楽しい教育&福祉『あつい つめたい のひみつ』@カロリックという粒の存在/楽しい科学史

 熱とは何か? それは人間が長い歴史をかけて向き合ってきたテーマでした。最近作成した『あつい つめたい の ひみつ』で熱の本質をとりあげ、小学校の低学年の子どもたちや特別支援学級の子どもたちが本格的な熱の科学をたのしく学んでくれています。

 25~30分あればたのしめるように作成したので、そこでとりげることができなかった面白い話がたくさんあります、一つ紹介しましょう。

 ラボアジェ(ラヴォアジェ)という超一流の科学者がいます、「科学の父」と呼ばれることもある人物です。以前、巨大レンズでダイアモンドを解(と)かす実験を紹介しました、それもラボアジェ(ラヴォアジェ)です。彼は『質量保存の法則』という科学の基本中の基本の法則を明らかにして、原子論の正しさを決定づけた偉人です。

wikipediaに感謝して引用

 そのラボアジェ(ラヴォアジェ)も「あつい つめたい」については間違った予想を立てていました。

 ラボアジェは自然界には《カロリック:熱の素》があり、カロリックが多いと熱く、少ないと冷たくなると考えたのです。

カロリックが増えていく(左)と熱くなり、カロリックが減っていく(右)と冷たくなっていく

 ではいったい、熱くなる冷たくなるというのはどういうことなのか?
 大人でも簡単には答えることができません。
 どころか、大学生や理科の先生にも難しい質問で、実際「やけどする」とか「汗をかく」というように《あつくなったらどうなるか》という現象を説明する人がほとんどです。※ここ2ヶ月くらいで100名くらいの人たちに聞いた結果

『あついつめたいのひみつ』は「熱というは原子や分子の振動によって生まれる」という熱力学の本質をとりあげています。本質的な内容は子どもたちにも大人にも歓迎されています。

 このことから「何だ、ラヴォアジェも大したことないな」と考えるはもったい無いことです。

 ラヴォアジェ(ラボアジェ)の話に戻りましょう。

 たのしい教育が子どもたちにも伝えているのは『間違った予想も重要だ』ということです。
 周りの人たち、後の人たちが
「本当にそうなのか? もしそうだとすると、こうなるはずなのに、ならないぞ」
と考え、新しい予想をもとに実験して、新しい発見が生まれるからです。

 科学というのはそうやって進歩してきました。

 そしてその方法でのみ、進歩し続けます。

 それと同時に「予想⇨実験⇨予想通りに行かない(間違い)⇨新たな予想⇨実験⇨ 」という過程は、とても楽しいということをたくさんの人たちに伝えていきたいと思います。

 たとえばラヴォアジェ(ラボアジェ)の「予想の間違い」も科学の進歩・人間社会の進歩にとって、大切なステップだったということです。

 そして「熱の正体」を明らかにしていく過程は、それを追求していく者たちにとってワクワクするくらいたのしい過程だったということです。

 ミステリー小説は楽しい、サスペンス映画も楽しい、でも科学上のミステリーは、小説や映画が描くどんでん返しを遥かに超えた謎を明らかにしてくれます。

「そうか、幽霊なんて存在しなかったのか~」とか「なにぃ、50mlのアルコールと50mlの水を足しても100mlにならないだと~」など、たまらない謎を明らかにしてくれます。

 〈たの研〉では福祉の場でも一級の内容を提供して、たくさんの方たちの可能性を笑顔で伸ばし続けています。一緒に活動してくれるみなさんを募集しています。

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〈たの研〉の教育&福祉活動の広がり/福祉はほどこしではなく笑顔の共有

 〈たの研〉の活動地図をご覧になったことがあるでしょうか? 赤朱色が、活動した地域です。

 沖縄県だけでなく、アメリカ・ハワイ州まで広がっています。実際に授業してきた東京なども入れようと思ったのですけど、図が複雑になるのではぶきました。県外からカウンセリングやSVを受けにくる方たちもいますし、オンラインで参加する方たちもいるのですけど、もちろん入っていません。
 大きな資本を持っているわけでもなく、大きなツテ・人脈をもとに活動しているわけでもない〈たの研/たのしい教育研究所〉が、これだけ活動の広がりをみせたのは「あれがダメだこれが悪い」というようなダメ出し(告発)ではなく「具体的でたのしい提案」をもとにしてきたからです。

