なんで漢字に書き順があるの? 〈チコちゃんに叱られる2023-10-28〉を見て考えたこと-楽しい国語

 講座などのない土曜日の朝は、ゆっくり起きて珈琲を点て、「チコちゃんに叱られる」をみるのが日課です。今日の疑問第一問目は、私が前からいろいろな先生たちに話してきたことがテーマでした。

《なんで漢字に書き順があるの?》

 しかも豊川悦司さんが出ていて映画好きの私には興味深い時間でした。

 以前このサイトに書いた「書き順は絶対的なものではないのだから、それで子どもたちを漢字嫌いにしないでほしい」という記事がよく読まれています。それはあとで紹介するとして、番組ではどう扱っているのかたのしく、かつ心配しつつ見ていました。

 番組では、基本的に同じことを説明してくれていたので少しホッとしたのですけど、その根拠になる部分が部分的にサラッと出ていたくらいなのと、解説する方の「先生たちは書き順の間違いで子どもを叱らないでほしい」というセリフが気になりました。

 別に叱るわけではなく機械的にバツをつける先生たちはたくさんいます。叱る叱らないの問題ではなく、「叱ってはいけない」のだし、書き順の間違いで❌をつけるのはやめてほしいと言ってほしかったな。
 書き順の流れがあったことで、先生は教えやすくなったし、子どもたちも覚えやすくなった、全体の形を整えやすくなったというメリットがあるわけですから、それは伝えつつも、書き順が文部省の手本と違っていたら、せいぜい「それも間違いではないのだけど手本ではこうなっていますよ」と伝えるくらいでしょう。
 そういうことは実は書き順だけではなく、「ハネ」とか「トメ」とか細かい部分でバツをつけられることでも同じだと思います。

 私は、書き順で漢字嫌いになったし、今でも、たとえば〈右と左の書き順の違い〉は気持ちよくありません。〈飛ぶ〉の書き方など、書き順通りにすると変な漢字になってしまいます。

 私と同じ様な感覚の子どもたちはたくさんいるでしょう、教師・親の大切な仕事の一つは「学ぶことを嫌いにさせない」ことでもあると思います。

 今日のチコちゃんの番組を見た人たちが、私の記事にたどりついて、たのしい教育が少しずつ広がっていくとよいな。

 話は少し広がるのですけど、たくさんの教師が「書き順神話」を盲信している事実を目の当たりにすると、先輩たちのいうことを鵜呑みにするのではなく、しっかり自分で確かめることが〈騙されない人間になる〉ということでも大切なことのように思えます。その意味でもこのサイトは貴重なものになっていると思っています。

 以前書いてよく読まれている記事を紹介します⬇︎

なぜそこまで〈漢字の書き順〉にこだわるのか? 子どもを漢字嫌いにする前に知っておきたい知識

 

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詐欺商法がテーマの小説 宮部みゆき〈ペテロの葬列〉!-楽しいブックレビュー/このサイトに〈騙されない人になる〉ということで検索してたどりついたという人も出てくる様になるほど《特殊詐欺商法被害に遭わない》というテーマはたくさんの人たちが気にする様になってきました

 推理小説やミステリーは大好きで、中でも宮部みゆきさんの作品は気に入りで、最近は「ペテロの葬列 上下巻/文春文庫」を手にしています。前半すぐに主人公たちがバスジャック事件に巻き込まれ、犯人が相手の心をたくみにつかんでコントロールしていく様子が描かれていきます。
 このサイトに〈騙されない人になる〉ということで検索してたどりついたという人も出てくる様になるほど《特殊詐欺商法被害に遭わない》というテーマはたくさんの人たちが気にする様になってきました。「ペテロの葬列」はまさに、たくみに相手の心をコントロールして大金を手にした人たちと、その被害にあった人たち、そして被害にあった人たちが今度は加害者となっていく構造をあぶり出していきます。

 女性のミステリー作家として最も有名な人はアガサ・クリスティーでしょう、私もかなり読んでいます。

 アガサ・クリスティーの作品はパズルを解くかの様なミステリーです。

 宮部みゆきさんの作品はそこに〈社会問題〉が深く織り込まれていて、読後、自分の生き方を深く考えさせられるものがたくさんあって、私はその意味で宮部さんの作品が大好きで、アガサ・クリスティーより高く評価しています。

 主人公杉村三郎は、すでに『誰か』『名もなき毒』で活躍していて、今回が第3弾です、この『ペテロの葬列』がシリーズ中もっとも面白いと思います、過去作を読んでいなくても十分たのしめるでしょう。

