〈マース〉の謎@A先生の発見 /美味しい「野菜たっぷり無水カレー」の研究すすむ

〈たの研/たのしい教育研究所〉で子どもたち向けの食事やおやつを出すとしたら?
 と考えると、とてもたくさんあって、それはメンバーがみんな食べ物づくりが大好きだからです。
「月刊たのしい授業」にのった〈クイックちんすこう〉や〈きらくカリコリ〉、沖縄県のしまくとぅばプログラムで作成した〈ゆーぬく団子〉、たのしい教育の講座(40年くらい前)からスタートして沖縄中に広まった「べっこうアメ」etc.
 どんどんリストアップされていきます。

 最近はM先生得意の〈野菜たっぷり無水カレー〉づくりに凝っていて、昼食ならこれが最強ではないか、と考えたりしています。※たのしい教育プログラムの時はたいてい「これは◯◯系では最強だな」と感じながら開発をすすめています

 何しろ野菜がとても多い。トマト、ナス、きのこ、にんじんその他 手元にある野菜をなべいっぱい詰めます、もちろん水を加えることはなく、野菜から出てくる水分を利用します。

 一番上に肉系を乗っけます。冷蔵庫に余った食材を中心に利用しますから、バリエーション豊かです。

 仕上げは、市販のルーを利用したりスパイスにしたり、これもバリエーション豊かです。

 さて最近「これは懐かしい」と感じたルーを手に入れました。1962年発売とあます、日本の家庭で簡単にカレーをつくることができるようになったのは、この商品のおかげなのかもしれません。その後、ハウス食品とかSBとかいろいろ会社が似たようなものを出していったのだと記憶しています。

 この「オリエンタル マース カレー」の〈マース〉って、どういう意味なんでしょう?

 沖縄の方言では塩のことを〈まーす〉といいます。
私の友人に「塩カレーって思ってた」という強者がいました。

 わたしは地球を〈アース〉というので、何か天体に関する名称なんだろうと考えていました。

 みなさんはどう思いますか?

 A先生もそのマースに注目していた一人だったようです。

 〈たの研〉にあったマースカレーの箱を手にしたA先生が突然
「マースって〈MARS〉って書いて、マンゴ・アップル・レーズンとスパイスの頭文字なんだって」
 と大きな声をあげました。

 コマーシャルの歌詞に出ていたので、マンゴという果物を使っているのだというのは知っていたけれど、考えてみると沖縄でマンゴをよくみるようになったのは20年くらい前とか、そんなころでしょう、子どもの頃はマンゴがどういう果物か知りません。

 何十年も経って「マースの謎」が解けました。

 人生観が変わるくらいの大きな変化ではないけれど、こうやって謎が解かれていくのはたのしいことです。

 ちなみにオリエンタルマースカレーで作ったカレーは、今まで他のルーで作ったカレーに引けをとることはなく、美味しい「野菜たっぷり無水カレー」ができました。

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〈授業書@たの研〉果物の色と石油の色② たのしい自由研究 つづき

 前回の毛糸の染色の違いの記事はいかがでしたか? どちらが本物の果物で染めたもので、どちらが合成着色料で染めたものだと予想したでしょうか。まだの方は一つ戻って予想を立ててください。予想することがたのしく賢くなるコツです。

 左がドラゴンフルーツ(果物)、右がいちごシロップ(合成着色料/石油由来)で染めたものです。

 そもそも毛糸が染まるというのは〈毛糸の繊維の隙間に色の粒々がもぐり込んでいるから〉ではありません。

 それらはほこりのように、石鹸で洗えばほとんど落ちてしまうからです。

 毛糸の分子と色の分子が強く融合するから染まるのです。

※電気的な繋がりでくっ付いたり、共通の原子を共有して結びついたりなど
(参考)https://www.mukogawa-u.ac.jp/~ushida/chem.htm

 ここで利用したのはウールで、動物由来の繊維です。

 合成着色料で動物由来の物質がよく染まるということは、合成着色料を私たちが食べた時に、体の中もよく染まるということです。

 いちごシロップなどをなめると舌がかなり色づいて、時間が経ってもなかなか落ちません。ドラゴンフルーツやいちごを食べても、そういう経験はないと思います。

 合成着色料は動物の体もよく染まるわけですから、その安全性についても理解しておく必要があります。ちなみにドラゴンフルーツなどの色の分子〈アントシアニン〉は健康によいと言われています。

 合成着色料の危険性はいろいろなところで話題になっています。たとえばwikipediaにはこうあります。

人体への影響

合成着色料については発ガン性アレルギー性などが指摘されるが、食品に含まれる量であれば相当な量を摂取しなければ影響はないだろうという意見もある[要出典]

