楽しいアウトドア・サバイバル感覚@舌という強力なセンサー/中谷宇吉郎のエッセイから

 日照時間が最も短い日を通過した、嬉しい冬越しの日々、好きな中谷宇吉郎の随筆をあじわっていると、「あ、ここに書いてあったのか」と長年たずねてきた文章に行き当たって喜んでいます。

中谷宇吉郎(右)と湯川秀樹/雪の科学館に感謝して参照

 『室鰺/むろあじ』というエッセイの中にありました、どうりでタイトルから探そうとして見つからないはずだ。

 私たち人間を含めて多くの動物は、初めて出会ったものを手にして「それが食べることができるのか、食べてはいけないものなのか」知ることができます。

 原始時代であっても親が教えてきたいろいろな情報があるでしょう、それらに加えて〈見た目〉〈手触り〉〈匂い〉〈軽く噛んでみる〉などいろいろなフィルターが準備されています。

 『室鰺/むろあじ』という随筆で中谷宇吉郎は、こう書き始めてあと、後半に

 伊豆の東海岸のこの温泉地では秋風の立ち始めるとともに、また室鰺が沢山漁れ出した。去年の秋の暮、少し静養の意味で、漁港と温泉とを兼ねたここの土地へ移ってきてからもう一年に近い。初めてきた時はちょうど室鰺の盛りの時期であった。通りに面して魚屋の店先には、小鰺と、室鰺との干物が一面に並べられて、秋の陽を一杯に受けながら行儀よく並んで乾されていた。それがいつの間にか段々少くなって行く中に春がきて、今また秋とともに室鰺の大群がここの海にかえってきたのを見ると、季節の移りかわりがよく感ぜられる。

 こう書いています。

 私はいわゆる食通といわれる人々の味覚を真似る気持はないが、ただ虚心に味わって見るとこういうような味の差が案外明瞭に分るような気がするのである。

 人間の舌が極微量の複雑な物質に感ずる感度にくらべては、今の精密器械などはまだまだ子供だましのようなものであろう

 中谷宇吉郎がこの文章を書いたのは1937年/昭和12年、第二次世界大戦が始まる前のことです。かなり昔だと思うかもしれません、でも〈電子顕微鏡〉もありました。光のスペクトルを測定する〈分光計〉もありました。
 放射線を測定する〈ガイスラー計数管〉もありました、X線(レントゲン)を照射して物質の結晶構造の解析もしていた時代です。

 その中で、私たち人間の舌が持っている〈極微量の複雑な物質に感ずる感度〉に比べると精密器械は子どもだましのようなものだ、というのです。

 中谷は、別のエッセイで「私たちの舌は精密機械では検出できないような極微量な物質の存在を検知する力がある」という話もしてくれています。

 それはまた項を改めて紹介しましょう。

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琉球の地図 300年くらい前の姿/無料で利用できます〈国立公文書館デジタル資料〉

 国立国会図書館や国立公文書館では著作権の切れたものを中心に無料で閲覧、印刷できるコンテンツをたくさんそろえていて、「私たちの税金で嬉しいことをしてくれている」という感じがします。
「私たちの税金で建てた公共施設なのに、なかなか利用できません」という相談があったりして残念な思いをしていたのですけど、こういういい仕事をどんどん増やしていってほしいものです。

 さて今回は300年くらい前の琉球の地図を紹介しましょう、国立公文書館が公開している「元禄国絵図/げんろく くに えず」の中に入っています、江戸幕府が1700年ごろにまとめた地図です。

 今から300年前の地図というのは、現在の最新の地図と比べてどれくらい似ているのでしょう?
 かなり形が違っていたり縦横の比が違っていたりするのでしょうか。
 みなさんはどう思いますか?

 これが300年くらい前の地図です、どうですか?
  全体的にみて、かなり現在の地図に近い形を描いていることにおどろいたのは私だけでしょうか?

