子どもも先生もワクワクする授業をしよう-楽しい教育の発想と方法

 不登校の子ども達が増え、先生たちがメンタル的・身体的に無理を強いられ病休が増えていく今の学校の状況は《子どもと先生両方が学校から遠ざかってきている》という意味では同じことです。
 これを突破するのは簡単ではないとはいえ、どちらも〈たのしさ〉を軸にしてすすめていくことで改善されていくことは間違いありません。
 こどもたちがもっと学校で学びたいと思い、先生たちも早く学校で子どもたちに会いたい、授業したいと思う、そういう方向に進んでいくのは〈たのしい教育〉しかありません、これは実験結果です。
 まず税金で給料をもらっている先生の側が〈子ども達が喜んでくれる授業〉をする。それは「やることになっているからやる」という授業ではなく、自分の感覚を大切にしたワクワクするような授業です。
「さぁ今日は昨日の続きで教科書○ページの下側からです」つまり〈やることになっているからやる〉という連続ではなく、そういう中に『ワクワクするような授業』つまり《たのしい授業》をおりこんでいく。
 もちろん教師が教科書の内容にワクワクできるなら、それが子ども達に伝わるように授業するとよいのです。
 そういうワクワクたのしい授業を〈週に一回〉、それができるようになったら〈週2回〉くらいに増やしていく、〈毎日一回〉そういう授業ができるようになると、かなり変わっていくと思います。

 若い先生たちや、そういうことをあまり考えたことのなかった先生たちは「え、だって指導要領に書いてある通りやらなくてはいけないのじゃない」というかもしれません。
 でも指導要領には「教科書の流れ通りにやる」なんて書いてありません。
 たとえば算数の四つの領域の中でもっとも内容が多い「A数と計算」の3年生の〈内容の構成〉には

A.数と計算
1数の表し方:万の単位/10倍,100倍,1000倍,1/10の大きさ/数の相対的な大きさ
2加法,減法:3位数や4位数の加法,減法の計算の仕方/加法,減法の計算の確実な習得
3乗法:2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算/乗法の計算が確実にでき,用いること/乗法に関して成り立つ性質
4除法:除法が用いられる場合とその意味/除法の式/除法と乗法,減法との関係/除数と商が1位数の場合の除法の計算/簡単な場合の除数が1位数で商が2位数の除法
5小数の意味と表し方:小数の意味と表し方/小数の加法,減法
6分数の意味と表し方:分数の意味と表し方/単位分数の幾つ分/簡単な場合の分数の加法,減法
7数量の関係を表す式:□を用いた式
8そろばん:そろばんによる数の表し方/そろばんによる計算の仕方

と書かれています。
〈太郎さんの家の広さと教室を比べる〉とか〈弟の体重はお父さんの何分の1だ〉というような流れはありません。
二番目の領域〈図形〉はもっとシンプルです。

B.図形
1 二等辺三角形,正 三角形などの図形
 二等辺三角形,正三角形/角/円,球
です。

 しかも学習指導要領には全ての学年をたばねる〈目標〉に、こう書いています。

 数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。


(1)数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解するとともに,日常の事象を数理的に処理する技能を身に付けるようにする。


(2)日常の事象を数理的に捉え見通しをもち筋道を立てて考察する力,基礎的・基本的な数量や図形の性質などを見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり目的に応じ て柔軟に表したりする力を養う。
(3)数学的活動の楽しさや数学のよさに気付き,学習を振り返ってよりよく問題解決しようとする態度,算数で学んだことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

 

《数学的活動の楽しさや数学の良さ》に気づいてもらうことはいろいろな数学的内容を学んでいく時に大切にしなくてはならないことなのです。
 こども達がワクワクたのしく学べるようにすることが、指導要領にしたがっていないと考えるのは間違っているのです。

 それでも教科書を使わなくてはいけないじゃないですか、という先生もいるかもしれません、法律をみてみましょう。
 学校教育法には

「小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない」

と記述されています。
 教科書は教育の質を確保するための基本的な教材として、学習指導要領に基づいて制作され、文部科学省により認定されます。教科書はその学年で学ぶべき内容を網羅しているため、学校教育の中心的な教材として利用されます。

