俺は俺、君は君、彼は彼、彼女は彼女と、ただ単純に認めあえて、さて、お楽しみはこれからだ、なんていう具合になればいいのにね@五味太郎『勉強しなければ大丈夫』ラスト/楽しい教育の発想法=たのしい教育メールマガジン

 週一回発行している〈たのしい教育メールマガジン〉は、たのしい教育を学ぶ本格的な内容で、全国に読者が広がっています。丁寧に読んでくれるみなさんがたくさんいて、読者の一人の方から「毎週届く内容の四つの章を1日一章ずつ読んでいます。今まで発想法とか哲学的な本は読んでこなかったので、発想法の章は休日に読むようにしていて、2回、3回と読み返すことも多いです」というたよりがとどきました。
 

 発想法の章は、私がすでに読んで感動したもの、かつ、板倉先生の許可をもらった内容を中心にして構成しています。

 次週号は久しぶりに絵本作家の〈五味太郎〉の発想法を紹介しようと綴っています。五味太郎『勉強しなければ大丈夫』朝日出版からです。

 ここで紹介するのは、メルマガに載せているものとは別な内容です。
 

五味
 幼児教育においても、知識はさることながら、情緒豊かな、イメージ豊かな子どもに、なんて方向で絵本をとらえたりする。情緒、イメージなんてものの本質をなにも見極めないうちにね。

 情操豊かな子は豊かな人間である、なんてさ。

 その末路として、つまりネガティヴな形として、疑問とか不安とかあるいは混乱とか、そういうものも同時に噴出する。人間のハードディスクはそういったネガティヴなものまでどんどん取り込んでいく性質があるんだろうね。

 人の脳っていうものが他の動物よりは性能いいね、っていつまでも言ってる場合じゃないんだよ。素数の謎を解くだけで狂った人もいるそうだし。3千年後に地球滅亡だと言ったりさ。

 その不安、恐れもインプットされるハードディスクなんだよね。だから容量が大きければ大きいほど混乱してしまって、もう単純な生物機能さえも把握できない状態なんだろうなっていう気がするよ。

 その混乱をさらに推し進める初等教育なんだよな。
 だからさ、今ちょっと落ち着いて、この生物の扱いにくい大容量の脳を、もう一度ゆったりと把握しなおして、その機能のうまい使い方を考えなくちゃいけないんじゃ
ないかなあ。そうそう、核以前に脳の平和利用ってところね。

――また脳を使っちゃいますね。

 仕方ないね。なにしろ脳ある生物なんだからさ。
 たださ、せっかくこの世に生まれ出たんだから、せめて互いを侵しあわない社会であってほしいなあと思うだけなんだ。

 俺は俺、君は君、彼は彼、彼女は彼女と、ただ単純に認めあえて、さて、お楽しみはこれからだ、なんていう具合になればいいのにね。

 欲しい方はぜひ手にしてみてください。

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計算だったら電卓がある、漢字だったらスマホでキレイに打てるよね、何で勉強してるの、今の人?/学ぶ意味があるのか、勉強する意味があるのか?

 珈琲を手に座った時、たまたま近くのテレビで不登校の子どもたちと、それに取り組む学校の様子が流れてきました。オールドメディアと揶揄されるTVだけれど、こういう重厚なものはYouTuberでは作ることができないでしょう。
 「今からはデジタルの時代だ、紙の本はなくなっていく」といわれて30年くらい経ちました。少なくなったとはいえ、紙の本がなくなることはありませんでした。
 オールドメディアだと貶されるものは、見る側を「この程度の連中だ」と考えてつくる番組などであって、人間や自然、文化に敬意を表して、これを伝えたいと真剣に考えている人たちが創ったものは、いつまでも新鮮な感動をよぶでしょう、負けないでください。

