クモの糸の強さ クモの魅力②

前回のジョロウグモの話から続いています、未読の方は一つ戻ってください。

 以前勤めていた学校で農業をしていた保護者の方から、ジョロウグモの糸に鳥が引っかかっていたと聞いたことがあります、私は見たことがないのだけど…

 クモの系もシルク(絹)の一種です、カイコの糸より強いのでスパイダーシルクと呼ばれています。

 これなら機能的な良質の繊維になるのに、どうしてカイコのシルクように商品化しないのでしょう、不思議です。

 みなさんはどう思いますか?

「カイコは飼い慣らして繭を利用すことができたけど、クモ類は飼い慣らすことができなかったから」というのが答えのようです。

 たしかにクモは難しそうだ。

 そもそもたくさんの動物(昆虫を含む)たちの中で、イヌやネコ、牛やウマのように、人間が飼うことができた生き物がごくわずかなのです。

 商品化は無理にしても、クモの系はどのくらい強いのでしょう。

 芥川龍之介が『蜘蛛の糸』という作品で、地獄に落ちた人間たちが天上から降りてきた〈クモの糸〉を手に上っていくシーンを描いたのですけど、もちろんクモの糸にそんな力はありません、赤ちゃんの力でも、クモの糸を切ることは簡単です。

 でも束ねたら、人間の体重を持ち上げるくらいにはなるでしょう。

 人間の身体を支える登山用のロープは1cmくらいです⇨https://amzn.to/4bMFR8q

 ではクモの系で人間の体重を支えるとしたら、どのくらいの太さあったらよいのでしょう、予想してみましょう。

ア.登山ロープと同じ1cmくらい

 イ.2~3cm

 ウ.5mmくらい

 エ.その他

どうしてそう思いましたか?

 

 ChatGPTに計算してもらいましょう。

ChatGPT

人間の体重を支えるためには、複数のクモの糸を束ねて太くする必要があります。例えば、以下のような計算が考えられます:

    • 人間の体重:平均的な成人の体重は約70 kgと仮定します。

    • 必要な引張強度:体重70 kgに対して、必要な引張強度は 70kg×9.8m/s2=686N70 \text{kg} \times 9.8 \text{m/s}^2 = 686 \text{N} です。

    • クモの糸の強度:クモの糸の引張強度が1.5 GPa(中間値)と仮定します。

    • つまり、単一のクモの糸ではなく、クモの糸を束ねて直径が0.76 mmになるようにすれば、人間の体重を支えることが理論的には可能です。ただし、これは理論的な計算であり、実際には他の要素(糸の劣化、結び目の強度など)も考慮する必要があります。

 なんと1mmに満たない太さでOKということです。
 私の予想を超えている強度です。

 とはいえ、ChatGPTが間違っていることもあります。

 調べてみると、所さんの目がテンという番組で実験したようです⇩

https://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/04/08/0808.html

 スパイダーシルクで糸をつくって、どれくらいの重さのものを吊り上げることができるか、自由研究で調べてみるとたのしいと思います。
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「読みたい人」ではなく「読んでくれる人!」@たのしい教育の発想法

 週一回配信している「たのしい教育メールマガジン」の読者はおかげさまでいろいろな県にひろがっています。地味なのに人気があるのが『たのしい教育の発想法』です。紹介したいことに溢れていて、ボリュームの関係でメルマガからはぶいた内容がとてもたくさんあります。
 ここで少し紹介させていただきます。

 1989年1月14日

仮説実験授業の運営法に関して
「そんなの常識じゃないか」「非常識な人もいたもんだ」というような会話を廃止するための研究会

という不思議なタイトルの講座が開催されました。仮説実験授業研究会の初期には、こんな個性的な研究会がいろいろ開かれていました。

 その中で語られた板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学学会会長/たのしい教育研究所 初期から支援者)の話です。私いっきゅうの再校正・編集でお届けします。