 だからといって「教科用図書(教科書)だけを使用しなければならない」という法律は存在しないのです。

 もっと広くみていっても日本の学校教育に関わる法律の中に学校が使用する教材について〈具体的に限定〉したものはありません。
 教師は自身の裁量により、補助教材や教育ソフトウェア、オンラインリソースなどを用いて授業を組立てていますね。
 つまり学校では教科書を基本的な教材として使用する、しかし、それだけが教材だという決まりはなく、教師は様々なリソースを活用し、学生に適した教育を提供することが期待されているといるわけです。
 当たり前といえば当たり前です。

 こうしなくてはいけない、ああしなくてはならない、という規制の中で、自由に考えることは難しいかもしれません。

 最近は〈自由研究〉のキーワードでこのサイトにたどりつく方がたくさん出てきているようです。
 ぜひ子どもたちと、自由研究でたのしんでみてください。
 キーは「たのしさ」です!

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ハトとイネ-食物連鎖-楽しい教育と自由研究

 先週撮った写真です、沖縄の稲田は借り入れの時期です。

  すでに刈り取られたたくさんの稲穂が干されています。

 干した稲穂にハトたちがよってくるシーンは何度も見たことがあるのですけど、何となくハトたちは落ちた米をついばんでいるのだと思っていました。
 私と同じ感覚の人たちもいるのではないでしょうか。

 車を停めてみていると、さにあらず、垂れた稲穂から直接米をついばんでいるいるハトたちがたくさんいました。

 人間の農耕の過程でおこる食物連鎖です。

 気になりつつも何の対策もしていない様なので、大きな被害はないということなのでしょうか。

 たくさんの米がついているから、大丈夫なのかなぁ~

 そう思いつつWebサイトを開いていくと、鳥獣による農作物被害状況がランキングされていました。

 農作物被害を金額で並べると〈鳥類〉で最も被害額が大きいものは何だと思いますか?

⬇︎

⬇︎

⬇︎

⬇︎

これがその一覧です。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/

全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和3年度)

               
             

(単位:千ha、千t、百万円)

   

被害面積

対前年度

被害量

対前年度

被害金額

対前年度

鳥類

カラス

1.6

▲ 0.3

13.2

▲ 4.9

1,313

▲ 65.9

カモ

0.3

▲ 0.1

2.4

0.3

546

33.8

ヒヨドリ

0.4

▲ 0.1

2.1

▲ 0.2

345

▲ 45.9

スズメ

0.4

▲ 0.3

0.8

▲ 0.1

190

▲ 23.2

ムクドリ

0.6

▲ 0.1

0.6

▲ 0.1

166

▲ 18.7

ハト

0.2

▲ 0.1

0.6

▲ 0.2

80

▲ 6.1

その他鳥類

0.2

0.0

2.3

▲ 1.3

214

▲ 35.4

鳥類計

3.8

▲ 1.0

21.9

▲ 6.5

2,855

▲ 161.3

獣類

シカ

22.1

▲ 7.6

379.5

19.9

6,097

455.3

イノシシ

4.2

▲ 1.0

23.7

▲ 5.5

3,910

▲ 643.0

サル

0.7

▲ 0.2

3.8

▲ 0.7

752

▲ 103.7

ハクビシン

0.4

▲ 0.1

1.3

▲ 0.4

361

▲ 72.5

クマ

0.8

▲ 0.2

22.0

▲ 2.0

438

▲ 21.8

アライグマ

0.5

0.1

2.5

▲ 1.0

414

▲ 0.2

カモシカ

0.1

0.0

0.7

▲ 0.1

87

▲ 10.0

タヌキ

0.1

0.0

0.7

▲ 0.7

128

▲ 9.5

ネズミ

0.2

0.0

0.3

▲ 0.4

52

▲ 25.5

ウサギ

0.1

▲ 0.1

0.8

▲ 0.2

61

▲ 4.6

ヌートリア

0.1

0.0

0.3

0.0

47

▲ 1.8

その他獣類

0.2

0.0

4.1

▲ 0.2

313

4.9

獣類計

29.6

▲ 9.1

439.6

8.8

12,661

▲ 432.1

合計

33.3

▲ 10.1

461.6

2.3

15,516

▲ 593.4

(注)1.都道府県の報告による(都道府県は、市町村からの報告を基に把握を行っている)。

             

      2.ラウンドの関係で合計が一致しない場合がある。

             

      3.「0」は単位に満たないもの

             