 2008年4月、英国食品基準庁 (FSA) は注意欠陥・多動性障害 (ADHD) と関連の疑われる合成着色料6種類について、2009年末までにメーカーが自主規制するよう勧告した[1]ガーディアン紙によれば、この政府勧告による自主規制の前に、大手メーカーは2008年中にもそれらの食品添加物を除去する[2]

2008年3月、これを受けて、欧州食品安全庁 (EFSA) は、イギリスでの研究結果は1日あたりの摂取許容量 (ADI) の変更のための基準はできないと報告した[3]。しかし、4月イギリスは再び排除すべきだと勧告を行い[1]、8月には欧州は摂取量の見直しをはじめこれらの合成着色料を含む飲食品に「注意欠陥多動性障害に影響するかもしれない」という警告表示がされることになると報道された[2]

企業の中には合成着色料不使用によって、食の安全・安心を訴える取り組みが広がっている。

 セブンイレブンコンビニエンスストアとして初めて弁当や惣菜類などから合成着色料・保存料を使わない方針を展開している[要出典]

 私たちが何よりも長く付き合っていくのは〈私たちの身体〉です。身体にとって良いもの悪いものを知っておくことは、とても大切なことで、それは〈たのしい教育〉のテーマの一つです。

 

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ばっけミソとツワブキみそ/北の植物、南の植物の違いをたのしむ②

 前回紹介した〈バッケ〉は「ふきのとう」、これは雪を押し上げて芽を出しているところ、沖縄では見ない植物ですね。

 このふきのとう、日がすぎていくとどういう姿になっていくのでしよう?

 沖縄の人たち以外はみんな知っているんだろうか?

予想

ア.このまま横に広がっていく

イ.このまま半球状に大きくなっていく

ウ.縦にのびていく

エ.その他

 静岡だったかな、雪が解けた春の頃、山地を歩いて「これは何だろう?」と立ち止まった植物がありました、八方に首を伸ばしている姿が独特です・・・

 これが〈ふきのとう〉の成長した姿だと知って驚きました。

 これが

 こうなって…

こうなる!

 ふきのとうの別名が〈バッケ〉だという話を前回したのですけど、まさに化けた感じがします。

〈ふきのとう〉というのは〈フキの薹(とう)〉つまり〈フキ〉のことです。
 
薹(とう)というのは茎が長くたちあがった状態をいいます

 フキノトウ/フキを沖縄で見かけたことがないと書いたのですけど、フキの仲間が自生してないのかというと、そうではありません。

 ツワブキはごくふつうに目にします。

 沖縄ではツワブキを食べる習慣はないと思います。
 でもよその県では食べているそうです。

 今度、ツワブキを使って〈ばっけミソ〉風に作ってみようと思います。
 美味しかったら紹介します、おたのしみに。

 

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ばっけミソ/北の植物、南の植物の違いをたのしむ①

 大好きな映画のトップ集団の一つが『リトルフォレスト』です、自然が好きな方へ強くおすすめします。

 その一コマに〈ばっけミソ〉が出てきて、次のシーンも気に入りです。

「ばっけミソってさ、一年くらいもつみたいだよ、冷蔵庫で」

「むりむりむり・・・、それまでに食べきっちゃう」

 どういうミソか?

 これです。

 何かまざってますね、東北で〈ばっけ〉と呼ばれている植物です。

 出張の時、手に入れることができたので食べてみると確かにおいしい。
 リトルフォレストを見て後、調べてみると〈苦味〉が特徴的だと書いてあって、それを楽しみにしていたんだけど、しっかりアク抜きしたようで苦味は感じませんでした。 ところで「ばっけ」って何でしょう?

 これです!

「ふきのとう」、〈ばっけ〉と呼ぶのはアイヌの言葉からという説や〈化けるから〉だという説があります。

 私は化ける説を支持します、その話はまた後で。

 雪の中から顔を出すふきのとうは、春を知らせてくれるだけでなく、新鮮な野菜が不足する季節に貴重な栄養となったのでしょう。

 これがフキノトウのつぼみたちです。

2分くらい湯がいて水につけアク抜きした状態がこれ、まるで芽キャベツのようにみえます。

 以前、出張の合間に歩いた山路で、この〈ふきのとう〉を目にして、とても嬉しく感じました、公式サイトに書いたかな、それともメルマガだったかな?

 その時は書けなかったのですけど、雪から顔を出している〈ふきのとう/ふき〉を沖縄でみることはないので、なじみがない分、いろいろな発見がありました。

 項(ページ)を分けて書きましょう。

追記:冒頭紹介した〈リトルフォレスト〉はマンガ原作で、そちらもおすすめです。

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