中学校教師Oさん

授業書の問題を「読みたい人?」というと、中学生はほとんど手を挙げてくれません。

板倉聖宣

「読みたい人」という言い方をするの?
 私は「読んでくれる人?」だと思うんだけど。

「読みたい人」とは全然違う。

 相当積極的な子じゃなかったら「読みたい!」なんて言わないもの。


Oさん

 順番で読ませていくのもあまりよくないと思う。読むのがすごくしんどいという子もいるので・・・


板倉聖宣

 学校の先生でも読むのをすごくイヤがる人がいるくらいだからね…

 読むという行為は、慣れた人にはストレスのないものでも、子どもたちの多くは練習過程です。国語の本など、習ったことのない漢字や語句が出てくるのが普通ですから。

 たのしい教育の中でも、そのあたりのことをしっかり考えておく必要があります。

 板倉聖宣は教師ではありません、でもこういう感覚は研ぎ澄まされていて、教師一年目からとてもたくさんのことを教えてもらいました。もしかするとそれは「子どもの感覚を忘れていない」ということではないかと考えています。

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 たのしい教育の発想に関してはまずこの本をおすすめします、『たのしい授業の思想』です。短いまとまりになっているので、どの項から読んでもOKです。
 おっとAmazonで300円くらいで出ています、送料込みでも500円台です。早い者勝ちですね(2024-07-13 11:44現在)。

https://amzn.to/3zGjeFo

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たの研の「たのしい読み語り」大好評/たのしい島言葉のレクチャーあり

〈たの研〉の活動は多岐にわたるので、分野ごとに担当がいます。出前読み語りの担当はミエ先生、たのしい読み語りのプロフェッショナルです。

 今週もたくさんの笑顔が生まれました。

 フクロウのフクちゃん(ミエ先生が声をかけると生きかえる不思議なフクロウ)と一緒に出かけていって、どこの子どもたちもグッと身を乗り出して話に入ってくれます。画像加工してあるのですけど右側の子どもたちの目の輝きがわかるのではないでしょうか。

 

 ミエ先生は「たのしい島言葉」も得意です、読み語りには、島言葉もおりこまれ、大きな声につつまれます。終わると、さっそく子どもたちが「にふぇーでーびる」とお礼を言いにきてくれたとのこと。

 ありがたいことに、バックアップしてくれる企業・団体が出てきたので、出かけやすい状況になってきているのですけど、いろいろな忙しさの中、調整が難しいので、希望する場合にはできるだけ早めにお問い合わせください。

読み語りといえば、まずこの一冊がおすすめです⇨ https://amzn.to/3zx2X5x

 

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歩くほどに楽しさが増える/バッタが松の葉を食べていた@沖縄昆虫野外観察図鑑

 先日、野山を歩いていると不思議な場面に出会った。これはツチイナゴ(バッタファミリー)かなぁ。タイワンツチイナゴの幼虫なのかもしれません。
 松の葉を器用に手で押さえて、もぐもぐと表皮を食べていました。

 人間がお菓子のポッキーを食べるみたいで、とても可愛い姿にみえました。

 表皮だけかじり取るように食べているのは、次第に自分の下のほうに松葉が降りていくことでわかります。
 まさに一心不乱に食べています。

 イナゴは「稲子」と書くこともあるくらいで、イネ科(イネファミリー)の植物を食べると言われていて、「松葉を食べる」と書いた文章に出会ったことはありません。

 実は松の葉も食べるんですね、まさかこの子だけが松の葉を食べるわけではないだろうから。

 周りにはイネファミリーの植物がいろいろあるので、食べ物がなくて松葉に手を出したわけではないでしょう。

 時間ができたら、イナゴをしばらく育ててみたいと思います。
 もちろん松葉を入れて。

 野山を歩いて心動かされなかったことはありません、自然は心のいろいろなチャンネルを開いてくれます。
 暑い日々でも野山ではたくさんの生き物たちがたくましく活動しています、みなさんも外を歩いてみませんか。

☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆ たのしいbookレビュー ☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆

沖縄の昆虫を調べる時の強力なツールが『東清二編著 沖縄昆虫野外観察図鑑 全四巻』沖縄出版1987年 です。35年以上前の図鑑とはいえ、これだけ充実したものはその後、出ていません。とはいっても、全てこれで解決するわけではなく、今回のバッタファミリーについてもしっかり同定することはできなかったのでwebを参照して「タイワンツチイナゴの幼虫かも」と書いたのですけど、まずはこの図鑑からスタートというのがよいでしょう。古本でも高めですけど、Amazonで入手できます⇨https://amzn.to/3LgsHpD

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