 ちなみに、このブックデザインは内容の重厚さ、主人公の生き方などいろいろな意味からミスマッチだと思います、このデザインから受けたイメージで本を手にした人はミスリードされたと感じるでしょう。

 そういう詐欺の手法が、かつて社会を混乱させた豊田商事事件と絡んでいきます、詐欺商法がどの様に行われていたのか、この〈ペテロの葬列〉で初めてわかりました。「豊田商事ってトヨタ車を売っているの?」というくらい、知らない人たちもいるでしょう、wikipediaから少し引用します。

 豊田商事事件は、1980年代前半に発生した豊田商事による〈金の地金〉を用いた悪徳商法を手口とする組織的詐欺事件。

 高齢者を中心に全国で数万人が被害に遭い、被害総額は2000億円近くと見積もられている。当時、詐欺事件としては最大の被害額。

                wikipedia参照

 特殊詐欺、新手の詐欺は、こういった過去の多額の詐欺事件をモデルにして進化していったものが多いので、その意味でも読む価値はあると思います。

 「必ず儲かる」という原理的にありえない言葉に踊らされた人たちがたくさん被害にあっていきます。
 その言葉巧みな勧誘手口に、予想を立てずに鵜呑みにした人たちがたくさん出てきます。

 読みながら、私が登場人物の一人ならこう質問してみたくてたまりませんでした。

必ず儲かるというならどうして自分の様な年寄りから何十万円くらいのお金を集めるんですか?

「お年寄りの方たちを助けたいからです」

それなら福祉や医療、食生活などのサポートをしてくれたらいいのに、どうしてお金を投資しろというのです?

 そうやって言葉を何回か重ねていけば、向こうがお金を儲けたいからそうするのだという結論に至るのはそんなに難しいことではありません。

 それもこれも複数の選択肢を持っているものごとをみていくことが必須です、それは〈たしかに儲かる・儲からない〉というYes/No形式ではありません。
 たとえばシンプルに

ア.ビジネス的に確かに儲かるはずだ
イ.私を騙す手口かもしれない
ウ.その他

という選択肢を持ってみていくことです。

 〈たのしい教育メールマガジン〉クラスになっていきそうです、ここまでにしておきましょう。

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たのしい秋の講座の募集が始まりました:遊びがたのしいように、学ぶこともとてもたのしいことを実感できる講座です、『がまんして学ぶ・学ばせる・やることになっているから教える から《たのしいから学ぶ・教えたくなって授業する》へ!』

  お待たせしました〈たのしい秋の講座〉の募集がはじまりしました。遊びがたのしいように、学ぶこともとてもたのしいことを実感できる講座です。講座担当さくら先生からのメールをそのまま引用します。夏の講座はキャンセル待ち受付のまま受講できない方たちが多く出ました、希望する方は、早めの申込みをお勧めいたします。

みなさん、こんばんは。

秋風が気持ちよく澄みわたる好季節となりました。
毎年大人気! 秋の講座の募集がスタートします。
学校から遠ざかっている子どもたちも大歓迎です。
日々忙しい中ですが、一緒にたのしく学び、教室や家庭で笑顔を広げていきませんか。
 昨今の物価高騰に対抗して参加費を下げて実施しています。〈ひとり親世帯〉などの参加費支援制度もありますので、お気軽にお問い合わせください。

たのしい教育研究所 秋の講座 2023年11月25日(土)
たのしく伸びる講座   先生・子ども・大人 大募集!

秋の教室家庭がもっとたのしくなる!
がまんして学ぶ・学ばせる・やることになっているから教える から
《たのしいから学ぶ・教えたくなって授業する》へ!
 
子どもたちは「こういう勉強をもっとやりたい」と感じ、先生は「明日にでもクラスで授業したい」と思う。そして保護者の皆さんは子どもと一緒に仲よく伸びていく、そんなたのしい講座です。今回もたのしいプログラムを たっぷり準備しました、子どもも大人も自分の可能性が広がって《たのしく学ぶからうまくいく》ことを実感することでしょう。子どもたちの学ぶ笑顔をみたい、子どもたちとの関係をもっとよくしたい、最近どうもクラスがうまくいかないという方にもおすすめです。はじめての方もたのしめることは実証済みです、安心してご参加ください‼️
 