 閑話休題

 番組の中、ある女の子が不登校のきっかけを「先生が疲れている感じがわかって、教え方がイライラしていて、ときどき怖い顔をする、それで気分が悪くなったりして学校にいきたくないな、と感じ始めた」と話ていました。

 教員を長年続けていると、そういうことはあるでしょうから、全ての教師にとって気になる話です。とはいっても子どもたちは優しいので、一度二度でそういうことになることはほとんどありません。そういう日々が続くと、学校から遠ざかる子どもたちが出てくるわけです。

 その子は鋭くて「計算だったら電卓がある、漢字だったらスマホでキレイに打てるよね、何で勉強してるの、今の人? って感じだった」と話していました。
 小学生でこれだけシャープなことを考える、語ることができるというのは、やはり感覚的に他の子どもたちより進んだところが多かったのだと思います。それだけに先生のイライラが何倍も痛く感じたのでしよう。

 さてみなさんは、この子の問いに何と答えるでしょうか?

計算だったら電卓がある、漢字だったらスマホでキレイに打てるよね、何で勉強してるの、今の人?

「いやいや、たとえば漢字にも〈帰す〉と〈返す〉とかいろいろあるから、その意味に合った漢字にするには、やっぱり自分で勉強していないと困るんだよ」

                ですか?

 だとしたらA.I.が発達してほぼ99.9999%の確立で正しい漢字を出してくれるとしたら、もう漢字の勉強は要らなくなるということでしょうか。
 読む時には、今の時点ですでにかなり正しい読みをしてくれるサービスが出ていますから、読み方すら学ばなくてよくなってしまうのでしょうか?

 感動と結びつく学びが人間の可能性を高めていくのです。

 漢字の学習やかけ算九九が苦しくてもがんばれ、テストに出るぞ型の学習でなく、たのしさ・感動に結びつくものとして伝えることができれば、やはり学ぶ意義があります、学ぶたのしさがあります、そうやって育っていけば、人間の可能性はどんどん高まっていくでしょう。
 それは私たちのDNAに深く刻まれた〈たのしさ〉です。

 A.I.がやってくれるから要らない、程度の学習が横行していくとしたら、人間は新しいものを生み出す力がなくなっていって、困難な状況ならずっと困難なまま、治療法の見つからない病気は、そのままずっと見つからない、そういう停滞の社会になっていきます。

 これまで人間は困難な状況をどんどん突破してきました。

 そういう力を身につけるのはたのしさしかありません。

 〈たの研〉には楽しい学びのプログラム、楽しい食育のメニュー、楽しいエクササイズなど、たくさんの選択肢があります。興味のある方はお問い合わせください。

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実験すればわかるのにあまり実験しないこと/お札・お守りは効果があるのか? 占いは正確か? etc.

 知人から、最近のお守りは「健康安全」とかいうのではなく「心臓病に効くお守り」とか「高脂血症に効くお守り」etc. 病気の症状に合わせたものも出てきているのだという話を聞きました。

 それが本当だとしたら、すごいことになってきたと思います。そのうち「右の顔面神経痛に効く」とか「左の肺の病気に効く」というお守りも出てくるかもしれません。

 病気の治療に関しては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(旧・薬事法、現在は「医薬品医療機器等法(薬機法)」があって、効果・効能を偽った製品の販売や宣伝は違法になります。

 お守りは医薬品ではないから、それに縛られないというのでしょうか。

 最近ではやっと「霊感商法の被害者の方はご相談ください」という弁護士グループサイトも目にするようになりました。一時期の「消費者金融に多額の利子を支払った人たちのお金を取り返す」という活動が盛んになったように、今度は霊感商法のようなスピリチャル系にお金を支払った人たちのお金を取り返そうという活動が盛んになってくるかもしれません。

 そうなってくると「お守りは別だ」とか「1000円くらいだから被害を訴える人は出ない」とたかをくくってはいられない状況も出てくるでしょう、時間がかかるとはいえ、この流れは予想を立ててしっかり見ていく必要があると思います。