      4.「その他鳥類」にはキジ及びサギ、「その他獣類」にはモグラ、マングース、タイワンリス

     及びキョンを含む。

 ダントツは〈カラス〉です。

 地域によって差は大きいと思うのですけど、全国的にみるとハトは6位で、スズメやヒヨドリより被害額は低くなっています。

 とはいえ、てしおをかけて育てたイネを食べられてしまうことは、農家の方たちにとってとてもつらいことです。

 イネの被害を減らすこと、同時にハトを含めた鳥獣たちが稲穂を食べずに生きていけることを、研究していく人たちが出てくるとよいのですけど。
 読者のみなさんの中から出てきてくれたら、とても嬉しいことです。

 

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学校のプログラミング教育について-たのしい教育の考え方

 たのしい教育研究所で〈プログラミング教育〉の講座がありますか、という問合せがありました、残念ながら今学校で実施している様なプログラムは設定していません。プログラミングの専門家がいないわけではありません。私は今から40年以上前、日本で本格的にパーソナルコンピュータが普及し始めた時に使い始めました、日本のパソコンの歴史を一緒にたどってきたといってよいと思います。

 その時は大学の統計解析でFORTRAN(フォートラン)、個人仕様のパソコンではBASIC(ベーシック)を、MS-DOSのコマンドもかなり使っていました。古いコンピュータ言語であるとはいえ、多変量解析プログラムを作ったり、算数の教材を作ったりと、アクティブに使っていたので、少し時間をとれば、以前の様なレベルに戻すことができると思います。

 ちょうどよいので、思い出しながらBASIC言語で小学生用のドリルを作成してみましょう、ランダムな一桁の数字を出して、それを足し算するプログラムです。こういうシンプルなプログラムでドリル学習教材を作ることができます。
 以前いた北部の学校で教材をつくって子どもたちに利用してもらっていました。

10 PRINT “算数の勉強を始めます。”
20 PRINT “終了するときは答えに0を入力してください。”
30 PRINT “”

40 LET A = INT(RND * 10) + 1
50 LET B = INT(RND * 10) + 1

60 PRINT A; ” + “; B; “は何ですか?”
70 INPUT C

80 IF C = 0 THEN END
90 IF C = A + B THEN PRINT “正解です!” ELSE PRINT “残念、答えは”; A + B; “です。”

100 GOTO 40

フォートラン(FORTRAN)は、数学的な解析をするためのプログラムで、5つの対応する数値の相関係数を出す基本的なプログラムはこうです、残念ながらうまく思い出せなかったので、参考書で確かめながら書いてみました。

PROGRAM CORRELATION
IMPLICIT NONE
REAL, DIMENSION(5) :: X = (/1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0/)
REAL, DIMENSION(5) :: Y = (/2.0, 2.5, 3.5, 4.5, 5.5/)
REAL :: meanX = SUM(X) / SIZE(X)
REAL :: meanY = SUM(Y) / SIZE(Y)
REAL :: stdevX = SQRT(SUM((X – meanX)**2) / SIZE(X))
REAL :: stdevY = SQRT(SUM((Y – meanY)**2) / SIZE(Y))
REAL :: correlation

correlation = SUM((X – meanX) * (Y – meanY)) / (SIZE(X) * stdevX * stdevY)
PRINT *, ‘The correlation coefficient is: ‘, correlation
END PROGRAM CORRELATION

 今はそれらより発達したコンピュータ言語〈Python〉や〈JaveScript〉などが初心者用として使われているのかな、もっと新しいタイプも出たんだろうか。

 いずれにしても、それを周りの先生たちや子どもたちに伝えようとは思いません。

 コンピュータの世界はどんどん進化しています、今頑張って子どもたちに伝えても、子どもたちが高校・大学と進む頃には、私が身につけてきたFORTRANやBASICの様に「古すぎるツール」となっていくからです。

 しかもそれを全員が学ぶということにはかなり懐疑的です、私の様にパソコンの中でどういう処理が行われているか知りたいという人間ならそれを学ぶことに意味が十分見いだせるのですけど、どんどん古くなっていくツールを全員が学ぶということは無理がある。またそれを先生たちが担うという場合は、もっと無理がある・・・

 そういう時間を費やすより、今ならChatGPT(チャットジーピーティー)の効果的な利用方法を伝えた方がずっとよいと思います。

 ChatGPTなら、表計算のプログラムや画像処理アプリの処理なども教えてくれます、この流れはしばらくとまらないでしょう。

 ChatGPTの利用の仕方ワークショップなどは随時受付中です、興味のある方はおといあわせください。

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