 予定プログラム 全体コーディネート いっきゅう先生
① 仲良くたのしくなるゲーム
② たのしい授業プラン(りな先生)
③ たのしい読み語り(みき先生)
④ 自然をたのしむネイチャーゲーム(こずえ先生)
⑤ おいしいたのしいものづくり(みえ先生)
⑥ おたのしみ体験コーナー (皿回し他 多彩なメニュー)
  ※ 人気教材もそろえています 欲しい方は購入可能
 
全体コーディネーター いっきゅう先生
アメリカのNASAと連携し宇宙に滞在中の若田光一宇宙飛行士と地上を結んだ教育イベントを成功させ、自らも1000人近くの参加者に一斉授業するなど、たのしい教育の第一人者として活躍。 小学校教師を早期退職し「たのしい教育研究所」を設立。〈いっきゅう先生〉の名前で全国そして海外を飛び回っている。沖縄県や医師会と連携して教材プログラムを作成するなど広く活躍中
 
2023年11月25日(土)09:20 受付 講座09:30~12:45
会場:うるま市石川青少年の家 大研修室&フィールド ※高速石川インターから5分程
対象: ・教育関係者 ・たのしい教育に興味関心のある方
・親子親類との子どもとの参加可能(小学生以上/教材は親子二人参加で1セット。
  子どもが複数の場合は子どもの分を基本とします)
  ※安全のため子どものみの参加はできません
参加費(教材込み) ※昨今の価格高騰を鑑み当面参加費を下げて実施します
  一般2600円・メルマガ会員2300円・子ども1400円
 ★早割り:11月10日(金)19:00まで:一般 2300円・メルマガ会員 2000円
 ・子ども1200円
 ※ひとり親世帯などの参加費支援があります、気軽にお問合わせください
 
持ち物・服装など:筆記用具、飲み物、教材持ち帰り用の袋類、動きやすい服
  必要に応じてマスク等を持参してください
 
★ お問合せ メールか電話で ⇨ office@tanoken.com 090-1081-7842 (平日 18:00まで)
★ 申し込み メール⇨ office@tanoken.com
 QRコード(リーフ内)から 
 件名「2023秋の講座申込み」 ①名前 ②所属(会社・団体・学校学年など)
   ③ 電話番号(緊急連絡に利用) に加えて ④「メルマガ会員」あるいは「非会員」と書いてお申し込みください
 ※申し込みから3日以内に受講可否メールを送信しています、返信がない場合は電話連絡してください

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楽しい国語-にんげんぴかぴか〈子ども詩2〉川崎洋編 中公新書から

 先日書いた《「にんげんぴかぴか」こどもの詩2》の中から、また二つの詩を紹介させてください。

二十年後の自分へ
           遠藤洋希(茨城・小2)
ちゃんと生きているかい?
車はかったかい?
ちゃんとすごしている?
しごともしてる?
おかねは ある?
生きているんならいいんだよ
もうマミーと はなれた?

川崎さんの短評

マミーはままのこと。この詩、アルバムの写真と一緒にとっておくことをすすめます。

小学二年生の20年後って夢がありますね。
普段の生活の中で仕事とか、車とか、お金とか頭に浮かぶかもしれませんね。
「ちゃんと生きているかい?」「生きているんならいいんだよ」って、言葉に、思わず作者の学年を見直してしまいました。
 小学校2年生ですよね。
 なんだか生きていることが素晴らしいんだよって言ってくれているようでホッとします。
「もうマミーと はなれた?」
親子関係が目に浮かんでくるようですね。

私の20年後はどうなのでしょう。
やっぱり、20年後は長いので「二年後の自分へ」と考えてみました。
考えるだけで自分の今後の動きを意識するようになるんですね。
おすすめです

 9.11
         矢沢拓也(新潟・中1)
9.11は僕の誕生日だ
でも、2年前から
米同時多発テロの日になった
僕にとってうれしい日が
テロや報復の日なのは悲しい
9.11は 世界中の人たちが
平和を考える日になってほしい

川崎さんの短評

何度も読み返しました。

戦争を続けている国があります。
最近もまた戦争状態になっている国があります。
誕生日の9.11が悲しい出来事の日となってしまったのだけれど、そういう中で平和を願う気持ちが伝わってきます。
悲しい日ではなくて、笑顔の溢れる日々になってほしいです。

 国語の時間や、家族団欒の時間に、こういう詩を紹介することができるとよいですよね。

 いっきゅう先生が、たのしい教育を学びにきている先生たちに「短い言葉が詩なのではありません、感動がグッと詰まったものが詩なんです」と語っていました。
 みなさんの好きな詩があったら、ぜひおしえてほしいです。

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