 とはいえ、こういうものにだまされない人を増やしていくのも教育を基本にしなくてはいけません。

 福沢諭吉の自伝「福翁自伝」には「庶民が信じていた神仏やお札の霊験は本当にあるのか」という実験をしたことが書かれています。

 諭吉は神社のお札を踏むとバチがあたるのか、という予想をして「実験」しました、もちろん諭吉はバチは当たらないと予想していたからそういう実験をしたわけです。たしか前半にあったと思います、興味のある方は調べてみてください。

 結局、特に変わったことは何も起こらりませんでした。

 諭吉はそこで終わらず、さらにひどい実験をします、下品な実験なので興味のある方は読んでみてください。

 もちろん何もおこりませんでした。

 お守りが効くのかどうかは、福沢諭吉のように実験してみるとわかるのですけど、なかなかそうする人はありません。
 ちなみに私いっきゅうは、その頃大ブームだった超能力の実験を1日かけてやったことがあります。念力では米粒より小さな紙切れ一つ動かすことはできませんでした。念力で1日かけてがんばっても0.1mmすら動かない紙切れは、小さなため息くらいの空気の力で飛んでいってしまいました。案の定、その後、スプーン曲げのインチキや、念力、念視のインチキは、いろいろな人たちが暴露し、マジシャンたちが似たような現象を見せて種明かしもしてくれました。そのきっかけとなったイギリス人はもともとマジシャンだったというオチもついていました。

 私のように自分の実験結果とそういう暴露話が加わると、その後、そういうことから騙されない人も出てきます。けれどほとんどの人たちは、なんとなくテレビ番組から流される情報や雑誌などの記事にふれるので「本当らしい」と考え続けることになるのでしよう。

 吉田兼好というお坊さんは徒然草91段にこういうことを書いています。
「赤舌日(しゃくぜちにち)という日があって、この日にあったことは最後には成就しない、その日に語ったことや、行った行為はかなえられず、得た物は失い、企ては失敗するという、なんて馬鹿なことをいうんだ。
吉日でも悪事を働けば凶、忌み日でも良いことをするには常に吉だ」と言い切っています。

吉田兼好・卜部兼好 横浜金沢観光協会のサイトに感謝を込めて参照

 そういう科学的・論理的な思考を広げていきたいものです。

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子どもの学力を伸ばす家庭学習の秘訣:効果的なサポート方法とは?(2)

 前回の続きです。「子どもの学力を伸ばす家庭学習の秘訣:効果的なサポート方法」それは、まず子どもたちが、それを学ぶことのたのしさを感じてくれるアプローチです。

「漢字を100回書きなさい」「計算ドリルを5分以内にできるようにしなさい」という指示型トレーニングで力が上がる子もいます、けれどその確率は低い。
 そうやって問題を解く力がついていっても、教師や親の強制に反発できる・拒否できる力がついてくると、従わなくなる子どもたちが増えていきます。さらに強い強制を与えると、大きな問題が生じるでしょう。

 家庭で試みるとしたら仮説社の「漢字の宝島」はどうでしょう、たくさんの子どもたちが楽しんでくれることは〈たの研〉でも実証済みです。

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 いろいろな教科、内容に応用できる〈マッキーノ〉という方法もあります。

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※本だけでは伝わらないこともあるので、興味のある方は〈たの研〉でレッスンするとよいと思います。

 いずれにしても「これこれをやるように」ではなく、例えば「これ、いっきゅう先生がたのしいよ、って言ってるんだけど、お母さんと一緒にためしてみない?/みんなで挑戦してみない?/自分でやってみない?」というようにすすめることです。

 このサイトの検索窓に「自由研究」と打つと、ヒントになるたのしい学習内容もたくさん出てくると思います、探してみてください。

 子どもたちの可能性がたのしく伸びていく、それがたのしい教育研究所の大きなテーマです。

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