賢治さん(宮沢)の手紙@心を伝える

 賢治さんのことをメルマガに書いたら、丁寧な感想をいただきました。その中で、私が好きな賢治さんのことばを紹介したので、ここに書きたいと思います。
 賢治さんが教え子に返信した手紙の後半を切り取ったものです。
 味わい深いことばだと思います、読んでみてください。
              ※私が行変えし、句読点をあえて省きました

風のなかを自由にあるけるとか

はっきりした声で何時間も話ができるとか

じぶんの兄弟のために何円かを手伝ヘるとか

いふやうなことは

できないものから見れば

神の業にも均しいものです

そんなことはもう人間の当然の権利だ

などといふやうな考では

本気に観察した世界の実際と余り遠いものです

どうか今のご生活を大切にお護り下さい

上のそらでなしに

しっかり落ちついて

一時の感激や興奮を避け

楽しめるものは楽しみ

苦しまなければならないものは苦しんで

生きて行きませう

  1933年(昭和8年)9月11日

   柳原昌悦宛て

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893225131/episodes/1177354054893227351

 日付に注目してみてください。

 1933年9月11日とあります。

 賢治さんは1933年9月21日に37歳で生涯を終えました。

 それを知ると「風のなかを自由にあるけるとか はっきりした声で何時間も話ができるとか」という言葉の重みが強くなります。

 今でこそ童話作家として有名な賢治さんですけど、生きている時に評価されることはありませんでした。

 そういうことも感じながら、賢治さんの作品に触れてみませんか。
 青空文庫で一つひとつ開いて読むこともできるのですけど、一冊にまとまった電子書籍(kindle)も販売されています、ここ数日以内なら198円のようです。

https://amzn.to/4514Cft

 

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花の形に目をつける ペディランサス・ダイギンリュウ@たのしい理科,たのしい野山散歩

 よくいく散歩道に、いっぷう変わった雰囲気の植物があります、これです。
 多肉植物の種類で「ペディランサス」と「ダイギンリュウ」の両方の呼び名があります。

 先日、歩いている時に、花が開いているのみつけて、何かの間違いかと思ってしばらく観察していました。

 まるで赤い顔の鳥のように見えるんです。

 花の部分をアップしてみますよ。

 

 これまでいろいろな花をみてきたけれど、まだまだ出会ったことのない形、不思議な形があるんだなぁ、と嬉しくなりました。

 以前「花の形に目をつけよう」というミニプランをつくりはじめたのだけど、その作成もたのしみになってきました。

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板倉聖宣『科学的とはどういうことか』の紹介③/読者の方の要望に答えて

  霊視、透視、予知能力など〈超能力〉についての科学的な見方・考え方〈第三回目〉です、ここで今回の内容は一区切りとします。未読の方は二つ戻って読み始めてください。出典は板倉聖宣著『科学的とはどういうことか』仮説社 です。気に入った方は、ぜひ入手してください。子ども大人を広く対象にした本で、私が学校で子どもたちに紹介した内容の一つです。

⇩クリック

 X線の発見以後、科学界では、じつにたくさんの大発見が報じられた。日本でも、のちに京大教授になった村岡範為馳が「渣蛍線」の発見を報じた。
 蛍の出す光をボール紙で渣すとX線類似の放射線が出るというのである。しかし、その酒蛍線の発見を含めて、大部分の大発見はあとがつづかず、まちがいとされた。そこでレントゲンは、「大発見」のニュースをきくたびに機嫌を悪くするようになったという。
 なぜ、客観性を誇りとする科学者までが、そういうたくさんのまちがった大発見を報ずるのか。それは、たいていの場合、功をあせりすぎるからである。X線発見直後の「大発見」のラッシュがそうである。長岡の水銀還金成功の発表も、ドイツでの水銀還金実験の成功の電報をうけてあせって行なわれたものである。

 昨年の超能力事件で一部の電気通信学者がスプーン曲げ超能力の真実性を支持したのも「外国でそういう研究が進んでいる」という情報にあせった結果と見ることもできるだろう。
 科学者たちも大発見の功をあせりすぎると超能力者同様になるのである。

 19世紀の末、フランスのノーベル賞化学者モアサンは人工ダイヤモンドの製造に成功したと発表したが、これはご本人の没後、そのまちがいのからくりがはっきりした。未亡人の発表によると、「助手がその仕事にうんざりし、先生を喜ばせてやろうと思って実験材料の中にこっそりダイヤモンドの粉をまぜておいた」ことがわかったというのである。科学の世界でも超能力の世界と同じようなインチキの行なわれることもあるわけだ。しかし、だからといって科学は全体としてはごまかされることがない。それは科学には「追試ができなければダメ」という大原則があるからだ。
 ところが「超能力の実験(予言)成功」などという話になると、はじめからまるでそそっかしいから、その真実性をまじめに論じるなんて気にもなれない。
 今度の美和ちゃんの所在透視事件にしてもそうだ。昔から「失せもの占い」というものがいろいろあって、それが見事「当たった」と思われたことが少なくない。

 

 それは、一つには偶然にもよるが、一つには「当たった」と思わせるやり方がうまいからであり、もう一つには下工作があるからである。

 板倉先生の話はここまでにしておきましょう、興味のある方は入手してくださいね。上の本の画像をクリックするとジャンプします。

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板倉聖宣『科学的とはどういうことか』の紹介①/読者の方の要望に応えて