 いろいろな取り組みの中、たくさんの相談を受けています。

 その中で気になるのは福祉の取り組みをすすめる側の人たちがもつ「自分(たち)がこんなにがんばっているのに」という意識です。教師にもよくあらわれる心の動きです。でも「がんばればよい」というのなら戦争だって肯定されてしまいます。

 福祉はほどこしではなく笑顔の共有です。

 〈たの研〉への相談で楽しく充実した福祉活動に向かって動いている方たちが着実に増えてきました。
 興味関心のある方はご相談ください。
 

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たのしい自由研究が とめられない@超簡単和紙づくり

 楽しい福祉&教育のイベント『自由研究まつり』が終わって、そこで盛り上がったプログラムはもう過去のものになっているかというと、然に非ず、たとえば和紙づくりの研究はどんどんすすんでいます。
〈たの研〉で捨てる珈琲の粉で和紙ができないかな?

 できましたよ。混ぜる紙ごみの量で色の濃さがずいぶん違います。
 

 香りが漂ってくることはありません。
 もしかすると挽く前の豆だとただようかも… 今度やってみましょう。

 沖縄のいたるところで目にすることができるギンネムという植物があります。

 和紙になるか?
 なります。
 繊維が強いので、他の植物と同じ工程だと凸凹がかなりはっきりしたものになります。

 ブーゲンビリアは和紙になるか?

 そのとおり、YES!

 今度はバナナとか、サトウキビでつくってみましょう。
 いっぱいたのしんでいるうちに「これは製品化したい」というものが出てくるに違いありません。
 たのしすぎてやめられない夏の日々です。

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楽しい福祉&教育〈自由研究まつり〉スズムシ編:鳴き声なの?

 楽しい福祉&教育のイベント〈自由研究まつり〉の反響が続いています。今回はさくら先生が担当してくれた『生き物で楽しく自由研究』のブースの一コマ、スズムシをとりあげましょう。

 これがスズムシです。
 

 鈴虫(スズムシ)はオスしか鳴かない、というのはご存知でしょうか。

 スズムシに限らず、昆虫たちで鳴くのはほとんどオスです。なぜかは自分たちで調べてみましょう

 これがスズムシが鳴いている時の様子です。

 これも知っている参加者が何人かいたのですけど、スズムシは羽と羽をこすり合わせて鳴いています。

 とすると「鳴いている」わけではなく《羽音を立てている》というのが正しい表現でしょう。
 これがスズムシが羽音を立てている様子です。

 科学が発達してやっと、昆虫たちは鳥や人間たちのように喉から声を出しているのではない、ということがわかるようになったわけです、すばらしいことです。

 以前はそういう違いはわからなかったわけですから、鳴いていると感じたのはしかたないことでしょう。

 きっと「どうして鳴く時にはきまって羽を開いて震わせているのだろう?」と不思議に感じた人が
「鳴いているけど口はほぼ動いていない」
⇨「とすると・・・」
 と考えをすすめていったのは自然の流れでしょう。
 だいぶ以前に、たとえば江戸時代にはすでにそれに気づいていた人たちがいたような気がしませんか?

 私の好きな古典の中に「虫愛(めず)る姫」という話があります。そこには羽をこすっているというような話はありません。平安時代の人たちは声のように感じていたわけです。

 江戸時代でもまだそれがわかったような記録がみつかりません・・・

 ファーブルさんは『昆虫記』第1巻「モリコオロギ」の章に、羽をこすって音を立てていると書いてあります、1879年に刊行ですから、日本でいうと明治初期です。

 日本でもそれが広がっていったのは明治ごろからのようです。

 見れども見えず、聞けども聞こえず…

 時々書いてきたように、人間は予想を立ててものごとをみていかないと、真実は見えないということでしょう。

 スズムシの反響が大きかったので、すこし詳しく書いてみました。
 ご意見ご感想、お待ちしています。

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