︎

予想タイム

⬇︎

 これはこの記事を書いている前日(2023-08-20)わたしが撮った写真です。
※このサイトで使う画像は全て解像度を落としてあるのでキリッとした写真にはなっていません。それでもおおよそのところはイメージしてもらえると思います

 これは数年前に私が今回と同じ様な記事を書こうと思って保存していた、別な季節の写真です、私が以前撮ったものだと思います。

 これは昨日(2023-08-20)撮った雲の写真です、

違いがわかるでしょうか。

 夏の季節つまり〈強い太陽の日差しがふりそそぐ季節〉は、雲の細かい凹凸、もくもく感がはっきり写っています。

 それに対して〈冬〉つまり太陽の光が弱い季節は、光の量自体が少ないので、雲の表面のモクモク感がはっきり写り込みません。

 ではこの雲を撮ったのは夏でしょうか、冬でしょうか。

 沖縄は太陽の光がとても強いのでこういうくっきりした映像になるのですけど、南北の極に近くにつれて光の量は少なくなりますから、こういう様な雲をみることは少ないでしょう。それでも、その地域の夏と冬の雲ということでならはっきりとわかるはずです。

  動画にしろ静止画にしろ映像のポイントはまず〈光〉だといわれるほど、光は大切です。そもそも私たちがものが見えるのは〈光〉が目にとびこんできているからです。

 光の量に目をつけて、雲をながめてみるとたのしさがさらに高まると思いますよ。 もちろん天気などが影響するので厳密な比較は難しいものがあります、また秋や春の季節をみわけるのは専門家でも無理でしょう。
 とはいってもここに書いた様に〈よく晴れた日〉のみなさんの住んでいる地域の〈夏と冬の雲〉なら見分けられるようになります、たのしんでみてください。

 雲の写った写真を取り出して「あ、これは冬だな」とか「夏に違いない」という様に予想してたのしんでみてはどうでしょうか。家族の団欒の時にもおもしろいと思います。

付録として

 一般に〈晴れ〉というと「ほとんど雲がない状態」をイメージするのですけど、気象学的・理科的な定義は、私たちのイメージとずれていて「9割以上、雲が覆っている時に〈くもり〉といいます。〈晴れ〉というのは上空を覆っているいる雲が〈2~8割〉をいうので、けっこう雲があっても気象的には〈晴れ〉」です。

 なのでほとんど雲がない状態をイメージする場合には、理科的・気象学的には〈快晴:雲が1割以下つまりほとんど雲がないという状態〉という言葉を使うことになります。

 まぁ、伝統的な会話を理科の学習に合わせる必要はないのですけど、頭においておくとよいでしょう。

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楽しい読書ー本屋さんめぐりの快楽-購入した本の紹介

 今は〈たの研〉の活動に没頭しているのでほとんど行かなくなったのですけど、以前から本屋さんが大好きで、誇張ではなく1週間に10回くらい通っていました。

 最近、大きな仕事が山を越え始めたので、ほっと一息ついて「そうだ、本屋に行こう」と思いました。

 私の読書再出発の頃の本「馬鹿一/ばかいち」が新刊で出ていました、角川書店、みごとです。

 

 結局、選んだのは全て私が持っている本たちでした。
 好きな本は何冊持っていても嬉しいものです。
 また「どこかにある」と思っていて探せない本は、やっぱり買っても読みたくなるものです。

・武者小路実篤 馬鹿一
・北村薫 空飛ぶ馬
・ヨシタケシンスケ しかもフタがない

・トマス・ハリス カリ・モーラ
・ビル・ブライソン 人類が知っていること すべての短い歴史(上)

 本の世界の強い重力に引き戻されそうですけど、少しゆとりが出てきそうなので、二~三日くらいなら逆らわなくてもよいかもしれません。

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楽しいアウトド-楽しいメンテナンス

 アウトドア生活は大好きで〈たの研〉の活動がひと区切りついたら半年くらいテントを持って自然の中に入っていきたいと考えています。今は無理でも、総会や話し合いを海岸で実施したり、時間をみて野山を歩いたり、アラスカのキャンプ生活の経験を知って〈アドバイスがほしい〉という相談がくることもあったりで、アウトドアの楽しさは脈々と続いています。

 テントは10くらい持っていて、最近の気入りは一気に開くこんなタイプです、本当に1秒程度で開きます。収納する時に苦労する人たちもいるのですけど、コツを伝授すると女性でも3分くらいでは可能です、〈たの研〉ですでに実験済みです。コツをつかまずに力技でなんとかしようとすると、まずいことになります、注意してください。

 テントを含めてアウトドアの道具は痛みが早くなります、当然です。
 私の場合は車に乗せっぱなしにしているので高温になって、さらに痛みが出てきます。

 先日、チェックするとテントのポール(骨格の部分)が折れてしまいました、すでに修理した後なのでその時の様子を見せることはできないのですけど、この白い棒の部分です、バキリと折れて2本に別れてしまっていました。

 大工さんたちがいく工務店にいって相談すると、水道関係の素材のところにこういう金属のパイプ(外側にネジ山あり)がありました、150円くらいです。ポールが6mmくらいで、この金属パイプは7mmくらいあります。

 そのパイプの中に折れた部分を入れて接着剤をたっぷり塗って、中に押し込みます、折れてまっすぐになったポールを入れるので、けっこう力が必要です。

 元どおりになりました。
 アウトドア専門店に行くと、専門のリペアキッドが売られていますから、それを使えば、もっと見栄え良く修理できるでしょう。
 でも、私にはこれで十分です。

〈修理〉もいろいろなアイディアを出して、たのしくすすめることができます。
 夏休みです、家の中にあるものを、みなさんも修理してみてはどうでしょうか。

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