 以前紹介した〈板倉聖宣著『科学的とはどういうことか』仮説社〉について、もう少し中身を知りたいという要望が届いています。有料メルマガでは詳しく紹介したのですけど、このサイトでは別な部分から紹介してみましょう。
 気に入った方はぜひ入手することをすすめます⇩クリック

 板倉聖宣先生はおそらく科学の本、科学的な見方考え方に関する本を日本で最も多く書いていると思います。膨大な著書の中で、この『科学的とはどういうことか』は小学校高学年の科学に興味関心を持った子どもたちから中学、高校生、そして大学生大人まで幅広い読者を対象にした科学入門の本です。
 板倉先生の本はどれも読みやすいのですけど、この本は幅広い年齢の読者を想定しているので、その中でも特に読みやすく書かれています。

 メルマガで紹介した内容に少し手を入れて、半分くらい紹介します。

いっきゅう筆

 みなさんは霊視などをはじめとする、いわゆる〈超能力〉を信じているでしょうか。

 ア.超能力は確かにあると信じている

 イ.もしかすると超能力というものがあるかもしれないなぁ、と思っている

 ウ.超能力はおそらくないと思う

 エ.超能力はぜったいにないと思う

   どうしてそう思いましたか?

 霊視のように未来のことを予知するという能力といえば、占いもそうですね。
「A型の方は赤系の服を着けると幸せが訪れます」的な占いが公共のテレビで流れていることには何とかならないのかと思っているのですけど、みなさんはどうでしょう。
 A型の人たちは何千万人もいて、その中にはラッキーなことがあった人もいるため、うやむやになってしまいます。
 けれどたとえば「心臓病で苦しんでいる人たちは赤系の服を着ると良いことが起こります」なんて語る勇気のある占い師はいないでしょう。だってそれは何の根拠もない作り話だからで、医学界からの逆襲にあい、商売が成り立たなくなるでしょう。だからそういうように正否がハッキリするステージに立つことはありません。
 そういうことに目くじらを立てるのは大人気ない、占いなどの未来予知は、遊びとしてつきあえばよい、と思っている人たちは、そういう情報にさらされていく中で本当にそれらを信じてしまい、いろいろなグッズを買ったりしていることを知らないのでしょう。本屋さんに行けば、そういうスピリチュアル系の本がたくさん出版されています、遊びでなく本気で信じている人たちがたくさんいるという証でしょう。
 未来予知を超能力だとすると、科学はかなりの超能力を与えてくれます。〈10年後の5月29日12:00にハレー彗星がどの位置にあるか〉ということも正確に予測することができます。もちろん隕石が衝突して軌道を変えてしまう可能性はゼロではないとはいえ、その計算はかなり的確です。DNA検査で「あなたは20年以内に心臓病を発症する危険が70%あります」という予測ができます。そして「今から脂質を減らして一日一時間程度の運動を取り入れてください」という具体的な解決策を提示することもできます。
 やはり庶民が頼ることができるのは「科学」しかないのだと私は思っています。

 板倉先生が「超能力で行方不明の少女の死体が透視されて発見された」というテレビ番組について書いた話があります。
 メルマガで随分前に板倉先生の「私の新発見と再発見」から《超能力と私》という話を載せました。けっこう反響があったのを覚えています。今回はそれとは別な話です。

 何回かに分けて紹介しましょう。

「超能力であたった」という話 
追試ができなければ科学にはならない

板倉

 スプーン曲げ事件から一年、1976(昭和五十一)年5月のことです。こんどはNETテレビが「超能力で行方不明の少女の死体が透視されて発見された」と大騒ぎを演じました。少女の死体発見というのですから、新聞やテレビもそれをニュースとして流さないわけにはいきません。そこでこのニュースは一度に有名になりました。
 NETといえば朝日新聞社系のテレビ局です。ユリ・ゲラー、スプーン曲げ事件のとき、そのトリックをあばく主役を演じたのは朝日新聞社の「週刊朝日」だったから話は少しややしくなりました。その事件がテレビや新聞紙上をさわがせていたとき、私はちょうど出張中で、その新聞も見ていませんでしたが、研究所に行ってみると、またなにやら超能力の話題で人々がさわいでいます。

 そのうちに『週刊朝日』の記者の人から電話がかかってきました。「これについてどう思うか、意見を書け」というのです。それで、その記者のほか何人かの人からくわしい事情をきき、新聞にのった記事を見ました。それらによって事件のあらましを説明するとこうなります。
 NETテレビのバラエティ番組「水曜スペシャル」では、視聴率を高めるため、オランダの「透視術者」クロワゼット(67歳)を招きました。この超能力者は、とくに行方不明になった少女の行方を透視する能力があるというので、実際にためしてみようというのです。

 そのとき、当時行方不明になっていた美和ちゃんは「自宅近くの湖面、黄色いものが突き出た、ボート置き場の近くに死んでいる」と「透視」され、NET取材班が現地に行って、5月5日午前5時半ごろ、美和ちゃんの死体を発見したというのです(ただし、この話、どこまでが本当の事実なのか保証の限りではありません。

 

続きをおたのしみに!

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