 拡大してみていくとおもしろいことをいくつも見つけることができます。

 平安座島などもしっかり描かれていることは当然として、勝連半島から平安座島までは「干潟」と書かれています、潮が引くとこれだけ長い距離を歩いて渡ることができたわけです。
 もう一つ、達筆で読めないところもおおいのですけど「平安座」という名前はこの頃からあったわけです。

 勝連半島の根元には「具志河間切」という言葉も見えます、具志川(河)という名前はこの頃から定着していたわけです。

 今の那覇市あたりはかなり広い湖状態だったこともわかります。
 海と繋がっているので、海水が入り込んでいたのでしょう。
 海の魚もとれたのだと思います。

   
 みなさんも自分で開いていろいろ眺めてみませんか。

 ⇨ https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0301000000/0000000232/00

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何で化石が生きているの?/最新のメルマガから@たのしい理科

 最新のメルマガ『たのしい教育研究所の日々』の一コマとして載せた記事にさっそくいくつかのお便りが届いています。

 その項を紹介しましょう。

 教師を退職して自治会長さんをやっている友人Mさんから

「いっきゅうさんシーラカンスの魚拓もらう?」

という話があって

「もちろん」

と応えたのが先週のこと。


 今週Mさんがそれを手に〈たの研〉に顔を出してくれました。

広げてみたらタタミ一枚くらいの大きさのシーラカンスの魚拓です。

シーラカンスは「生きた化石」として知られる深海魚です。

子どもの頃〈生きた化石〉という言葉を聞いて私が感じたのは大きな違和感です。

「どうして化石が生きてるんだ、おかしいでしょ!」

 読者の方の中にも、その時の私の感覚を共有する人たちもいるのではないでしょうか?

ということで〈生きた化石〉という言葉について少し説明しましょう。

 もともとシーラカンスはヨーロッパ・アフリカ・アジアなどいろいろなところで化石が発見されていて、恐竜たちより古い時代に生きていた生物として知られていました。
 ところが今から90年くらい前(1938年)に生きて泳いでいるシーラカンスが南アフリカで発見され、大騒ぎになりました。

 その後、いろいろなところで見つかっています。
 これもその一つです、ダイビングのサイトにあった写真を参照させていただきます。

https://oceana.ne.jp/oversea/56153 に感謝して

 シーラカンスは恐竜より前の時代から生きてきて、恐竜絶滅後もほぼ姿形を変えずに、種を保持し続けてきました。

 そういう意味で〈生きた化石〉と言われるようになりました。

それより「絶滅せず恐竜より長く生きてきたシーラカンス」というのはどうでしょう。
 もっといいアイディアがあったら教えてください。

 〈たの研〉の会員の方たちは2泊3日程度でレンタル可能です、気軽にお問い合わせください。

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今年最後の満月の夜 気持ちよく歩く! @たのしい環境教育

 たのしい環境教育が、今の困難な環境状況を突破するカギです。身体に火がついて皆が火傷しながら動き出す時には完全に〈 point of no return /ポイント・ノー・リターン〉、もはや元にもどれない状況 でしょう。

 たのしい環境教育のプログラムはとてもたくさんあります、シンプルなものが、このサイトでもよく紹介している 野山さんぽ です。

 歩くことは環境保護につながります。
 何しろガソリンを使わない。
 その上、排気ガスを出さない。
 家にいる時のようにエアコンも使わない、テレビもつけない。
 もちろんスマホのスイッチは入っているけれど、それは家にいても同じ。
 汗を書いて洗濯もするけれど、増えても0.1~0.2くらいでしょう。
 健康になることで、それを治すために使われる電気や薬、労力なども削減できます。
 さらに自然が好きになることで、植物を大切にするようになります。
 もちろん環境が悪くなっていくことを敏感に感じて、何とかしようという気持ちが高まる人も出てくるでしょう。
 まだまだあります。

 さて昨日のこと、今年最後の満月の夜、とてもたのしく歩きました。
 野山ではなく〈たの研〉から自宅まで。
 ショートでいくと6kmくらいですけど、あえて遠回りして8kmくらいの距離を夜景と月、星空をたのしみながら。

 あいにく雲がたくさん出てきたのですけど、ときおりこうやって隙間から満月が姿をみせてくれます。

 右上に、月の輝きにまけずに輝いている星がありました。
 これだけの光の近くで輝くのは、水金地火木…の〈惑星〉でしょう。

  調べてみたら木星でした。

 夜に歩くことは簡単にはおすすめできませんけど、いつか〈たの研〉で「夜ウォークの楽しみ方ワークショップ」を企画したいと考え始めています。

 寒くなりました、みなさん元気に自然をたのしみましょう!

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