科学的にみる科学的に考える時の大切なともし火としての原子論

 科学とは〈予想を立てて確かめること〉です。その予想を立てる時に大切な〈ともし火〉となる原子論についてお話したいと思います。
 みなさんはモノが燃えると重くなると思いますか、軽くなると思いますか、それとも重さは変わらないと思いますか?

しつもん:モノが燃えるとそのモノの重さは
 予想 ア 重くなる

    イ 軽くなる

    ウ 変わらない

    エ その他

 

どうして、そう予想しましたか?

 

 1697年 シュッタールというお医者さんが、ベッヒャーという科学者のアイディアを引き継いで「モノは〈そのものの灰〉と〈フロギストン(燃素)〉とがくっついてできていて、燃えると〈フロギストン〉が出ていき〈そのものの灰〉が残るのだ」という考えを打ち出しました。「フロギスント説」と呼ばれている〈仮説〉です。
 燃えるとフロギストンが出て行くわけですから軽くなってしまうというわけです。

 
 紙が燃えるとボロボロの灰になってしまい、少しの風でも飛んでいってしまいます。
 木も完全に燃えるとお線香の灰のような状態になってしまいます。
 たくさんの木々でおおわれていた山も火事になると、〈焼け野原〉という表現に見られるように、ほとんど何もない状態になってしまいます。
 紙や木からフロギストンが出て行って軽くなったと考えたわけです。

 たいていのことはフロギストン説で説明できたので、科学を研究していると人たちも、まだ誰も見たことのない〈フロギストン〉の存在は確かなものだと考えてきました。
 それにしても、なかなかいいアイディアですよね。

 ところが、いろいろ研究しているうちに、燃えると重くなっている物質があることが分かって来ました。
 スズなどの金属が燃えると重くなってしまうのです。

 これにはフロギストン説をよりどころとしていた科学者たちも困ってしまいました。

 そしてある時
・フロギストンはマイナスの重さを持っているものがあって、それが出て行ったら重くなる
・フロギストンが出て行っところに空気が入り込んで重くなる
という様ないろいろな説を考え始めました。

 しかしそれは科学とは言えません。〈解釈〉といって、次々出てくる実験事実を自分の都合のいいように説明しているのです。

 科学は〈予想〉⇨〈実験〉の過程で真実を見つけてきたのであって、都合のよい様に解釈してきたのではありません。

 

〈燃える〉ことを科学的に明らかにしたのはラボアジェ(ラヴォアジェ)という人物です。


 彼が〈燃える〉現象は〈酸素〉と激しく結びつく現象であることを科学的に証明したのです。興味のある人は図書館の百科事典や科学のコーナーで〈ラボアジェ(ラヴォアジェ)〉について調べてみるとよいですね。

 木や紙などが燃えると、その物質の中にある〈炭素〉と〈酸素〉が結びついて〈二酸化炭素〉となり、それが空気中に出ていくのです。ちなみにわたしたちの周りの物質には炭素がとても多く含まれていて、そのグループを〈有機物〉という名前で呼んでいます。木も動物も油もプラスチックも砂糖もアルコールもロウソクもプロパンガスも紙も有機物です。私たちが食べるものがあったら、それはほとんど有機物だと思ってまちがいありません。

 有機物が燃える現象を原子分子の目でみるとこうです。

有機物の中の〈炭素〉が

空気中の〈酸素〉と結びついて

 

〈二酸化炭素〉となって飛び出て行く


 有機物の中の炭素が酸素と結びつき、二酸化炭素となって飛び出て行くので軽くなるのです。

 金属などは有機物ではありません。
 金属が燃えると、酸素が何かと結びついて飛び出ていくのではなく、金属と結合します。そこで酸素が結合した分、重くなるのです。

 20世紀の偉大な科学者であるリチャード・ファインマンはこう語っています。

「もし世界規模の大変動が起きて科学的知識の全てが破壊されたとき、もしあなたが次世代にたった一文だけを伝えることができたとしたら、少ない言葉であなたはどんな重要な情報を伝えますか?」と質問されたことがあります。ファインマンは「全てのものが原子で構成されていると仮定する『原子論』を伝えます」

 現代の科学は全てこの原子論の考え方を基にしています。医学も宇宙科学も生物学も植物学も全てです。
 原子論と相反するものは間違っていると考えてかまいません。

 みなさんも〈原子・分子〉の見方・考え方に興味を持っていただけたら幸いです。 たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!

 

たのしい研究所日記:本をたのしむ

電子データに囲まれた現在であっても、書物は素晴らしい輝きを示してくれます。
このままだと紙の書物は無くなるというけれど、素晴らしい書物は無くならないでしょうし、逆に電子データが紙媒体として登場する可能性すらあると思います。

さて、忙しい研究所の日々、世間の連休の中でせめて1冊くらいは本を読めるのではないかと、かつて私が活字中毒だった時代の書物を眺めてみました。
懐かしい本が出てきました。
西堀栄三郎「石橋を叩けば渡れない」1972
です。
私が教師になった時、手にした本です。

西堀栄三郎と聞いてピンとくる方は少ないかもしれません。
日本初の南極越冬隊の隊長として活躍した人です。

スクリーンショット 2015-05-03 6.49.25 書物のように、いろいろな人たちの賢さと感動と夢となぐさめと元気に貢献できるとしたら、こんな素晴らしいことはありません。
地道ですけど着実に一歩いっぽ、たのしい教育の普及に全力投球のたのしい教育研究所です。元気いっぱいの沖縄にあります。

 

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